遠い森 遠い聲 ........語り部・ストーリーテラー lucaのことのは
語り部は いにしえを語り継ぎ いまを読み解き あしたを予言する。騙りかも!?内容はご自身の手で検証してください。
 



 

あたらしい学童クラブ 40人以上の子どもたちがいました。男の子が多く とても元気でした。

① 見えた 見えた

② いっとこだんご

③ いぐいぐいぐ

④ メリーさんの電話

⑤ わたしがちいさかったときにから

⑥ アナンシと五

あたらしい語り場というのはお互いにまだなれていないので新鮮ですが お見合いのようなところがあります。まして学童のこどもたちは とても自由でおそらく家庭のなかより クラスの中よりのびのびしていて 自由奔放です。

ひさびさに カタリカタリのメンバーと語って感じたのは..... はじめと終わりは毅然とする、ルールはしっかり決める、自分の語るものがたりには責任を持ち、子どもたちの気持ちをリセットしてから つぎのひとにバトンをわたす 必要性でした。

そして それ以上に なぜ語るか をわすれないこと。

語ることをしていて得てして陥りやすいのが 子どもたちの受けをねらうようになってしまうことです。受ければ たのしいですからね。けれども わたしたちは語る場を 子どもたちになにかを手渡す チャンスを与えられているのです。こんな機会を生かさないということがあるでしょうか。ただ たのしいばかりではないなにかをわたしてゆきたいと思います。

今日 わたしが語ったのは ヒロシマのものがたりでした。すこしむつかしかったかもしれませんが 前のおはなしがメリーさんだったので 横浜のメリーさん......の話から 68年前に戦争があったこと 日本が負けて占領されたことから話しました。ひとり 低学年の女の児が なにを聞いても笑わなくてはいけないというように ..... なかには道端の泥水を飲むひともいました.....のあとも笑うのです。ただ ただ 全身全霊で 語るうち 子どもたちはしんと水のようにしずまり 空気はピンと張りつめたようになりました。

子どもたちは50分 よく聞いてくれました。最期はアナンシであかるくしめましたが ろうそくを消すシーンで 収拾がつかなくなったのは残念でした。夏休み あと2回 学童のおはなし会があります。

 



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きのう 17歳の硫黄島を読んだ。

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作者秋月鶴次さんは群馬県出身(現在は栃木県)15歳のとき 志願しました。配属されたのは 硫黄島 地獄と呼ばれた硫黄島で 地下壕の猛暑と異臭のなかで6時間片時もレシーバーを放さず 通信兵としての勤めを果たし つぶさに圧倒的な米軍の物量の前に 日本軍が制空権も制海権もなくしてゆくさまや激戦地すり鉢山の死闘を目にしたのでした。 壕が破壊されたあとは負傷した身体をひきずりながら 自らは死ぬまい 生きられるだけは生きようとジャングルをさまよい 人事不省のまま 米軍の捕虜となったのです。翌年1月 日本に帰ってからも秋月さんは死んでいった戦友たちのことを片時も忘れず 書き溜めたものを17歳の硫黄島として出版しました。

 「....昼も夜も変わらぬ暑さだ。まるでオンドルが全開しているようだ。汗が糊となって身体中の布を吸いつける頭から煙が上るように湯気が立ちレシーバの押さえる耳の感覚が薄れ腎部が痺れてくる、通信科の隅にはバケツの水が用意されていた。常時、水番が見張っている、一度に小さな茶碗に一杯だけ飲めることになっている、水を飲むと汗が倍加するので控えたいがやはりなによりも水が飲みたい。一度でいいから思い切り飲みたい。バケツの水は、水と言っても名ばかりでしょせん雨水だし、硫黄ガスの独特な臭気と室温を溶かしこんでいる、ゴミや微生物も見え隠れしていた、食事も握り飯がひとつきりだった。」

とうとう米軍上陸 侵攻がはじまる。

「前線陣地からの状況連絡員がきた。彼は米軍上陸以来何ひとつ口にしていないという。食べ物が欲しい、死傷者が続出しているから増援がほしい。弾薬がない。素人の手も借りたい。悲痛な訴えであった。その連絡員を見れば、両手首から先がない。足のある者は弾薬運びを、片手の者はその片腕を使って、兵器を修理しながら奮闘しているのだという。.........増援を頼みます、とその手の無い連絡員は懇願した。さっそく 本部に連絡した。 増援はない。突撃は好ましくない。夜間切り込み作戦により被害を増すより、地下陣地にて持久戦を択び、各自 陣地を死守せよ、との返事だった。わかりました、とにかくそこを墓場として死ねということか.....仲間が今かまだかと待っているので帰ります。....男はちいさく細い病人のような、今にも倒れそうな足取りで戻っていった。」

「一分経過するごとに三人が死に、一メートル進むたびに一人が死ぬ。日本軍の防衛拠点となったのが、島一帯に無数に築かれた全長18キロの地下壕。内部の気温は昼夜問わず40度近くあり、排せつ物や死体の腐乱臭で満ちた。硫黄島の戦いは、敵に接近された時に応戦する持久戦で、本土への攻撃を一日でも遅らせるためのものだった。敵弾が命中すると辺りに肉片が降り注ぎ、「おっかさん」との叫び声が上がった。投降するよりはと死を択ぶものも多かった。銃声一発でひとり死んだと思った。」

「耐久試験だ、これは 人間の......。でも頑張るんだ、このことをだれかに言うんだ、と思った。だから俺は生きなくちゃなんない。......」

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2006年NHKスペシャル 硫黄島玉砕で...

