goo blog サービス終了のお知らせ 

「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

東京都市計画月島三丁目地区地区整備計画区域を定める根拠条例「中央区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例」を見ておきます。

2017-11-25 21:27:39 | 街づくり
 東京都市計画月島三丁目地区地区整備計画区域を定める根拠条例「中央区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例」を見ておきます。

 別表第一に、月島の他の町と同様に、月島三丁目地区も規定がなされています。

 条例においては、第18条があり、規定を受けないようにもできます。
 ただ、第18条の例外を行う場合は、中央区建築審査会の同意が必要です(第19条)。


別表第一

東京都市計画月島三丁目地区地区整備計画区域:都市計画法第二十条第一項の規定により告示された東京都市計画月島三丁目地区地区計画のうち、地区整備計画が定められた区域

○都市計画法 20条
(都市計画の告示等)
第二十条 都道府県又は市町村は、都市計画を決定したときは、その旨を告示し、かつ、都道府県にあつては関係市町村長に、市町村にあつては都道府県知事に、第十四条第一項に規定する図書の写しを送付しなければならない。
2 都道府県知事及び市町村長は、国土交通省令で定めるところにより、前項の図書又はその写しを当該都道府県又は市町村の事務所に備え置いて一般の閲覧に供する方法その他の適切な方法により公衆の縦覧に供しなければならない。
3 都市計画は、第一項の規定による告示があつた日から、その効力を生ずる

○都市計画法 14条1項(1項のみ表示)
(都市計画の図書)
第十四条 都市計画は、国土交通省令で定めるところにより、総括図、計画図及び計画書によつて表示するものとする。


○建築基準法 68条の2第1項(1項のみ表示)
第七節 地区計画等の区域
(市町村の条例に基づく制限)
第六十八条の二 市町村は、地区計画等の区域(地区整備計画、特定建築物地区整備計画、防災街区整備地区整備計画、歴史的風致維持向上地区整備計画、沿道地区整備計画又は集落地区整備計画(以下「地区整備計画等」という。)が定められている区域に限る。)内において、建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する事項で当該地区計画等の内容として定められたものを、条例で、これらに関する制限として定めることができる

○建築基準法 68条の5の5
(区域の特性に応じた高さ、配列及び形態を備えた建築物の整備を誘導する地区計画等の区域内における制限の特例)
第六十八条の五の五 次に掲げる条件に該当する地区計画等(集落地区計画を除く。以下この条において同じ。)の区域内の建築物で、当該地区計画等の内容に適合し、かつ、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものについては、第五十二条第二項の規定は、適用しない
一 次に掲げる事項が定められている地区整備計画等(集落地区整備計画を除く。)の区域であること。
イ 都市計画法第十二条の十、密集市街地整備法第三十二条の五、地域歴史的風致法第三十二条又は沿道整備法第九条の六の規定による壁面の位置の制限、壁面後退区域(壁面の位置の制限として定められた限度の線と敷地境界線との間の土地の区域をいう。以下この条において同じ。)における工作物の設置の制限及び建築物の高さの最高限度
ロ 建築物の容積率の最高限度
ハ 建築物の敷地面積の最低限度

二 第六十八条の二第一項の規定に基づく条例で、前号イ及びハに掲げる事項(壁面後退区域における工作物の設置の制限を除く。)に関する制限が定められている区域であること。
2 前項第一号イ及びハに掲げる事項が定められており、かつ、第六十八条の二第一項の規定に基づく条例で前項第一号イ及びハに掲げる事項(壁面後退区域における工作物の設置の制限を除く。)に関する制限が定められている地区計画等の区域内にある建築物で、当該地区計画等の内容に適合し、かつ、敷地内に有効な空地が確保されていること等により、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものについては、第五十六条の規定は、適用しない。

○建築基準法 52条2項⇒52条は、容積率に関する規定です。



***********************************
○中央区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例

平成五年七月一日
条例第十八号
中央区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例

(目的)
第一条 この条例は、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号。以下「法」という。)第六十八条の二第一項の規定に基づき、地区計画の区域内において、建築物の用途、構造及び敷地に関する制限を定めることにより、適正な都市機能と健全な都市環境を確保することを目的とする。

