市川動植物園の鑑賞植物園近くの、
自然観察園にある屋根の無いベンチで、
パンを食べながら休んで居ると、茂みの中から物音がした。
その方向を見ると・・・・
何とケモノのような毛色の個体が動いた。咄嗟にシャッターを切った。
ヌートリアがはたまたハクビシンか・・・・
もしも猪だったら逃げなければと思いつつ好奇心が先にたち観察して居ると、
向こう側も気づいた様で、4mほど先の茂みの中からこちらを見ている。
よーーくみるとその正体は「野生の狸」だった。
カメラを構えながら更に観察を続けて居ると、
人に慣れているのか怖がっている様子もなくこちらを見ている。
ならばと猫を呼ぶときのように「チャッチャッチャッ」と舌打ちして呼んで見ると、
私からもよく見えるような位置に移動した(巻頭の写真)。
食べ物が欲しかったのだろうか?
が・・・残念ながらパンは食べ終えた後だった。
1匹目はそのまま草叢にの中に歩いていったが、直後に2匹目がやってきた。
私には気づいてないようだったので呼ぶと、振り返った。
こちらの呼びかけに反応する野生なんて始めてであるし、
特に表情も変えないことから、狸って可愛いじゃないかと・・・思った。
こちらを10秒近く見つめていた。(私一人だったことが幸いしたのかもしれない)
そこに3匹目がやってきた(判りにくいが下の写真左上端)が、
こちらは私を見るなりあわてたように後ずさりして逃げ、
それに合わせるかのように2匹目も一緒に草叢の中に消えていった。
個体の大きさから3匹とも子のようであったが、
狸に関しては門外漢なので詳細は不明である。
1匹目と2匹目の区別は、2匹目は鼻の付近に泥のようなものが付いている。
3匹目とは目が合ったが、ピント合わせが間に合わず撮れなかった。
なお、状況が状況だけに「オートフォーカス」ではピントが合わず、
マニュアルフォーカスで15コマほど撮ったが、
それが出来るほどに2匹の狸はこちらを見ていたことになる。
野生の狸に遭遇したのは生まれて初めてのことであり、
もちろん撮ったのも初めてであるが、野生を感じさせないような可愛いさがあった。