第28回釧路盆栽展

　朝から何時降り出してもおかしく無いほどの天候だった。今日を逃せばこの後三日ばかり、雨が続く予報が出ていたから、少し無理してでも歩きに出ようかとも、思い迷っていた矢先のことである。元同僚が電話で、市の盆栽展が市民文化会館で開かれている事を知らせて呉れた。
　それは彼が、私の盆栽への興味を覚えていたからである。普段は歩きに出る度毎にカメラを手にして自然の草木を相手にしているから、偶には屋内の人為的に造られた物も悪くは無いと早速く出かけた。

　「盆栽」は「歌舞伎・能楽・茶の湯」などと同様、古来より今に受け継がれて来た日本の伝統文化の一つである。とかく盆栽は老人の世過ぎ身過ぎの手慰みとして軽く見られて来たが、それが今では全く見直されて、結構若者の間にも人気があって広く広まりつつあるという。更に「ＢＯＮＳＡＩ」と呼ばれて広く海外にまで知られているほどである。

　一つの対象物を己の観照意識のままに、ある時には曲げ撓めそして削りまた誇張して、それを小さな器の中に収め自己の壮大な宇宙を創り上げることにあるらしい。さればこれらの盆栽の一つ一つに作者の宇宙が存在するわけで、徒疎かには出来ない。次の写真は展示会場から、敬意を表し心してカメラに収めて来たものです。
カラマツ(落葉松)

エゾマツ(蝦夷松)

マガシワ(真柏)

サツキ(皐月）

マガシワ（真柏)

ミヤマキリシマツツジ(深山霧島躑躅）