(適用区域)
第二条 この条例の規定は、別表第一に掲げる地区整備計画の区域に適用する。

(建築物の用途の制限)
第三条 前条に規定する区域(その区域に係る地区整備計画において、当該区域を二以上の地区に区分しているものにあっては、その区分されたそれぞれの地区の区域。以下「計画地区」という。)内においては、別表第二に掲げる計画地区の区分に応じ、それぞれ同表イ欄に掲げる建築物は、建築してはならない。
(一部改正〔平成九年条例三六号〕)
(建築物の容積率の最高限度)
第四条 建築物の容積率は、別表第二に掲げる計画地区の区分に応じ、それぞれ同表ロ欄に掲げる数値以下でなければならない。
2 前項に規定する容積率の算定の基礎となる延べ面積には、自動車車庫その他の専ら自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設(誘導車路、操車場所及び乗降場を含む。)の用途に供する部分の床面積は、当該敷地内の建築物の各階の床面積の合計(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、それらの建築物の各階の床面積の合計の和)の五分の一を限度として算入しない。
(一部改正〔平成九年条例二七号・三六号・一〇年四六号・一三年三二号〕)
(建築物の容積率の最低限度)
第五条 建築物の容積率は、別表第二に掲げる計画地区の区分に応じ、それぞれ同表ハ欄に掲げる数値以上でなければならない。
2 前条第二項の規定は、前項に規定する容積率の算定の基礎となる延べ面積について準用する。
(一部改正〔平成九年条例三六号・一三年三二号〕)
(建築物の建ぺい率の最高限度)
第六条 建築物の建ぺい率は、別表第二に掲げる計画地区の区分に応じ、それぞれ同表ニ欄に掲げる数値以下でなければならない。
(一部改正〔平成九年条例三六号・一三年三二号〕)
(建築物の敷地面積の最低限度)
第七条 建築物の敷地面積は、別表第二に掲げる計画地区の区分に応じ、それぞれ同表ホ欄に掲げる数値以上でなければならない。
2 前項の規定は、同項の規定の施行又は適用の際、現に建築物の敷地として使用されている土地で同項の規定に適合しないもの又は現に存する所有権その他の権利に基づいて建築物の敷地として使用するならば同項の規定に適合しないこととなる土地について、その全部を一の敷地として使用する場合においては、適用しない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
一 前項の規定の改正後の同項の規定の施行又は適用の際、改正前の同項の規定に違反している建築物の敷地又は所有権その他の権利に基づいて建築物の敷地として使用するならば改正前の同項の規定に違反することとなった土地
二 前項の規定に適合するに至った建築物の敷地又は所有権その他の権利に基づいて建築物の敷地として使用するならば同項の規定に適合するに至った土地
3 第一項の規定は、法第八十六条の九第一項各号に掲げる事業の施行による建築物の敷地面積の減少により、当該事業の施行の際現に建築物の敷地として使用されている土地で第一項の規定に適合しなくなるもの又は当該事業の施行の際現に存する所有権その他の権利に基づいて建築物の敷地として使用するならば同項の規定に適合しないこととなる土地について、その全部を一の敷地として使用する場合においては、適用しない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
一 法第八十六条の九第一項各号に掲げる事業の施行により面積が減少した際、当該面積の減少がなくとも第一項の規定に違反していた建築物の敷地又は所有権その他の権利に基づいて建築物の敷地として使用するならば同項の規定に違反することとなった土地
二 第一項の規定に適合するに至った建築物の敷地又は所有権その他の権利に基づいて建築物の敷地として使用するならば同項の規定に適合することとなるに至った土地
(一部改正〔平成九年条例三六号・一八年二五号〕)
(壁面の位置の制限)
第八条 道路境界線その他の境界線又は道路中心線から建築物の壁又はこれに代わる柱の面までの距離は、別表第二に掲げる計画地区の区分に応じ、それぞれ同表ヘ欄に掲げる数値以上でなければならない。ただし、地盤面下の部分については、この限りでない。
(一部改正〔平成九年条例二七号・三六号〕)
(建築物の高さの最高限度)
第九条 建築物の高さは、別表第二に掲げる計画地区の区分に応じ、それぞれ同表ト欄に掲げる数値を超えてはならない。
2 前項に規定する建築物の高さには、階段室、昇降機塔、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する建築物の屋上部分の水平投影面積の合計が当該建築物の建築面積の八分の一以内の場合においては、その部分の高さは十二メートルまでは、当該建築物の高さに算入しない。
3 前項の規定は、この条例に特別の定めがある場合には、適用しない。
(一部改正〔平成九年条例三六号・一八年三九号〕)
(建築物の高さの最低限度)
第十条 建築物の高さは、別表第二に掲げる計画地区の区分に応じ、それぞれ同表チ欄に掲げる数値以上でなければならない。
2 前項の規定は、同項に規定する数値に満たない高さの部分を有する建築物で、その部分の水平投影面積の合計が当該建築物の建築面積の二分の一未満であるものについては、適用しない。
(一部改正〔平成九年条例三六号〕)
(建築物の形態又は意匠の制限)
第十一条 建築物の屋根又は外壁の形態又は意匠は、別表第二に掲げる計画地区の区分に応じ、それぞれ同表リ欄に掲げるものとしなければならない。
(一部改正〔平成九年条例三六号〕)
(垣又はさくの構造の制限)
第十二条 垣又はさく(門柱その他これに類するものを除く。)の構造は、別表第二に掲げる計画地区の区分に応じ、それぞれ同表ヌ欄に掲げるものとしてはならない。
(一部改正〔平成九年条例三六号〕)
(建築物の敷地が計画地区の区域の内外にわたる場合等の措置)
第十三条 建築物の敷地が計画地区の二以上にわたる場合においては、その建築物又はその敷地全部について、当該敷地の過半の属する計画地区に係る第三条及び第七条第一項の規定を適用する。
2 建築物の敷地が第二条に規定する区域の外と一の計画地区にわたる場合においては、その敷地の過半が当該計画地区に属するときは、その建築物又はその敷地の全部について、当該計画地区に係る第三条及び第七条第一項の規定を適用し、その敷地の過半が当該区域の外に属するときは、その建築物又はその敷地の全部について、これらの規定を適用しない。
3 建築物の敷地が計画地区の二以上にわたる場合においては、第四条第一項、第五条第一項又は第六条の規定による制限を、それぞれ法第五十二条第一項及び第二項の規定による建築物の容積率の限度又は法第五十三条第一項の規定による建築物の建ぺい率の限度とみなして、法第五十二条第七項又は法第五十三条第二項の規定を準用する。
4 建築物の敷地が第八条から前条までの規定による制限を受ける計画地区の二以上にわたる場合においては、これらの規定による制限を受ける区域内に存するその建築物の部分又はその敷地の部分について、これらの規定をそれぞれ適用する。
(一部改正〔平成七年条例一二号・九年二七号・三六号・一三年三二号・一四年三六号・二〇年一一号〕)
(一定の複数建築物に対する制限の特例)
第十四条 一団地内に二以上の構えを成す建築物で総合的設計によって建築されるもののうち、区規則で定めるところにより、区長がその各建築物の位置及び構造が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものに対する第四条第一項又は第十七条の規定の適用については、これらの建築物は、同一敷地内にあるものとみなす。
2 区長は、前項の規定による認定をしたときは、遅滞なく、区規則で定める事項を公告しなければならない。
3 前項の規定による公告があった日以降、第一項の規定により同一敷地内にあるものとみなされる建築物(以下「同一敷地内建築物」という。)に係る一団地(以下「一団地認定区域」という。)内において同一敷地内建築物以外の建築物を建築しようとする者は、区規則で定めるところにより、当該建築物の位置及び構造が当該一団地認定区域内の他の同一敷地内建築物の位置及び構造との関係において安全上、防火上及び衛生上支障がない旨の区長の認定を受けなければならない。
4 区長は、前項の認定をしたときは、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。
5 第一項の規定は、一団地認定区域内の第三項の規定による認定を受けた建築物及び当該建築物以外の当該一団地認定区域内の建築物について準用する。
6 一団地認定区域内に第三項の規定による認定を受けた建築物がある場合における同項の規定の適用については、当該建築物を同一敷地内建築物とみなす。
(一部改正〔平成二年条例二一号〕)
(既存の建築物に対する制限の緩和)
第十五条 法第三条第二項(法第八十六条の九第一項において準用する場合を含む。以下同じ。)の規定により、第三条、第四条第一項又は第五条第一項の規定の適用を受けない建築物について、区規則で定める範囲内において増築、改築、大規模の修繕又は大規模の模様替えをする場合においては、法第三条第三項第三号及び第四号の規定にかかわらず第三条、第四条第一項又は第五条第一項の規定は、適用しない。
2 法第三条第二項の規定により、第八条の規定の適用を受けない建築物について、区規則で定める範囲内において増築、改築、大規模の修繕又は大規模の模様替えをする場合においては、当該建築物のうち同条の規定に適合しない既存部分について、法第三条第三項第三号及び第四号の規定にかかわらず第八条の規定は、適用しない。
(一部改正〔平成一八年条例二五号〕)
(用途変更の制限)
第十六条 計画地区内において、法第六十八条の五の四又は法第六十八条の五の五の規定の適用を受けた建築物について、その用途を変更しようとする者は、区規則で定めるところにより、当該変更内容について区長の認定を受けなければならない。
(一部改正〔平成九年条例三六号・一四年三六号・二〇年一一号〕)
第十七条 削除
(削除〔平成一六年条例一六号〕)