「死んでね 意味があるんでしょうかねえ。どうでしょうねえ。だけど無意味にしたんじゃかわいそうですよね。それはできないでしょう。”おめえ 死んで意味なかったなぁ.......”っていうのでは、酷いですよね。家族に対してもね。そして、どんな意味があったかというと.........これは難しいんじゃないですか? まあ、(死んだ戦友たちに対しては)俺はこういう生き方しかできなかったんだ。勘弁してくれって言うだけです。これで許してくれ、 これで精一杯なんだ、と」

オンエアされなかった秋月さんのことば

どんな意味があったか それは難しい。でも あの 戦争からこちら六十年、この国は戦争をしないですんだのだから、おめえの死は無意味じゃねぇ、と言ってやりたい。」

 

 

 日本軍二万二千人のうち 生き残ったのは千名あまりだったという。硫黄島で硫黄島は自衛隊の管理下におかれ 一般人は入ることができない。まだ一万人以上の遺骨がジャングルのなかに眠っている。



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民主党が政権をとったあと 安倍首相がとある宗教の祭りに列席し 祝辞を述べたのを聴いたような気がする。もしかしたら代理の出席だったのかも知れないが....ちかごろ とみにものわすれがひどいので 違っていたらごめんなさい。....そのときは このひとは国を憂い 国のゆくすえを思ってはいるのだな.....という印象をもった。

しかしながら さりながら 政権を獲ったあとは みなさまも知るとおりである。安倍さんは自分は愛国者である と固く信じて疑わないのでありましょう。....たしかに 日本をとりもどす というキャッチフレーズの奥には(アメリカから)ということばが見え隠れする。安倍さんが自前が軍隊を持ちたがるのは、たぶん核も..... アメリカから守ってもらわずともよい国にしようという意志が見える。ご存知のようにアメリカは情報収集に長けた国だ。スノーデン以前から 日本の主だった政治化には諜報員が着いていてその動静が逐一報告されているといわれていたし、そうやって弱み 金や女をあぶりだし 脅しや懐柔や罪を着せて地位から引きずり落とすことにまで つかってきたのは 日本の戦後の歴史 各党各派の政治家の運命の変遷を見れば伺い知ることができる。

それゆえ オバマが安倍さんに冷たいのは 安倍さんが陰でどんなことを画策しているのか先刻ご承知なのだろう。にもかかわらず 安倍内閣には利用価値があると踏んでいるのだろうし、安倍さんの魂胆を利用して思うまま操ろうとしているのではないか? 安倍さんとしては 棄てるものは棄て(TPP )「アメリカに”押し付けられた”憲法を変え 軍隊さえもてば あとはなんとかなるさ」 と思っているのではあるまいか。

安倍さんの日本をとりもどす とは 戦前の日本をとりもどす ということである。自民党の改憲案を見てもあきらかなように 国民の権利 (アメリカから与えられたと思い込んでいる)人権を圧縮し 国家 天皇を前面に押し出している。母方の祖父 岸が戦前 満州国をきづくことを夢見たように アジアの覇権をとりたい 少なくとも中国に負けないイニシアチブをとりたいという野望も見え隠れする。

けれども 残念ながら 安倍さんの視野に国はあっても 国民は見えない。アベノミクスは大企業をうるおしただけだった。安倍さんがやりたいことはかならずしも国民ののぞみや幸福とはつながらないのだが 安倍さんはそれに気がついていない。そして 日本の未来へのビジョンが見えない。日本の過去にも学ぶべきところは山のようにある。古武道はほんらいひとの命をとるものではなかったし、日本から世界へ発信した癒しの術もある、そして江戸時代は究極のリサイクル社会で、幕末におとづれた外国人たちは 日本人が礼儀正しく 子どもをたいせつにすること 庶民の使う道具のひとつひとつが芸術品であること 仕事をしながら歌をうたうこと 仕事がノルマでなくよろこびであることを驚きをもって書き残している。

うつくしい日本とは そのような日本である。軍国主義 覇権主義に還ることではない。安倍首相は千年の計でもって 日本の未来を考え 政治にあたってほしい、若者の自殺が多い国 出生率が減っていく国.....それは国民が幸福でない証拠である。軍備ではなく アメリカから独立する方法をどうか思案してほしい。今のあなたはアメリカにクビ根っこをつかまれ ときどき手足をバタバタさせる 操り人形にしか見えない。

17歳の硫黄島 米軍の本土上陸を一日でも遅らせるために捨て駒になった兵士たちの命の意味とあわせて読んでください。

 



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