「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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憲法学 違憲審査権の行使に係る裁判所のありかたの一つの考え方 「穏健な司法積極主義」

2012-07-31 23:00:00 | シチズンシップ教育
 裁判所は、憲法判断を積極的に行使していくべき(司法積極主義)か、立法府の裁量権の逸脱濫用を監視していくところに重きをおき、できるかぎり政治過程にゆだねていくべきか(司法消極主義)。

  違憲審査権の行使に係る、司法消極主義と司法積極主義の根拠。

[司法消極主義の根拠]
1)違憲審査権の積極的行使は、民主主義に反する。多数意思を軽々しく否定すべきではない。
2)違憲審査権の積極的行使は、三権分立に反する。あくまでも、例外的に行使すべき。
3)裁判所は、非民主的機関である。
4)裁判所は、情報収集能力が十分ではない。
5)消極的な立法作用を行うことになりかねない。
6)多数意思を違憲無効とすることは、裁判所を政治的紛争に巻き込むことになるから、それをできるだけ避ける必要がある。

[司法積極主義の根拠]
1)裁判所に与えられた匡正作用としての違憲審査権を行使しなければ、違憲状態は回復しない。
2)違憲審査権を積極的に行使することこそが、三権分立である。
3)裁判所は人権救済機関であり、立憲主義からは違憲審査権の積極的な行使が要請される。



 そこで、違憲審査権の行使に係る裁判所のあり方のひとつの考え方は、「穏健な司法積極主義」である。


穏健な司法積極主義
 司法消極主義を原則としつつ、政治過程では救済されない者(マイノリティーなど)の人権及び人格的生存に係る人権を救済し、政治過程(表現の自由・選挙)そのものが傷ついた場合には、違憲審査権を積極的に行使する。
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憲法学 憲法31条 適正手続とは? 告知と聴聞を受ける権利、その三段階

2012-07-30 23:00:00 | シチズンシップ教育
憲法31条

ものすごく大事な条文です。

憲法第三十一条  何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。


 条文で述べられていることは、

1)適正な手続きの保障

2)実体法を法定すること

3)実体法の適正保障


あと、当然ながら、0)手続きは法定されなければならない


これら、法律そして法体系のあるべき姿、行政のあるべき姿を規定しています。


 手続(法)が適正であるためには、「告知」(�事前にルールを示す。�不利益の告知)と「聴聞」(弁解と防御の機会を与える。)を要します。

 実体法が適正であるためには、「明確性」「合理性」「比例原則」「差別の禁止」を要します。


***************************************
 告知と聴聞には3つの段階がある。

1)行動の予測可能性を担保するために、事前にルールを告知する。そのルールは、明確でなければならない(明確性の原則)。事前のルールの告知

2)不利益を受ける者に対して、当人には、ルールに反する行為が存在し、具体的な不利益(処罰等)とその法的根拠を告知する。不利益の告知

3)不利益を受ける者に対して、弁解と防御の機会(主張と立証の機会)を与える。聴聞

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憲法学 財産権の保障の考え方「特別犠牲説」、「正当な補償」としての「完全補償説」と「相当補償説」

2012-07-29 23:00:00 | シチズンシップ教育


Q君 財産権の保障における特別犠牲説を説明してください。

A先生
 補償に関しては、「特別犠牲説」が従来からの通説があります。

 これは、相隣関係上の制約や、財産権に内在する社会的制約の場合には補償は不要であるが、それ以外に特定の個人に「特別の犠牲」を加えた場合には補償が必要だという説です。

 「特別の犠牲」の判断については、

 (1)侵害行為の対象が広く一般的か、特定の個人や集団かという点〔形式的要件〕と

 (2)侵害行為が財産権に内在する社会的制約として受忍すべき限度内か、それを超えるものか〔実質的要件〕、

 によって判断します。


Q君 財産権の規制に対して与えられる「正当な補償」とは、どのような補償ですか。


A先生

 憲法29条第3項にいう「正当な補償」については、「完全補償説」と「相当補償説」があります。

 「完全補償説」は、「当該財産の客観的な市場価格を全額補償すべきである」とするものであり、一方、「相当補償説」は、「正当な補償は必ずしも完全な補償を意味するのではなく、公共目的の性質にかんがみ当該財産について合理的に算出された補償であればよい」とします。

 「相当補償説」の立場では、補償額が財産の市場価格を下回るものであってもよいことになります。
 農地改革訴訟判決は、戦後の自作農創設の為の農地改革というきわめて特殊な状況下に行われた農地の収用についてのものであり、「相当補償説」にもとづき、きわめて低廉な農地買収価格を「正当な補償」であるとしました。
 「農地改革事件は、占領中の占領政策に基づくものであったというきわめて特殊な事情があることを考慮に入れて検討しなければならない。」とされています。(芦部 憲法 第5版 232ページ)

 判例も土地収用法に基づく土地収用に関しては、「完全補償説」の立場に立って判示している(昭和48年10月18日土地収用補償金請求民集第27巻9号1210頁)。
 したがって、原則は完全保障説で、戦後の農地改革のような特殊な事情の場合にのみ、「相当保障説」が妥当すると考えるべきです。

***********判例*******
土地収用補償金請求事件(財産権と正当な補償)
昭和48年10月18日 第一小法廷・判決
「おもうに、土地収用法における損失の補償は、特定の公益上必要な事業のために土地が収用される場合、その収用によつて当該土地の所有者等が被る特別な犠牲の回復をはかることを目的とするものであるから、完全な補償、すなわち、収用の前後を通じて被収用者の財産価値を等しくならしめるような補償をなすべきであり、金銭をもつて補償する場合には、被収用者が近傍において被収用地と同等の代替地等を取得することをうるに足りる金額の補償を要するものというべく、土地収用法七二条(昭和四二年法律第七四号による改正前のもの。以下同じ。)は右のような趣旨を明らかにした規定と解すべきである。」


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憲法学 財産権は、地方公共団体の議会が制定する条例による制限が許されるか。(憲法29条、94条)

2012-07-28 23:00:00 | シチズンシップ教育
 
 皆様のお住まいの地域にある地方議会、市区町村議会は、皆様の財産権のありようを制限する力を有しています。
 
 国会とともに、地方議会も注目していくこと必要があるひとつの理由がここにあると思います。

 地方自治もとても大切です。

**********************************

憲法第二十九条  財産権は、これを侵してはならない。(財産権の不可侵)
○2  財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。 (→財産権の内容の法定、財産権の内容は法律で規定されている)
○3  私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。(正当な補償があれば、公共のために用いることができる)

憲法94条
第九十四条  地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。


***********************************


Q君
 近代憲法と現代憲法における財産権の本質を説明してください。


A先生
 近代憲法の財産権では、財産権は神聖不可侵なものとされています。(憲法29条1項に親和的)

 現代憲法の財産権では、「A財産権は社会のルールによって規制される。B財産権は、必要に応じて社会の利益のために用いられる。」
 (ABは、それぞれ29条2項・3項に親和的)

Q君 
 二つの考え方は、人権の保障の趣旨とどのような関係にあるのですか。

A先生
 人権保障の趣旨は、二つあります。

  個人の側面として、人権は、個人の自己実現・幸福追求のために保障されています。

  社会的側面として、人権は、社会の発展のために保障されています。

  そして、この二つの側面が相俟って人権が発展していくのです。

 財産権の近代的側面は、個人の側面に関連しています。
 同じく現代的側面は、社会的側面に関連します。

 個人の財産権の行使があって、営業の自由が発展していくことから、個人的側面は社会の発展に寄与することがわかります。
 一方、財産権の行使も、空港・高速道路等の社会的インフラが整備されて初めて、高度な発展がなされるのであるから、社会の発展のために、個人が財産権を一定程度制約されることになります。


Q君
 財産権における消極的規制と積極的規制は、財産権の本質論にどのように関連するのですか。


A先生
 財産権の個人的側面を強調すると、内在的制約(消極規制)のみを受けることになります。

 財産権の社会的側面を強調すると、積極的規制を受けることになります。


Q君
 財産権は条例で制限することは可能でなのですか。


A先生
 現在では、各地の公害規制条例等にみられるように、条例における財産権の規制は「法律の範囲内で」という制約(憲法94条)の下で、実際に頻繁に行われています。
 
 その形式的理由としては、 
 憲法94条は「法律の範囲内で条例を制定できる。」と規定しています。
 憲法29条2項と94条2項をあわせると、法律の範囲内で条例は財産権を制限できることになります。

 実質的理由としては、
 29条2項は、「財産権の内容は、公共の福祉に適合するように法律でこれを定める。」と規定しています。
 この規定の背後にある意味は、財産権は重要な権利であるが、一方で社会のために規制する必要も高いので、民主政の過程(「投票箱と民主政の過程」)を経ることによって、その規制を手続的に統制する、というものであります。
 つまり、憲法は、財産権を規制するにあたっては、選挙・国会での慎重な審議・多数決という3要素からなるプロセスを経ることによって、過度の規制・合理的な理由のない規制を抑制しようとしているのであります。
 そうすると、条例も、選挙・地方議会における慎重な審議・多数決が行われることから、財産権の過度の規制・合理的な理由のない規制が抑制されることが期待されるので、条例で制限することができると解されます。

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憲法学:経済的自由権の規制 消極目的規制・警察的規制と積極目的規制

2012-07-27 23:00:00 | シチズンシップ教育
 経済的自由権の規制には、消極目的規制・警察的規制と積極目的規制があります。
 (実務/判例では、はっきりと分けられているわけではありません。)

 消極目的規制・警察的規制は、主として国民の生命および健康に対する危険を防止もしくは除去ないし緩和するために課せられる規制。

 積極目的規制は、福祉国家の目的に基づいて、経済の調和のとれた発展を確保し、とくに社会的・経済的弱者を保護するためになされる規制。


「従来消極目的の規制の中にも、積極目的の規制が増加しつつある」と言われています。(芦部 憲法第5版 220ページ)

 
 公害規制や建築規制は、具体的に消極・積極の二つの目的を見てみます。


 公害規制は、公害防止という消極目的規制の意味があると同時に、公害被害者保護という弱者の救済すなわち、積極目的規制の意味があります。

 建築規制は、消極目的規制としては、建物安全・火災予防の目的があり、積極目的規制としては、日照権の保護があります。
 なお、建築規制の場合は、景観の維持という、どちらの目的にも当てはまらない規制目的もあります。

 
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7/27講演会:消えゆくOPVへの鎮魂とこれからの予防接種制度の方向性(予防接種部会第二次提言)について