(特例による許可)
第十八条 この条例の規定の適用に関して、次の各号に掲げる建築物及びその敷地は、許可の範囲内において当該規定は適用しない。
一 区長が、公益上必要な建築物で用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したもの及びその敷地
二 区長が、当該計画地区内における土地利用状況等に照らして総合的に配慮し、第一条に規定する目的に則した計画と認めて許可した建築物及びその敷地

(一部改正〔平成九年条例三六号・一六年一六号〕)


(建築審査会の同意)
第十九条 区長は、前条の規定による許可をする場合においては、あらかじめ、中央区建築審査会の同意を得なければならない。

(一部改正〔平成一一年条例二一号〕)


(罰則)
第二十条 次の各号の一に該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。
一 第三条又は第七条第一項の規定に違反した場合(次号に規定する場合を除く。)における当該建築物の建築主
二 建築物を建築した後に当該建築物の敷地を分割したことにより、第七条第一項の規定に違反することとなった場合における当該建築物の敷地の所有者、管理者又は占有者
三 第四条第一項、第六条、第八条又は第九条第一項の規定に違反した場合における当該建築物の設計者(設計図書を用いないで工事を施工し、又は設計図書に従わないで工事を施工した場合においては、当該建築物の工事施工者)
四 法第八十七条第二項において準用する第三条の規定に違反した場合における当該建築物の所有者、管理者又は占有者
2 前項第三号に規定する違反があった場合において、その違反が建築主の故意によるものであるときは、当該設計者又は工事施工者を罰するほか、当該建築主に対しても同項の罰金刑を科する。
3 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して、前二項の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して第一項の罰金刑を科する。ただし、その法人又は人の代理人、使用人その他の従業者の当該違反行為を防止するため、当該業務に対し、相当の注意及び監督が尽くされたことの証明があったときは、その法人又は人については、この限りでない。
(委任)
第二十一条 この条例の施行について必要な事項は、区規則で定める。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

月島三丁目南地区再開発問題。皆様からお預かりした反対の意見書約50通分、無事、中央区に期限内の消印で提出を致しました。

2017-11-25 00:43:20 | 月島三丁目南地区第一種市街地再開発問題

 ぎりぎり23時まで、待った甲斐がありました。
 二名のかたが、遅い時間にも関わらず、ご持参下さいました。

 待ちながらも自分も時間に追われ、意見書を作成していました。

 お預かりした月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業に対する反対の意見書約50通分、無事、中央区に期限内の消印で提出を致しました。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業』に係る都市計画案に対する私の反対の意見書H29.11.24提出

2017-11-25 00:05:01 | 月島三丁目南地区第一種市街地再開発問題
都市整備部
地域整備課 御中

都市計画案
(東京都市計画地区計画月島三丁目地区地区計画の変更、
高度利用地区(月島三丁目南地区)の変更、
月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業の決定)について
反対の意見書

平成29年11月24日

住  所 東京都中央区月島3丁目
          
氏  名      小 坂 和 輝 
      
第1、はじめに
 今回公告・縦覧をされた都市計画(案)(以下、「本案」という。なお、「本案」の前段階の都市計画(原案)については、「原案」という。)は、月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業(以下、「本事業」という。)に伴い、地区施設の配置及び規模、建築物等に関する制限などの変更をするものです。
そもそも本事業は、諸問題が解決されることなく、都市計画手続きを中央区が進める状況にあり、本年8月29日に82名の区民が請求人となり、本事業の予算執行を差し止める住民監査請求が提起されています(資料19)。そして、住民監査請求に引き続き、11月24日に、住民訴訟が提起されました。「なぜ、190m50階750戸の住宅が必要であるのか」、道行くひとは本事業に対し疑問を投げかる。再開発を中止し代替案の検討を求める請願賛同者160名、再開発の中止を求める署名(資料20)445名に上り、本事業に対し、反対を唱える者が多く、住民の合意形成は得られていません。
 本事業には、以下に述べる法令違反も含め重大な問題点があり、開発計画は進められないと考えます。
 よって、本事業のための地区計画の変更もなされるべきではないと考え、ここに本案に対する反対の意見書を提出致します。
 都市計画原案に対しても同内容の意見書を私は提出しており、重複する内容の部分もあります。


