ロクマルでいこう、60でGo!

" AS SLOW AS POSSIBLE AND AS FIRST AS NECESSARY "

樹精

2016年12月04日 | ロクマル日記

 先月の終わりに恒例のクリスマスツリーを買いに出かけた。店に向かった時間は一日の仕事が終わった後で時計は夜の9時を廻っていた。小雨の降る遅い時間と言う事もあり店の中は閑散としており店の野外に並んだクリスマスツリーを選択していたのは僕一人だけであった。臭いの豊かな一本のモミの樹を選んでボトムを切ってもらい清算して店から出てきた時は閉店前であった。今年のクリスマスツリーの購入時は静かで寒く寂しい境遇であった。ランドクルーザーの広いカーゴスペースに放り込んで帰路に就く。帰りの車内には針葉樹の樹精の香りが満ちる。この香りを自分一人で楽しむ事がもったいないと感じる程であった。このモミの樹の香りを楽しみながらいろいろな事を思ったりした。この樹はブロイラーの様なものだ。限定的な使命を持って育成され数年で切られた。何も文句を言わない樹は運命を人手にゆだね一月程で使命を終えて新しい年の初めにはゴミとして焼却されてしまう運命が定まっている。それでも樹は豊かな樹香を放つ事を止めない。だからこそ樹は美しい。

 今日このクリスマスツリーにはデコレーションが施されイルミネーションと共に我がリビングルームの一角を飾っている。今年は一人で夜中にひっそりと買いに行ったのが失敗であった。来年、もしクリスマスツリーを購入する機会があるならば誰かと一緒にランドクルーザーに乗って買いに行きたい。それは、そういった機会が共に良い思い出を残す事になると思うからである。いつか針葉樹の豊かな香りを感じた時にあの日の記憶が蘇る。ホリディシーズンに樹香に満ちたランドクルーザーに揺られながらの思い出が一つの宝物になってくれたらいいと思うのである。

 

 広葉樹は枯れ落ち冬を迎えました。今年は12月21日が冬至です。12月22日から日が長くなってゆきます、これは太陽の誕生日です。飾られたクリスマスツリーは静かな精気を放ちながら太陽の誕生を待っています。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする