memories on the sea 海の記録

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トロール操業の禁止

2011-06-30 13:42:31 | 水産・海洋
アラビア海での魚類資源の存続のために最も大切な努力として1.5か月に及ぶトロール禁漁がケララ州水域で火曜日深夜から実施される。(6月14日HINDU)

およそ4000隻の漁船が“モンスーン休漁”をおこない今回は47日間に及ぶ。ここには3980隻のトロール漁船と100隻のまき網漁船があるがこの期間はこの期間は港に留まることになる。幅22㎞のケララ水域は禁漁となる。この期間は伝統的な漁船(カヌーにエンジンを付けたもの)だけ操業は許可される。この除外措置は以前のLDF政府の決定によるものである。
地区行政機関は禁漁の実行という課題がある。この措置はほとんどの漁業労働者組合と漁船の船主が合意したものである。ここでは24時間体制で当該海域に入る船の監視を行う。漁船への給油も閉鎖される。トロール禁漁の期間は漁業やその関連業務にたずさわる漁業集落にとって、いつもの収入がなくなる厳しい期間である。

禁漁時期には海に出る漁民のみならず、魚の加工や製氷、魚の販売に携わる者は仕事がなくなる。このため禁漁期間に政府は無償の食糧やその他の社会的支援を行う。モンスーン禁漁はケララ州では4半世紀前から行われる最も重要な地元政府による海の保護政策である。現在では沿岸諸州は毎年の漁業の休日を設定しているが、ケララ州のように効果的に行っているところはない。

この禁漁の背景の科学的論拠は、モンスーン期間はケララ州で漁獲される魚の再生産の時期にあたる。トロール網は海底をくしけずり、その範囲にあるものすべてを捕捉する。何百万という生まれたばかりの稚魚、卵などが捕捉されてしまい成熟に至ることはない。このため、魚資源は先細る。トロール網が使用されないこの期間の稚魚は陸から海に流れ込んだ微小有機物による十分な栄養源を得て成長ができる。
トロール禁漁はケララ州で1988年に始まった。科学的調査により禁漁が魚の資源保護に有効であることが認められている。地元漁業集落は禁漁の知恵を受け入れている。

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