第2、本案に反対する理由について
1、本事業が、多くの弊害をもたらすことについて 
 本事業は、①計画地(以下、「月島三丁目南地区」という。)は、東京都中央区月島三丁目27番(15号除く)、28番、29番、30番で、現存建物がすべて取り壊され、②「28番・29番・30番(A敷地)」は、地下1階・地上50階・高さ約190m・750戸の超高層分譲マンション(鉄筋コンクリート、一部鉄骨造)が建設され、③「27番(B敷地)」は、地上2階建てのビル(鉄骨造)が建設される。④工事期間は、平成33年~平成36年で、平成36年竣工の予定である。
 このような超高層の計画では、周辺地域にお住まいのかなりの方の日照権を侵害するとともに、現状でも大きいこの地区の風害をさらに増悪させる。
計画地は、清澄通りを挟んで月島第一小学校があり、逆側には高齢者施設が隣接し、工事に伴う騒音・振動被害も無視できない。
竣工の時期は、平成32年五輪後の景気低迷が深刻になる平成36年である。現在、月島地区だけで13の地区で再開発計画が進行中で、その最たる晴海選手村跡地5,632戸の住宅転用の時期と本事業の竣工が重なっている。さらに、竣工後約10年(平成44年〜49年)で中央区の人口も減少に転じ、保留床の売却による本再開発事業の資金獲得が果たしてスムーズに行くのか疑問である。事業資金計画の破たんは、本事業で建てられた超高層マンションに留まる地権者等の負担となり、リスクがあまりにも大き過ぎる。
そのリスクから逃れるために地権者らは、施行区域から出て行かざるを得なくなる。これは、いままで育まれてきた地域コミュニティの崩壊である。
これら様々な弊害をもたらす本事業を容認するわけにはいかず、本事業を前提にする本案には反対である。


2、本事業が、施行区域内の地権者の同意率9割に達していないにも関わらず、都市計画手続きが進められていることが中央区の慣習法に反することについて
 本事業において、中央区長宛てに、施行区域内の地権者から「都市計画手続きに関する同意書」が提出されている。その同意書の文言は、「私は、月島三丁目南地区の「地区計画」、「第一種市街地再開発事業」及び「高度利用地区」の都市計画に関する手続きをすることに同意します。」とある。
 第一種市街地再開発事業の施行区域の全地権者に対するこのような同意書を提出した者の割合である同意率が9割に満たない状態で、中央区ではいままで月島地区の市街地再開発事業における都市計画の手続きを進めることはなかった。本年10月決算特別委員会での資料198(資料18)によると、第一種市街地再開発事業が施行された月島地区の各地区の同意率を見ると、月島一丁目345番地区90.7%、勝どき五丁目地区94.3%、月島一丁目西仲通り地区89.8%、豊海地区97.3%など実際に9割で都市計画手続きに中央区が入っていることがわかる。住民説明会や都市計画審議会においても同意率は重きが置かれている現況から、9割を達成して初めて都市計画手続きに入ることは、中央区の慣習法となっている。
 本事業の月島三丁目南地区でも、権利者103名中82名が「同意書」(資料8左側ページ)を提出しているところであったが(同意率79.6%)、本事業について疑問を抱き、同意書を撤回(資料8右側ページ)するかたが4名出てきている。1名有効でなかったということで、3名が結局撤回で、権利者103名中79名の同意で、同意率76.7%である。(なお、中央区は、都市再開発法(以下、「都再法」という。)14条の際は、権利者として数える東京都を、都市計画手続きを進める際の同意率には入れておらず、権利者102名中79名の同意で、同意率77.5%という数字を提示しているが、都再法14条の運用と同じく東京都も数に入れて算出すべきである。)
 今回の月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業においては、施行区域内の権利者の同意率は現段階で7割7分であり(平成29年9月12日開催の環境建設委員会及び同年10月12日開催の決算特別委員会総括質疑でも確認、資料1(①頁)の権利者の状況に加筆)、住民の合意形成が不十分なまま、平成29年9月20日に原案説明会を開催し(資料17)、同月21日から原案の公告縦覧を開始するなど中央区は、都市計画の手続きを始めた。
 7割台で都市計画の手続きを開始することは、再開発事業における9割以上の同意率で開始するという今までの中央区のまちづくり行政における慣習法に反している。
 本事業に潜む諸問題を解決し、住民の合意形成を得るまでは、本事業の都市計画の手続きを進めるべきではないと考え、差止めの住民監査請求や引き続きの住民訴訟もなされているのである。
 加えて、本年9月20日開催の原案説明会を、中央区は、都市計画法16条2項に根拠をおき、権利者のみを対象に開催した。都市計画法16条1項及び国土交通省による「都市計画運用指針」において、広く住民に開かれた説明会・公聴会を開催すべきことが示されているにもかかわらず、中央区の姿勢自体が、計画の早期の段階から、住民の合意形成を広く得ようとする姿勢にはない(資料13、⑮頁)。
 都市計画手続きを地権者の9割の同意率を得て進める慣習法に反しており、本案に反対である。
 

3、そもそも、本事業が、都市再開発法3条の第一種市街地再開発事業施行区域の要件(資料14、⑯頁)に該当せず、違法なことについて
(1)三号要件について(資料14、⑰頁)
 この地域(三丁目27番、28番、29番、30番)は、都市再開発法3条の4つの要件、特に三号要件「土地の利用状況が著しく不健全」、少なくとも「著しく」に該当していない。
 三号要件の条文解釈については、『逐条解説 都市再開発法解説』(資料14、⑰頁)によると、三号では、①当該区域内に十分な公共施設としての広場や道路がないことや、②当該区域内の土地の利用が細分化されており各戸ばらばらに建て替えられない状況などの場合を例示として、「土地の利用状況が著しく不健全」としていると解される。
 ①資料5(⑦頁)に施行区域の地図を見てわかる通り、広場や道路については、A敷地では、施行区域全体を、都道(清澄通り)を含め道路が四方を取り囲み、かつ、敷地内に4本の路地が通っており、歩行空間は、十分ある。当該区域に隣接する27番15号には、約2,280㎡の公開空地があり、清澄通りを挟んで月島第一小学校もあり広場も十分にある地域である。よって、公共施設がないとは解されない。
 ②土地の利用が細分化されていることについても、地区内では既に、敷地面積が50㎡を超える建物が、107ある建物中、37(34.5%)存在し、建物面積が50㎡を超える建物(⑥頁左、建物番号2、12、14、26、27、28、37、38、39、43、45、51、71、85、86、87、89、90、100、103、105)は、21(19.6%)存在する。細分化した土地の状況においても、現行「月島三丁目地区地区計画」の制度の中で、当該区域内で個別建て替えがなされ、現在、「建築基準法第2条第9号の2」に規定する耐火建築物の割合は、約4割に達し(⑥頁右)、建物の耐用年数が2/3以下の建物は、建築面積で85%、敷地面積で84%であり(⑥頁右、ロ)、逆に言えば、耐用年数を超え、喫緊の更新の必要な建物は、建築面積で15%、敷地面積で16%に過ぎない。個別建て替えが著しく難しい状況は生まれておらず、土地の利用の細分化の点でも、三号要件に該当していない。
 そして、当該区域の建物内には、私たちが調査したところ、もんじゃ屋・居酒屋・トンカツ屋・カフェなど飲食業11軒、美容院・床屋・整骨院・クリニック・薬局など医療衛生施設5軒、畳屋・印刷所・製麺所・金属工業加工場・薬品会社・紳士服修理・クリーニングなど加工場11軒、英会話教室・習字教室・英語保育園・子育て広場・病児保育室など子育て支援施設5軒、町会事務所1軒、駐車場2軒と合計約35(平成29年3月末現在)の事業者が、多種多様な事業を展開し、街の賑わいを作り出しており、「土地の利用状況が著しく不健全」であると判断はなしえない。

