ハイレベル対話再開へ協議=日中経産次官級が定期会合
軍事や政治のみならず、経済分野においても自国中心主義を追求してきた中国は、今年の7月に「アジア金融協力協会」を設立する予定なそうです。昨日の25日には、海南省海口で準備会合が開かれ、日本の3メガ・バンクの他に、アジア以外では、アメリカ、ハンガリー、チェコ等の6社・団体が参加したと報じられています。
当協会の設立目的は、李克強主張によれば、”金融界のネットワーク”造りと説明されていますが、世界の金融ルール作りにアジアの金融業界の意見を反映させることが目的、との憶測もあります。金融市場におけるグローバル・ルールと言いますと、”BIS規制”に代表されるように、これまで、欧米系の国際機関が中心となって作成されてきた歴史があります。経済大国化はしたものの、中国は”新参者”であり、金融市場のルールづくりの段階で積極的に加わることで、自国に有利なルールを造ろうとしても不思議ではありません。しかしながら、仮に、グローバルなルール作りに参加したいならば、既存の国際機関での発言力を高める方が効果的です。にも拘わらず、中国が、既存の機関とは一線を画し、アジアを対象に新機関を発足させたことを考えますと、さらに踏み込んだ戦略を秘めているのかもしれません。
推測される中国の戦略とは、中国主導の独自のルールの制定機関、即ち、一種の”立法機関”として「アジア金融協力協会」を機能させるというものこです。そしてこの試みは、やがてグローバル市場を分裂させる方向に作用することでしょう。二つのルールが併存する状況に至れば、仮に、国際的な紛争等が発生した場合、共通のルールで解決することは、もはやできなくなります。つまり、金融におけるグローバル・ルールは瓦解し、欧米ルールと中国ルールの二つのローカル・ルールに分裂するのです。アジアにおいて中国ルール圏が確立されれば、中国は、自らが主導して制定した独自ルールを盾に、欧米ルールの適用を拒否することでしょう。
国際法を国内法を以って排除しようとする中国の態度は、現在、南シナ海での軍事的緊張を高めておりますが、経済分野においても、中国は、グローバル・ルールの破壊と独自ルールの制定によって中華経済圏の形成を目指しているように見えます。”一帯一路構想”とも関連しているのでしょうが、”中国の夢”の実現は、あらゆる面で世界を引き裂く結果を招くのではないかと危惧するのです。
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軍事や政治のみならず、経済分野においても自国中心主義を追求してきた中国は、今年の7月に「アジア金融協力協会」を設立する予定なそうです。昨日の25日には、海南省海口で準備会合が開かれ、日本の3メガ・バンクの他に、アジア以外では、アメリカ、ハンガリー、チェコ等の6社・団体が参加したと報じられています。
当協会の設立目的は、李克強主張によれば、”金融界のネットワーク”造りと説明されていますが、世界の金融ルール作りにアジアの金融業界の意見を反映させることが目的、との憶測もあります。金融市場におけるグローバル・ルールと言いますと、”BIS規制”に代表されるように、これまで、欧米系の国際機関が中心となって作成されてきた歴史があります。経済大国化はしたものの、中国は”新参者”であり、金融市場のルールづくりの段階で積極的に加わることで、自国に有利なルールを造ろうとしても不思議ではありません。しかしながら、仮に、グローバルなルール作りに参加したいならば、既存の国際機関での発言力を高める方が効果的です。にも拘わらず、中国が、既存の機関とは一線を画し、アジアを対象に新機関を発足させたことを考えますと、さらに踏み込んだ戦略を秘めているのかもしれません。
推測される中国の戦略とは、中国主導の独自のルールの制定機関、即ち、一種の”立法機関”として「アジア金融協力協会」を機能させるというものこです。そしてこの試みは、やがてグローバル市場を分裂させる方向に作用することでしょう。二つのルールが併存する状況に至れば、仮に、国際的な紛争等が発生した場合、共通のルールで解決することは、もはやできなくなります。つまり、金融におけるグローバル・ルールは瓦解し、欧米ルールと中国ルールの二つのローカル・ルールに分裂するのです。アジアにおいて中国ルール圏が確立されれば、中国は、自らが主導して制定した独自ルールを盾に、欧米ルールの適用を拒否することでしょう。
国際法を国内法を以って排除しようとする中国の態度は、現在、南シナ海での軍事的緊張を高めておりますが、経済分野においても、中国は、グローバル・ルールの破壊と独自ルールの制定によって中華経済圏の形成を目指しているように見えます。”一帯一路構想”とも関連しているのでしょうが、”中国の夢”の実現は、あらゆる面で世界を引き裂く結果を招くのではないかと危惧するのです。
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