標高800近いわが庵では雨が降れば朝晩は肌寒い感じになって、長袖シャツがいい
朝早くしとしとと降る雨はなんとなくしっとりと肌を包むのはうれしいものだ
こんなときは傘を差してしづかに歩きたい気持ちになるのもいいものである
わが庵から上のほうにゆっくりと歩く、最上部の武家屋敷まで約40分ほど掛かるが
その間にひとが住んでいる民家は二軒だけ、それも林道脇にはKおばさんの家、林道から
5,60m奥まったところにOさんの家が視野に入るのみのしづかな、散歩だ
武家屋敷の周りには5軒ほど、人の住んでいる民家が固まってはいる
あとは、廃家が奥まった杉林の間から見え隠れして、なんとなく侘しさも感じる風景
ときをり、小鹿が愛くるしい顔でじっと眺めているが慌ててぴょんと跳ねて草むらに
走りこんでいったりする
道端の普段見慣れた花々が雨に濡れて、雫を湛え愛くるしい仕草に感動したり
何時の頃のものか判らない苔むしたお地蔵さんが草花に包まれて微笑ましい
いにしへに想いを馳せながら、雨を楽しみ、傘を楽しみ、草花や木々の息遣いを
楽しみ、雨の日の散歩は乙なものだ、雫に濡れたさまはひとしお可憐である
傘雫ほたる袋に秘めしこと
しづけさも釣鐘草に地蔵さま