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京男雑記帳

洛中で生まれ育った京男が地元視点で見た日常風景や話を雑記的に掲載

お火焚き饅頭

2009年11月27日 05時41分13秒 | 和菓子


お火焚きといえば「お火焚き饅頭」です。
この火炎宝珠の焼き印をつけたものです。
京都市内の町内では、最近はどうか知りませんが氏神さんのお下がりで必ずはいってきた。
お火焚きのお下がりの三種の神器は、「焼きミカン」「お火焚き饅頭」「柚子おこし」ね。
この火炎宝珠の焼き印が押してある。



小さい時はこの焼き印がなんかお稲荷さんを想像していややった。
狐のイメージがなんだか不気味で怖かったのかも。
それと「お下がり」というのがいやな長男的性格。
お下がりにスルメが入っている時もあったんです。
焼きミカンやスルメの香りが移っているお火焚き饅頭は、絶対に食べなかった。





写真のお火焚き饅頭は、両方ともこしあんやけど、普通は紅い方が粒あんだったのもある。
新熊野神社の神職さんがおっしゃっていたけど、昔は漢方薬が入っていたそうです。歓喜団と同じような状態だったのかな。
京男は、粒あんが小さい時は苦手だった。
それとこの饅頭の皮がボソボソしていたのもあるだろうな。
お嫁さんのおまん(結婚式の引き出物や挨拶回りの時に配る、地方によってはとんでもない言い方やろうね)の粒あんも苦手だった。
最悪なのは「白粒あん」だった。
備中の白小豆はさらっとしていいけど、白いんげんや白花豆からつくった白あんがきらいだったかも。
デンプン質の粘り方できらいだったのかな・・・。
小さい子供ってかなり味覚的に敏感なことも多いんです。
子供やからと手を抜いた食物は禁物ね。

粒あんのおはぎもやね。母方の実家のつくる巨大なおはぎは恐怖の対象だった。
黄白上用(不祝儀の時の上用)は、「死」のイメージがするので子供心にいややったな。
京都の行事に上用饅頭は必ずでてきました。
入学式、卒業式、創立記念、結婚式や葬式、新築祝いに必ず上用はつきもの。
だから京都市内の古い地域には、必ずお餅屋さんやおまん屋さんがありました。
マーケティング的にいうと「餅菓子屋の多い地域は、参入が難しい」と言いますが、行事や儀式が多く地域の結束が強く、よその人が入り込めない。いまだに京都はそうだと思う。



「柚子おこし」
これもお火焚きにはつきもののお菓子。
日本で最も古い歴史をもつお菓子だそうです。
『日本書紀』の神武天皇の祝詞(のりと)に「糒(ほしい、干し飯)」を蜜で固めたものと記されている。
豊作祈願として神に捧げられていたのがわかる。



また「身を起こし、家を起こし、国を起こす」から「おこし」という縁起物として珍重された。
小さい時は、ちょっと苦手だったな。
あみだ池大黒の「福の花」は、ピーナッツやアーモンドがはいっていたので食べたけど。
なつかしいな。あみだ池大黒。
「だれがいけというたんや!」「あみだがいけといいました」は落語『阿弥陀池』か。(笑)
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8 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはようございます (すー)
2009-11-27 07:34:29
い~やあ、興味深く読まさせていただいきました。
お火焚き饅頭、知りませんでしたね。
さすが、京都生まれ、育ちの京男さんですね。
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>すーさん、おはようございます (京男)
2009-11-27 08:38:48
お火焚き饅頭をご存じなかったのね。
京都の古い街ぐらいしかやってなかったかも。最近少なくなりました。
行事に紅白上用を配るのも少なくなったし。けじめがなくなった社会になってきましたね。いずれ失ったものの大きさを気づく時がくるだろうな。
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おはようございます (路渡カッパ)
2009-11-27 10:26:03
昔はスイーツといってもロクなもの無かったような・・・
それだけ貴重だったのでしょうね。だから儀式と結びついたのかな。
今では少なくなりましたが、それでも近くの保育所で何かがあると
紅白の饅頭が配られてきますよ(^_^ゞ
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>路渡カッパさん、こんばんは (京男)
2009-11-27 19:23:50
昔は、今みたいにお菓子が自由に食べれなかったように思いますね。不二家のショートケーキでも天国の味だった。でも昔の大きな上用がいややったな。おはぎも。
まだ紅白饅頭を配っているのね。いいことだと思います。
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おつかれ様です (水珠璃)
2009-11-27 20:16:11
喉痛いので、帰って蜜柑を焼いて食べてみます。冷えに効くも魅力。
お火焚き饅頭、焼き色が香ばしそうで美味しそう。おいなりさん、言われてみれば似てますね。
私もおいなりさんが何故か怖いです。狐と食べるおいなりさんは好きなんですけどね。
紅白饅頭、子供の頃はよくありましたね。
表面がザラザラしてるのが猫の舌みたいで好きでした。
こういう伝統的な風習って、ゆとりのある感じがしますね
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>水珠璃さん、こんばんは (京男)
2009-11-27 20:55:34
喉が痛いのですか。そういう時は、大根おろしの絞り汁を飲むか、生姜をおろして蜂蜜なんかといっしょに簡易飴湯がいいかな。後は早く寝ることです。
私はいなり寿司が好き、高級な寿司屋でなんでもいいといわれ、カッパ巻、いなり寿司、かんぴょう巻、おこうこ巻、ガリをたくさん。なんです。安くつきますね。(笑)
紅白の上用は、小さい時は苦手だったな。黒あんと白あんの二層になっているのもあった。
行事はやっぱり大切かも。意味もしっかり知っている必要はあります。
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メラメラしてますね (cox-orange)
2009-11-28 00:49:48
私もお火焚き饅頭は初めてです。確かに子供の頃見たらちょっと怖かったかも。
今年ちょっとだけ入った、広島の子供のお寺付属の保育園の記念行事では紅白饅頭(またはお餅)が出ていました。子供達は大喜びでしたよ~。(甘ければ何でもいいのかもしれませんが。。。)
しかし「ゆずおこし」おいしそうだなあ・・・

あ、焼きみかんの写真とても綺麗でした!!
神も仏も人間も同じものを食べて行事を行うっていいですね。見て、聞いて、味わって記憶に残すって結構重要だと思います。
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>cox-orangeさん、おはようございます (京男)
2009-11-28 05:27:31
稲荷、狐と連想して子供の頃、怖かった。
神さんのお下がりというのもなんか不気味だった。私立の保育園なら紅白饅頭とかやるでしょうね。京都は公立でもやっていました。いまは少なくなってきたかも。
柚子おこしは、柚子の香りがして美味しいんです。
神様と食事を共にするのは大事かも。
話できくだけより味覚、嗅覚、視覚を使うと記憶に強烈に残ります。
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