完全無欠な「もうすぐ前期高齢男」日記

「もうすぐ前期高齢男」に進級「老いの自覚」を中心にUpしていきます。

「池波正太郎の銀座日記(全)」読み終わりました  ~日記つけてる?~

2006年12月03日 | Weblog
私は中年である。
ダイエットをしている。続けているのは「ぶどう酢を飲むこと」
「半身浴40分」「主食を玄米に」「ダイエット日記をつける」
そして「毎朝の体重・体脂肪計測」・・・毎日計っても、全然減って
いないのはくやしいねぇ・・・。という「中年」である。

さて、日記をつけている人は多いと思うが、実は私もつけている。
若いときは全くの「三日坊主」でほとんど続かなかった。
お金がないから、大学ノートに書き初めてだいたい3ページ書ければ
いいほうだった。

若いときは、日記をつけることの意味が分からなかった。
そんなとこより「今」や「明日」のことが大切で心配で・・・。
日記を読み返すことなどありえなかった。

それがいまは日記を書かないと気持ちが悪い。3年連用の日記を使って
いるので、昨年・一昨年の「今日」の日記を読んで「今日」の記事を
書いている。

これが面白い。本当に面白いのだ。

私にとって「若い時」は、「恥ずかしいこと」だらけだ。日記においては
字は汚いし文もメチャクチャ。更に書いてある「行動」が恥ずかしいこと
恥ずかしいこと・・・。

そんな私がはっきりと、書き残しておき始めたのは「恋日記」である。
逆に恥ずかしすぎて書けなそうなものだが、薄い手帳に毎日毎日
びっしりと書いていた記憶がある。

それをきっかけに「今の自分」を、書き残しておくことの意味を
重く考えるようになった。

そして、その頃はじめて

     「池波正太郎の銀座日記(全)」

                  を読んだのだ。

日記をどういうものと考えるかはむずかしい。考え方によって
単純な「行動記録」にする人もいるだろうし、逆に「頭の中の思考」を
中心に書く人もいるだろう。

ただ、私の場合この本を読んでから、自分自身が「いつか読む」ことを
前提とするようになった。

池波正太郎といえば「鬼平犯科帳」「必殺仕掛人」「剣客商売」の
3大人気時代小説を世に送り出した人気作家であるが、私はこの人の
小説があまり好みで無い。

ディティールにこだわった細かい描写や、人情厚い江戸の風景などは
私などにとって随分好みのはずなのに、どのシリーズも2・3冊しか
読めなかった。

その代わりといっては何だが、この人のエッセイは群を抜いて面白い。

戦中派の彼は「江戸っ子」の部分が強調されるが、それより「日本人」と
して「日本の男」として持っていなければならない「魂」みたいなものを
エッセイの基本にして、数多くの名エッセイを残してくれた。

いずれこのブログにも紹介していこうと思うが、この本はその中でも、
エッセイにさえなるかならぬか分からないほど淡々としている。

平成2年に亡くなる2ヶ月前までの8年間の日記(風)エッセイなのだ。

若い時にはそれほどではなかったのだが、今読むと最後に近づいてくると
身につまされる内容だ。しかし、本人が覚悟していた通りの「死」に
向っての「潔さ」には、感動を覚える。

そうした意味で、この本は「日記の書き方」としても「男としての行動」を
戒める意味においても生涯の「お手本」としている。

日記が続けられないあなた、是非一読をお奨めする。

今回も最後までお付き合いいただきありがとう。
これを読んだみんなが「良い日記」が書けますように。

喰い道楽改「池波正太郎」である。神妙に食卓に着け!
                            may



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