North Carolina 州に住むクルマ友達のBW(ベー)氏と一緒にラテン料理のレストランに出かけて食事をした。BW氏の普段の実用の足はフォードのディーゼルトラックである。彼は同時に別のクルマ嗜好があり今は無き日本のブランドDATSUN に対して特別な感情を抱き続けている。BW氏が最初に手に入れたDATSUN は1968年式のローウィンドウのDATSUN 311Lであり、その311を自らの手でフルレストレーションを行った。そこから火が付いて才覚が目覚め今日もその炎はメラメラと消える事なく燃え続けている。それはちょうど赤ん坊がミルクを欲しがる行為の様にそれが無ければ生きていけないという境地に至ってしまった危険な側面もある。最近まではDATSUN 260 に対する復活プロジェクトにはまっていた。つつける、修理レストレーションする課題を持った対象が傍になければ落ち着かない、そういう性質を持っている。そのBW氏が最近手に入れたクルマの写真を見せてくれた。
1979 DATSUN 620 PICK UP TRUCK
ダットサントラック、ダットラと呼ばれた620はFRのシンプルなトラックでアメリカ南部で眠っていた。以外にも荷台の中や室内の床などがしっかりしており錆によって穴が開いている様な事は無く、ノーマルのエンジンは始動し室内は年式に比例する様には汚れていない。人々はこれをボロクルマと評価するであろうが、我々はこの620を極上レストレーションベースカーと高く評価した。購入した当初はフロントの右側のサイドパネルは紛失しており早速BW氏は世界の中古パーツ市場をサイトで廻って買い付けた。620はその数が少ない故にそのパーツの値段は 240Z や 510 以上に値段が張る。BW氏はこの620に対して自らの手で全塗装し機械を整備し普段用に実用車としてゆっくりと近所を流す予定でいる。大きな声では言わないが、アメリカの南部の納屋には古い希少な日本車が悪くない状態で静かに眠っておりレストアラーの出現を待っているとの事だ。