日本国を取り巻く核の脅威は、核・ミサイル開発に邁進する北朝鮮のみではありません。最大の脅威とも言えるのは、NPT体制にあって核保有が認められている中国に他なりません。
広島平和記念公園におけるケリー米国務長官の献花を機に、再度、”核なき世界”へ向けての機運も高まりを見せつつあります。しかしながら、現状を鑑みますと、日本国が非核国であり続けるには、絶対条件があるのではないかと思うのです。日本国の核武装論については、”現実性もメリットもない”との否定的な見解も散見されますが、それは、主として北朝鮮の核の脅威を想定した場合に限られます。最大の脅威は合法的に保有されている中国の核にあるわけですから、この脅威が存在する限り、迂闊には核武装の選択肢を放棄することはできないのです。現状では、日本国は、日米同盟の下でアメリカの”核の傘”の下にあります。その一方で、中国が日本国に対して核の先制攻撃を行った場合、アメリカは、自国への核攻撃を覚悟してまで核兵器による反撃を行うのか、とする疑問もあります。イギリスやフランスが、北大西洋条約に下で同盟関係にありながら、アメリカの”核の傘”に全面的に依存せず、自ら核保有に踏み切った理由も、この懸念にあるとする説があります。このことから、日本国が核武装する必要性が生じない絶対条件とは、日本国が中国から核攻撃を受けた場合に、確実に中国に対して核の報復を実行する、もしくは、迎撃システムも含めて確実に中国の核兵器を無力化するというアメリカの確約、ということになります。日本国が最も恐れるシナリオとは、同盟国であるアメリカに梯子を外された形での、米中による実質的な日本国の切り捨てなのです。仮に、アメリカが、自国が中国から核攻撃されるリスクを冒してまで日本国に”核の傘”を提供する意思がないのであるならば、アメリカもまた、日本国の”二重核抑止”あるいは”保険をかける”という意味での核武装論に対して頭から反対はできないはずです。
核保有国も等しく一つ残らず核兵器を放棄する”核なき世界”が実現すれば、日本国もまた、安心して非核国のままでいられます。核の全面的な廃絶のみならず、ミサイル防衛システムの長足の進歩により、核兵器の保有が無意味となる時代も訪れるかもしれません。しかしながら、それが実現するまでには、まだまだ長い年月を要するかもしれません。それまでの間は現実主義に徹し、目前の脅威に対してはタブーなき議論が必要なのではないかと思うのです。
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核保有国も等しく一つ残らず核兵器を放棄する”核なき世界”が実現すれば、日本国もまた、安心して非核国のままでいられます。核の全面的な廃絶のみならず、ミサイル防衛システムの長足の進歩により、核兵器の保有が無意味となる時代も訪れるかもしれません。しかしながら、それが実現するまでには、まだまだ長い年月を要するかもしれません。それまでの間は現実主義に徹し、目前の脅威に対してはタブーなき議論が必要なのではないかと思うのです。
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