2012-07-26 23:00:00 | 小児医療

 以下、講演会が開催されます。 参加無料。誰でも可。
 葛飾区の小児科医師 松永貞一先生らのいつもの企画。

 予防接種は、子どもの健康を守る大事な柱。
 世界標準になるように、小児科医も努力をしていかねばならないと思っています。



********************************

 第53回 感染・免疫懇話会 講演会


消えゆくOPVへの鎮魂と
これからの予防接種制度の方向性
(予防接種部会第二次提言)について

川崎市衛生研究所長
厚労省不活化ポリオワクチンの円滑な導入に関する検討会座長
WHO西太平洋地域地域ポリオ根絶監視委員会・副座長
岡部信彦 先生

平成24年7月27日 金曜 午後8時~
会場 葛飾区医師会館 3階 講堂
東京都葛飾区立石5-15-12 電話 3691-8536

  昨年4月、本懇話会では「予防接種のリスクとベネフィット」として、ポリ
オという病気とポリオワクチンについて紹介させていただいているが、 その後
IPV導入の方向性が固まり、この9月からIPVが登場することになった。11月頃に
はDPT+IPV4種混合ワクチンが導入される計画に なっており、OPVはその役割を終
え表舞台から去ることになるが、OPVは日本の子供たちを守ってきた素晴らしい
ワクチンであることは、記憶にと どめておきたい。しかしそのすばらしい成果
は、VAPPを発生した人々の犠牲の上に守られてきた、ということも忘れてはいけ
ない。今回は、昨年4 月と一部内容が重複するが、OPVがポリオの根絶に果たし
た役割、今後のポリオの行方とIPVの実際などについてご紹介する予定である。

また、こ れらのワクチンに関する諸問題は、2012年12月に発足した厚生労働省
厚生科学審議会予防接種部会で議論が行なわれ、部会は2012年5月厚生 大臣に対
して第二次提言を提出した。そこには、予防接種対象疾患の追加、費用の負担、
予防接種の評価・検討会の組織、副反応制度、感染症サーベイ ランス などに
ついて述べられており、予防接種法改正の機運に結びついている。ワクチン
ギャップといわれる現状は、少なくとも数的には改善されつ つあるが、急速に
導入されただけに、戸惑いや混乱、不安もまたみられている。これからのわが国
の予防接種制度はどのような方向になるかなどについ て、予防接種部会二次提
言の内容についてもご紹介する予定である。     

(カリキュラムコード2、11、15、27、73)  

感染・免疫 懇話集談会/葛飾区医師会

【以下に予防接種制度の見直しについて(第二次提言)】のpdfが入ったHP
を掲げる。
(案)となっているが、事実上、(正)と同じと考えられる。

予防接種制度の見直しについて(第二次提言)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002b5l0-att/2r9852000002b5ny.pdf

 

 

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築地移転問題明日26日14時豊洲汚染土壌コアサンプル廃棄差止請求訴訟 控訴審(第2回)東京高裁822号法廷

2012-07-25 13:28:10 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
 築地市場移転問題関連裁判のひとつ、コアサンプル廃棄差止め請求裁判の第二回の
控訴審が明日東京高裁で開催されます。

 以下、ご案内。


*****コアサンプル(控訴審)裁判のご案内*****

築地市場移転問題原告団事務局より、公判のスケジュールのお知らせをいたしま
す。


豊洲汚染土壌コアサンプル廃棄差止請求訴訟 控訴審(第2回)
2012年7月26日(木) 14時~ 東京高等裁判所 822号法廷

期日終了後は日比谷図書文化館のセミナールームに移動して報告集会の開催を予定
しております。
こちらもぜひご出席ください。


コアサンプル廃棄差し止め裁判は、2009年8月11日[提訴]から丁度丸3年が
経ちました。裁判が続行中であることから、現在もコアサンプルは廃棄されておら
ず、実質的な差し止めの機能を担ってきました。この裁判を通じてコアサンプルの廃
棄差し止めに取り組んだことが、結果的に、都の行ってきた汚染調査の杜撰さに焦点
を当てることになりました。

 現在、豊洲新市場用地の汚染対策工事が着手されていますが、裁判の過程で、汚染状
況調査が不十分でありかつ土壌汚染対策法の要件を満たしていないことなどが続々判
明しています。汚染の範囲が不確定なまま工事が進めば、汚染物質の移動により、法
令上収拾のつかない事態も予測されます。

 進行中の対策工事が終了した時点で、水道水の大量投入により一時的に地下水の濃度
が下がったとしても、土壌に残置された汚染から溶出する地下水汚染は延々続き、再
度掘削工事が必要となることが予測され、(豊洲そのものが泥沼ですから)文字通り
「泥沼の移転事業」から抜け出すことができなくなります。

 現在着手された汚染対策工事は、速やかに一時中止し、少なくとも法令上問題のない
状態にリセットしなければなりません。その後、汚染を十分な深度まで追加調査する
ことが必要になりますが、その調査の鍵になるのが裁判で実質的に保全させてきた
「コアサンプル」です。必要な汚染調査の「底面」を確定する上でウソの無い情報が
得られるからです。

 都が汚染の範囲を小さく見せようとしてきた理由は、今月13日発売の週刊金曜日に
も書かれている通り、2006年に豊洲の市場用地の一部購入の際「現在汚染物質は
存在しない」と嘘の議案書が財産価格審議会に提出された経緯があるからです。そし
て移転の事業費が膨らめば事業の存続の是非が問われ、また汚染なしの価格で購入さ
れた責任問題が発生するからです。この問題は公金支出金返還請求裁判で追及してい
ます。下記ご案内しますので、是非こちらも傍聴をお願いします。


*豊洲移転公金支出金返還訴訟(2011年購入分・第1回口頭弁論期日)
2012年9月4日(火) 11時30分~ 東京地方裁判所 703号法廷

*豊洲移転公金支出金返還訴訟(2006年購入分・第10回口頭弁論期日)
2012年9月5日(水) 14時~ 東京地方裁判所 522号法廷


引き続き 築地移転問題にご注目をよろしくお願いいたします。

〒104-0052 中央区月島3―30-4 イイジマビル1F
 築地市場移転問題裁判原告団 事務局  TEL;03-5547-119
            http://tsukiji-wo-mamoru.com/_src/sc260/sign.png
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憲法学 公共の福祉 一元的外在的制約説→内在・外在二元的制約説→一元的内在的制約説

2012-07-24 16:05:00 | シチズンシップ教育

 公共の福祉、それに関わる説の変遷と比較衡量論をQ君とA先生のやりとりで見ていきます。


人権と公共の福祉


Q君 人権がすべて許されるわけではなく、制約される場合があります。
 どのような場合ですか?


