デブ夫婦のビバ!お気楽人生&ぐーたら生活

体重合計約150㌔のちょっぴりデブ夫婦です♪毎日ぐーたら暮らしているお気楽夫婦のゆる~い日常を綴っています。

人生二度目の全巻オトナ買い・・・『きのう何食べた?』/よしながふみ

2022-12-02 17:38:57 | 読書感想・レビュー
あたたかかった11月が終わって12月になった途端に真冬の寒さになり、
デブ夫婦生息地域の銀杏もこんな感じで金色のじゅうたん♪

いや~~なんだかんだで師走ですよ。2022年も残すところあと1ヶ月。
ここからは何に急かされているわけでもないのに、何だかせわしない気分になり、
何か予定があるわけじゃないのにバタバタして落ち着かず、
バタバタしているうちに大晦日を迎える・・・というのが毎年のこと。
師走は、このバタバタさにかまけて財布のヒモもついついゆるみがち・・・だよね~(*´σー`)エヘヘ
年末だからいいか! 年内に買っておきたいからいいか! どうせ使うんだからいいか! とばかりに、
何だかんだ買ってしまう12月。
ネットニュースを眺めていると『お金持ちになるには、本当に必要なモノしか買わないこと』とか
『いつか使うかも、は結局使わない』『それ、本当に要るモノか考えて!』『お金持ちほど無駄な買い物はしない』
なんて記事ばかりだが、人生多少の無駄は楽しいと思っているので・・・←言い訳

さて、そんな2号嫁、財布のヒモがゆるんだのかどうかはわからんのだが・・・、
本当に必要なモノなのかどうかなんて、考えもしなかったのだが・・・、
この間『SLAM DUNK』の全巻オトナ買いをして『多分人生最初で最後のオトナ買い』と書いていたような気がするのだが・・・、
・・・・・・
ああああああああああああ
またまた、やっちまいましたよ!!

今年最後の(人生最後とはもう言い切れなくなった)全巻オトナ買い!
『きのう何食べた?/よしながふみ』


・・・・・・ヽ( ´ー)ノ フッ

まあ、何年か前から気にはなっていたマンガである。
気にはなっていて、ドラマ化されたのも知ってはいたのだが観る機会がなく、
昨年の入院の際にドラマを観始めてすっかりハマり、原作も読んでみたいな~とは思っていたのである。
調べたら既刊19巻(当時)。
いや~~ココから19冊マンガを増やすか? どうする?? と、迷ってはいたのだ。
でも・・・先月、劇場版をAmazonプライムで観たらもうガマンできなくなってしまい・・・
結局全巻イッキ買いとなった・・・。

もう有名な作品なので、SLAMDUNK同様に新参者のワタシなんぞが語ることはないのだが、一応。
弁護士の筧史朗(シロさん)と、美容師の矢吹賢二(ケンジ)の2人が主人公。ふたりは恋人同士。
朝晩の食事にかける食費は、月2万5000円(のちに3万円となる)。
堅実で節約命、スーパーで安い食材を見つけては日々の夕飯をバランスよく作るシロさんに、
ちょっとお気楽で中身は乙女そのもの、そしてシロさんの料理を何でもおいしーい♪しあわせー♪と食べるケンジ。
一緒に暮らすふたりの何気ない日常を『食生活』を軸に紡いでいる物語である。
ワタシはドラマ版から入ったのだが、
原作を読んでみると改めて配役がすばらしいなあと思うし、内野さんのケンジはやっぱりすごかったんだなあと実感する。
ドラマ版も劇場版も、ところどころで(特にケンジのセリフで)うるうるさせられたし、
何しろ主役の2人(シロさん:西島秀俊、ケンジ:内海聖陽)と、2人が作る空気感がたまらなく良かった♪
登場するキャラクターがみんな可愛くてカッコよくて魅力的。

好きな人や大切な人が居て、その人を愛おしく思う気持ちや心配でたまらない気持ち、
ちょっとしたヤキモチや不安、焦り・・・そんなのは男性同士(女性同士)だろうが異性であろうが、
恋人同士だろうが夫婦だろうが、実はあまり変わりはないのよね。
ただ、今のところ同性同士の結婚を認めているところが少ないわけで、
それゆえに別れようと思えばいつでも別れられる危うさ、世間になかなか認めてもらえないもどかしさ、
まわりに説明する面倒くささ・・・なんかがあって、そのあたりも丁寧に描かれているように思う。
連載開始当時は40代前半だったふたりが、20巻まで進むとちゃんと50代になっていて、
それぞれの親の問題や、周囲の環境の変化、自分たちも老眼やら体型の変化が出てきて、また、リアル。
それにしてもだ。
オジサンの恋人同士に、こんなにもキュンキュンさせられるとは・・・これも作品の持つ力なんだろうなあ。

シロさんとケンジをメインに、友人のゲイカップル・小日向さんとジルベール、
シロさんの買い物友だちから家族ぐるみの付き合いになった富永家のメンバー、シロさんの両親、
弁護士事務所の事務員2人それぞれの家庭、すべての家においしいゴハンがあり、それぞれにちょっとしたドラマがある。
誰かのために、自分のために、ゴハンを作って食べる。そんな当たり前の日常が、どれほど幸せで、いとおしいものか。
そんなことを再確認させてくれる作品だと思う。
ワタシも、ケンジのまっすぐさと素直さ、可愛さを見習わなければならんなあと思ったり。
そして、とにかく出てくる料理が親しみやすくてうまそうなんだよね~。
料理の説明も丁寧なので、レシピ本としても活用できそう・・・と思ったら、
最新20巻には『逆引きレシピ本』なるものが付いた特装版ってのがあったらしい。ううむ、こっちを買えばよかったかも。
マンガで読んで作ってみようかなと思った料理を実際に作ってみたりもしている。

ただ・・・読んでいるだけで腹が減るのと、
『あの料理って何巻の話だっけ?』と探し始めると、つい読みふけってしまうのが困ったところでもある。
というわけで、前回のイッキ買い『SLAMDUNK』同様に何度も読み返している次第。
やはり、買ってよかった(⌒∇⌒) しみじみと、いい作品だなあ。
思えば、読書の秋からずっとマンガ(だけ)読んでるなあ、ワタシ(*´σー`)エヘヘ
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『正欲』/朝井リョウ~理解した気になっている『大多数』の怖さと虚しさ。

2021-09-26 17:53:02 | 読書感想・レビュー
そんなわけで、本読みましたよ!!
いや~~怖い小説だった。
3月頃に『5時に夢中!』で新潮社の中瀬ゆかりさんが絶賛していたので、
ひさかたぶりにハードカバーの本を購入してみたのだが、
そのまま数ヶ月放置状態だった(ワタシの場合いつものこと)。
が、一旦読み始めたらあれよあれよの一気読み。
というわけで、やっと感想が書けました(∀`*ゞ)エヘヘ

朝井リョウさんの作品は、これまで『何者』しか読んだことがないが、
人間の中にある強さと弱さの同居と、
表面的には強いと思われている、自分は強い(正しい)と思って振舞っている人間が
攻撃される側に回った時の弱さ(そしてその逆も)の描き方が、
読み手のココロにグサグサ刺さる。
『何者』の中でもあったが
『強い(と思われる)側』に居た登場人物が、
それまで『弱い(と思われる)側』だった者に思わぬ形で反撃を食らい、
攻守交替する瞬間は、なかなかに恐ろしかった。
今回の『正欲』にも、そんな場面がある。

さてこの作品に登場するのは
・不登校ユーチューバーの息子を持て余している検事・啓喜
・秘密を抱えながらショッピングモールの寝具売場で働く夏月
・容姿にコンプレックスを持ちながら大学のイベントを運営する八重子
・夏月の中学校の同級生だった、食品会社勤務の佳道
・八重子と同じ大学のダンスサークルに所属するイケメン大学生・大也

この主な登場人物たちは、
自分はまともな側だと思っている人も居るし、
自分は人と違う嗜好があることを自覚している人も居る。
大多数と呼ばれる枠に無理に自分を当てはめ、生きづらさに絶望している人も居る。
マイノリティと呼ばれる人を理解した気になっている人も居る。
これらの人々が、つながっていく。

テーマはタイトル通り『正しい(性)欲』である。
正しい欲って何じゃいといえば、平たく言ってしまうと『異性に性的欲求を感じること』なのだろう。
今の世の中、性的欲求の対象となるものが同性でも同性&異性でも、
多様性を受け入れましょうといった空気には一応、なっているようだが、さてどうなんだろう。

ワタシ個人としては・・・、
多様性、個性の尊重、ダイバーシティ・・・
そんな上っ面のコトバに、違和感を感じてしまっていた。
『みんな違って、みんないい』とか『障害は個性』『差別はやめよう』なんて、
所詮はマジョリティの人、もしくは限りなくマジョリティに近いマイノリティの人が、
上からモノを言っているだけじゃないの? 特に日本の場合は。
なーんて、なーんかモヤモヤしていたのだ。
そのモヤモヤしている感じを、見事にばっさりとやっちまった感のある小説だった。

