ロクマルでいこう、60でGo!

" AS SLOW AS POSSIBLE AND AS FIRST AS NECESSARY "

弱点と言われていた現実が見方を変えると利点だった

2017年09月18日 | OVERLANDERS

最新のOutdoor X4 誌 22号に投稿されたオーバーランドコラムニスト Jonathan Hanson氏の記事の紹介。

 今回のコラムは特に私も含めて旧車と呼ばれる古い4x4を愛する人々に対する助言である。現在、彼の一番の愛車は1973年型のToyota Landcruiser FJ40である。FJ40は良く整備されており実用的であるが旧車であるが故に、例えば現在のトヨタの4X4であるタコマや4ランナーと比べると性能的な劣位は否定する事が出来ない。更に、アメリカにおける一部のフリーウェイでの巡航スピードが80マイル/時(約130キロ/時)に達する現在の交通事情は古いランドクルーザーにとっては酷な環境である。現行の4x4と比べて古い4x4(1973、FJ40)の不利なポイント(Disadvantages)は特に以下の3点である。

 

1、They don't like to go fast. (速く走れない)

2、They're loud.(うるさい)

3、They don't have a lot of cargo space.(荷物を積むスペースが狭い)

 

こういう現実を突きつけられてHanson氏は以下の様に回答している。

 

  速く走る必要は全くないよ、55マイルから65マイルで走れるならそれでいいじゃないか。一日に700マイル走らなくても400マイルならば走れるよ。考えてみれば分かる事だが一日に同じ時間を走るとすると、ゆっくりと走るという事は地図をじっくり眺めて考察し目的地の途上にある風景や事に接する機会が増えて色々な事を発見する事が出来るという事だ。

 もし、どうしてもエンジン音や風切り音がうるさいと感じるならば、オートバイに乗る人がやるように耳栓をするのも一つの手だな。

 FJ40は荷物を載せるカーゴスペースはFJ60等と比べると確かに狭い。よって装備はよりコンパクトにまとめる必要はある。2バーナーのストーブではなくて1バーナーのストーブ。水のタンクやプロパンなんかもカーゴスペースが狭いと搭載するのに工夫が必要とされる。テントは大型のスタンドアップテントではなくて4人用のマウンテンテントでいいんじゃないかい。

 

 この Hanson氏のコラムの要点を分かり易く私の理解で説明すると、こうである。(以下)

 

スピード: 速く走るクルマは点と点を繋ぐ移動の為にあり目指す目的地により早く到着する事を好しとする。しかし、目的を点(目的地)ではなくて線(その過程)に持つ事によってその移動期間を重視する事になり、旧車と呼ばれるあまりスピードが出ない4x4はその目的にかなっている。

騒音: エンジン音やミッションの音、タイヤの音や風切り音、これらの音は楽しむべきものなんだ。

カーゴスペース: クルマである事の特質でアウトドアでは暖かい料理に冷えたビール、すわり心地の好いアウトドアチェアなど譲れない物はあるが、スペースに限りがあるからこそ頭を使い工夫をこらす楽しみがある。

 

 古いランドクルーザーの走りというか乗り方というのは線(過程)を目的としたものである。夏が終わって少し涼しくなった今、窓を開けて(音を聞くために)風を感じながらゆっくりと走りたい。何時も走りぬける道の地図なんかもあえて眺めてみるのもいいかも知れない。ゆっくりとした走りを楽しむと言う事が古いランクルの持つDNAなのだ。ゆっくりとした走りを楽しむに最強のクルマ、それが古いランドクルーザーだったのである。

 


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2 コメント

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言い得て妙 (青いらんくる ♪)
2017-10-07 15:23:41
『古いランドクルーザーの走りというか乗り方というのは線(過程)を目的としたものである。』
名言ですね。素敵なキーワードです。
ありがとうございます。
facebookにシェアさせてくださいね。
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ゆっくり走ろう (砂漠のおじさん)
2017-10-09 06:20:38
 褒めて頂いて有難う御座います。
 シェアは問題ありません。

 ランクルはまた車高の高さがゆっくりと流すにはちょうどいいなっ、と思います。冬までまだ時間があります。窓を開け放して地球を楽しみましょう。
 
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