A先生 人権の限界の問題です。
 人権が制約される局面として、3つの場合が想定されます。

1)権利行使が他者に害を与える場合。
2)権利行使が他者の正当な権利ないしは利益と衝突する場合。
3)権利行使が社会全体の利益にとってマイナスになる場合。


Q君 それぞれの場合を説明してください。

A先生
1)権利行使が他者に害を与える場合。
 政治団体の街宣車がフルボリュームで、音楽を流すことは、彼らの表現の自由の行使ではありますが、市街地の平穏を乱し、市民に不快感を与えていることから、他者に害を与えています。
 人権は、まず、他者に迷惑をかけてはならない、という制約があります。

2)権利行使が他者の正当な権利ないしは利益と衝突する場合。
 マスコミが、有名人のプライバシーや名誉を傷つける報道を行う場合は、マスコミの表現の自由(報道の自由)と有名人のプライバシーが衝突しています。
 表現の自由もプライバシーもともに、極めて重要な人権です。

3)権利行使が社会全体の利益にとってマイナスになる場合。
 空港や高速道路を建設する際には、その用地を買収しなければならないところ、地権者が用地買収に協力してくれない場合は、建設が遅れ、社会全体に大きな不利益を与える場合があります。


Q君 憲法の条文の中にも、公共の福祉による人権の制限がついている条文がありますね。


A先生
12条・13条・22条・29条です。

第十二条  この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

第十三条  すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

第二十二条  何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
○2  何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。

第二十九条  財産権は、これを侵してはならない。
○2  財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
○3  私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。


Q君 公共の福祉による人権の制約で、「一元的外在的制約説」というものがありますが、どういう説ですか?

A先生
 人権に内在する制約ではなく、公共の福祉という、「社会全体の利益や要請」を理由にして人権の制約を正当化する説です。

 いわば、人権を制約する側の公権力が、国民に有無を言わせずに、公共の福祉を人権制約の「ジョーカー(切り札)」として用いることを可能にする説であります。

 切り札としての人権の逆であると考えるとわかりやすいです。

 この考え方をとると、容易に人権制約が正当化される恐れがあります。


 ゆえに、「ひいては、明治憲法における「法律の留保」のついた人権保障と同じことになってしまわないか」とも考えられます。

 すなわち、法律の留保は、法律に根拠がある限り人権をかなりの程度、制約することができますが、この一元的外在的制約説でも、公共の福祉という言葉を根拠にすれば、人権を制約することができることを意味します。


Q君 次に、「内在・外在二元的制約説」とは何ですか。

A先生
 第一に、12・13条は訓示的規定で裁判規範にならないとします。

 第二に、22・29条と社会権は公共の福祉による制限(外在的制約)を受けると考えます。

 そして、第三に、上記以外の人権は、内在的制約のみを受けるとする説です。

 人権を外在的制約を受けるものと、内在的制約を受けるものに、二元的に考えます。


Q君
 では、「一元的内在的制約説」とは何ですか。


A先生
 
 公共の福祉とは、人権相互の矛盾・衝突を調整するための実質的公平の原理であると考える説です。

 公共の福祉は、すべての人権に内在すると考えます。

 この考え方によると、

 自由権を各人に公平に保障するために人権制約を根拠づけるときは、必要最小限の規制を認めます。

 社会権を保障するために、自由権を規制するときは、必要な限度の規制を認めます。



比較衡量論


Q君 比較衡量論は、公共の福祉を考える場合にどのように用いるのですか?

A先生
 比較衡量論は、人権相互の矛盾衝突の調節という公共の福祉原理を具体化し、人権の限界を明確にするために存在します。

Q君
 具体的には?

A先生

 A「それ(ある自由)を制限されることによって得られる利益」とB「それを制限しない場合に維持される利益」を比較考量するということです。

 博多駅事件の場合について説明します。

 判決が認定した利益で考えると、

 Aの「制限されることによって得られる利益」は、公正な刑事裁判の実現であります。

 Bのそれを制限しない場合に維持される利益は、「報道の自由であり、ひいては、「将来の取材の自由が妨げられるおそれ」であります。

*判例は、報道の自由そのもの妨げられるとは述べていない。


Q君
 比較衡量論の問題点は、どういうところにありますか?


