万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

放射能汚染水の拡散予測よりも防止策を

2011年04月13日 16時24分47秒 | 日本政治
放射能汚染水の拡散予測を公表 文科省など(朝日新聞) - goo ニュース
 福島第1原発の1号機と3号機が水素爆発を起こし、建屋が崩壊した際に、放射性物質を放出しながら、その拡散予測を怠ったことが、国民の生命と身体を軽視したものとして、問題視されております。この非難に反応してか、文部科学省は、海洋汚染については、拡散予測を公表するそうですが、報じられていた拡散防止策は、どうなってしまったのでしょうか。

 高濃度汚染水の流出が止まらなかった一週間ほど前には、流出場所の周辺に、フェンスを張りめぐらすといった、防止策が検討されていたと記憶しています。その後、高度汚染水の流出は止まり、低濃度汚染水の放出が行われたのですが、今のところ、政府が、積極的に拡散防止策に乗り出したというニュースは聞こえてきません。周辺にフェンスを設置し、その内側に、沸石といった放射性物質除去材などを大量に散布すれば、かなりのパーセンテージで、放射性物質を吸収できるはずです。また、現在も汚染水が放出されているならば、フィルターを通して放出すれば、除去効果はさらに上がります。政府や東電が、何らの防止策もとらないとなりますと、被害を受ける漁業関係者の方々に対して、無責任な態度と言わざるをえません。

 諸外国からも、海洋汚染の懸念が寄せられておりますので、拡散予測の公表だけでは、日本国政府が、汚染の拡大を放置している印象を与えることになります。汚染国としての責任を果たすためにも、政府は、放射性物質が広く海洋に拡散する前の放出段階で、できる限り押さえ込むべきと思うのです。

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コメント (10)
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