(2)先行して都市計画決定すべき一号要件の「高度利用地区」について
「高度利用地区」が先行して都市計画決定されている地域であることが、一号要件である(資料14、右側、図5、⑯頁)。その「高度利用地区」の指定の要件も、「土地の利用状況が著しく不健全」であることが入っているが、上述の如く、この地域には該当しないため、「高度利用地区」指定の要件もまた、欠けることとなる。

(3)四号要件について
 四号要件では、「土地の高度利用を図ることが都市機能の更新に資すること」が求められている。
 高さ190m・地上50階建て・750戸の住宅となると、震災時のエレベーター停止や長周期振動そして人口の過度の集中のため、防災面においては、逆に脆弱になると考えられる。
 木造の長屋の耐震性の向上に課題はあるが、現状の方が、逃げ出す場合に、戸を開ければすぐに路地に出られ、近所同士も声が届く範囲であり、声を掛け合い助け合いながらの避難が可能であり、家屋の倒壊を防ぐことや火災の初期対応能力を向上することで防災面の課題を克服すれば、現状のほうがより安全であるとも言える。
 平常時より、毎日声を掛け合い、お互いがお互いを見守る地域コミュニティーが育まれており、現状でこそ、安心安全に日常生活を送ることができる。
 さらに三号にも述べたように、高度利用をせずとも、すでに、まちのにぎわいがある。
 建設から日の経っていない鉄筋耐火建築物も多い中で、それら新しいものを取り壊して行う高度利用の合理性がどこにあるのか大いに疑問である。現行地区計画の中、区民が努力して、自らの建物を更新してきたその努力を踏みにじる行為である。
 従って、現状で享受できている都市機能の利益は、再開発によって得られる利益を上回っており、上述したように本事業がもたらす日照被害、風害、騒音・振動など都市機能に与えるマイナスの影響も勘案すると、現状優位の差はさらに大きくなると考えられる。
 本事業により都市機能が更新したとは言えないため、四号要件に該当しない。

 月島三丁目南地区は、都市再開発法の施行区域要件に該当せず、本事業は、違法であり、本事業を前提にした案に反対する。なお、訴状(資料21)の理由も是非ご参照いただきたい。

4、本事業の手続きにおいて重大な瑕疵があることについて
(1)副区長がなした予算特別委員会における虚偽答弁
 平成29年3月16日に中央区作成した資料(資料1、①頁)と、同年9月20日開催の都市計画原案説明会で配布された資料17の21ページ上段を見比べていただきたい。まったく同じ「計画概要」の図面である。
 私は、平成29年3月22日に予算特別委員会において、本事業に平成29年度に計上されている予算1億5千8百万円の内容を調査するために、都市計画の案の前段階のようなものでも構わないので、計画素案を提出するように中央区に要求したが、吉田副区長は、「絵がまとまっていないから、示しようがない」と答弁をしているが、原案の説明会で使用できるほどの計画概要を既に持っていながら、「ない」と答弁することは、明らかに虚偽の答弁である。
 虚偽の答弁を用い資料の存在自体を否定し、資料1(①頁)のような本事業について説明する計画素案というべき資料を議会に提出することなく、結果、議会に本事業の予算について白紙委任を強いたことは、議会への冒涜であるし、「中央区基本条例4条3項まちづくりに関する必要な情報を区民に提供する区の責務」(資料12、⑭頁)にも明らかに反している。
 今後、中央区がまちづくりの情報を適切に区民に提供して、開かれた場でまちづくりが議論されることを担保していくためにも、虚偽答弁を用いた重大な手続きの瑕疵を看過することは許されない。
 なお、私は、議員として本事業も含め平成29年度予算案に賛成をしながら、住民監査請求をした理由は、ここにある。

(2)持ち回り決議が「月島地区密集市街地総合防災協議会」規約違反であること
 本事業の平成29年度予算において、国への補助金申請をするに当たり、まず、本事業を「密集市街地総合防災計画」(以下、「防災計画」という。)に位置づけるための防災計画を変更する必要があった。防災計画変更という重要な決議を、持ち回り決議で行うこと自体許されるわけがないが、しかし、中央区は、平成28年度中の申請に間に合わせるために、平成29年3月に持ち回り決議をしたという。国の要綱によると国への補助金申請は、年度内でいつでも可能であり、また、申請後1ヶ月で処理される運用であることからすると、時間的な余裕は十分あり、持ち回り決議をしなければならない「やむを得ない」理由も存在しない。
 従って、明らかに規約4条2項、3項に反する。
 また、平成28年度末に国へ申請する本事業の計画があるなら、前述の同時期開催の予算特別委員会にも、本事業の計画を中央区議会へ提出できたはずであり、副区長の虚偽答弁を裏付ける証拠にもなる。

(3)「月島地区密集市街地総合防災協議会」の構成メンバー自体が偏って編成されており、恣意的に補助金が第一種市街地再開発事業に誘導される可能性があることについて
 そもそも、「月島地区密集市街地総合防災協議会」の構成メンバー自体が、規約3条第1項にあるように、①中央区長、②月島一丁目西仲通り地区市街地再開発組合理事長、③月島三丁目地区市街地再開発準備組合理事長、④月島三丁目南地区市街地再開発準備組合理事長、⑤独立行政法人都市再生機構東日本都市再生本部晴海都市再生事務所長の5名に限定され、民間からは、月島地区の第一種市街地再開発事業のための準備組合や再開発組合の理事長が当てられている。
 本来、協議会は街の防災性の向上を図るべき計画を立てる場であり、国土交通省公表資料『密集市街地総合防災事業(平成27年度創設)』においても事業要件として「複数の主体(地方公共団体、都市再生機構、地方住宅供給公社、民間事業者、地域防災組織等)が連携する協議会があること」とされており、単に再開発事業を推進する者たちの連携を図るのではなく、まさに地域の防災対策の推進のために必要な人材によって構成される必要がある。
 再開発を推進することを目的とした偏った人員配置では、再開発を推進する計画内容に偏ってしまう。
 また、同協議会はいつ開催されるかの通知もなく、非公開の場で決められている。補助金申請のために、恣意的な協議会運営がなされるおそれがある。