A先生
 比較の基準が明確ではなく、また、何を利益として拾い上げるかが、裁判所の裁量にゆだねられている点にあります。

 たとえば、前述の博多駅事件で、Bの利益を判例は、将来の取材活動が妨げられるおそれとしているが、報道の自由そのものとか、取材活動ができなくなるという不利益というように重くとることもできるはずであるが、上述のとおり、狭くとっているわけです。

 さらに、言えば、国の利益が重く認定される可能性があります。

 そうすると、結局は、法律の留保論=一元的外在制約説と、実質的に変わらない論理構成になってしまうわけです。

以上


関連記載ブログ:
憲法学:違憲審査基準、それを理解していくために。「二重の基準の理論」について。
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/f6d80e267214fbae0794011b567aa237

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「エネルギー・環境 に関する選択肢 」に対する意見募集 政府に意見をぜひ。締切8月12日

2012-07-23 16:29:07 | 地球環境問題
 皆さん、声を届けてください。

 同じことを絶対に繰り返さない日本のために。


****************************
http://www.npu.go.jp/policy/policy09/archive01.html

「国家戦略会議の開催について」(平成23 年10 月21日閣議決定)に基づき、エネルギーシステムの歪み・脆弱性を是正し、安全・安定供給・効率・環境の要請に応える短期・中・長期からなる革新的エネルギー・環境戦略及び2013年以降の地球温暖化対策の国内対策を政府一丸となって策定するため、エネルギー・環境会議を開催する。


[設置根拠]
エネルギー・環境会議の開催について(平成23年10月28日国家戦略会議決定)
.
[会議決定]
エネルギー・環境に関する選択肢(平成24年6月29日エネルギー・環境会議決定)
.
[意見聴取会における説明資料]
エネルギー・環境に関する選択肢[概要](平成24年7月17日掲載)
http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120713/gaiyo.pdf

.
[国民的議論]
エネルギー・環境の選択肢に関する国民的議論の進め方について(平成24年7月13日更新)

*****パブリックコメント*****
「エネルギー・環境 に関する選択肢 」に対する
御意見の募集(パブリックコメント)について
http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120702/20120702.pdf

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「弱い人の権利保護のためにも、冤罪を防ぐためにも立会人は有効」 可視化と合わせ導入を。

2012-07-23 16:29:07 | シチズンシップ教育
 自分もたいへん関心をもつ分野です。

 なぜ、法を学んでいるか、その問題意識のひとつは、ここからきています。



****************************************
http://www.nishinippon.co.jp/wordbox/word/6801/9063

累犯障害者支援基金 設立記念シンポ詳報 可視化こそ冤罪防ぐ鍵

 厚生労働省の文書偽造事件で無罪が確定した厚労省元局長村木厚子さん(現内閣府政策統括官)が提案し、罪を繰り返す知的障害者らの支援に生かす「共生社会を創(つく)る愛の基金」=事務局・社会福祉法人南高愛隣((なんこうあいりん)会(長崎県雲仙市)=の設立シンポジウムが8日に東京であった。取り調べのあり方や社会復帰支援、海外の取り組みなど、最前線で活動する演者の発表に800人が耳を傾けた。ようやく光が当たり始めた累犯障害者・高齢者。今後の課題は、目指すべき社会とは…。シンポの議論から考える。
 

 
 ▼厚労省元局長 村木厚子さん
 
 ▼ジャーナリスト 江川紹子さん
 
 ▼映画監督 周防正行さん
 
 「取り調べで言ったことを、検事にそのまま調書に書いてもらうことはすごく難しい。まして障害があれば」‐。「取り調べの現場に期待するもの」と題した座談会で村木厚子さんは、自らの体験から罪に問われた障害者に思いをはせた。累犯障害者を生まないためにも、丁寧な取り調べが求められる。村木さんとジャーナリストの江川紹子さん、痴漢冤罪(えんざい)事件の作品を手掛けた映画監督周防(すお)正行さんが意見を交わした。
 
 文書偽造事件では厚労省の関係者10人が取り調べを受け、うち5人が村木さんの関与を認める調書に署名した。
 
 「障害がなくても、調書は(捜査側の)ストーリーに寄ってしまう。障害者が間違って逮捕されたとき、助けがないと真っ白が真っ黒にされる」。村木さんは訴えた。
 
 逮捕・起訴されると有罪率99・8%という国内の刑事裁判。それを支えてきた自白調書。捜査官の影響を受けやすい知的障害者の場合、調書は容易に作られかねない。
 
 「知的レベルが低い人の場合、一問一答だと調書に何が書かれているか裁判官が分からない。だから検察官が分かりやすくまとめるんです」。周防さんは検察関係者にこう教えられたことがあるという。「分からないやりとりこそ、調書にすれば知的レベルも分かる。分かりやすい調書で実態を隠してきた」と批判した。
 
 自白調書があり起訴内容に争いがなければ、裁判官も調書に沿った判決を書きがちになるとの指摘もある。一人称の物語形式でつづられた調書に頼る裁判は、裁判員裁判が導入されるまで日常的だった。
 
     ∞
 
 では、冤罪を防ぐ取り調べとは‐。村木さんは「録音・録画(可視化)で、後から検証できる仕組みを担保する。真実を聞き出す技術も大事」と強調した。
 
 検察は、裁判員裁判の対象事件を手始めに可視化を試行。ただ多くは調書に署名する場面などを撮る一部可視化にとどまり、全過程を録音・録画したのは2割ほど。知的障害者についても全過程は約半数だ。
 
 「後からプロセスを確認できるのが可視化のはず」。江川さんも全過程の可視化を力説した。
 
 検察内部では可視化を評価する声の一方で「身の上話をして信頼関係を築く手法が取りにくい」との意見もある。
 
 周防さんは「取り調べで真相を解明してきた自信はあっても、冤罪もある。従来のやり方を見直し、録音録画をうまく使うことを追求して」と注文した。
 
     ∞
 
 コミュニケーションが不得手な障害者には、取り調べに立会人を付けることも効果的とされる。最高検は専門家の立ち合いを試行し、長崎では福祉関係者に同席してもらうなど模索は続く。
 
