Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

『小さないじわるを消すだけで』

2017-09-28 00:00:10 | 読書。
読書。
『小さないじわるを消すだけで』 ダライ・ラマ14世 よしもとばなな
を読んだ。

2013年11月24日に行われた、
チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ14世と、
作家のよしもとばななさんの対談講演を書籍化したものです。

小さないじわるを消していくという
小さな一歩から習慣、そして意識を変えていくことで、
世の中の生きにくさはすこしずつ解消されていくのではないか、と
よしもとばななさんは語ります。

小さないじわるとは、自分は自分、他人は他人と考えて、
慈悲の心をもたないこと。
知人が失恋をして、ちょっと話を聞いてほしそうにしていても、
面倒くさいだとか、自分には関係がないからだとかで、
知らんぷりをしたり邪険な反応をしたり、
そういうのが、小さないじわるなのです。

以前、他のひとの本のなかで、
世の中は互恵関係なんです、そうであるとわかるべきなんです、
みたいな話がありました。
つまりは、自分は自分だから、と切り離して考えないことですよね。
トータルでみて、自分にも他人にもそれぞれから恩恵があり、
持ちつ持たれるである、
そういった関係を築くことが、
本来的に、世の中の理にかなうんだ、という気づきがあると、
ひとも社会も変わるのかもしれません。

後半、会場からの質問にダライ・ラマ法王が答えます。
どれもすーっと腑に落ちて、だからといって全部を言ってしまわない、
絶妙でシンプルな答え方だなあと思いました。

100ページくらいの本です。
短時間でいろいろと人生の気づきが得られます。
宗教色が感じられるところはありますが、
無宗教のひとでも、ふつうに読めますね。


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