万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

問われるアメリカの理想の家庭像

2008年06月26日 16時16分13秒 | アメリカ
「高校生妊娠協定」報道 米に衝撃 セレブ文化が影響?(産経新聞) - goo ニュース

 その昔、NHKでは、「大草原の小さな家」というアメリカの開拓時代を舞台とした子供向けの番組を放送していました。原作者は、このお話の主人公でもあるローラ・インガルス・ワイルダーであり、自らの子供時代の思い出を下敷きにしています。

 そこに描かれていたのは、如何なる困難に直面しても決して挫けず、家族を守るために立ち向かう父親、信心深くかつ慈愛に満ちあふれた母親、そうして、こうした両親の下で、数々の経験を通して成長してゆく子供たちの姿でした。開拓時代には、現代ほどには文明の利器などなく、生活道具や食品のほとんどが手作りであったり、時には、自然の猛威の前に全てを失いそうにもなります。しかしながら、困難に負けず、家族の結束と絆によって乗り越えていくことが、この番組の大きな魅力であったのです。

 「大草原の小さな家」を楽しく見ていた小さな頃、アメリカの家庭は、皆がインガルス一家のようであろうと信じていたものです。しかしながら、今になって思えば、こうした番組が作成されたこと自体が、消えゆくアメリカの理想の家庭への追憶であったのかもしれません。

 生活力のない10代の女子高校生が、ファッションの一部のように子供を持つに至り、アメリカ社会では、この現象について、社会的な問題として議論されているようです。果たして、アメリカの家庭は、どこに向かおうとしているのでしょうか。議論が起きたことによって、こうした風潮に歯止めがかかるのでしょうか。それとも、やがて、「大草原の小さな家」の世界は、永遠に失われた世界として人々の記憶の彼方に消えてゆくのでしょうか。

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