memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

震災後の日本市場とベトナム

2011-05-01 08:52:48 | 東北地震津浪災害 3.11
先月の震災と津波からの日本の復興は、ベトナムの輸出業者にとっては輸出の機会を与えるだろうが、それが可能かどうかは疑問でもある(4月15日TNN VETNAM)

専門家は輸出業者が様々な問題をかかえていると指摘する。原材料の不足、生産のための資金、きびしい品質基準への対応などがその理由である。こうした要因が日本復興の機会にあたえられた機会を阻害しているという。日本は多くの産品、食料、衣類、家具や木材製品を輸入するであろうとみている。

「水産物の需要は供給よりも大きいであろう、仙台の多くの水産物加工業者は被災し、在庫を持たない」と国家水産物会社の副専務理事Le Cong Ducはいう。「日本は製品輸入を増やすに違いない」と。原発からの放射能漏えいを恐れ、日本の消費者は地元の水産物を食べることを恐れている」 「日本の取引先からは製品の出荷を急ぐようにと言ってきている」という。
家具メーカーConstreximの販売部門のチーフVo Ta Tuan,は彼の会社は昨年は日本との取引はなかった。しかし、いくつかの取引先からは災害の後引合が来ているという。 「我々は契約の交渉中であるが、すべて順調である。客先に対していくつかのサンプルも作る予定である」という。以前は木製品をベトナムから輸入していた。しかし現在は半製品を買い付け自分で組み立てる」とTuan氏は言う。

ベトナム木材林業製品協会のNguyen Ton Quyenは「日本の木製品の需要はかつては大きかったが、増加が見込まれる。このため我々は日本御ベトナム大使館の商務部とともにどのような製品が必要かを調べ、市場参入の情報を協会メンバー会社に提供する」
農業地方開発政策戦略研究所のNguyen Dinh Longはかつてはベトナム米の輸出は難しかった。その理由は品質基準が厳格であるためという。「米需要の増加があればこれを機に市場に入れるのでは」と。

<たくさんの困難>
ベトナム国家水産物会社は現在原材料の供給が潤沢でない。理由は北部地方における冬場の天候不順であるという。国内における燃油価格の上昇も漁業者の活動の妨げになっているという。「原料供給の制約から年初以来、日本の取引先と値契約ができていない」彼の会社では材料供給の増加に努めているが、これは日本市場向けのみの問題ではないと。「燃料から原料まで仕入れ値が上昇、しかし我々の売値は上がってはいない。このため市場への輸出が非常に困難である」 日本は彼らにとってエビやイカを中心に製品の5~6割を占めている」
ConstreximのTuna氏は日本向けの輸出価格は上昇するだろう。しかし仕入れ価格の上昇を補うものではない「日本の会社は値上げを認めるであろうが、そう大きくはないだろう。彼らは取引先に対して彼らの災害に乗じた過度の値上げは認めないであろう」仕入れコストの上昇は主にベトナムドンと米ドルの為替レートによるものでありまた金利の影響もあるという。彼の会社のほとんどの木材原料は輸入物であるという。「金利が19~20%という状況では利益を生むことが難しい。我々は損失を回避するだけだ」といい「我々の木曜はマーケットシェアを維持することだ」

一方,中部地区Khanh Hoaの衣料会社の役員は彼の会社は日本御市場に興味はない。その理由は要求基準が厳しく価格が安いからだと。「日本の取引先からの注文はある。しかし契約していない。数量も少なく、製品の要求基準が極めて高い、が価格は安い。だから利益が出ない。よって我々は米国や欧州からの注文を受けている」

ベトナムと日本の双方向の貿易は24%増加、2010年には160億米ドルとなった。ベトナムは対日輸出金額で48億米ドルになり24%増加したと貿易産業省はいう。日本は米国に次いで第2位の輸出市場であり、ベトナムからは食品、衣料、履物、木製品を輸出している。