 知的障害者の取り調べの見直しは、この1年ほどで急速に議論が進んだ。江川さんは最後にこう述べた。「知的障害者は突破口。精神障害者や子ども、外国人、意思表示が苦手な人にも広げないといけない」
 
    ×      ×
 
 ●可視化、知的障害者540件で試行 検察庁
 
 知的障害の疑いのある人の取り調べの録音・録画(可視化)について検察庁は、2011年4月からの1年間に540事件で試行した。このほか大学教授や元保護観察官など心理・福祉の専門家の協力を求め、知的障害者の供述の特徴や質問する際に注意すべきことについて助言を受け、取り調べに同席してもらっている。少年事件の可視化の試行範囲や方法の検討も始めている。
 
 可視化は東京地検を皮切りに、現在は九州を含む全地検で実施。取り調べの途中にコミュニケーション能力に疑いがあると判断した事例を含む全過程の可視化は303件(約56%)だった。今秋ごろから、精神障害のある人や特捜部以外の捜査事件にも拡大させる。
 
 専門家による助言と立ち合いの両方を実施したのは12件。立ち合いは取調官とのやりとりを“通訳”してもらったのが10件、容疑者の供述能力を判断してもらったのが2件。
 
 最高検は今月「新たな時代における取り調べのあり方検討チーム」を発足させた。検察官の取り調べ能力を向上させるため、海外の取り調べを研究するなど教育や研修を調査する。
 
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 ●調査報告
 
 ▼立会人制度の導入を・弁護士 大石剛一郎さん 更生を共有の目標に・龍谷大教授 浜井 浩一さん
 
 累犯障害者・高齢者に外国はどう向き合っているのだろう。専門家2人が報告し、日本にとってのヒントを提供した。
 
 ノルウェーとイタリアの政策を発表した龍谷大法科大学院教授の浜井浩一さん。検挙された人のうち60歳以上が30%、刑務所に入る人のうち60歳以上が15%を超える国内の現状を「先進国ではまれ。国際的にも驚かれている」と紹介。「厳罰化の影響で、障害者を含め社会的に弱い立場の人が刑務所に入るようになった。刑事司法に更生という共有の目標がないのが原因だ」と読み解いた。
 
 福祉国家といわれるノルウェーでは、高齢の受刑者・犯罪者が少ない。背景には最低保障年金と「逃げない福祉」があると説明。「高齢者は年金で経済的に困らない。その上、医療から図書館まで受刑者も一市民として同じサービスが受けられる。福祉が犯罪者を嫌がらない」と述べ、罪を犯した人を包み込む社会のありように言及した。
 
 一方、日本と同じ少子高齢社会でありながら60歳以上の受刑者は数%というイタリア。「刑罰の目的は更生」と憲法に明記されている。「刑が確定してもそのまま執行せず、更生のための罰をあらためて考える仕組みがある」と説明した。刑の確定後、矯正処分監督裁判所が受刑者の申請を受け、ソーシャルワーカーの調査を基に最適なあり方を再検討する。障害者や高齢者には保護観察や自宅拘禁などの代替刑が科されるのが一般的という。
 
 「社会全体を変えるノルウェー型か、刑事司法の中で対処するイタリア型か。どう考えるか参考になる」と促した。
 
     ∞
 
 弁護士の大石剛一郎さん(東京)は、知的障害があるなど意思表示が十分でない人の取り調べに第三者の立会人をつける英国の制度を報告した。
 
 制度は冤罪(えんざい)事件を機に1984年に始まった。少年や知的・精神障害者が逮捕されると、捜査機関は家族らに通知して立会人の出頭を要請しなければならないことを法律で規定。立会人は容疑者に権利を理解させ、話しやすい環境をつくる手助けをする。立会人を養成する研修もある。
 
 大石さんは課題も挙げた。例えば、立会人にふさわしい人とは誰か。警察関係者以外で18歳以上の責任感ある大人とされるが「親だと先入観で決め付ける傾向があり、ソーシャルワーカーは警察を助ける側になりやすい」。立会人がつかなかった取り調べの供述も、裁判の証拠から必ずしも排除されない実態も指摘した。
 
 それでも、立会人制度がない日本に照らし「弱い人の権利保護のためにも、冤罪を防ぐためにも立会人は有効だ」と、可視化と合わせて取り入れるべきだと強調した。

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オスプレイ その危険性

2012-07-23 10:20:20 | 国政レベルでなすべきこと

 以下、映像でオスプレイ墜落の瞬間が映し出されています。

 安全性の確保が、まず、第一です。


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http://www.youtube.com/watch?v=XOK7nQb2Svo&feature=youtube_gdata_player

 http://www.youtube.com/watch?feature=endscreen&v=SXeIjMJe_JY&NR=1

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新築住宅に隠れた欠陥が有った場合。住宅の品質確保の促進等に関する法律

2012-07-22 13:17:23 | 街づくり
 住宅を新築したり、新築住宅を購入された方は、その欠陥を10年間、売り主や工事請け負い会社に直すことを求めることができます。(住宅の品質確保の促進等に関する法律 94条、95条)

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住宅の品質確保の促進等に関する法律
(平成十一年六月二十三日法律第八十一号)