カバーには、
『生き延びるために、手を組みませんか。』
『自分が想像できる“多様性”だけ礼賛して、
秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな。』

と、作品中の登場人物のセリフが引用されているが、
このセリフが・・・読み進めるにつれて読み手のココロを抉ってくるのだ。

作品の冒頭は『多様性』への疑問を口にした誰かの語りと、とある週刊誌記事から始まる。
記事のキャッチは<児童ポルノ摘発、小学校の非常勤講師や大企業の社員、
大学で有名な準ミスターイケメンも 自然豊かな公園で開催されていた小児性愛者たちの“パーティ”>
何だこれは? と戸惑いながらページをめくると、登場人物それぞれの目線で物語が進んでいく。

現実、今の日本に『多様性』なんてありゃしない。
そして、マイノリティ=こういう人たちでしょ? というマジョリティ側の『思い込み』で、
理解した気分になっている人は多いと思うが、
マイノリティというのは、理解されないからマイノリティでもある。
例えば同性愛者であるとか、身体に障害があるとか、そういったことでは括れないマイノリティも居るわけで、
この作品に登場する人たちは、自分がマイノリティ中のマイノリティであることを自覚しながら、
それでも『社会』で生き延びるために、水中で足を必死に動かす水鳥のように生きている。

一度読み終えた後に、冒頭の週刊誌記事をもう一度読むと、
最初に読んだ時のイヤ~な感じと、読み終えてから感じる明らかな不快感、その違いがハッキリする。
いや、違うよ、違うんだよ!! と言いたくなる自分が居る。
正しいと思っている側の暴力的なコトバ。
正しい欲を持てない人をバッサリ切り捨てる社会。
ニュースは本当に真実を報道しているんだろうか。
もちろん・・・、自分にも『正しい側の気づかない暴力』が無いとは言い切れないし、多様性を受け入れている自信などない。
だからこそ、自分の想像力の無さ、浅はかな理解力を再確認させられて、読んだ後の後味は非常~~に悪い。
でも、読み返さずにはいられない。
そりゃあ帯にあるとおり『読む前の自分には、戻れない』わな。

何が正しいのか、何が自然なのか。多数派は正しいのか。
すべては作為的に演出されているだけなのかもしれない。
多数派=まとも なのではなく、
人間誰しも彼らのような『特異な部分』は持っているのかもしれない。
誰でも人に言えない『闇』のような特異な部分があって、
自分の中にもそれが隠されているのかもしれない。
マジョリティであることが正しいわけではなく、
多分ほとんどの人は、何が正しいのかわからずに、
とりあえず多数派に身を置くことで、安心して世の中で生き延びていけるのかもしれない。
そんな気持ちになる小説だった。
この作品を読むと、もうカンタンに『多様性』なんてコトバは使えない。
世の中がどれだけ呑気にこのコトバを使っているか思い知らされるから。
いや~~つくづく、恐ろしい作品でありました。

多様性に寛容と思われている今の若い人たちは、どんな感想を持つのかも気になります~。
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何がいいかなんて終わってみないとわかりません/ミゾイキクコ@幸せを感じられる人でありたい。

2016-08-08 19:12:06 | 読書感想・レビュー
気づけばもう8月・・・。立秋も過ぎてしまった。
人間生きてりゃホントにいろいろありますが、それでも季節はめぐり、また真夏の太陽は降り注いでいるわけだ。
そんなこんなで40代も後半になってくると、あと何年健康で生きていられるのかしら・・・などと思うことがある。
こんなことを言うと『まだ若いのに何よ!』と、おばさま方に怒られるのだが、
この本の著者には怒るどころか笑われるかもしれない・・・♪

『何がいいかなんて終わってみないとわかりません』
最近テレビなどでよく紹介されているので、知っている人も多いかもしれん。
80歳を超えて数台のタブレットとパソコンを使いこなし、ツイッターで毎日つぶやきを続けているミゾイキクコさん。
ワタシは去年知って、早速フォローだけはさせていただいた。

ツイッターにはいろいろな人が居るもんで、こうしてメディアで取り上げられたりすると
嫉妬する人や何かとイチャモンつける人も多いのが現実。
『裕福でいいね』とか『お金があるからできるんでしょ』とか。
まあ、今の若者に比べれば、給料もガンガン増えていた時代、
退職金だってきちんともらえた年代だから多少の余裕はあるかもしれないけどね。
さらに、タブレット端末を10台近く持っているというだけでも『余裕があるのね~』と思いたい人は居るんだろうが、
そこはそれ、言ってもキリがないことだしね。

でもなあ。平たく言ってしまえばミゾイさんだって一軒家で暮らす独居老人で年金暮らしだそうだから、
決してすごい贅沢な(金銭的に)暮らしをしているようには見えない。

けれど、お子さんやお孫さんはいても同居はせず、ひとりで、自分のことは何でも自分でやっている。
食事だってある程度の量を作って冷凍して、それを上手に献立に使いまわしている。
家でお料理を作って女子会(笑)もするし、ショッピングカートを引っ張って日々のお買い物にも行く。
でも、欲しい物が見つかったらアマゾンに注文しちゃう。
さらに、一流大学の理学部を出られた元祖リケジョ(笑)でもある。
こう・・・知識や知恵や教養のある人って、歳をとってもこうあることができるんだなあと憧れるのだ。

だから逆に、メディアが「サイバーおばあちゃん」みたいな言い方で紹介しているのを見ると、
おいおい失礼じゃないか? と思ったりもする。そこには年寄り=パソコンなんてできない とか、
年寄り=考えが凝り固まってる人 みたいなそれこそ『刷り込み』があるんじゃないかと。

凝り固まってるどころか、この年齢でこういう考え方をする人がいるんだ! と感動すら覚えてしまったワタシである。
なんたって本の初っ端から
『今私は、時代とともに社会構造が変わったのに、それに対応しようとしない高齢者を批判しています。
若い人やお嫁さんに世話をしてもらうのが当たり前と考え、昔は良かったと、戻れるわけもないのに今を嘆いている人たちを』

だもの。
これを80代の人から言われたら『子どもは親の面倒を見るのが当然』『嫁は家のために働いて当然』と思っているご老人方はビックリするのでは・・・。

とはいえ、普段のツイートはホントに何気ないものなんですよ。
庭で採れたトマトとか、いただきものの野菜とか、庭の金魚とか、
毎日の朝飯と夕飯の写真とか、何気ない日常の風景。
でも自分がこの年齢になってみると、人生80年のキャリアのある方のつぶやきを見て
『生きるってのはこういうことかもなあ』と思ったりもするのだ。

何気ない日常の中に(幸せも不幸も含めて)人生はあるんじゃないかと。

年齢を重ねた分だけ、いいことも悪いこともそれなりに経験していく。
誰かを傷つけたり傷つけられたり、騙したり騙されたり、裏切ったり裏切られたり。
それでも何とか立ち上がって、また倒されて。多くの失敗の中にちょっとだけ成功があったりして、
笑顔と涙と歯を食いしばることを繰り返して。それが生きるということなんだろう。
だからこそ、何気ない日常は愛おしく思えるし、ありがたく思えるんじゃないだろうか。

どうやって生きていけばいいのかわからなくなる時が、人生の中で数回訪れると思う。
そんな時に、この本を読んでみると思うところがいろいろある。

自分の身の丈を知れ、足ることを知れ、今の自分があるのは他人のせいじゃない、自分がそうしてきたことの結果なんだ、と。
そして・・・、
何気ない日常の中に人生が、幸せがある。
『当たり前のこと』を『当然』だと思い上がってはいけない。
その何気ない日常に感謝する心を持ち続けていたいと思う。
もちろん、
そんな綺麗事じゃ世の中生き抜いていけないのも、事実。
でも、こういうことが根本にないと生きていけないのも、また事実なのだ。
というわけで、ココロを立て直すための一冊になりそうな本です。

そうそう、毎日のツイッターにアップしているゴハンの写真はかなり参考にさせていただいている。
天ぷらなんかも、ミゾイさんは南瓜だけ、とか茄子とサツマイモだけ、
とか単品でもよく食卓にのぼる。しかも毎日のように。
私なんぞは固定観念で、天ぷらは何種類も揚げなきゃいけないと思い込んでいた部分もあるので、
天ぷら=好きだけど面倒 というものだったのだが、ミゾイさんのツイートを見るようになってから
『そっか、一種類でもいいんだ』と楽になり、早速南瓜だけ~とかごぼうだけ~とか、ひとつふたつ揚げて、
おかずの一品として出すようになった。目からウロコ。
いかに自分が『こうじゃなきゃ』と思っていることが多いかもわかる。
先日のツイートを見て、思わずトマトの天ぷらを作ってしまったよ。うまかったよ!!