(4)準備組合事務局員が、大成建設社員であり、本事業の施設建設工事入札において、公正さが担保できないことについて
 都再法に基づく再開発準備組合の申請母体となる月島三丁目南地区市街地再開発準備組合(以下、「準備組合」という。)の事務局員は、大成建設社員によって担われている。これでは、本事業の事業計画の情報が、建設工事業者に筒抜けになってしまうおそれが否定できない。
 公正な入札が期待できず、本事業は、将来における手続上の瑕疵をはらんでいる以上は、補助金が投入するわけには行かない。
 
 このように本事業には、(1)予算審議での副区長の虚偽答弁、(2)補助金獲得のための防災計画変更決議時における協議会規約違反、(3)補助金獲得のための協議会が国の基準に反した偏ったメンバー構成で恣意的な協議会運営が可能であること、(4)準備組合事務局員が今後入札する際の入札参加企業社員であることなどが、それぞれに重大な手続きの違反であり、予算執行をなすべき事業ではない。従って、本事業を前提にした原案にも反対である。
 なお、訴状(資料21)も是非ご参照いただきたい。

5、本事業は、まちづくりの民主的な手続きに反している
 借家人や住民の意見を反映してまちづくりを行うと本事業を進める任意団体である準備組合は、前身の「協議会」で約束(資料6、⑧頁左)したが、それを果たすことなく、都市計画原案及び案説明会を迎えている状況にある。一時期まで、周辺住民にも情報が出されていたが、理事長が交代してからは、まちづくりの情報が住民と共有されることはなく、借家人や住民は、当該地区のまちづくりの蚊帳の外におかれた。
権利者の一部のものだけで超高層の計画を作り、なんらの意見を反映させる機会を持つことなく、借家人や住民が、本計画を聞かされたのは、平成29年4月27日と同年5月7日に開催された住民説明会がであった。
両日の住民説明会の「説明会開催報告書」(資料7、⑧頁右)では、住民説明会において、約束違反であることの意見や、本事業の中止を求める意見や質疑時間が短く再度住民説明会を開催するべきであるという意見が出されたが、「参加者からの意見・要望等の内容」で記載から省かれている。住民の貴重な意見を恣意的に取捨選択し、中央区に伝える準備組合の姿勢が見られる。
 開かれた場での、まちづくりの議論がなされていないため、一度、本事業を差止め、住民の合意形成を得る時間をつくる必要がある。
 このように本事業は、まちづくりの民主的な手続きを欠いたものであり地方自治の住民自治の精神からも程遠く、是認するわけにはいかず、本事業を前提にした原案にも反対である。
 なお、11月10日に中央区主催で行われた案の説明会においても、住民説明会の内容が忠実に「説明会開催報告書」に反映されず虚偽の記載がなされたことの議論がなされた。住民説明会は、「中央区まちづくり基本条例に定める開発計画への反映事項並びに開発事業に係る協議及び改善指導に関する規則」(以下、「規則」という。)第10条1項に基づき開催されている。虚偽の「説明会開催報告書」の記載がある以上は、住民説明会において重大な手続き違背があって、以降の手続きにその重大な瑕疵は承継され、本案にも継承されている。このままでは、本案を認めることはできず、再度、住民説明会を行い、手続きの瑕疵を解消する必要がある。

6、地域コミュニティを守る月島の再生の検討について
 この地域の課題を解決するために、「このような超高層のマンション建設が必要か?」という疑問が、住民の抱く印象である。
 本事業により、風害が月島第一小学校まで拡大し(資料2、②頁)、広範な日影被害も生じ(資料3、3頁、④頁)、周辺住民の健康な生活を害することになる。
 今後、中央区の人口が減少することや(資料9、⑩頁)、月島地区に、類似の大規模再開発が、オリンピック選手村跡地含め13事業控えていることからすると(資料10、⑪頁、⑫頁)、高額な管理費や修繕積立金の負担なども慎重に考慮して、本事業の採算性の検討も必要である。昨日の原案説明における質疑応答でも、本事業に参加する住民の資産形成に関する質問に中央区からの有効な回答は得られなかった。本事業に参加する住民のかたが幸せになる保証はない。
 路地裏には、緑の風景や、コミュニケーションの場がある(資料16)。
 そして、現在、この地域には、失ってはならない、地域のコミュニティの力が存在している。その力は、例えば、認知症のかたの高齢者を見守ることに役立てられている。超高層では、見守ることができない。
 少なくとも、現行「月島三丁目地区地区計画」に従い、個別更新をする努力をされてきた方を施行区域から除くなど、規模を縮小して施行区域の設定を再検討することも必要である(資料15、⑱頁)。
 大切な地域コミュニティを守るためにも、一度立ち止まり、まちづくりの民主的な手続きの下、月島の再生を考える必要がある。
 今一度、個別更新や共同建て替えによる街の再生を検討すべきであって、超高層のマンション建設を本質としてもつ第一種市街地再開発事業ありきで都市計画を進めるべきではない。
 本事業を前提にした案には反対である。

