２号嫁が２０代後半～３０代前半の頃、彼氏がいなかったり未婚だったり・・・という人たちの話を聞いていて
『何が欲しいの？どうしたいの？』と聞くと、だいたい決まって
『普通でいいの』『普通の幸せでいいの』
という答えが返ってきていた。
それを聞くたびに『普通なんてものはねぇんだよ・・・』と苦々しく思ったことを覚えている。
そこから１０年ほど過ぎた今は『普通のしあわせ』というものがさらに手に入れにくくなっているらしい。
この本の中では『ふつうの幸せ』とは平凡で穏やかに暮らせることで、それが最大の幸せであると。でも、どうもここ数年、幸せを感じられなくなってしまった人たちが増えているらしい。
ひとつは、
ふつうに幸せに見えるのに、もっと幸せになれるはずなのに、私は特別な人間のはず（だった）という『飽くなき成功願望』を持ち続けてしまっている人
そしてもうひとつは、
成功したくても不運だったり環境のせいで努力することすらできない人たち。ふつうの幸せどころかふつうの生活も危ういところまでいってしまった人たち。
『ふつうの幸せ』を手に入れるために必要なのは何だろう？ そのための１０のルールがこれだそうだ。
１）恋愛にすべてを捧げない
２）自慢・自己PRをしない
３）すぐに白黒つけない
４）老・病・死で落ち込まない
５）すべて水に流さない
６）仕事に夢をもとめない
７）子どもにしがみつかない
８）お金にしがみつかない
９）生まれた意味を問わない
１０）＜勝間和代＞を目指さない
個人的には『自慢・自己PRをしない』『仕事に夢をもとめない』『＜勝間和代＞を目指さない』の章がおもしろかった。香山センセイも勝間さんのことは好きじゃないのかなあと(´m`)クスクス・・・そういえば最初は帯の文句にでかでかと＜勝間和代＞を目指さない と書かれていたのに、この間書店で見たら変わってた。なんかあったんでしょうかｗｗ
さて、気づけば世の中は『勝ち組・負け組』に分かれ、それと同じように『仕事・家庭』『結婚・キャリア』『金持ち・貧乏』などなど極端に二極化して物事を型にはめてしまい、何の遊びも余裕もない時代になってしまった。本当はその間に居る人たちが圧倒的に多いはずなのにね。その多数の人たちが『ふつうの幸せ』の実感がないってのはおかしな話だ。
生きがいを見つけ、生き生きと暮らしている人
仕事でそれなりの地位を得て、仕事にやりがいや誇りをもっている人
恋人やパートナーが常に居て、ときめく心を持っている人
常に向上心を持って自分を高め、それによって成功している人
こんなのが『幸せ』な人で、
夢破れ、挫折してしまった人
仕事に生きがいややりがいを持てない人
恋人に振り回されて孤独感だけが深くなってしまった人
環境や不運のために努力するにもできない人
は、ばっさりと切り捨てられる人。
成功願望や、幸せになるには努力を『しなければならない』という呪縛、成功しなかった時や途中で諦めた時には『自己責任』。理想にしがみつくことに疑問を投げかける香山センセイ。
幸せの尺度なんてのは人それぞれだもんだから、
例えば人が羨むようなカッコイイ旦那が居て、子どもにも恵まれて、専業主婦で何不自由ない暮らしをしていたって『幸せ』と感じない人は居るし、多少生活が苦しくても毎日笑顔で暮らせることを『幸せ』と感じる人も居る。だけど、ちょっと他人の成功を目にしたり、成功者の本を読んだりするだけで
『自分はこれで幸せなのだろうか？』
と不安に思ってしまうこともある。
つまりは、いつでも自分の心の在りようの問題なんでしょう。自分の外に幸せのカタチを探し求めて、理想とは違うと落ち込むのではなく、どう考えるか、どう受け入れていくかの助言ともいえる本。
いつのまにか生きることすら大変に思えるようになってしまった現代。メディア主導の閉塞感と焦燥感に追われることなく、自分のペースでそれこそ普通にｗ生きていくのがそんなに大変なんだろうか？
『なんだかんだあるけど、メシがうまいから幸せ～』・・・実はその程度でいいんじゃないか？ などと小市民なことを思えてしまう本・・・かもｗｗ
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