本の中から、印象に残ったツイートを挙げておきます。読んだ人がどう感じるかは、その人の現状や年代によって全然違うと思う。
でも、何を感じるかって大切だと思うので。

自分のしたことは自分に返る。それは当たり前のことなのだ。
その人が生きたように死んでゆくのだ。


現在の自分の姿は、過去から現在に至るまでの自分の歩みの行き着いたところなのである。
良くも悪くも他人のせいではないのです。


そんなこと知らなくてもいい、できなくてもいい、の結果が物事を解決できない人を作る。
問題が難しいのではなく、能力がないだけなのに、問題が難しいと言う人になる。


年取って思う事。若い時の恋の悩みも、子育ての大変さも、
夫婦喧嘩も、人生の彩りに思われる。
何もなかったら殺風景。
そのころが人生の花のように思われるものです。それは過ぎてからわかるもの。
だから長く一緒に生きてみないことには、始まらない。


一人より二人の安心感、この「感」が大事なのかも。
二人だからといって安心ではない。問題が倍になる可能性だってある。
だが「感」に救われる。
生きていればどんなことに見舞われるかわからない。
その時はその時だと、開き直る覚悟しかない。


幸せなんて普通わからないものなんですよ。
無くなってわかるようなね。
当たり前になってしまうこと。それはすごく幸せなことなのです。
コメント (2)
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海街diary7 あの日の青空@吉田秋生/生きるってことは前を見続けることなのかも。

2016-06-08 11:35:19 | 読書感想・レビュー
6月に入ったと思ったら、日曜日には関東甲信地方が早くも梅雨入り。
洗濯物も乾かず、うっとうしい毎日が続くと気持ちも( ̄_ ̄|||) どよ~ん・・・となりがちではあるが、
湿気に負けずココロを奮い立たせて過ごしていこうと思う今日この頃である。

さて、おなじみ1年半~2年にやっと新刊が出るのんびりコミック『海街』。
あまりに間が空くので、発売されたことすら知らず、書店に並んでるのを見て『おお、出たんだ』と気づく始末である(*^^*ゞ
先日、実写映画もテレビで放送されていて、やっぱり観てしまったが・・・まあ、あれはあれ・・・かな。
広瀬すずちゃんは可愛かった♪ あと意外に(?)千佳ちゃん役の夏帆ちゃんがピッタリ合ってた♪

というわけで何だかんだで7巻。今までの謎が少しずつほどかれていく巻でもあった。今回は4つの物語が綴られている。
ネタバレがかなり含む&かなり詳しく書いてしまったので、未読の人は飛ばしてくださいね~。

『同じ月を見ている』
中学校最後の年を迎えたすずの進路の話がメイン。地元のサッカーチーム『湘南オクトパス』で
エース級の活躍をしているすずに、静岡の高校から特待生の話が舞いこんでくる。
普通なら喜ぶべき話なのだが、すずは思い悩む。
不倫から生まれた自分、父親の再婚によってどこにいても自分の居場所がなかった日々。
異母姉たちと出会い、鎌倉に来て、仲間もでき、家族もでき、やっと自分が居てもいい場所を見つけたのに、
ここを出て行って姉たちと離れることで、自分はまたひとりぼっちになってしまうんじゃないか・・・という怖れ。
迷うすずのもとに、次女・佳乃の元カレで、高校を中退して鎌倉から小笠原へ旅立った朋章からのメールが届く。
複雑な家庭環境に、自分さえ居なければ・・・という思いから、かつて入水自殺を図ったことのある朋章。
冷たい海に入っていく時に月が出ていたおかげで発見されて、今ここに生きている。
あの時、海水にむせびながら見た月と、今自分が見ている月は違うと思っていたが、
月はいつも、ずっと同じように闇を照らしてくれていた。
違ったのは、自分の気持ちだけ。それに気づけただけでも自分は生きていてよかった・・・と。
メールの最後には『月が君の道を照らしてくれますように』
そう・・・太陽も月も、海も、風も、当たり前のようにそこにある。けれど、自分の心持ちでそれは違ったものになってしまう。
何時間も炎天下を歩いていれば、太陽の光は苦しいだけだし、
絶望的な気持ちの時に見る月を、きれいだとは思えないかもしれない。
失恋して海に来たら、心穏やかではいられないかもしれない。
人間は弱い。それでも、立ち上がることはできる。
月は、どこで見ても、どんな想いで見ても、同じように人間を照らしている。
そして、風太の『おまえがどこで暮らしたって お姉ちゃんたちがおまえのお姉ちゃんなのは変わらないって
おまえがそう思えるから おまえはひとりぼっちじゃない』
という言葉にも背中を押され、
すずは特待生の話を受ける決意をする。
いや~~風太がどんどんカッコよくなっていくね♪中学生だけど(笑)。
同じ月を見ていた三女・千佳の
『きっといろんな人が いろんな気持ちで おんなじ月を見ているんだろうね』という意味深は言葉は、次の物語への伏線・・・。


『パンと女子と海日和』
長女・幸、次女・佳乃、三女・千佳の恋の進み具合を描いた物語。
幸は、同じ病院のリハビリ科に務める理学療法士・泰之と恋人のようなメシ友達のような関係からなんとなーく一歩踏み出しつつあるところ。
佳乃は、職場の課長・坂下に片思い中。しかも何だか最近避けられてる? と感じていて、『恋の狩人』としては諦められない。
千佳は、勤務するスポーツ店のアフロ店長・三蔵とラブラブ・・・のはずなのだがいろいろあるんだな。
かつては有名な登山家だった三蔵。エベレストで両足の指を失ってから第一線から退いていたが、
現役の時に世話になったシェルパが事故(しかも山ではなく川で溺れて)で亡くなり、
その追悼式に出るためにネパールへ行くことになった。
あの8000メートルの世界にもう一度行ってしまったら、もう彼は帰ってこないのではないか・・・
その思いが、千佳を不安にさせている。
さて、三姉妹の恋はどうなっていくのか・・・。

『あの日の青空』
重いです。ついに、佳乃の上司・坂下と『山猫亭』のマスター・福田さんの過去が明かされる。
山猫亭の福田さんの担当が坂下から佳乃に代わることに。坂下は引継の挨拶のため山猫亭を訪れる。
ちょうどその日は、福田さんと懇意にしていた『海猫食堂』のオーナーだった二ノ宮のおばちゃんの月命日。
福田さんと坂下は、ふたりで二ノ宮さんの好物だった豆大福を食べながら話をする。
そこで、坂下が初めて口を開く。
『都市銀行に勤めていた頃 担当していた方が自死してしまったことがありました』
理由は借金だったがそれはメドがついたところで、何とかやっていけると相手も喜んでくれた矢先のことだった・・・と。
そんな坂下に福田さんは『あんた 話す相手を間違ってるんちゃうか』と言う。佳乃が話を聞いてくれるんじゃないか、と。
口ごもる坂下に対して、福田さんが初めて自分の過去を語る。

父親は小さな工場を経営していたが、妙な商売に手を出して借金が膨らみ、
たったひとりの妹にも借金を断られ、首を吊って死んだ。よくある話だ、と。
残された母親は債権者に頭を下げて回り、2年と経たないうちに亡くなった。
そして自分は父親に対して『何もかも放り出して自分だけ楽になりよって』と許せない思いを抱き続ける。
大嫌いな父親、あんなしょーもない男に金貸さない方が当たり前だ、そう思っていた。
なのに、父親の妹の息子に危ない相場に手を出させ、ヤクザの紐付きだとわかっていて金貸しを紹介し、
息子はマンションから飛び降りて亡くなった。ひとり息子に死なれた叔母は精神を病んで長い入院生活の末に亡くなった。
自分は何がしたかったのか。借金を断った叔母への復讐か。
叔母は小さい頃自分を可愛がってくれた。息子ともよく遊んだ。
なのに、自分はなぜあんなことをしたのか。今でもわからない。
『おばちゃんに話すはずやったんや』福田さんは『あたしでよければいつでも話聞くよ』と言ってくれていた二ノ宮さんに、
いつかこの話をしようと思っていた。けれど、彼女はそれを聞くことなく亡くなった。
『話聞いてくれるいう相手はもうおらん だから見てみい あんたなんかに話してしもたやないか』
そして坂下に、話を聞いてくれるという人が明日も同じように笑ってくれるという保証がどこにある、
話を聞いてくれると言ってくれる人がいつまでもいると思っているのか、思い上がるな、と声を荒げる。
せつないです。
いつか二ノ宮さんと分かち合いたいと思っていたのに、イチバン話を聞いてほしい相手が、もうこの世に居ない虚しさ。

そして坂下は、佳乃に真実を打ち明ける。
都市銀行時代のお客さんが電車に飛びこんで亡くなった。
その人は事業に失敗して負債を抱え、その処理を担当したのが坂下だった。
ほとんどの資産を処分するしかなかったが、なんとか負債だけは残さないようにして、
その人も『ありがとう、これで息子に借金残さないで済む』と言ってくれたのだという。
ある梅雨の晴れ間の日、坂下は偶然その人と会った。その人は気づいて手を振ってくれた。
しかし、彼はその足でまっすぐ線路に向かったのだという。
坂下は自分に問いかけた。
できる限りのことはやったつもりだった。奥さんや子どものことも考えたつもりだった。
なにがいけなかったんだろう? 僕は何を間違ったんだろう?
あの時返済計画がどうのと言う前に『生きてナンボです!』って言ってあげられたら、もしかしたらあの人は死なずに済んだんじゃないか・・・。
そんな後悔をずっと抱えていたことを、佳乃は知る。
ようやく自分の心を解放し、坂下と佳乃はお互いの想いを伝えることができた。

