2巻まで読んでいたのがその後忘れていて、先日本屋さんでたまたま見つけたらすでに4巻まで出ていたんですね(*^^*ゞ
今まで同様に現在おひとり様の人、わけあっておひとり様になった人、そしておひとり様でなくなる人・・・などなどの『おひとり様ライフ』を描くオムニバスストーリー。
3巻では、ひと回りも年下のバイト君に心ときめいてしまう口ベタで地味な33歳のおひとり様や、7年間の同棲生活を解消したものの想い出だらけの部屋を片付けられずにぐずぐずしているおひとり様などなど恋愛がらみが当然多いのだが、ちょっと異色だったのが実家で母親とふたり暮らしの30歳おひとり様。掃除も洗濯も料理も全部お母さんがやってくれる。娘が居ないとテレビの録画予約もできない母親に『もし私が出て行ったらこの人どうするの?』なんて思ってたのは実は娘だけで・・・というのがなかなか面白かった。
4巻では実家を出た彼女のその後も描かれている。夢のひとり暮らし、好きな家具や食器をそろえて自分でゴハンを作って(今はパスタにはまってます、ってのがありがちで笑える)・・・なんてのが楽しかったのは最初の3ヶ月だけだった・・・(〃^∇^)o_彡☆あははははっ♪わかるわかる。ひとり暮らしすりゃあ料理や洗濯はもちろん、ゴミ捨てだって自分でやらなきゃならん。仕事で疲れて帰って、ゴハン作ったり洗い物したりなんて面倒・・・と、理想と現実の違いを思いっきり感じるわけですね~。
巫女としてバイトしている結婚式場に新郎として現れた4つ年下の元カレ。21歳から25歳までの『女としてイチバンいい時期(とお金?)』を年下の彼に捧げた想い出がよみがえってくる主人公。あれから自分はおひとり様のままなのに、彼はカワイイ女の子と結婚だ。どんな呪いのコトバを投げかけてやろうかと考える。言いたいことはたくさんあったはずなのに、結局出てきたのは『おめでとうございます』。心からおめでとうと言うことによって、彼のことが好きだったあの頃の気持ちを思い出すんですなあ。好きだったからこそ、ずっと言いたかった気持ち。おひとり様は、これでやっと前に進めるのだ。ああ、アタシは最近他人に心から『おめでとう』と言えたことがあるだろうか。心からおめでとうと言えないってのは、まだまだ修行が足りんのか・・・。
さて印象的だったのは『仮面夫婦』のふたり。結婚によるメリットは欲しいがデメリットはゴメン。そんなふたりが『既婚者』という肩書きが欲しいために結婚する。つまり、帰るところだけは同じだが、それぞれ自由に自分のことができる生活を選ぶわけだ。
しかし、帰るところが一緒というのはやはり特別な気がする。帰るところが違えばお互い何をやっててもいいのだが、帰る場所が同じってのは結構重要だと思うのだ。
この話ではそれなりにうまくやっていた夫婦が、夫の転勤によって引っ越さなければならなくなる。それぞれやりたいことをやるために結婚したので、当然転勤についていくことは『無理』。やむなく離婚=同居解消 という選択をするのだが・・・
他にもさまざまな理由のおひとり様がいっぱい。不器用で、うまくいかなくて、世界で自分だけが独りぼっちみたいな想いになって、いじめられるわけじゃないけれど特別大切にもされない自分が悲しくなって、それでも前を向いて、恋をして、恋する気持ちを思い出して。
うんうん、わかるよ~とぶんぶん頷きながら読んでしまう(*^^*ゞ
『おひとり様』といえば、こんな記事も見つけたよ。
サンケイリビング新聞社「おひとり様で痛いと思う行為ランキング」
「おひとり様」のイメージ、59.4%が「好意的」
さて『好意的』ってどういうことなんだろう? 好意的というよりも『別にいーじゃん』って感じに近いように思えるのだが。
「おひとり様」で行動するのが好きな人は68.6%
理由として『他人に気を遣わずに済む』とか『他人を気にして行動範囲が狭くなるのがイヤ』などなど。確かにショッピングに行ったりするのは女同士って面倒な部分もあるからな~。アタシも友達のショッピングに付き合うのは嫌いだwあ、誘われることも無いからいいんだけどね(* ̄m ̄)プッ
「おひとり様」だと他人の目が気になる人は25.3%
いや~~強いなあ。世の中の女性は強いんだなー。
他人の目を気にしないおひとり様=カッコイイ という図式ができているらしい。他人に依存しないで自分の時間を楽しめるのは自立した女性である証拠だとか。おひとり様が痛い、という人は自分に自信がないのではという意見もある。
自分のスケジュールで行動できるのがいいというのもあったが、こういう考えだと確かにパートナーを探すのは難しそう。
「おひとり様」で"痛い"行為、1位は「高級レストランでのディナー」
おひとり様はカッコイイはずなのに、自分が好きなものを食べてるんだからいーじゃん、と言いながらやはり高級レストランでひとりディナーは痛い=他人の目が気になる ってことなのね。面白いなあ。
個人的には高級レストランだろうがファミレスだろうが、外でひとりでメシを食うってのはあまり楽しくなさそうだなーと思ってしまうのだが、どうだろう。
もちろん無理してとか気が合わない人とメシ食うよりはひとりの方がいい、ってのは当たり前ですが。
独身、彼氏ナシ、バツイチ、広い意味では遠距離恋愛などなど『おひとり様』にもいろいろある。が、世の中ではそんな女性たちを持ち上げて『おひとり様ブーム』みたいなのを造っている風潮もあるようなないような。
ひとりで映画やコンサートはもはや普通で、ひとり焼肉の店やらひとりカラオケなんかもあるそうだ。ひとりで海外旅行に行く人も増えてきている。中にはひとりでディズニーランドに行っちゃう人も居るそうな。
すごい、すごすぎる。
ひとり用スペースで焼肉焼いて、黙々と食べて、さっさと出て行くってのも・・・そんなんで焼肉食って果たしてウマイんだろうか? それでも『今』『私は』『焼肉が食べたい』んだからいいのか・・・。
旅に行ってもメシ食っても誰かと楽しみを分かち合うってことが無くても、楽しいんだろうか? などと余計な心配をしてしまうのは2号嫁が『おひとり様苦手人間』だからだろうか。
デブ夫婦の周りにも一人で海外旅行行っちゃったり、一人で外食も映画もまったく問題無し、という人もたくさん居る(独身者も既婚者も)が・・・、おひとり様もシチュエーション次第なのかも。『ひとりの時間を楽しむ』ということと『何でもひとりでやる』ってのはなんとなーく違うような気がするんだよなー。
ワタシなんぞは、いざおひとり様になったら多分引きこもってどこにも行かない人間になりそうである・・・(* ̄m ̄)プッ
というわけで『おひとり様物語』。4巻の帯には『ひとりよりふたりの方がいい時もあるけど、ひとりだけの方がいい時もある』とある。常にひとりでも淋しいが、常にふたりでも面倒だったりするのだろう。結局誰でも無いものねだりで他人はうらやましいものなんだよな。
この登場人物『おひとり様』たちも、ひとりであることが淋しかったり納得してたり強がってたりといろいろなのだが、大切なものに気づいたり逆にこだわっていたことが案外大切じゃなかったり、そして大切だとはわからなかったことを失ってしまったりして、少しずつ変わっていく。
せつないんだけど、明日からも頑張ろうな! と思える、そんなお話が詰まっている作品です。現在おひとり様にも、おひとり様でなくなった人も楽しく読める・・・と思う♪