中央区議会に提出された請願の審査方法を共有いたします。
区民の皆様からたいへん重要な請願をお預かりをしています。
請願自体は、100年以上の歴史のある区立図書館が所蔵する地域資料の監理のありかたが問題提起されています。
私は、ご依頼を受け、紹介議員となりました。
請願者は、それら請願を中央区議会に提出し、令和5年1月11日に受理されました。
請願審議の機会が大変制限された状況下、なんとか、付託委員会で審議の機会ができないかと考えています。
本会議の場で、「先議」をすることが叶えば、審議の機会が作れるのではないかと画策中です。
なお、「先議」の手法は、普通に使われており、今回の第一回定例会においても、理事者側からも先議がなされる提案があり、議会運営委員会で認められました。
その例を参考までに共有します。
********議会が令和5年1月11日に受理した請願7号及び8号*********
********理事者側から提案のあった先議するべき案件******
山本龍彦慶応大教授が、議会の問題点の本質を、わかりやすく論じて下さっています。
議会においては、何(what)を論じるか、その内容自体が、直接、区民、国民に影響する法律の方向性を決めるためにとても重要でありますが、どう(how)論じるかも実はとても重要です。
このどう(how)論じるかに、強い制約が課せられていた場合、何(what)をば論じきれなくなり、たいへん重大な影響がでます。
今、どこの議会でもかけられている強い制約は、山本龍彦教授が、「三位一体の統治構造」といわれるところの①質疑応答型、②与党事前審査制、③厳格な党議拘束です。
いずれの議会においても、大小、この制約が課せられています。
議会における岩盤規制です。
知恵をしぼり、その岩盤を壊し、区民、国民に開かれた議会にしてまいりましょう!
******朝日新聞2021.12.21******
******関連記事、毎日新聞2021.12.21*******
1人会派または2人会派の狭い部屋に、急遽、4人となった四人会派が入っていました。
4人入るには窮屈となるため、貴重品など入れるロッカーを防犯の効かない廊下にそのまま出して対応しています。
打ち合わせのいすも、一人がけのものが2脚のみ。理事者との打ち合わせは、毎回不便が生じます。
打ち合わせでは、議会局にお願いをして、まずは、議会棟の会議室が空いていることを確かめる手間が生じています。
学生さんなどの議員見学実習のかたにも、同様な形で部屋を借りて対応。
この度、三人会派で広い部屋を占有していた会派が、1人が会派を脱退し他の会派へ異動したため、二人会派となりました。
従って、現在、二人会派が入っている「3人会派以上用の部屋」と、四人会派が入っている「2人会派用の部屋」と部屋の交換がなされることが、スムーズな議会運営上、欠かせないものと考えます。
このようなことは、話し合いで時間をかけるのは、たいへんもったいない話です。
いわば、第三者的に議会運営を行う議会局の助言に従い、スムーズに調整がなされていく類のものです。
いままでの議会の伝統としてなされてきた譲り合いの精神で、議会運営上の不便の解消がなされていくことを心より願います。
第1,事実1
動議かからずに、議会は進行した。
第2,事実2
「休憩」の動議。
議会運営委員会が開催されないまま、本会議再開。私は、退場のまま。
次の「起立採決」時、そのまま退場を続け、次の議案も「保留」の態度を示す。
その後、私は、入場。
その際、再度、「休憩」の動議。
群馬県は「除名処分は違法」と審決し、議員資格が回復した議員に対し、それに納得しない一部の町議がリコール運動を主導した例。
どこか、通じる気がする。全国的に、同じような事案が同時多発的に発生している。
コロナ禍、最も優先順位が高い政策は、コロナ対応に関する政策であるべきである。
(余計な記載と思いつつも記載しますが、懲罰動議の発議者4名の他会派幹事長の方々も、当該本人を育てようというその思いもこの懲罰動議に一部あったとは感じています。かといって、残念ながら指導方法の一線を越えられています。)
********戒告処分となったツイート全文********
<当該本人が11月28日発信>
「教育委員会の委員が区議会で何の議論もなく再選されるのが違和感しかない。
少なくとも区民文教委員会に付託され審議されるべきでは。
ICT化も進む教育現場において、70代以上の委員の他に、若く知見のある候補者がいなかったのか、庁内で議論はされたのだろうか。
忖度にしか見えない。」