『遠い雷鳴』
長女・幸と泰之の恋は遠雷とともに一歩前へ。佳乃は坂下と一気にラブラブモード(⌒▽⌒)アハハ!
そして千佳は・・・。
偶然すずが見つけてしまった、封の切られた妊娠検査薬と千佳の関連は・・・というところで次に続く。
これまでコメディリリーフ的な役割だった千佳が、初めて思い悩む。これまで見せなかったような表情で千佳の抱えている不安が語られている。
幸と泰之が初めてキスするシーンでの幸のモノローグが印象的。
『時はいろいろなものを変えていくのだろうか 思い出も 傷も』

相変わらず、何でもない日常を愛おしむように描いているこの作品。
彼氏と別れたり新たな出会いがあったり、誰かが生まれたり亡くなったり、
そんな『当たり前』の日々の出来事は、生きている誰かにとっては大切なこと。
もちろん、生きていくことは綺麗事だけじゃ済まない。
それでも今生きている人は、例えばどんな栄光の過去があっても、そこには戻れない。
無理にでも、恥ずかしくても、前を向くしかない。
それを作者はよくわかっているのだと思う。
そうそう、この巻でもさまざまな食べ物が登場するのだが、それがどれもうまそーでヾ(o^▽^o)ノあはは♪
コロッケにコロッケパン、シューマイ、きんつば、ドイツパン、煮魚定食、アジフライ定食、カブのクリームスープなどなど・・・。
かまくらカスターなんてもう何年も食ってないんだけど、これを読むと食べたくなる 。(*^▽^*)ゞ
感動するんだけど、腹も減るという作品なのであります。
さて、この先はまた・・・1年半後~? そろそろこの物語もラストが近いのかもしれないな。
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家族という病/下重暁子@セレブおばさまの愚痴と自慢のご本です♪

2015-11-17 10:46:20 | 読書感想・レビュー
すっかり秋も深まり、朝晩は寒いくらいの日が増え、
米を研ぐ時に、水が冷たく感じるようになってきている。
しかし、まだ外出時のトイレの便座の冷たさは感じていないので、
まだそこまで寒くはないのだろうと思っている、11月中旬のデブ夫婦である。

先日11月11日は『1並び』ということで、一年でイチバン記念日が多い日なんだそうな。
数字だと『1』が4つ並び、漢数字だと『十一』が2つ並ぶってんで、まあ記念日があるわあるわ。
何でも、数年前までは10月10日が記念日の数ナンバーワンだったのだが、
ついに11月11日が抜いてしまったとか(´・∀・`)ヘー

ざっと挙げてみると・・・、
そのカタチに似たものシリーズとしてイチバン有名なのは『ポッキー&プリッツの日』。
同じ系統として『きりたんぽの日』『麺の日』『もやしの日』『靴下の日』『チンアナゴの日』
ほかにも『下駄の日』『豚まんの日』『煙突の日』『麻雀の日』などなど。
『十一』シリーズでは『鮭の日』『鏡の日』『配線器具の日』『電池の日』・・・さあ、わけわかんなくなってきた(笑)。
『サッカーの日』はいいとしても、『ライターの日』やら『美しいまつ毛の日』とかになると・・・ヾ(o^▽^o)ノあはは♪

これだけ考えるのもある意味スゴイ。語呂合わせだけじゃなく、日本人は文字やコトバで遊ぶのがやっぱり昔から好きなのかなあ。
個人的に好きなのは、お箸が並んだ形に見えるからという『いただきますの日』かな~~??

そして11月第3日曜日は『家族の日』なんだそうだ。
内閣府が2007年度から少子化対策の一環として実施しているもので、家族の日の前の日曜日から次の土曜日までを
『家族週間』としているらしい。
というわけで、積読状態の本たちの中から、家族をテーマにして今年3月の発行以来ベストセラーとなっているらしいこの本を読んでみた。

『家族という病』下重暁子
下重暁子さんの本って、大昔・・・小学生くらいの頃に家にあって読んだことがあるのを思い出した。
『聞き上手、話し上手』みたいなタイトルの本だったと思う。
本の内容はまったく覚えていないし、NHKアナウンサーだったという程度しか知らなかったのだが、
この本を手に取った人のほとんどが、おそらくタイトルにひかれて手に取るのだと思われる。
いわゆる家族問題をテーマにした本だろうと。
で、このテの本を買うのは、少なからず自分の家族や育ってきた環境やなんかに対して問題があったり、疑問や不満があった(ある)人だと思う。
家族大好き、親大好きなんて人は目にもとめないだろう。

2号嫁も、もちろん家族に対しては思うところはあるし、イマドキの『家族ってステキ!』『家族バンザイ!』という気分には到底なれないので、
まんまと手に取ってしまったわけだ。

で、そういう思いがあって読んでみると・・・あら~~?? という感じになる、多分(*´艸`)クスッ
だって、この方自身がきちんと家族と向き合ってないんだもーん。

『私の経験から言うと』『私の友人・知人では』『という話を良く聞く』などなど、
すべて著者の周りの人や著者自身の体験しか元になっていないんだよね。
私と私の周りではこうだった →だからみんなそうなのだろう 的な傲慢さが見えちゃう。
これでは『オレの若い頃はね・・・』と、飲み屋で若い頃の武勇伝を語り、
『お前らには所詮わからないよな』『だからイマドキのヤツは・・・』などとほざくオヤジと変わらないのではなかろうか。
百歩譲ったとしても、これはエッセイだよね・・・評論じゃない。

世の中、昔から家族とうまくいっていない人も多いだろうし、表面上はうまくやっていても思うところがある人はもっと多いかもしれない。
でも、大人になればキライな家族でも、それなりにわかってやれる、折り合いがつけられる時が来たりする。、
2号嫁の場合、両親とも亡くなって10年以上経つので、まあいろいろあったし恨み事も無いことは無いし、
すべてを許したわけでもないし、キライな部分もいっぱいあるけれど、
『あの人はあの人なりにいろいろあったんだろうよ』とか
『今さら悪口言って悪者にする理由もないわな、死んじゃったんだし』
と思えるようになったわけで。
なので、ワタシよりもはるかに年上で大人の女性であるはずの著者が、未だに父親を責めているような部分を読むと、
『別に許さなくてもいいから、他人様に向けて自分の親をそんなに悪く言わんでも・・・』と思ってしまう。
親がキライだったワタシですら、そう思っちゃうんだから。

子どもの頃や若い頃は、それこそ何でも『親のせい』『育ちのせい』にしたいのはわかる。
親がこんなだから、自分はうまくいかない。そう思いたい。実際2号嫁もそういう時期はあった。
が、親を選べない以上、自分で折り合いをつけて、ある程度はあきらめていくしかないのも事実。

実際、どんなに迷惑をかけられようと、どんなにキライだろうと、憎んでいようと、
家族である以上は介護は最低限しなければならないし、介護施設に入所したとしても、最低限は見舞いに行ったりしなければならない。
入院や施設探しやケアマネージャーとの面接や、そんな事務的なことも、親がキライでもやらなきゃならない。
そんないろいろなことをやっているうちに、何を憎んでたのかわからなくなってしまう。
もしかしたら、そういうふうに『できている』のかもしれないな・・・なんて思うほど。

でも、著者は運がいいことに親の介護でくたくたになることもなく、子どもももたなかったため自分が親になることもなかった。
著者は運よく家族に関わらずに済んだだけであって、それが正しかったわけでは決してないと思うんだけどなあ。

全体に流れるのは、自分が育った家庭と家族の愚痴、そして自分を理解してくれている(であろう)パートナー自慢、
セレブっぽい生活と友人の多さ自慢・・・結局はそういうことだけが印象に残るという残念さであった。

まあ、現代ニッポンでは『家族問題』や『親子問題』をテーマにするとそこそこ売れるから、
こういうタイトルをつけて、目を引くコピーをつけるという戦略は幻冬舎新書っぽいといえば、そうなのかも。
あと、家族をキライだとか親を尊敬できないとかっていうのが、昔から日本ではタブーだった気がするので、
家族の悪口を堂々と(笑)言う! という挑戦が、この本にはあるのかもしれない(かも)。
こういう本が売れることによって、
『そうか、家族をキライでもいいのか!』と思えて、救われる人も居る・・・かもしれない。
一応、ちょっとくらいは好意的に見てみる(∀`*ゞ)エヘヘ

