坂東真砂子さんのエッセイに「イタリア人は人生は美しいということを証明しようと躍起になって生きている」と書いてあって、思わず笑ってしまったのだが、日本人はどうなのかな...人生なんてこんなものさ...か生きるのは容易じゃあねぇなあ....かそれともやっぱり 人生は美しいか。
人生は美しいばかりではないが、醜いものもみんな含めて 人生は美しい...いや素晴らしいって言えたらいい。そんな風に言えるように生きられたらと思う。ドラマの白夜行から目が離せない。死んだことになっている亮が太陽の下を歩けるように 雪穂は高宮にちかづいて結婚する。高宮の持っているIDカードを亮に渡すためだ。高宮には好きなひとがいる。亮は雪穂の結婚が自分のためとは知らない、雪穂のために高宮が相手と会えないよう 雪穂が結婚できるよう仕組む。
「一緒なんだよ、亮。亮の幸せが、私にとって、免罪符なんだよ。亮がやったことは私のためにしてさ、私がやったことは亮のためにしてさ・・・そうやってやったこと正当化しまくって生きていこうよ」「最悪だな」「元から最悪じゃない わたしたち」... 亮は醜いもの同士が寄り添って行けたらいつか...と思う。ひとのなかにある光と影 影があるから光がわかる 光があるから影が生じる。マイナス×マイナスがプラスになるように 人間もならないかな。
闇でもマイナスでもなんでも あきらめないで生き続けようとすることは美しいのだろう。たとえくず折れても 立ち上がることは美しく そのまま倒れてしまっても それもまたひとつのかたち 悔いることがなければいいのかも知れない。
わたしは荒川静香さんのスケートはあまり好きではなかった。新聞にコーチから「あなたの演技は見る人を感動させない」と言われたことがあると書かれていたが ものがたりが聞こえてこなくて 見ていて眠ってしまうこともあった。でも、今日は違った。ひとつひとつの要素 動作はいつものように完璧で そのうえにニュアンスがあった。ことにイナバウアーのあと その耀き、美しさに慄いた。
美しいものを伝えよう...そのために精進を重ねる 勝つための戦略 研究 技術の練磨 プログラムの錬成 コンディションつくりのための自己管理 食事 衣装 集中 その結果の勝利だった。勝利への執念もあったろう。 でもなによりスケートが好きだったのに違いない。 スケートを通じて なにかを垣間見ることもあったかもしれない。美しいものを見ると心が震える。さぁ 立ち上がろうと思う。
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