ロクマルでいこう、60でGo!

" AS SLOW AS POSSIBLE AND AS FIRST AS NECESSARY "

旅先での予期せぬメカニカルトラブル

2022年08月14日 | EXPEDITION

 ニューヨーク洲のフリーウェイ87を北に向かって走っていると、かすかにラジエター水の不凍液の臭いを感じた。水温系に目をやると通常のレベルよりもやや高く、レベルが更に上昇しようとする気配を確認したので、至急安全な所に停車してボンネットの中を確認する必要があった。ボンネットを開けると臭いは湿気と同時に確実なものとなった。ボンネットの奥に位置する短いホースの継ぎ目からラジエター水が噴出している。これはよくあるトラブルの一つでホースの劣化、或いはクリップの締め付けの不具合から起こる。エンジンを冷ましてホースを確認するとクリップの付け根に小さな亀裂を見つけた。外気の暑さと水圧が劣化したホースに亀裂を生じさせたのが原因である。同乗者達の顔には不安と落胆が観える。早速、プライヤーを取り出してホースを可能な限り奥に押し込み、気休め的ではあるが布の切れ端を巻いて水の噴出を抑える処置をする。ラジエターキャップを開けてペットボトルの水を注入、7本のボトルを一気に飲み込んだ。GPSで次の出口までの距離を確認し、その近くにあるガソリンスタンドまで走る事にする。

 ガソリンスタンドで水とラジエター水を購入した。エンジンを冷やして再度ラジエターに水を入れる。修理屋を探そうと検索していると300メートルほど先にCARという赤い字で書かれたサインがかすかに見えたので、あれはクルマ関係の何ぞらしい?と思い、とりあえずそこに行って訊いてみる事にしてランクルに乗り込む。近くに行くとそのサインは CAR HAND WASH で見事に裏切られた。が、その敷地の横の道を入った所にクルマの修理屋のサインを見つけた。

 時間は朝の10時過ぎ、飛び込みの修理の依頼である。今日は忙しく詰んでいるから修理は午後まで待って欲しい、そのパーツも今から注文を入れるので届くのが午後になるとの事。しょーがないので今日は少し早いが昼寝の時間にしょうとして鍵を預けて隣の洗車屋のピクニックベンチで転がる事になる。しばらくすると修理を依頼した若者がクルマで出かけていった、11時半近くになって我々を呼ぶ声がするので行ってみると、修理が完了した!との事。頼んでもいないのに、旅の途中の我々に同情し作業を優先してくれた。パーツも配達を待たずに買い付けに行ってくれたという手配の有り難さに感動し、深く御礼の気持ちをしっかりと言葉で伝えた。

 ランクルLX450は再び北を目指して走り出した。ほんの数ミリというゴムの亀裂が旅の流れを左右し人の気持ちを沈める。しかし、我々は運が良かった。トラブルに気付くのが早かった、安全な所に停車が出来て応急処置が出来た、容易に修理屋に廻り会った、修理屋の方達が機敏に便宜を図って下さった。ハラハラ、ドキドキではあったが、おかげさまで初日からよい経験、思い出が皆の胸に刻まれたのであった。

 


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