Amazonの商品紹介には
『家族ほどしんどいものはない。これまで神聖化されてきた“家族”を斬る!』といういかにもなコピーがあり、
内容紹介は本の裏表紙からの一部抜粋で
『日本人の多くが「一家団欒」という呪縛にとらわれているが、「家族」はそれほどすばらしいものなのか?
実際には、家族がらみの事件やトラブルは挙げればキリがない。それなのになぜ日本で「家族」は美化されるのか。
一方でもっとも近い存在でありながら、じつは一番理解していなかったことを、家族が他界してから気づく人も多い——。
家族の実態を克明にえぐりつつ、「家族とは何か」を提起する一冊。 』
とある。
ココだけ読めば、そらあ売れるのはわかるよな~。本を紹介するコピーとしてはすばらしい。
でもね。
著者自身がその『家族』と、きちんと向き合ってきたようには、この本を読む限りでは思えない。
結局は、きょうだいとの葛藤からも、親の介護からも、子育てからも『逃げた』人が、
そんなに高いところからモノを言わんでもいいのになー・・・と凡人のワタシなぞは思ってしまう。
向き合ってないし、折り合ってもいないんだから、そりゃ家族を理解することだって、
克明にえぐることだってできないんじゃないかしらん。

そんな意地悪な感想しか出てこないという、ひさかたぶりに珍しい読後感でありました(∀`*ゞ)エヘヘ
それでも売れたもん勝ち・・・かな。
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『俺物語!!』アルコ&河原和音@安心して読める?王道少女マンガ♪

2015-08-01 21:50:23 | 読書感想・レビュー
8月ですね~。
言いたかないけど、毎日暑い・・・。
我が家の本能気象予報士・1号旦那が春先に行った『今年の夏予報』は、
『何日かカーッと暑い日があるけど、35℃超の猛暑はない』だったのだが、
台風12号の進路のせいでなんか流れが変わったらしい。
連日35℃ってのも息苦しくて疲れるぜ~。

そんな中、3DSソフト『リズム天国ザ・ベスト』でノリ感が全然上がらずに(現在89)
ヽ(*`皿´*)ノキィィー! となっていたり(ストーリーはクリアしたのに)、
サブのノートPCを、いっちょまえにウィンドウズ10にアップグレードなんてしちゃってみたり、
その一方で、先日大汗かきながら部材を買い求め修理に出した1号旦那のズボンが、
150円の部品をつけるための料金が1080円(税込)で、
改めて『自分でできないってことはこういうことか・・・』と打ちのめされてしまったりしている2号嫁である。

一方の1号旦那は、高校野球の神奈川県予選も終わって少々お疲れ気味。
それでも日中は上半身ハダカでうちわをあおぎ、
夜は下半身ハダカでベッドに直行という毎日を過ごしている。
昨年は『プール』と称して水風呂に入っていたのだが、カラダを壊したこともあって、
今年は水風呂はガマン、でもシャワーは一日に6回くらい浴びている。

さて、そんなデブ夫婦が数か月前からハマっているマンガがある。



『俺物語!!』アルコ×河原和音

アニメも放送しているので知っている人も居るのではなかろうか。
天下の別冊マーガレットに連載されている、れっきとした少女マンガである。
表紙だけ見ると完全に少年漫画なので、本屋さんで探すのが難しいかもヾ(≧▽≦)ノあははは!

主人公は、高校1年生の剛田猛男。身長推定2m、体重推定120キロ、
どう見ても高校生には見えない風貌で、とても少女マンガの主人公とは思えない(* ̄з ̄)ププッ
そして、猛男の幼稚園からの幼なじみで家(マンション)も隣の砂川誠(すな)。
イケメンで女子に絶大なる人気なのに、彼女が居たこともなく、しかもすっごくいい人。
そんな猛男が、電車の中で痴漢に遭っていた大和凛子を助けてひと目惚れ♪
しかし、これまで猛男が好きになる女子は全員、すなのことを好きだったため、
凛子もすなのことが好きなのだと思いこみ、ふたりのために奮闘する。
が、実は凛子が惚れたのは猛男のほう。すなのおかげもあって、晴れてふたりは彼氏と彼女となった・・・
というところから始まる、どこか古風でまっすぐで不器用なふたりのラブストーリー。

まあ原作が河原和音さんなもんで、あちこちに少女マンガの王道的胸キュンなセリフや、
『あーわかるなあ』という、遠い昔に少女だったワタシらを(゜∀゜)キュンキュンさせる場面も多い。
いくつかピックアップしてみると・・・、

大和 オレはどこまでも大きい男になりたい』 
『大和 明日も会おう なんでもない話を日が暮れるまでしよう』
『好きだ 何があるわけでもないのに 好きだと思うこの気持ちは どこからくるんだろうな』
『もう隣に大和がいるのが 当たり前みてぇだけど 当たり前がずっと特別で
 大和 好きになってくれて ありがとう』

そして同じクラスの女子から告白され『すまん』と謝ったあと、
『だよね 彼女いるもんね 遅いよね』と言ったその子に対して
『そうじゃねえんだ 大和が好きなんだ』

いやはや。これをでっかいクマのような高校生男子がつぶやくわけだ。
全編こんな感じっすよ。ね?? ザ・少女マンガでしょ(笑)。

河原和音さんの作品は、もう20年近く前から読んでいたが(最近のは読んでない)、
フツーの女の子の恋愛を描くのが、まあ上手いと思う。現実的じゃないところも多分にあるのだが、
少女マンガってことでそこらへんはご愛敬。
初期の頃の読み切り作品が好きだった・・・。連載になってからはあんまり(笑)。
『無敵のLOVE POWER』『幸せのかんづめ』『君が好きだから!』『泣きたくなったら教えてね』『天晴』『500マイル』などなど、
全部マーガレットコミックスで持ってるなあ。
主人公は、目立たないフツーの女の子、男の子。
目立たないゆえの、ちょっとうじうじした恋心を表現するのがうまいのだ。

猛男と凛子のカップルは、傍から見ると見事な『バカップル』ぶりなのだが、
いつも近くにクールなすながいるおかげで、ただのバカップルに見えないところがまた(・∀・)イイ!!
途中、猛男のことを好きになっちゃう同じクラスの女子が登場したり、
すなの姉ちゃん(弟の『誠』に対して姉の名は『愛』)が実は子どもの頃からずっと猛男を好きだったり、
すなのことを10年も思い続けていた女子が登場したりと、
スパイス的に猛男&凛子以外の恋愛も登場する。

1号旦那も、7巻あたりまでは面白く読んでいた。
しかし、少女マンガではあり得ない剛田猛男の設定については、1号は別段驚かなかったらしい。
いわく
『猛男みたいなヤツって、オレの高校にはいっぱい居たもん』
1号旦那の通っていた高校は、体育会系男子校だったため、身長190cm代なんてゴロゴロ居るし、
体重120キロなんてのも全然珍しくなかったらしい。
身長2m9cmのヤツから147cmのヤツまで、実に幅広い人物がそろっていた男子校なのだそうな。

さて最新刊(9巻)では、凛子のバイト先のパティシエ(かなり『俺様』が入っている少々イタイ男である)が凛子に惚れてしまい、
凛子も自分のことが好きなはずだと勝手な勘違いをし、
猛男に『凛子にはオレのほうがふさわしい』と宣戦布告。
1号旦那、このパティシエのエピソードでやや引き気味となってしまった。
いわく
『だってさー、21歳で、自分の店持ちたいなんて思ってるパティシエがさー、
小便臭い女子高生なんて相手にするか~? しかも俺の女神とかって言うか~? 
店持ちたいんだったら金持ちマダムをだまくらかして、店出してもらうだろー』

さらに
『大和はどーせ別の学校なんだから、同じクラスで自分に惚れた女子が居たら、学校にいるときはそっち、
学校を出たら大和でいいんじゃね??』


・・・・・・そう、汚れた大人になってしまうとこうなるのです・・・(´∀`)クスクス(笑)

そこはもう『少女マンガだから』で納得しないといかんのですよ!!
自分が高校生だったときを基準にしちゃならんのですよ!! ←(゜Д゜)エッ

まあ、登場人物が『根っからの善人しかいない』ので、そこが鼻につくという人は読んでてイラッとするかも。
猛男ほど一本気で純粋で、人の気持ちを優先しちゃうような男の子は居ないし、
凛子ほど献身的で何でも許してくれる、天使な女の子も絶対居ないし、
すなのように達観していて、親友に対してナイスアシストを続けられる人間はぜっったいに存在しない。

ただ、いろーんなことがあって汚れたオバサンになってしまったワタシからすると、
ストーリーのほとんどが『人のやさしさ』でできているようなこのマンガは、
『ありえねーよ!』とツッコミながらも、
そんな汚れた自分を束の間でもピュアにしてくれるようで、心地よいのである。
全編、誰かが誰かを思いやるというココロにあふれているマンガ。
ともすれば、説教チックになったり善意の押し売りのようになってしまいがちなんだが、
そう感じないのは、やはりキャラクターの力なのかなあ。
そういう意味では、本当に少女マンガらしい少女マンガなのだ。

ともあれ。
そんな『俺物語!!』アニメに続いて、まさかの実写映画化もされるそうで
(猛男を演じるのは30歳をとうに過ぎた鈴木亮平さん←天皇の料理番でお兄さん役をやった人)、
まだまだ目が離せない作品なのだ~。
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海街diary6『四月になれば彼女は』/吉田秋生@実写映画化だって!?

