MAICOの 「 あ ら か る と 」

写真と文で綴る森羅万象と「逍遥の記(只管不歩)」など。

はなまつり

2011年04月08日 | 写真俳句

今日、4月8日は釈迦牟尼仏の生誕を祝福する「花祭」の日である。
もとは浄土宗に限って行われていたが、
今は各宗を通じて「花祭」の名を用いるようになっているのだとか・・。

よく見られるのは花御堂にまつられた「誕生仏」に竹の柄杓で甘茶の湯を濯ぎかける光景だが、
これにもいろいろ言い伝えがあるようだ。

甘茶を濯ぐのは、お釈迦様の誕生のとき、
八大竜王が甘露の雨を降らして太子を湯浴みさせたという伝説にもとづいて行なわれ、
本来は香湯(甘松香、紫檀、白檀、鬱金香、竜脳香、沈香、麝香、丁香など諸々の香料を用いた湯)だったようだが、
江戸時代に「甘茶(木甘茶の葉と甘草の根を煎じたもの)」となったといわれている。

俳句の世界でも「はなまつり」や「甘茶」は晩春の季語として、多くの先人に読まれている。

花まつり母の背ぬくし風甘し・・・・・楠本健吉

地を指せる御手より甘茶おちにけり・・中村草田男


花御堂の屋根は、椿、桜、連翹、木蓮、辛夷、菜の花、薊、豆の花、
その他いろいろな花で美しく葺かれ、真ん中に金銅造りの、右手を高く上げた半裸像の誕生仏を祭る。

甘茶をかけて誕生仏を前に合掌する花祭には「祈り」もあるわけで、
今年の祈りは「大震災」へのさまざまな祈りだったことだろう。

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