 
7、本案の提案は、本質的には、「都市計画提案制度」に準じる形で手続きを進めるべきであり、月島三丁目地区内の宅地の所有者・借地権者の3分の2の同意が必要であることについて
 本案の提案は、本質的には、任意団体である準備組合の本事業に適合するように区が、地区施設の配置及び規模、建築物等に関する制限などの変更をしようとしているのである。
 個人建て替えや共同建て替えの場合には、自らの建設計画は、地区計画に適合するように努力するものであるが、本来、許されないことのないはずの地区計画の書き換えができるように任意団体の準備組合には恩恵を与えているとすると、全体の奉仕者である公務員が一部のものの奉仕者となることであり、地方自治の原則に反することとなり、「都市計画提案制度」の考え方を用い、公正さを担保しているとみなさざるを得ない。
 一方、「都市計画提案制度」では、地区内の地権者ら民間人が都市計画の決定や変更を素案を添えて提案できる。その場合、「地権者の3分の2同意要件」がかけられるとともに、計画素案の内容が都市計画基準に適合していることが要求される。
 今回の都市計画の変更は、月島三丁目地区に関するものであり、月島三丁目地区内にいる宅地の所有者・地権者の3分の2以上が、案に同意していることが、案の提案の要件である。
 しかしながら、本案に同意している者は、月島三丁目南地区に限られた79名であり、月島三丁目地区内の宅地の所有者・地権者の3分の2に満たないことは、明白である。
 本事業と密接不可分の案を中央区が提案するには、「都市計画提案制度」の考え方を用いざるを得ないが、月島三丁目地区内の「地権者の3分の2同意要件」を満たしておらず、それでも案を提案するというのであれば、中央区は、公務員が全体の奉仕者であることを否定する行為であり許されない。
 従ってこのような中央区の本案の提案には反対である。

8、本案が、現行の「月島三丁目地区地区計画」に反することについて
 本事業は、現行の「月島三丁目地区地区計画」の「地区計画の目標」でいう「細い街路の拡幅整備などで、良好な街並みの形成」を行うことに合致していない。「地区施設の整備の方針」も、「路地を活かして地区施設を配置し、歩行者専用の通路として整備する。」とあり、「相当規模の一団の土地の面的整備」の必要性への記載がなく、「建築物等の規制・誘導の方針」においても同様である。
 現行の「地区計画」では、記載がなく想定をしていない大規模な開発がなされようとしており、法律に基づく行政の原理が適用されるならば、「地区計画」に反する開発行為であり検討の余地がないことになる。
 しかし、案では、本年8月24日開催の「月島地区まちづくり協議会」で、配布資料に記載もなく、議論がなされていなかったにも関わらず、「地区計画の目標」や「整備方針」「建築物等の規制・誘導の方針」に「相当規模の一団の土地の面的整備」の内容を、「月島地区まちづくりガイドライン」策定にかこつけて記載が加えられ、あたかも南地区再開発が、地区計画でも認められているかのように体裁を整えようとしている。
 地区計画に沿わない大規模な計画をするのであれば、まず、地区計画のほうを、都市計画審議会を経て先に大規模の計画を許容する形に変更し、その後、その地区計画に則った開発計画を検討するべきである。地区計画にそぐわない開発計画だからと、地区計画の方を開発計画に合わせて変更可能にするとすれば、その地区計画のもつ意味が形骸化させる行為となり、法治主義の原理から絶対に許されない。
 「ガイドライン」に合わせた月島各地区の地区計画の変更はこれからまちづくり協議会で話される議題であり、月島三丁目地区地区計画のみ先行して「ガイドライン」を反映させることは、まちづくり協議会の検討も経ていないために手続き上もできない。
 従って、本事業は、現行の「月島三丁目地区地区計画」では認められていないために本案に、反対である。

9、本案が、中央区全域で改定への準備作業が行われている地区計画改定方針に反することについて
 本年9月の環境建設委員会で地区計画改定方針が報告され、現在中央区全域で改定への準備作業が行われている。
 この地区計画改定では、急激な人口増に対応するため、住宅による容積率緩和をしない方針を中央区が出している。
 今月15日の環境建設委員会においても私は質問したが、本事業も含め月島地区の各再開発は、容積率を緩和して、いずれも住宅の大規模供給が行われようとしており、人口増を抑えるという準備作業中の地区計画改定の方針に反している。規模を抑えるどころか、本事業においては、月島第一小学校の通学区域を変更して、住宅の大規模供給を許容しようとしおり、本末転倒である。
地区計画改定の根拠とする基礎調査(都市計画法21条1項、同法6条)の結果が、中央区から示されておらず、その内容がわからないが、今月11月9日開催の企画総務委員会で開催された人口推移からしても、月島地域で急激な人口増が示されていると推察する。
 本事業を前提とした案は、8で述べたように、「地区計画の目標」「地区施設の整備の方針」「建築物等の規制・誘導の方針」までを変えようとするものである以上、基礎調査から合理的に導かれる内容であるべきである。本事業では、住宅戸数750戸と火に油をそそぐような人口増を招き、本事業のために「相当規模の一団の土地の面的整備」の文言を地区計画の「地区計画の目標」「地区施設の整備の方針」「建築物等の規制・誘導の方針」に書き加えることは、基礎調査と矛盾するし、明らかに人口増を抑えようとする地区計画改定方針にも矛盾する。
 従って、本案に反対である。

10、同じ月島三丁目において、二つの大規模な第一種市街地再開発事業が同時期に実施されることについて
 本事業が施行される同じ月島三丁目の同じ町内において、もう一つ月島三丁目北地区第一種市街地再開発事業(以下、「北地区事業」という。)が、規則10条1項に基づく住民説明会が、今月11日と13日の両日開催された。北地区事業では、高さ199m、59階建て、1120戸と、本事業のさらに1.5倍の規模を有する巨大開発であり、その施行区域の南側は、月島西仲通り商店街4番街に面しており、ほぼ本事業と隣接している。
 本事業の工事期間は、平成33年から平成36年の4年間、北地区事業の工事期間は、平成34年から平成37年の4年間で、合計すると5年間の期間、特に3年間は両方の工事が小さな月島三丁目の町内において同時進行で行われることとなる。
 現在、西仲通り商店街2番街で行われている高さ125m36階503戸の「月島一丁目西仲通り地区」(本事業の約0.7倍の規模)に伴う騒音・振動でさえ耐えられないと月島の住民から悲鳴が上がっているが、北地区事業と本事業の両再開発が始まってしまうと、特に、4面のうちの2面が工事で挟まれることとなる月島三丁目7番から12番、20番、26番、27番に住民にとって、生活の平穏が脅かされることになってしまうことは明らかである。
 同じ町内のほぼ隣接する二つの大規模な再開発の同時進行は、ありえない。従って、本案に反対である。
なお、万が一、同時に行うのであれば、都市計画決定の最終判断をする区の責任おいて、両方の工事に伴う騒音・振動・工事車両通行等の影響を合わせて評価し、健康や平穏な生活のレベルに影響が出ないことを、環境影響評価の手法に則って、事前に確かめる必要がある。

