Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

『ビルマの竪琴』

2014-12-12 00:01:01 | 読書。
読書。
『ビルマの竪琴』 竹山道雄
を読んだ。

太平洋戦争終戦間近、
いまのミャンマーことビルマの戦線にいた一部隊の物語。

戦後間もなく発表された「童話」ということですが、
今読むと、子どもも読める「小説」のように思えます。
言葉がていねいで読みやすいのが子供向けなのでしょうが、
難しい言葉も注釈アリで使用されていたり、
その読解に子どもならば苦労しそうな箇所も終盤にあったりします。
それでいて「童話」なのですから、
当時と今の感覚の違いを感じさせられますね。
現代人はIQが低下していく一方だとする説や
実験からの根拠もあるようですが、
昔の子どもって、知的負荷が今よりも強い中を
たくましく育ったのかな、なんて思いました。

まぁ、面白かったですね。
水島上等兵が主人公なのですが、
語り手は別にいるという構成でした。
僕はあまり読んだことがない小説のパターンです。

作中で歌がふんだんに使われていますが、
僕はそういうのは好きでして、
小説の中の好ましい色どりになっているな、
構成要素になっているな、と思いながら読みました。

本作の重要な部分は最後のほうの第三話にあります。
そこで語られる思想をみなが踏まえたうえで、
靖国参拝だとかを考えるといいのでしょうね。
この作品で語られていることを噛み砕いて、
ちゃんと他国に伝えられることが大事なのではないか。
ただ、そうすると、賠償金がどうだとかっていう話になるのかな。
国際情勢っていうものも難しいものです。
ただ、日本の民衆は、この『ビルマの竪琴』的な思想を
胸に抱いていたり、深く考えたことがあったりするのは
大事なことですね。
そう考えながら、読み終わりました。

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