2014-10-16 16:01:19 | 読書感想・レビュー

さて、おなじみ1年半から2年に一度の単行本発行というスローペースのマンガでございます。この夏に6巻が出て、来年には実写映画化だそうだが・・・ううむ。四姉妹のキャストを見ると、ううむ・・・だが、まあマンガとは別モノと思えば・・・ううむ。

鎌倉を舞台に、四人姉妹と彼女たちを取り巻く人々の日常を描いたこの作品、6巻では5つの物語が綴られている。かなりネタバレしているので、まだ読んでいない方は飛ばしてくださいね~。

『いちがいもんの花』

すずが、母方の祖母の遺産手続きのため、初めて母の実家を訪れることに。すずの母親は、金沢の老舗呉服屋の娘。しかし家庭のある男性(香田家3姉妹の父親)と恋に落ち、結果として父親は自分の家庭(香田家)を捨てて自分の母親と一緒になった。いつも明るく前向きなすずだが、常に自分と自分の母親が香田家を不幸にしてしまったんじゃないかという想いは消えずにいる。

『結局、ずーっとついてまわるんだよね。うちの親が不倫から始まったってこと。お父さんとお母さんは、お姉ちゃんたちだけじゃなくてむこうの家族まで不幸にしちゃったんだなって』

そう言って金沢行きを迷うすずに、風太が言ったコトバがまたいいんだよな~。

そして姉たちと一緒に金沢を訪れるすず。そこで、叔父や叔母、美大生のイトコ・直人とも出会い、また絆が広がっていく。

『逃げ水』

個人的にはこのエピソードがイチバン印象的であった。

香田家の次女・佳乃の顧客で、ガンで亡くなった『海猫食堂』のオーナー・二ノ宮さんの遺産相続の話。彼女には好き勝手やって音信不通になっていた弟がいるが、本人の意思とは関係なく、法定相続人というだけでその弟に遺産を受け取る権利がある。本人は、法定分だけは弟に渡すが、あとは本当に世話になった人たちに遺産を遺したいと願っていたのだが、それを『あなたの善意が、あなたの大切な人を傷つけることがある』と言って止めたのは、佳乃の上司である信用金庫の課長・坂下だった。

『あなたは自分の意思を通してそれでいいかもしれない。でも、残された人間は あなたがいなくなった後も 世間の中で生きていかなければならないんです』

それを聞いた二ノ宮さんが、友人であり一番の理解者?でもある『山猫亭』のマスターにつぶやいた。

『死んだ後のことは 正直考えてなかったわ。先に死んでいく者の願うことは すべてかなえられると思うのは やっぱり傲慢よね』

そして山猫亭のマスターも坂下に言う。

『くやしかったんやろな。店のローンやっと終えてこれからやいう時に、病気にやられてもうて。おまけに血縁やいうだけで虫の好かん相手にこつこつ築いたもんごっそり持ってかれてしまうなんて。こんなはずやなかった思たやろな。本音ではくやしゅうてくやしゅうてたまらんかったんやろ。難儀なもんや 人間ちゅう生きもんは』

『こんなはずじゃなかった』そう思うことが、人間ひとつやふたつはあるはずだ、とマスターは言う。そして坂下課長も『二ノ宮さんの弟さんも、心のどこかでこんなはずじゃなかった、と思ってらっしゃるんじゃないでしょうか』と言う。それを聞いて、佳乃は『こんなはずじゃなかった ってことが、あなたにもあったんですか?』と心の中で思う。

この後、佳乃は坂下への恋心にハッキリと気づくわけだが、そこがまた美しい♪

前半の2編では、この作品の最初から何気なく出てくるコトバ『人の生き死ににお金の話はつきもの』『そしてそれはきれいごとばかりではない』という現実が突きつけられてもいる。生きていた時には何の愛情も優しさも示さなかったくせに、遺産だけをむしり取ろうとする親戚や、女ひとりで苦労してやっとこれからという時に、すべてを奪うように襲う病気など、理不尽な現実。その現実を、人間ってのは受け止めて、生きていかなければいけないのだろうか。

『地図にない場所』

一編目で出会ったすずのイトコ・直人が主役の話。見た目ちょっとチャラ男系でとんでもない方向音痴。子どもの頃、いじめに遭っていた彼は『地図にない場所』を探したのだという。とにかく逃げ出したくて、誰も知らない地図にも載っていない場所に行ってしまいたかった。そしてそんな場所を探そうと図書館に行き、まずやったことは・・・地図を広げることだった・・・。そこでバカバカしくなって親に転校させてくれ! と訴えた直人。新しい学校で徹底的にキャラを作りこんで人気者になり、それが直人のチャラ男の原型になったというわけ。

そして、卒業製作の準備のために鎌倉を訪れ、すずたちと一緒に迷いながらもたどり着いたのが、布製品を作る女性作家のアトリエ。あまりの居心地のよさに『あのとき、こういう場所を見つけることができていたら、もっと楽に過ごせたかもしれない』とつぶやく直人に、その女性作家が

『立ち上がってたたみなさい 君の悲嘆の地図を』

というオーエンの詩を贈る。彼女もまた、学校に行けなかった3年間があり、この詩に救われたのだという。

かくして直人は、地図に載っていない場所をついに探し当てた。

この話はいいですね~。お気軽に『前向きに行こうよ!』的な薄っぺらさがなくて。

そういや、大昔のさだまさしの歌にもあったっけな・・・『もし君が 地図にない場所を探したきゃ 初めに地図が必要だってこと』

迷いながら、つまづきながら、転びながら、自分の力で探し当て、あきらめずに、やっとたどり着いた場所、やっと出会った人。それが自分にとっての地図にない場所であり、自分にとってのかけがえのない人になる。

『肩越しの雨音』『四月になれば彼女は』

すずに、女子サッカーの強豪校からの推薦入学の話が。これを受ければ、鎌倉を離れることになる。自分の進路で悩むすずと、彼女がどんな決断をしようとそれを尊重するスタンスの姉たち。そして風太をはじめとする仲間たち。4月になったら、すずはこの街を出ていくことになるんだろうか? それとも・・・?

いや~~そろそろこの物語も幕が近いのか? でも、三女・千佳の彼氏であるスポーツ店の店長の過去や、佳乃の上司・坂下が都市銀行のエリートコースを捨てて地元の信金に来た本当の理由なんかもまだ明かされていないし、何より長女・幸の同僚ナースであるアライさんもまだちゃんと描かれていない。やたらともったいぶってる部分もまだまだあるなあ。というわけで、まだまだ知りたいことはいっぱいあるぞ・・・。なのでまだまだ終われないんじゃないだろうか・・・。

が、この続きがまた1年半後なんだよな・・・(´m`)クスクス 気長に待つしかない作品なのである・・・。

映画はどのエピソードを中心に構成されるんだろうか。ちなみにキャストは、

長女・幸・・・綾瀬はるか 次女・佳乃・・・長澤まさみ 三女・千佳・・・夏帆 四女・すず・・・広瀬すず だそうな。やっぱり、ううむ・・・だが(^^ゞ

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『ゼロ~なにもない自分に小さなイチを足していく』/堀江貴文@小さなイチって意外に大変?

2014-01-29 17:42:01 | 読書感想・レビュー

書店に行けば相変わらずどーんと平積みになってますね。発売以来すごいプロモーションで話題になっていたもんで気にはなっていて、購入したのは早かったんだが・・・いつものように『積読』状態の中に入ってしまって、この間やっと読んだというぐーたらさ(*^^*ゞ

まず、2号嫁は堀江貴文さんがキライではない。でもファンではないかもしれない。彼のメルマガを購読したり、ニコニコなんちゃらを観たりもしないし、あの近鉄買収騒動から始まって、今までメディアに登場してきた表面上の堀江貴文しか知らない。そういう意味では、表面上のホリエモンがキライ、という人たちとあまり変わらないのかもしれない。

で『ホリエモン』という愛称で呼ぶのも何となく抵抗はあるのだけれど、『堀江さん』ってのもどうにもなじまないし、年下だからって『堀江くん』と呼べるほどの立場でもないので、やっぱり『ホリエモン』にする・・・。

さて、読み終えての最初の感想。
『なーんだ、ホリエモンも何だかんだいっていい人に思われたかったんだ?』
が、多分これも戦略なんでしょう。今までのあの毒を一切出さずに、正直に綴った(であろう)半自叙伝。かつての『拝金主義者(と思われていた)ホリエモン』が、少年時代のことや育った家庭環境、今まで語ったことのない結婚生活などプライベートについても綴っている。ううむ、『あのホリエモンが・・・』と思わせたい仕掛けがいっぱい♪
なので、ワタシのように毒々しいホリエモンに『いいなー』と思っていたようなヤツにとっては、
『おいおい、アナタそんな人じゃないはずでしょ?(知らんけど)』と、ちょっとイラッとしたりもする(*^^*ゞ

