朝からの雨で遠景は朦朧体のように霞み、
いつもなら聞こえ来る高校生等の元気な声も、
小糠雨の中に静まり返っていた。
土埃が舞うほどに乾燥していた隣のグラウンドや団地の庭も雨に濡れ、
やや誇り塗れだった草木は瑞々しさを取り戻していた。
野菜の在庫が無くなったので(生野菜嫌いの私でも野菜は常備する)スーパーへ。
7階の廊下から団地の庭を見下ろすと、
八重桜(関山)が散り始めたようで、周辺が花弁に塗れていた(巻頭の写真)。
今日の雨が「散らしの雨」となったようである。
庭に出て観察してみると、花はまだ5分以上残っていて、
この2~3日やや冷え込んだことが花を長持ちさせたようである。
関山の花弁は「染井吉野」よりも大きく重量感もあるため、
吹き溜まりには花弁の絨毯が出来上がっていた。
春の日差しの中で輝くように咲いていた蒲公英の花は、
関山の薄紅色の花弁に囲まれてしまって存在感を失っていた。
成長し始めた雑草の隙間にも花弁が入り込んでいたが、
これらの花弁は朽ちて大地に吸収され、
やがては周辺の雑草の成長を手助けすることになる。
華やかな散華と消え行く儚さ・・・・・それは人も同じなのかもしれない。
子供達の遊具のある広場では、
真っ赤でやや大振りの木瓜の花が最盛期を迎えていた。
余りにも赤すぎるためこれまで「撮る」事を避けていたが、
3日もシャッターを切らない日が続いたため、何気に撮ってしまった。
やや暗かったためフラッシュをONにしたが、
それが良かったようで、花に近い発色が得られ、被写界深度も得られた。
3日ぶりの外出だったが、
部屋の中でうだうだと過ごしていたためか、春遊びの疲れが取れたようで、
足が軽く、軽快な歩行速度を保つことが出来た。