11、本案では、規模の妥当性について合理的な理由を欠いていることについて
 原案に対してもこのような意見書が募集された。私も意見書を出されたかたの許可を得て、反対の意見書集を作成し(資料23)、それら反対の意見書の主な内容をまとめた(資料24)。
 本案説明会では、原案へ反対の意見書があるにもかかわらず、それらを修正することなく本案の作成がなされている。
 反対の意見書の多くが、防災面の向上をすべき地域の課題があるとしても、「なぜ、高さ190m50階750戸という大規模な再開発が必要であるのか。」ということであった。
 この住民の疑問に対し、意見書の理由書を読んでも理解ができないし、国土交通省『都市計画運用指針Ⅲ-2 6情報開示の促進』(資料25)で「理由書」に記載すべきこととなっている「規模の妥当性」についての記載がなされていない。
 規模の妥当性という原案でも出されている住民からの反対の意見書に真摯に応えることなく、また、その記載は、国土交通省『都市計画運用指針』で「理由書」に記載すべきことなっているにもかかわらず、記載されないままの「理由書」で本案が提案されている以上、本案に合理的な理由があるとはいえず、本案に反対である。

12、代替案の具体的な検討を欠いていることについて
 本事業の施設計画立案にあたり、超高層の再開発をすることの一案のみの検討しか行われていない。
 地域の課題を解決するに当たり、代替案も具体的に検討をすべきである。1で述べたように、本事業は、多くの弊害を生じる物である以上、他に本当にやりようがなかったかの検討は、必須の事項である。
 開発計画において、代替案を具体的に十分検討されておらず、検討が足りているとは言えず、そのような開発計画を前提とする本事業や本案には、反対である。

13、日影被害が一番大きい場所での保育園配置は見直すべき問題である。
 本事業では、27番に保育園を配置予定であるが、その保育園には、深刻な日影被害が生じる場所である。
 子どもの環境を考えるのであれば、施設配置を再度見直す必要がある。
 万が一、このまま本事業を進める場合でも、27番の保育園配置は、許されない。大人として恥ずかしい計画であり、容認できない。

14、月島三丁目北地区1.5haと本事業の南地区1.0haの合計2.5haの規模を生かして、低層の街の再生をすべきことについて。
 たしかに、防災性の向上の課題は、南地区や北地区にはある。だからと言って、超高層開発に結論付けるのではなく、両地区を合わせた2.5haを有効に生かして、路地長屋を生かした低層の街の再生を行うことは可能であると考える。
 代替案の一つとして、検討をいただきたい。

15、万が一、本事業を行う場合でも、ご高齢のかたへの配慮を。
 南地区には、多くのご高齢のかたもお住まいである。
 万が一、本事業を行う場合でも、ご高齢のかたの二度の引っ越しは、大変である。一度の引っ越しで済むようにお願いをしたい。
 すなわち、27番を低層の住居とし、そこをご高齢のかたの住まいとする。先に27番を建て、そちらに一回の引っ越しで住んでいただく。また、超高層に移るのが嫌なかたも低層の選択肢として、住居を選択できるようにしていただきたい。 

 以上、反対の理由を、添付書類を付けて述べさせていただきました。

 私は、「月島三丁目地区地区計画の変更」、「高度利用地区(月島三丁目南地区)の変更」、「月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業の決定」を行わないことを求めます。


以上

第3、証拠資料目録:
資料1:①頁 中央区まちづくり基本条例に基づく大規模開発に関する協議 「月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業」事業概要について 1頁(写し) 中央区平成29年3月16日
資料2:②頁 「月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業」風環境について(写し)
資料3:③④頁「月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業」日影について(写し)
資料4:⑤⑥⑦頁 「月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業」地区内建物リスト(写し)
資料5:⑦頁「月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業」地区内の現在の地図、事業者の営業の状況
資料6:⑧頁 月島三丁目28・29・30番地区再開発協議会 平成24年度第11回勉強会(第11回会議) 議事録抜粋
資料7:⑧頁 中央区まちづくり基本条例に基づく住民説明会 開催報告書(写し)
資料8:⑨頁「都市計画手続きに関する同意書」「都市計画の手続きに関する同意書の撤回について」
資料9:⑩頁 中央区将来人口の見通しについて 平成29年1月推計 
    中央区 第5回基本構想審議会 資料(写し)
資料10:⑪⑫頁 平成28年度 再開発事業等の取組
    中央区議会 予算特別委員会 資料182(写し)
資料11:⑬頁 月島地区密集市街地総合防災協議会規約 その他
資料12:⑭頁 中央区まちづくり基本条例 
資料13:⑮頁 中央区地区計画等の案の作成手続に関する条例、都市計画法第16条、
都市計画運用指針V-1、2
資料14:⑯頁 都市再開発法3条、市街地再開発事業の流れ その他
  ⑰頁 逐条解説改訂4版 『都市再開発法解説』大成出版社1992年 66-67頁(写し)
資料15:⑱頁 日本橋室町三丁目地区第一種市街地再開発事業 B地区新築工事説明会のお知らせ(写し)

資料16: 「夏の月島路地」 小林梨子氏 撮影
資料17: 月島三丁目地区地区計画の変更(原案)説明会 配布資料抜粋
資料18:決算特別委員会 資料198 過去10年間の市街地再開発事業における都市計画手続きに入った時点での施行区域内の地権者数とその地権者数のうち「都市計画手続きに関する同意書」を区へ提出した者の数
資料19:平成29年8月29日本事業に関する予算執行の差止めを求める住民監査請求の本文「中央区職員措置請求書」
資料20:「中央区職員措置請求書」の要約(同年9月21日陳述書面)
資料21:平成29年11月24日に提訴された本事業に係る住民訴訟訴状
資料22:50階建て巨大マンション建設の中止を求める署名
資料23:本事業に係る都市計画原案に対し出された反対の意見書集
資料24:資料23の反対の意見書集で出されていた主な反対意見の内容まとめ
資料25:国土交通省による『都市計画運用指針』Ⅲ-2 6抜粋
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする