ワークショップ・劇あそびの講師は現役の小池先生とかつて第一線で劇あそびをつくりあげてきた先生でした。今回の全劇研ではもっとも楽しいプログラムでした。
① 劇あそびとは
② ウォームアップ
③ 劇あそび・大きなかぶ 三匹のこぶた
④ 三匹のこぶたのパロディをつくる
⑤ まとめ
劇あそびとは
劇あそびとは脚本のない”即興の”劇です。子どもたちは”役”をからだで読み取ります。
②ウォームアップ
① そーれ 拍手 のゲームでグループ分け
② 出て行けゲーム
③ 動物ゲームでグループ分け
④ 進化ゲーム かめ→とり→さる→人間 じゃんけんで」勝つと進化。しゃべってはいけない。動作と鳴き声。
⑤ もうじゅう狩りゲーム
③絵本をもとにした劇あそび
①さいしょに絵本を読み聞かせ あるいはストーリーテリングで伝える。
②大きなかぶごっこ 1チーム10人 半数がかぶになり、半数が役になる。あとでかならず 交代する。
③わたしたちのグループは最初、おじいさん役、おばあさん役....になりました。かぶのグループは男性が三人いてとても抜けない(かぶは手を組んで抜けないようにします)と思いました。声をかけてからだじゅうの力をふりしぼって...スッポーーンと抜けた瞬間の快感!! けれども、圧倒的にたのしかったのはかぶになったときでした。わたしたちは手を組み、足を組みました。相手チームが弱いところをねらって攻撃してくると、声をかけあい、はげましあい、支えあってがんばりました。 最後は抜けましたが、忘れられない思い出になりました。わたしたちはそのとき、日常以上に生きていたのです。
つぎにおおかみと三匹のこぶたです。用意されたふろしきをそれぞれ工夫しておかあさんぶたのエプロンにしたり、ぶたのしっぽにしたりします。椅子をぶたのおうちにします。これもとてもおもしろかったです。
④ パロディ創作
五分しか相談する時間がなかったので、即興でやりました。おかあさんぶたは「わたしはとてもがんばって子育てした....これからひとりでたのしく生きていくからおまえたちも自立しなさい」......とこぶたたちをおいて出てゆきます。残された子どもたちは新天地をめざして宇宙に飛び立つことにしてロケットをつくります。けれどもおおぶたのロケットも中ぶたのロケットも途中で落っこちてしまいました。
そこでちびぶたのロケットにのりましたが、なかなかエンジンに火がつきません。「あのね おおかみさん ぼくたちはこれからぶたぶた星に行くんだよ、ぶたぶた星はぶたがいっぱいいるんだよ ものは相談だが このロケット きみたちにあげようか」おおかみたちはロケットにのりこみました。 5.4.3.2.1 ゼーロ!!ドカァーーン ロケットはおおかみをのせて宇宙に飛んでいってしまいましたとさ....
⑤ まとめ
① 劇あそびはさまざまな役ができる。頭のいい子が案外動けない。勉強にてこずっている子がのびのび動いて役になりきることが多い。ひごろおとなしい子がリーダー性を発揮することがある。子どもたちの関係に変化が生まれ生き生きする。
② ふつうに遊べない子、しゃべれない子も たとえば”さる”になっていうことで相手の子は受け入れる。じゃまをする子もいるが、それはそのまま劇あそびにとりこんでもいいのではないか。 なにもしない指導もあるのではないか。
感想
劇あそびとは観客のいない、観客を意識しない劇です。その場にいるのは当時者だけです。ですから劇あそびを舞台にのせて成功させるのはむつかしいと思いました。かつてRADA(英国王立演劇アカデミー)の校長ニックさんは「演劇に必須のものは観客である」といいました。ですから観客のいない劇あそびは演劇ではない。.....あそびであり劇をつかったセラピーなのです。芸能の原点に観客がいなかったことを覚えていらっしゃいますか?
この劇あそびは当事者にとってただ演劇を見る以上に大きな価値があります。やってみてわかったのは、歓びと圧倒的な達成感、連帯感......ひとりだけれどひとりじゃないんだという実感でした。 これはまさしく魂振るいそのままでした。ふじたあさやさんの講座で演劇の原点と近代演劇の違いを知ることで、なぜ演劇の方法がコミュニケーションに役立つのかわかったような気がしました
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