MAICOの 「 あ ら か る と 」

写真と文で綴る森羅万象と「逍遥の記(只管不歩)」など。

maico流「トブチゲ(豆腐チゲ)」

2005年12月03日 | たべもの・料理
豆腐チゲは韓国滞在中の朝食事に食べることが多かった。
ホテルの洋食バイキングもいいが、やはり韓国の庶民の味も楽しまなくてはと思い、投宿ホテル近くの庶民的食堂をガイドさんから紹介してもらっていた。
小さな食堂のオモニが作る「豆腐チゲ」は、具沢山の野菜と豆腐の味噌汁といった感じで、ご飯と何種類かの漬物がついていた。

日本の味噌汁とは違い独特の香りとコクのある味だったが、一番の特徴はズッキーが入っていることである。
それをスッカラ(韓国スプーン)で食べていくのである。
ご存知のように、韓国では器を持って食べるのはマナー違反なので、ご飯もチョッカラ(金属製の箸)よりはスッカラを使って食べることになる。ただ漬物などはスッカラでは取りにくいので、チョッカラを使うのである。

スッカラでスープを飲むときは、雫がたれないようにひと工夫してから食べることになるのだが・・・・
まず器からスープをすくったら、そのままスッカラの底を器の端に当ててから口元に持ってくるのである。スッカラの底に着いた今にも落ちそうな雫は器に軽く添えることによって、器の端に吸収されてしまうことになる。

豆腐チゲに入っているのは当初、韓国味噌だけと思っていたが、それにしては大豆が丸のまま入っているので聞いてみると「ナットウ」だという。韓国にも納豆があるのかと驚いたが・・・・・・
もちろん手配して日本へ二個ほど持ち帰ったのはいうまでもない。

しばらくして日本にもあるのではと探したところ、以外に簡単に見つかった。
日暮里駅近くの小さな韓国食品店で、コチュジャンやサムジャンなどを手にしながら応対していただいた韓国人アルバイト店員に「ナットウありますか?」と聞いてみた。

わからないようだったので「豆腐チゲに入れる味噌なんですが」と食い下がったら「韓国味噌」を持ってきた。「それじゃなくて、このくらいの大きさで納豆のにおいがする・・・」店員はしばらく考えてから、右手のこぶしを左手に打って「あーーーあれね」と、閃いたようで、店の奥から持ってきてくれたのである。

写真がそれである。私流には、寄せ鍋の材料6人分(野菜7割・豆腐二丁)ぐらいに、これ一個使うのである。納豆が好きな方や納豆汁の経験のある方ならお奨めである。チゲにしても納豆のにおいはするが、少なくても市販されている永谷園の納豆味噌汁ほど強いにおいではない。

前に紹介した「韓国広場」には常備してあるので、最近は其処で手に入れることが多いが、キャッシャーの女性からいつも怪訝そうに見られている気がするのは気のせいだろうか。ここには乾燥ズッキーニ(彼らはかぼちゃとも呼ぶ)なども売られている。

写真を見ると、チョングクジャン(清麹醤)と書いてあるので辞書で引くと、味噌の一つで大豆をゆでた後、臼で砕いて熟成したものとあったが、匂いは味噌というより納豆なので「糸を引かない納豆の塊」といったほうが分かりやすい。

さらによく見ると、成分欄に大豆の97%が米国産とあり、塩(ソグム)、唐辛子粉(コチュカル)が入っていることがわかる。米国産の大豆が殆どという韓国の食糧事情も見えてくる。

韓国ではこの「ジャン(醤)」と呼ばれる調味料が発達していて、コチュジャン(唐辛子味噌)、カンジャン(醤油)、テンジャン(味噌)、サムジャン(甘味噌)など、韓国では歌になっているほど数が多いので、食の楽しみも必然的に多くなってくるのである。
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