最終改正:平成二三年六月二四日法律第七四号


第七章 瑕疵担保責任の特例

(住宅の新築工事の請負人の瑕疵担保責任の特例)
第九十四条  住宅を新築する建設工事の請負契約(以下「住宅新築請負契約」という。)においては、請負人は、注文者に引き渡した時から十年間、住宅のうち構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分として政令で定めるもの(次条において「住宅の構造耐力上主要な部分等」という。)の瑕疵(構造耐力又は雨水の浸入に影響のないものを除く。次条において同じ。)について、民法 (明治二十九年法律第八十九号)第六百三十四条第一項 及び第二項 前段に規定する担保の責任を負う。
2  前項の規定に反する特約で注文者に不利なものは、無効とする。
3  第一項の場合における民法第六百三十八条第二項 の規定の適用については、同項 中「前項」とあるのは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律第九十四条第一項」とする。

(新築住宅の売主の瑕疵担保責任の特例)
第九十五条  新築住宅の売買契約においては、売主は、買主に引き渡した時(当該新築住宅が住宅新築請負契約に基づき請負人から当該売主に引き渡されたものである場合にあっては、その引渡しの時)から十年間、住宅の構造耐力上主要な部分等の隠れた瑕疵について、民法第五百七十条 において準用する同法第五百六十六条第一項 並びに同法第六百三十四条第一項 及び第二項 前段に規定する担保の責任を負う。この場合において、同条第一項 及び第二項 前段中「注文者」とあるのは「買主」と、同条第一項 中「請負人」とあるのは「売主」とする。
2  前項の規定に反する特約で買主に不利なものは、無効とする。
3  第一項の場合における民法第五百六十六条第三項 の規定の適用については、同項 中「前二項」とあるのは「住宅の品質確保の促進等に関する法律第九十五条第一項」と、「又は」とあるのは「、瑕疵修補又は」とする。

(一時使用目的の住宅の適用除外)
第九十六条  前二条の規定は、一時使用のため建設されたことが明らかな住宅については、適用しない。

(瑕疵担保責任の期間の伸長等の特例)
第九十七条  住宅新築請負契約又は新築住宅の売買契約においては、請負人が第九十四条第一項に規定する瑕疵その他の住宅の瑕疵について同項に規定する担保の責任を負うべき期間又は売主が第九十五条第一項に規定する瑕疵その他の住宅の隠れた瑕疵について同項に規定する担保の責任を負うべき期間は、注文者又は買主に引き渡した時から二十年以内とすることができる。
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借地権、借家権の権利を保護する法律。新賃貸人に権利を対抗できます。

2012-07-21 23:00:00 | 街づくり
 借地権(土地を借りてその上に自分の建物を建てているひとの権利)や借家権(建物を借りているひとの権利)を有する賃借人は、その権利を以下法律で守られています。
 
 その建物、土地を、貸し主が、第三者に売り払っても、新貸し主に対し、もともとの権利を主張することができ、追い出されるわけではありません。


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民法
(不動産賃貸借の対抗力)
第六百五条  不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その後その不動産について物権を取得した者に対しても、その効力を生ずる。


借地借家法
(借地権の対抗力等)
第十条  借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。
2  前項の場合において、建物の滅失があっても、借地権者が、その建物を特定するために必要な事項、その滅失があった日及び建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示するときは、借地権は、なお同項の効力を有する。ただし、建物の滅失があった日から二年を経過した後にあっては、その前に建物を新たに築造し、かつ、その建物につき登記した場合に限る。
3  民法 (明治二十九年法律第八十九号)第五百六十六条第一項 及び第三項 の規定は、前二項の規定により第三者に対抗することができる借地権の目的である土地が売買の目的物である場合に準用する。
4  民法第五百三十三条 の規定は、前項の場合に準用する。

(建物賃貸借の対抗力等)
第三十一条  建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずる。
2  民法第五百六十六条第一項 及び第三項 の規定は、前項の規定により効力を有する賃貸借の目的である建物が売買の目的物である場合に準用する。
3  民法第五百三十三条 の規定は、前項の場合に準用する。


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憲法学 行政権と内閣、その組織と権能、議院内閣制についてQ君とA先生のやりとり

2012-07-20 16:04:00 | シチズンシップ教育

 憲法学における内閣についてのQ君とA先生とのやりとりです。

一 行政権と内閣

Q君
憲法 「第六十五条  行政権は、内閣に属する。 」とありあす。

65条にいう行政権の概念を説明してください。

A先生 全ての国家作用から、立法作用と司法作用を取り除いた残りの作用を行政権と定義します。

 この説を、控除説といいます。

Q君 控除説の長所と問題点は、何ですか?


A先生
長所は、現実の行政活動を包括的にとらえることができる点です。

問題点は、行政権を限定していないために、行政国家現象を助長するのではないか、という疑いがある点です。

Q君 独立行政委員会とは何ですか。
   とくに、準立法作用・準司法作用を行う独立行政委員会とは。


A先生
内閣から、一定程度独立して活動を行う行政機関を独立行政委員会といいます。

人事院は、人事院規則の制定などの準立法作用を行います。

公正取引委員会は、政治権力から独立して、独禁法違反の調査と裁決を行うので、準司法作用を営んでいます。


Q君 独立行政委員会が65条に反しないというには、どのような理由付けを行っているのですか。

A先生
1)65条は、41条や76条のように、「全て」「唯一の」という文言を用いていないことから、65条は全ての行政機関について、直接指揮監督することまでを要求していないことがひとつ目の理由です。(形式的理由)

2)政治的に中立性を保つ必要のある機関が存在することが二つ目の理由です。

3)人事や予算について、国会のコントロールが及んでいることが三つ目の理由です。



二 内閣の組織と権能


総理大臣



Q君 内閣総理大臣の職務権限は、どういうものですか?