まあ、これが事実だろうと戦略だろうといいんだけど、思ったのはホリエモンって、結構根っこは優しい人なのねってこと。ウチの1号旦那の方がよっぽど冷たい(〃^∇^)o_彡☆あははははっ♪ 1号の場合は、彼とは逆で(?)表面上はすっごく優しくみえるらしいんだけどね。でも『お金と自分以外は信用できない』という人間なので(*^^*ゞ

ミリオンセラープロジェクトという点では、さすがにプロを集めただけあって大正解なんだろう。もはや、本人が書いたかどうかとか、文章力が云々なんてことを言う人も居るみたいだが、そんなことは問題じゃなく、自分の本をミリオンセラーにするということが目標だもんね。
さらに、ホリエモンが『ゼロ』かどうかというと『?』なんだけど、彼自身がゼロだとかゼロじゃないとかってのも実はどうでもいいことで、読んだ人が『ゼロにイチを足す』ことをどう捉えるかってことだと思うのだ。

ただ、1号旦那は、ぱらぱらっと見ただけだがどうもピンと来なかったらしい。

むしろ、この本を読んで『よし! オレも起業しよう!』と安易に思うほうが危険じゃないかと。基本的に1号旦那は、せっかく大学(最高学府)まで出たんだから若い子がどんどん起業すればいいのに・・・と、いつも言っている。が、この本に触発されてってのは危ないと。あと、自分の社員には、どの企業に勤めている人よりもいい生活をさせたい。そのために仕事するのが経営者なんじゃないかと。実際それができないとしても、そういうマインドが必要なんじゃないかと。そして自分がどんな状況になったとしても、自分の社員だけは守らなきゃいけないんじゃないかと。そこがホリエモンとは違うかな~と思ったりもするらしい。ちゃんと、社員のことを考え、しかも真っ当に会社を経営していた人から見ると腹立つかもしれないな、という感想であった。

さて、この本で言うところのゼロにイチを足す能力って、結構スゴイことで、誰でもできるようで実はできないんじゃないかとも思う。

最近よく目にする『自分を変えたいと思ったら今日から始められる』的な本にあるような『できることから始めましょう♪まずは部屋の片付けから。キレイな部屋にすると幸せが集まってきます♪』というような『ゼロ+小さなイチ』なら、今すぐ誰でも実践できるだろうけれど、ホリエモンの言うところの『ゼロ+小さなイチ』は、やっぱり起業家資質(と表現していいのかどうかわからないが)が高い人にこそ成り立つような気がしちゃう。
なので、1号旦那が『これ読んで触発されて起業しちゃうのは危険』ってのも、まあわからんでもない。これを読んで感動しました! とかやる気が出ました! と言ったところで、実際に起業する若者は少ないんだろうしね。

起業するしないは別として、この本の大きなテーマのひとつは『お金をもらう から お金を稼ぐ』にシフトすると仕事は楽しくなるってところだ。儲けるために働くのではなく、お金から自由になるために働くのだ、と。働くことを『何かを我慢すること』と思い、給料のことを『我慢と引き換えに受け取る対価』と思っていないか、と投げかける。
働いている人の約7割くらい? が勤め人という国ではなかなか難しそうではあるけれど、たとえ勤め人で給料をもらう立場であっても、仕事にやりがいは持てるということなんだろう。

個人的には『悩むと考えるの間には、決定的な違いがある』というところが考えさせられた。『悩む』とは物事を複雑にしていく行為で『考える』とは物事をシンプルにしていく行為。これは見事に仕事に当てはまるなあと。が、これまたわかっていてもなかなかできない。考えてるつもりでも、実は同じところをグルグル回っているだけってのはよくあることだ。
それを客観的に分析できるかどうかなんだろうな。デキる人、頭の切れる人ってのはそこができてるんだろう。いや~~アタシも頑張らないと(*^^*ゞ

とはいえ、働く人全員がホリエモンみたいだったらやっぱり世の中うまくいかないもの。時間を惜しんで身体壊すまで働かなくても、身の丈にあったそこそこの給料もらって家族と過ごす時間も大切にして、たまにはぼーっとしたい・・・という人が居たっていいわけなんだわな。どっちがいい悪いじゃなく、どっちが勝ちとか負けとかじゃなく、自分にどっちが合っているかってことなんだよね。

レビューなどを見ると、実際にこの本を読んで『よし! 自分もイチを足すことから始めよう!』と思った人がすごく多いらしい。それはホリエモンの知名度もあるだろうが、それだけではないと思う。なんとなーくいろんなことを諦めている(ように見える)人たちの背中をちょっとだけ押してくれるメッセージが詰まった本なんだろう。
若者頑張れ! 的な要素は盛りだくさんなんだけど、もちろんホリエモンと同じやり方で全員が成功するわけじゃない。でもまあ、今の日本を包んでいる閉塞感にちょこっと穴を開けてみるってのも必要かもしれない。最初は針の穴でも。それこそ『ゼロに小さなイチを足す』ように。

まあ・・・ふたりで並んでると、後ろから見たら『0』がふたつ並んでるように見えるようなデブ夫婦ですが・・・。世の中へのメッセージ、働こうよ! というメッセージはさておき、ワタシは読み物として結構楽しめた本でありました。ウチの周りには、ホリエモンが嫌い! という人が多いのだが(同世代でも親世代でも)、そういう人にこそ感想を聞いてみたい気もするなあ。多分、読んではくれないだろうけど。

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陽だまりの彼女/越谷オサム@ベタ甘すぎる? THE・恋愛物語

2013-03-21 23:23:34 | 読書感想・レビュー

まだお彼岸だというのに、今年はもう桜が咲いちゃってますよ!

ヨコハマも18日が開花だったらしく、この分だと今月末には満開になるのだろうか。こんなに開花が早かったのは2002年以来だそうだ。というわけで日記帳を引っ張り出してみたら、2002年は3月21日にすでにヨコハマは桜満開だったらしい。その年の3月中旬に、2号嫁は仕事で函館に行っていたのだが、そこでもジモトの人が『今年は異常にあったかいんですよー』と言ってたのを思い出した。

10年に一度くらいは、こういう年があるのかしらん。ちなみに桜が早かった2002年は4月に入ったら夏のような陽気だった。さて今年はどうなるのやら。我が家の本能気象予報士・1号旦那に聞いてみなければなるまい。

そんなこんなで桜も咲いてこれから本格的な春。気づけばまだまだ積読状態の本がたくさんのデブ2号嫁である。読む暇も無いほど忙しいの! などということは絶対にないのだが、最近目も見えづらくなってきたし、みんゴルの王冠をコンプリートしなきゃならんし(多分無理だが)、さらにドラクエ7も進めなきゃならんし・・・で、なかなか本を読もうという気分にはならなかったのだ。で、そんな積読状態の中からひさかたぶりに一冊。

「陽だまりの彼女」越谷オサム

本の帯には『女子が男子に読んでほしい恋愛小説№1』という文句が躍っていて、なんだか45のオバサンが読んでいいのだろうか・・・という気持ちにさせられてしまうのだが、著者は年齢がやや近いみたいなのでまあ大丈夫だろうと読み始めた。

広告代理店の新人営業マン・浩介の前にクライアントの担当者として現れたのは、中学時代の同級生・真緒。十年ぶりとなる偶然の(一応)再会だった。
浩介を驚かせたのは、当時は絶望的にアタマが悪く『学年有数のバカ』と呼ばれ、いじめられっ子だった真緒が、仕事のデキる大人の女性に変身していたこと・・・。
あの頃の気持ちを思い出したふたりは当たり前のように恋に落ち、デートを重ねて、駆け落ち同然に結婚することに。が、真緒にはとんでもない、ありえない秘密があったのだ。

・・・というお話である。

なんというか少女小説のような展開の速さと、これまた少女マンガチックな話だったもんで、1時間足らずで読んでしまった(*^^*ゞ
しかし再会からデート→結婚生活に入るあたりまでは、ベッタベタに甘い! 甘すぎる! 読んでるこっちが恥ずかしくなっちまうようなラブラブイチャイチャゴロゴロな毎日がこれでもかというくらい描かれている。明るくて甘くて楽しくてあったかくて・・・の、まさに陽だまりのような光いっぱいなお話♪ 

おいおい、これが延々と続くのか? と思っていたら、後半は真緒の預金通帳の不自然さだったり、真緒がやたらと『疲れた』とか自分の寿命のことなんかを口にするようになったりと謎めいた影の部分が見え隠れしてくる。
ラブラブのまま結婚し、ラブラブな夫婦生活を送っていく浩介と真緒だが、その生活は突然消えてしまう。離婚とか事故とか病気じゃなく、でも『消える』のである。それが、真緒が抱えていた『ありえない秘密』へとつながっていき、『あら~~!?』という印象のラストを迎えるのだが・・・。

ラストは賛否両論だったようだが、ワタシは『アリ』かなあと思う。ちょっぴり悲しいし、なんだか夢オチみたいな気分になっちゃうし、浩介、この先どうするのさ? という疑問はあるので、ハッピーエンドかどうかは読んだ人によって感じ方が違うだろうけれど。

