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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

仙谷発言の弁明の詭弁―アメリカは同盟国である

2010年10月20日 15時23分45秒 | 日本政治
尖閣で日中軍事衝突なら「日本助ける」 米国防総省高官(朝日新聞) - goo ニュース
 先日暴露された仙谷官房長官の”属国発言”に対する弁明として、”日本国は、以前からアメリカの属国であった”とする意見がネット上に散見されています。しかしながら、同盟関係にあるアメリカと、安全保障上の脅威となっている中国とでは、全く性質が違うと思うのです。

 尖閣諸島沖での事件は、中国が、日本国の領域を侵略する意図を持っていることを、誰の目にも明らかとしました。このことは、両国が、既に敵対関係にあり、日本国は、中国から自国の主権と領土を守る立場にあることを意味しています。この状況にあって、官房長官が、中国の属国化を容認するとなりますと、それは、主権平等の原則を放棄し、中国の軍門に下ることを認めたに等しくなります。つまり、官房長官の発言は、”売国発言”に他ならないのです。一方、日米同盟は、日本国の主権と領土を守る重要な柱です。米軍基地を置き、政策協議の場を設けているのも、日米同盟が、安全保障の要の役割を果たしているからです。加えて、日米両国は、自国のみならず、アジアならびに国際社会の平和と安定を維持する責務をも負っています。さらに言えば、アメリカは、戦後、占領地を返還こそすれ、日本国の領域に対して、国際法を無視して、一方的な領有権を主張したり、”海上民兵”を使った占有のための実力行使を行ったこともありませんでした。

 日米関係と日中関係では、安全保障を軸として見ますと正反対にあり、両関係を、同列に扱うことはできないはずです。そうして、仙谷官房長官への世論の非難は、言うまでもなく、現実の脅威である中国に対する卑屈な態度に向けられているのです。

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コメント (7)
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