万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

山本太郎議員は国民の安全より反原発が大事?

2015年07月31日 15時18分47秒 | 日本政治
 一昨日の参院平和安全法制特別委員会において、山本太郎議員が、原発への攻撃について質問したことが話題となっております。好意的な評価も見受けられるのですが、山本議員は、国民の安全よりも反原発が大事なようです。

 山本議員の質問の目的は、明らかに原発廃止への誘導質問です。”仮に、中国、北朝鮮、ロシアから弾道弾ミサイルで原発を攻撃された場合、甚大な被害が生じるのであるから、全ての原発は、即、廃炉にすべし”、ということなのでしょう。加えて、原発攻撃の際の被害をシュミレーションしていないとして詰ってもいます。しかしながら、中国、北朝鮮、ロシアから攻撃を受けた場合の被害想定を怠っているのは、山本議員自身なのではないでしょうか。議員は、”国際紛争は軍事力ではなく外交力で対処すべき”として安保関連法案に反対しておりますが、中国、北朝鮮、ロシアを相手に外交が通用すれば、今日のような安全保障上の脅威は存在していなかったはずです。しかも、議員自身が、これらの国が、一方的に日本国の原発をミサイル攻撃する可能性が高いと推定して質問しているのですから(国際法違反…)、外交一辺倒の対策には無理であることは半ば認めているようなものです。ですから、原発攻撃の想定質問は、核攻撃の想定質問に置き換えることもできます。”仮に日本国が、中国、北朝鮮、ロシアから核攻撃を受けた場合、日本国はその被害を想定し、対策を採っていますか”と…。核攻撃を受ければ、都市もろとも、数十万もの国民の命が瞬時に失われます。核攻撃の想定質問に対する政府の返答は、当然に防衛力の強化であり、軍事大国と対峙する以上、集団的自衛権の行使を認めるものとなるのではないでしょうか。

 原発攻撃は、戦時における敵国による違法な攻撃手段の一つですが、安保法制には、戦争そのものを抑止する作用が期待されております。原発攻撃の想定質問は、安保法案と絡めたがゆえに、山本議員が、国民の安全より反原発を優先していることを図らずも露わにしたのではないかと思うのです。

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コメント (6)
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