ポテト姫の気まぐれ雑記 part2

つれづれなるままに、気ままに綴るエッセイ集

民謡「おてもやん」の話

2023-04-02 | 音楽話
 先日行った「大洗音楽祭」にて、若手民謡ユニットの皆さんによる「おてもやん」が強く印象に残っていたので、次の「うたごえ広場」のメニューに選曲しようか?と、色々と調べてみました。(^-^)

 昔から、よく耳にしていた曲ですが、いざ、自分で歌ってみようと思うと、難解な?箇所が多々ある曲でもあります。(・・;)

 まず、楽譜がないか?と、手持ちの資料を当たってみても、結局見つからず、なんとか「歌詞」だけ見つけました。
 それを書き写し、その後、ネット検索で見つけた「歌詞」と見比べて、間違っている箇所がないか? チェックして、「歌詞」に関しては、「清書?」が完了しました。(^^)
 今は、こういう「調べ物」に、ネット検索が出来るので、便利ですね。


 まず、「1番」の歌詞を検証してみると、「御亭どんが ぐじゃっぺだるけん まあだ盃ゃせんだった」とあります。
 「盃ゃせん」とは「結婚式を挙げていない」という意味なのはわかりますが、「ぐじゃっぺだるけん」という意味を、私はずっと「違う意味」に捉えてました。(^^;
 というのも、我々の使う「茨城弁」には「ごじゃっぺ」という言葉があり、それと同じかと思っていたわけです。(^^;
 茨城弁の「ごじゃっぺ」とは、「いいかげん」「間違っている」ことや、そういう「人」のことを指します。

 でも「おてもやん」の中の「ぐじゃっぺ」とは、「顔」のことで、「疱瘡の跡の残った、あばた面のこと」を指すようです。

 ここでの「歌詞の意味」は、「結婚話の件は、役人さんなど、偉い方々が居てくれるので、その方たちが「なんとかしてくれるだろう」…みたいなことのようです。(^^)
 そして、場面は変わり、「賑やかな?‘川端町‘に行ってみましょう!」と続き、たぶん「平凡な男衆のこと?」を云っているような「春日(かすが)南瓜(カボチャ/ぼうぶら)どんたち」が、「尻引っ張って、花盛り」…と続きます。
 
 この歌は、元々は、花柳界の芸者さんたちが歌ったり、踊ったりする「お座敷歌」として使われていたそうなので、「お酒の席」の「盛り上げ役」として、「お色気系」「下ネタ系」の要素を含むと、想像出来ます。(^^;

 その後に続く「ピーチクパーチク…」の後、「ゲンパクなすび」ですが、私はつい「ゲンバク(原爆)」?と考えてしまいましたが、これは「ゲンパク」=「杉田玄白」が勧めた?という「ゲンパクなすび」のこと、或いは「イガイガな形」の「朝鮮朝顔の実」のことでは? とのことです。(^^)
 いずれにせよ、「語呂のユニークな、単なる掛け声」とか、「見た目の良くない、男性たちのこと」を云っているのかも? という説が多いようですネ。

 ここで、この曲について、調査&研究の末、本を出版された「小山良」氏の説明によると、この曲には「作者」がいて、それが「永田イネ」という方。この方は、幕末頃は、由緒ある「味噌」などを扱う商家の娘さんだったけれど、その後の「明治維新」への流れで、商売が厳しくなり、4歳から「芸の道」へ進み、「箏・三味線・踊り」などの師匠として、18歳で独立された経緯の持ち主だそうです。

 そして、「おてもやん」の「モデル」では? と考えられる女性もいるそうで、その方が「富永チモ」さん。
 この方は、小作農家の娘として生まれ、その後、若い時に両親を亡くされて、しかたなく、妹と2人、料亭の下働きをして生活をされていたそうな。
 この「チモ」さんは、「イネ」さんよりも、歳上ですが、やがて、「イネ」さんの「教室?」の近くに住むようになり、「友人関係」になったらしい…とか。(^_^*)


 「2番」の歌詞では、「山」を3つ超えた辺りに、「好きな人」がいるけれど、「女の方から」は言えない…。という話になってきます。
 そこで、「彼岸の頃」になると、お寺にて「夜聴聞(よじょもん)」が開かれて、多くの若者たちも集まるので、そこで、その方と「話しがしてみたい」との流れのようです。(^.^)
 その「夜聴聞(よじょもん)」とは、お坊さんの説教などを聞く集まりらしいですが、若者たちの「出会いの場」でもあったらしいですネ。

 そして、この「おてもやん」は、男性の「見た目」よりも、持っている「銀金具の煙草入れ」に惹かれたそうで、そういう「センス」に惚れるのか? はたまた「懐具合」に惚れるのか? 疑問ですね。(^-^)
 残りの歌詞は、やはり「調子の良い、お囃子」でしょうか?


 更に、「歌われる」ことは少ないようですが、この曲には「3番」の歌詞も存在するようです。(^^)
 でも、前述の「小山良」氏の解説によると、これだけ「方言」などが出てこないし、明らかに、「1番、2番」の歌詞とは、雰囲気が違っているので、ある程度「時が経ち」、色んな人生経験を積んだ後の作者が、「後付け」したものでは? との話ですね。
 でも、「人生の応援歌」的な雰囲気になってますね。(^。^)

 ということで、私なりに「大体の意味」は掴めた感じなので、今は、頑張って、「耳コピー」による「楽譜書き」に取り組んでいるところです。^_−☆


 この曲は、その後「芸者歌手」の「赤坂小梅」氏の歌でレコーディングされ、発売されたところ、「大ヒット」となったそうです。(昭和10年、25年)(^^)
 でも、「方言」を、少しアレンジして歌ったらしく、地元民の方々からは、少し「不評を買った」…との情報もあるそうな。♪( ´θ`)

 「民謡」の場合、必ず?「お囃子(はやし)」が入ることが多いですが、この曲の場合は、「お囃子」に当たる部分が、まるで「セリフ」のように「長く」なっていて、「歌詞が続いている」感じがします。(^^; (「歌詞」の中で、一段下げて書いてある箇所が、その「喋る」部分です。)
 私はふと、「何かに似ている」と感じ、考えてみて、閃きました。(^.^) 
 そうだ、「ラップ」に似てるんだ…。
 「リズムに合わせて‘喋る‘」部分がある曲。
 この曲が、昔から人気なのは、この「調子の良い」ラップみたいな部分があるから…と言っても、過言ではないのかも? と、勝手に思った次第です。^_−☆


コメント (2)
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