スティーブマックイーンが映画ル.マンの初頭で駆っていたようなポルシェ911に遭遇した、ナローと呼ばれる911である。丁度この日の午後にニューヨーク近代美術館 MoMA に足を運び芸術品鑑賞を行った事で、芸術アートとは何?という課題に直面したこともあり、その思考の真ん中に911が君臨した。芸術品とは自分の心が感銘を受ける対象物だと僕は思う。また、作者と鑑賞者は立ち位置が異なり、作者は自分の中に存在する形の無い思念を形や色で実体として表現するのに対して、鑑賞者はその作品の存在から共感によって感銘を受ける。その対象作品は見る人によって皆異なるのである。
街の郊外でみかける911は生きたアートと言っても過言ではない。美しいハドソン川のほとりに冬の澄み切った空気と明るい太陽の光と空は申し訳の無い演出となっている。ランドクルーザーで自然の中をドライブしたり、森の中でコーヒーを入れて休憩を楽しんだりする事を芸術鑑賞と呼ぶ事に対して違和感は無い。むしろそう呼ばない事に違和感があるのだ。僕は自転車を降りて縁石に腰掛け暫くこの光景を楽しんだ。
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