A先生

判例(ロッキード事件 平成7年2月22日判決)では、次のように述べています。

「内閣総理大臣は、憲法上、行政権を行使する内閣の首長として(六六条)、国務大臣の任免権(六八条)、内閣を代表して行政各部を指揮監督する職務権限(七二条)を有するなど、内閣を統率し、行政各部を統轄調整する地位にあるものである。そして、内閣法は、閣議は内閣総理大臣が主宰するものと定め(四条)、内閣総理大臣は、閣議にかけて決定した方針に基づいて行政各部を指揮監督し(六条)、行政各部の処分又は命令を中止させることができるものとしている(八条)。このように、内閣総理大臣が行政各部に対し指揮監督権を行使するためには、閣議にかけて決定した方針が存在することを要するが、閣議にかけて決定した方針が存在しない場合においても、内閣総理大臣の右のような地位及び権限に照らすと、流動的で多様な行政需要に遅滞なく対応するため、内閣総理大臣は、少なくとも、内閣の明示の意思に反しない限り、行政各部に対し、随時、その所掌事務について一定の方向で処理するよう指導、助言等の指示を与える権限を有するものと解するのが相当である。したがって、内閣総理大臣の運輸大臣に対する前記働き掛けは、一般的には、内閣総理大臣の指示として、その職務権限に属することは否定できない。」


Q君 内閣の責任のうち、法的責任と政治的責任について説明してください。

A先生 
「内閣は、行政権の行使について、国会に対して連帯して責任を負う(66条3項)」と規定されていますが、これは、政治責任を指します。

ここでの責任は、違法な行為だけではなく、不当もしくは国民が納得しない政府の行為を含んでいる。

一方、法的責任は、その要件と効果が法定される必要があるところ、明文で定められている内閣の法的な責任の取り方は、不信任案の可決の場合です。



議院内閣制

Q君 立法権と行政権の関係についての4つのタイプがあるといいますが、それぞれ、説明してください。


A先生
1)アメリカ型 議会と政府を完全に分離して、それぞれに民意を反映させます。

2)旧ドイツ型 君主制の下で、政府は君主に対して責任を負い、議会に対しては何の責任も負いません。

3)スイス型 政府がもっぱら議会によって選任され、その指揮に属します。

4)イギリス型 議院内閣制です。


Q君
議院内閣制の本質についての二つの学説の対立があるといいます。
 一元論(責任本質説)対二元論(均衡本質説)ということですが、それぞれ、説明してください。

A先生
責任本質説~議院内閣の本質を内閣の存在が議会の信任にあることに求めます。議会と内閣の一体性を強調します。そういう意味で一元論であります。

均衡本質説~議会と内閣の対等性を重視し、議会の不信任決議に対して、内閣が解散権で対抗することに議院内閣制の本質をみます。
      議会と内閣を対立するという意味で、二元論であります。

議院内閣制をいろいろな角度で説明しているというようなレベルで理解しておくとよいでしょう。


Q君 衆議院の解散が行われる場合とは?

A先生
7条と69条 ここも大きな論争があったが、現在は、7条解散ができるということで実務的に確定しているので、それほど重要な論点ではありません。

第七条  天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
一  憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二  国会を召集すること。
三  衆議院を解散すること。
四  国会議員の総選挙の施行を公示すること。
五  国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
六  大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七  栄典を授与すること。
八  批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九  外国の大使及び公使を接受すること。
十  儀式を行ふこと。

第六十九条  内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。


Q君 解散権の機能を説明してください。

A先生
解散権の機能は、以下、3つあります。
1)国民投票としての機能~重要論点を国民に問うことです。例えば、「郵政民営化」の論点を問う形で、過去に解散がなされました。

2)民意の反映が二つ目の機能です。

3)内閣に対する国民の信任が三つ目の機能です。



以上

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福島原発事故 東電賠償責任は免れない/震災は異常天災でないH24.7.19東京地裁判決(村上正敏裁判長)

2012-07-20 10:07:26 | 防災・減災
 東京地裁でひとつの見解が出された模様。

 判決文全文読んだわけではりませんが、記事を読む限り、福島第一原発事故は、「天災ゆえに免責すべきものではない」という見解は妥当ではないでしょうか。


***********東京新聞(2012/07/20)*****
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012071702000095.html


東電賠償責任は適法 東京地裁「震災は異常天災でない」

 東日本大震災は異常な天災とはいえず、原発事故を起こした東京電力は事故による被害の賠償責任を免れない――。こうした政府の見解の是非が争われた損害賠償請求訴訟の判決で、東京地裁(村上正敏裁判長)は19日、見解は「適法」とする判断を示した。今回の原発事故での免責をめぐる司法判断は初めて。

 原子力損害賠償法には「異常に巨大な天災地変」で損害が生じた場合、原発事業者は免責されるとの規定がある。原告は東電の株主である東京都内の弁護士で、東電に責任があるという前提で被災者への賠償などを進める政府に対し、「今回は免責される場合にあたる」と主張。東電内部や経済界にも同様の見方があり、司法判断が注目されていた。

 判決はまず「免責が軽々と認められるようでは、被害者の保護が図れない」と基本的な考え方を示した。

 続けて、今回の東日本大震災では免責されないとした政府の見解が違法かどうかを検討。地震の規模(マグニチュード9.0)や津波被害を原賠法施行後に起きた過去の大地震と比較し、規模や津波の高さが1964年のアラスカ地震(同9.2)や2004年のスマトラ沖大地震(同9.0)を上回っていないと指摘。「免責されるのは、人類がいまだかつて経験したことのない全く想像を絶するような事態に限られる」とした政府の見解には合理性があると結論づけた。
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