先週のWSJ新聞に1986年型の Ferrari 412 が紹介されている。39歳のオーナー夫婦はサウスカロライナ州でイタリアから輸入したエスプレッソマシーンを販売する事業を営んでいる。夫婦は仕事で扱っているそのイタリア製コーヒーマシンに心底惚れてしまい、その延長としてイタリアの頂点に位置する機械製品であるフェラーリの購入を模索した。3人家族の夫婦は子供も乗れる事を考慮して Ferrari 412 (4.9L.V-12)を選んで車を探した。製造台数が576台の412は市場に2台しか存在しておらず、夫婦は走行距離25000マイル(4万キロ)の1986年型の Ferrari 412 を41600ドルでアリゾナ州から購入するに至った。夫婦にとっては大きな投資であった。ハンドルを握る度にその強力なエンジンサウンドと座り心地の好いシートのフィット感等、エキサイティングなフィーリングを感じるフェラーリはオーナー夫婦にとってはイタリア製エスプレッソマシーンの延長のトップに位置している。クルマの好みや選択というのはこの様に個人の嗜好の延長に有る。別の表現をすれば所有する車が所有者の嗜好を表現しているという事だ。人生においてフェラーリに乗れる人とは限られた人なのかも知れないが、本人の心の有り方が整えばフェラーリは所有するに相応しい人の所にやって来るのかも知れないと思わされた記事であった。