途中から真緒の秘密がなんとなーくわかるっちゃーわかるんだが、ラストまで読んでもう一度読み返すとあちこちに散りばめられていた伏線が解消できる。真緒の言動、性格、過去すべてが『ああ、こういうことだったのね』と。さらにタイトルも『ああ、なるほど』と。二度読ませることも計算してのラストだったのかもしれん。
個人的には、ラストで浩介が真緒に言った
『お前、金魚のブライアン食ったろ』というセリフがいいなあと(・m・ )クスッ

さてそんなベタ甘なこのお話、映画化されて今年公開らしい。主役のふたりは松本潤と上野樹里だそうだ。確かに少女マンガチックな設定と甘さなので、映画にするにはいいかも。このアホアホしいほどのラブラブっぷりを、どう表現するのかがちょっと楽しみである(´∀`*)ウフフ

というわけで、ベタで甘くてありえないという少女マンガの王道をしっかり押さえた作品(いや、小説なんですけどね)。何歳になっても、たまにこういう恋バナを読んでみて、恥ずかしいくらいに純粋でラブラブな気持ちを思い出してみるのもいいかもしれん。
かつての女子たちにおすすめの作品です♪ あ、でも帯の文句通りにはいかないかも。『男子』は、なかなか読んでくれないのではないかと(* ̄m ̄)プッ

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おひとり様物語3・4/谷川史子@ひとりを楽しむことと、ひとりで居ること。

2012-10-31 20:50:30 | 読書感想・レビュー

2巻まで読んでいたのがその後忘れていて、先日本屋さんでたまたま見つけたらすでに4巻まで出ていたんですね(*^^*ゞ
今まで同様に現在おひとり様の人、わけあっておひとり様になった人、そしておひとり様でなくなる人・・・などなどの『おひとり様ライフ』を描くオムニバスストーリー。

3巻では、ひと回りも年下のバイト君に心ときめいてしまう口ベタで地味な33歳のおひとり様や、7年間の同棲生活を解消したものの想い出だらけの部屋を片付けられずにぐずぐずしているおひとり様などなど恋愛がらみが当然多いのだが、ちょっと異色だったのが実家で母親とふたり暮らしの30歳おひとり様。掃除も洗濯も料理も全部お母さんがやってくれる。娘が居ないとテレビの録画予約もできない母親に『もし私が出て行ったらこの人どうするの?』なんて思ってたのは実は娘だけで・・・というのがなかなか面白かった。

4巻では実家を出た彼女のその後も描かれている。夢のひとり暮らし、好きな家具や食器をそろえて自分でゴハンを作って(今はパスタにはまってます、ってのがありがちで笑える)・・・なんてのが楽しかったのは最初の3ヶ月だけだった・・・(〃^∇^)o_彡☆あははははっ♪わかるわかる。ひとり暮らしすりゃあ料理や洗濯はもちろん、ゴミ捨てだって自分でやらなきゃならん。仕事で疲れて帰って、ゴハン作ったり洗い物したりなんて面倒・・・と、理想と現実の違いを思いっきり感じるわけですね~。

巫女としてバイトしている結婚式場に新郎として現れた4つ年下の元カレ。21歳から25歳までの『女としてイチバンいい時期(とお金?)』を年下の彼に捧げた想い出がよみがえってくる主人公。あれから自分はおひとり様のままなのに、彼はカワイイ女の子と結婚だ。どんな呪いのコトバを投げかけてやろうかと考える。言いたいことはたくさんあったはずなのに、結局出てきたのは『おめでとうございます』。心からおめでとうと言うことによって、彼のことが好きだったあの頃の気持ちを思い出すんですなあ。好きだったからこそ、ずっと言いたかった気持ち。おひとり様は、これでやっと前に進めるのだ。ああ、アタシは最近他人に心から『おめでとう』と言えたことがあるだろうか。心からおめでとうと言えないってのは、まだまだ修行が足りんのか・・・。

さて印象的だったのは『仮面夫婦』のふたり。結婚によるメリットは欲しいがデメリットはゴメン。そんなふたりが『既婚者』という肩書きが欲しいために結婚する。つまり、帰るところだけは同じだが、それぞれ自由に自分のことができる生活を選ぶわけだ。
しかし、帰るところが一緒というのはやはり特別な気がする。帰るところが違えばお互い何をやっててもいいのだが、帰る場所が同じってのは結構重要だと思うのだ。
この話ではそれなりにうまくやっていた夫婦が、夫の転勤によって引っ越さなければならなくなる。それぞれやりたいことをやるために結婚したので、当然転勤についていくことは『無理』。やむなく離婚=同居解消 という選択をするのだが・・・

他にもさまざまな理由のおひとり様がいっぱい。不器用で、うまくいかなくて、世界で自分だけが独りぼっちみたいな想いになって、いじめられるわけじゃないけれど特別大切にもされない自分が悲しくなって、それでも前を向いて、恋をして、恋する気持ちを思い出して。 
うんうん、わかるよ~とぶんぶん頷きながら読んでしまう(*^^*ゞ

『おひとり様』といえば、こんな記事も見つけたよ。

サンケイリビング新聞社「おひとり様で痛いと思う行為ランキング」

「おひとり様」のイメージ、59.4%が「好意的」
さて『好意的』ってどういうことなんだろう? 好意的というよりも『別にいーじゃん』って感じに近いように思えるのだが。

「おひとり様」で行動するのが好きな人は68.6%
理由として『他人に気を遣わずに済む』とか『他人を気にして行動範囲が狭くなるのがイヤ』などなど。確かにショッピングに行ったりするのは女同士って面倒な部分もあるからな~。アタシも友達のショッピングに付き合うのは嫌いだwあ、誘われることも無いからいいんだけどね(* ̄m ̄)プッ

「おひとり様」だと他人の目が気になる人は25.3%
いや~~強いなあ。世の中の女性は強いんだなー。
他人の目を気にしないおひとり様=カッコイイ という図式ができているらしい。他人に依存しないで自分の時間を楽しめるのは自立した女性である証拠だとか。おひとり様が痛い、という人は自分に自信がないのではという意見もある。
自分のスケジュールで行動できるのがいいというのもあったが、こういう考えだと確かにパートナーを探すのは難しそう。

「おひとり様」で"痛い"行為、1位は「高級レストランでのディナー」
おひとり様はカッコイイはずなのに、自分が好きなものを食べてるんだからいーじゃん、と言いながらやはり高級レストランでひとりディナーは痛い=他人の目が気になる ってことなのね。面白いなあ。
個人的には高級レストランだろうがファミレスだろうが、外でひとりでメシを食うってのはあまり楽しくなさそうだなーと思ってしまうのだが、どうだろう。
もちろん無理してとか気が合わない人とメシ食うよりはひとりの方がいい、ってのは当たり前ですが。

独身、彼氏ナシ、バツイチ、広い意味では遠距離恋愛などなど『おひとり様』にもいろいろある。が、世の中ではそんな女性たちを持ち上げて『おひとり様ブーム』みたいなのを造っている風潮もあるようなないような。
ひとりで映画やコンサートはもはや普通で、ひとり焼肉の店やらひとりカラオケなんかもあるそうだ。ひとりで海外旅行に行く人も増えてきている。中にはひとりでディズニーランドに行っちゃう人も居るそうな。
すごい、すごすぎる。
ひとり用スペースで焼肉焼いて、黙々と食べて、さっさと出て行くってのも・・・そんなんで焼肉食って果たしてウマイんだろうか? それでも『今』『私は』『焼肉が食べたい』んだからいいのか・・・。
旅に行ってもメシ食っても誰かと楽しみを分かち合うってことが無くても、楽しいんだろうか? などと余計な心配をしてしまうのは2号嫁が『おひとり様苦手人間』だからだろうか。
デブ夫婦の周りにも一人で海外旅行行っちゃったり、一人で外食も映画もまったく問題無し、という人もたくさん居る(独身者も既婚者も)が・・・、おひとり様もシチュエーション次第なのかも。『ひとりの時間を楽しむ』ということと『何でもひとりでやる』ってのはなんとなーく違うような気がするんだよなー。
ワタシなんぞは、いざおひとり様になったら多分引きこもってどこにも行かない人間になりそうである・・・(* ̄m ̄)プッ

というわけで『おひとり様物語』。4巻の帯には『ひとりよりふたりの方がいい時もあるけど、ひとりだけの方がいい時もある』とある。常にひとりでも淋しいが、常にふたりでも面倒だったりするのだろう。結局誰でも無いものねだりで他人はうらやましいものなんだよな。
この登場人物『おひとり様』たちも、ひとりであることが淋しかったり納得してたり強がってたりといろいろなのだが、大切なものに気づいたり逆にこだわっていたことが案外大切じゃなかったり、そして大切だとはわからなかったことを失ってしまったりして、少しずつ変わっていく。
せつないんだけど、明日からも頑張ろうな! と思える、そんなお話が詰まっている作品です。現在おひとり様にも、おひとり様でなくなった人も楽しく読める・・・と思う♪

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