万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

情報の真偽を確認しない罪深きCNN

2017年02月17日 13時22分00秒 | 国際政治
ベネズエラ、CNNを放送停止に 報道問題視「虚偽だ」
 アメリカの大統領選は、さながらトランプ候補対メディアの様相を呈しており、フェイク・ニュース問題が持ち上がるという副産物も見られました。この対立構図、選挙結果を以って収束すると思いきや、今日では、海外にまで拡大しています。

 報道によりますと、南米のベネズエラ政府は、CNNが独自取材で得た情報に基づいて「ベネズエラが不正に発給したパスポートがテロリストにわたっている」と報じたことから、CNNに対して放送停止を命じたそうです。この一件について、内外から批判を浴びているのはベネズエラ政府の方なのですが、CNNについては、”前科”があるだけに、どちらが正しいのかは、一概には判断はできないようにも思えます。

 特に日本国において、近年、CNNに対する信頼性が著しく低下した理由は、慰安婦問題について報じた虚偽情報にあります。CNNといえば国際報道のエキスパートであり、各国の外務省や情報部も情報源として見なす程の信頼性を誇るメディアであり、そうであるからこそ、あらゆる国際情報に精通し、確かなる根拠に基づく放送内容を提供しているものと見なされてきました。ところが、慰安婦問題に関する報道を見ますと、朝日新聞社の記事撤回等による明らかに虚偽であることが判明しているにも拘らず、何らの検証をも加えることなく、堂々と国際社会に向けてフェーク・ニュースを報じているのです。日本国は、先の大戦にあって朝鮮半島の女性達を”性奴隷”にしたと…。

 それでは、何故、CNNは、慰安婦問題についてフェーク・ニュースを流したのでしょうか。第一に推測されるのは、CNN社が、慰安婦記事の撤回や日本国側の情報を十分に収集していなかったとするものです。この”知らなかった説”が事実であるとしますと、CNN社の情報収集能力に疑問符が付きます。慰安婦関連の日本側の情報は、証拠となる資料等も含めて英文でも発信されていますので、国際報道メディアを称する以上、”知らなかった”という言い訳は通用しないはずです。となりますと、第二に推測される理由は、CNNには、何らかの政治的な意図があったとするものです。一体、CNNは、日本国の名誉を棄損するニュースを流すことで、どのような利益を得ているのでしょうか。担当者がチャイナやコリア・マネーによって買収された可能性もありますが、何れにしても、CNNにとりましては、極めて不名誉なはずです。第三の推測があるとしますと、過去に自らが報じたニュースが虚偽であることを認めたくない、というCNN側の保身の現れであるのかもしれません。

 フェーク・ニュースであれ、一旦報じられますと、その影響力は長期的に続きますので、少なくとも、マスメディアは、事実の真偽が問題視されている事件程、その報道には慎重であるべきです。CNNも独自に慰安婦問題を厳正、かつ、中立的な態度で調査すれば、不条理にも罪を着せられた日本国、並びに、日本国民の憤りが理解できるのではないでしょうか。

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