本日、12月3日(木)中央区議会第4回定例会最終日、仲間の議員が、SNSに起因した懲罰動議をかけられそうにあります。
議員への表現の自由への侵害の可能性があると考えています。
撤回されることを期待をいたします。
もし、動議をそのまま出されるのであれば、中央区議会の表現の自由および仲間の議員の名誉を守るため、全力で戦う所存です。
以下、理由を述べます。
1、コロナ蔓延下における政策提案の優先順位の見誤り
今、中央区議会が議論すべきことは、何か。それは、コロナ対応である。懲罰動議が、たとえ、理由があったとしても(私は、後述の通り「ない」と考えています。)、政策論議の優先順位を考え本会議で提案をするべきである。
懲罰動議には、「懲罰特別委員会」を設置し、その審議に多大な時間をかけることとなり、その分、コロナ対応をせねばならない行政を拘束することになり、コロナ蔓延化において、区民福祉へ影響が多大。
2、懲罰動議のための書面提出の時期の無効
動議書面は、「4名以上の議員の署名で、12月3日に議長に提出された」と議会局長から説明を受けました。
動議書面自体は、見せられていません。
動議書面は、事案の発生から、3日以内の提出が必要です。
11月28日のSNS発信が原因とすると、3日以内の期限は、12月2日であり、期限が切れての提出であり、そもそも、無効。
3、問題とされるSNS発信に他人や組織への誹謗中傷、名誉毀損は、見当たらない。
動議書面自体を見ていないため、何が問題であったか不明であるという中で、書きます。
11月28日のSNS発信に、言葉遣いの配慮は、多少必要であったかもしれないが、他人や組織への誹謗中傷、名誉毀損は、見当たらない。
少なくとも、本人には、他人や組織への誹謗中傷、名誉毀損しようとする悪意や意図はなかった。
問題とされていると思われるツイートを改変して転載。●●の部分は、漢字や数字がその字数分入っていました。
読む限り、当該議員から、区議会や●●●●会への積極的な提案、すなわち、
<11月28日発信>
「●●●●会の委員が区議会で何の議論もなく再選されるのが違和感しかない。
少なくとも●●●●委員会に付託され審議されるべきでは。
ICT化も進む●●現場において、●●代以上の委員の他に、若く知見のある候補者がいなかったのか、庁内で議論はされたのだろうか。
忖度にしか見えない。」
4、最重要な点、今回の懲罰動議は、最も尊重されるべき表現行為のひとつ「政治的表現の自由」への侵害行為
議員へのSNS発信は、政治的表現の自由のもと行われています。
政治的表現の自由は、最も、保護されなければならない表現として位置付けられています。
規制をかけるのであれば、最も厳しい明確な基準をおいたうえで、規制を受けます。
動議書面自体を見ていないため、どのような基準をおいたかは不明ですが、相当厳格な基準が必要であり、それが置かれたとしても、その基準適用にはあてはまらないはずであり、逆に、それが当てはまるとするならば、相当ゆるい基準が設定されており、今後、様々な議員のSNS発信が制限を受けることとなる。
議会で何が今、論点であるか、街頭やSNS発信含め様々な媒体を通じて情報発信をし、開かれた区政を担うべき中央区議会議員のあしかせとなり、結果、区民福祉は後退する。
今回は、政治的表現の自由への侵害の可能性があると言わざるをえない。
5、比例原則に反する
たとえ、懲罰に理由があったとしても(私はないと考えるが)、まずは、「口頭厳重注意」をするレベル。
今回は、1期目の議員がなした行為であり、いきなり本会議で、陳謝の文面を読まさせるのは、懲罰として、比例原則に反する。
若い議員を育てるという優しい配慮を中央区議会には希望する。
以上
行政が、変わらねばならないのは当然としても、その前に、議会が変わらねばなりません。
大きな一歩となる判例変更が、最高裁判所大法廷(大谷直人裁判長)の15人の裁判官15人全員の一致で2020.11.25に出されました。
議会内で、多数決などによって違法な判断がなされた場合、議会内の内部規律によることだから何も言えないというのではなく、きちんと司法が多数決の判断が誤っていないかをチェック下さる、その範囲(司法審査の対象の範囲)が広がりました。
********日本経済新聞2020.11.26*******
議会が変わらねば、自治体行政はよくなりません。
議会にもし、「内部規律」なるものが存在し、違法がまかり通るなら、自治体をよくしようとする議会の多大な足かせとなります。
判例変更に、大いに期待を致します。
****朝日新聞2020.10.29******
●取手市議会 定数24
第二回定例会
6/8(月)令和2年第2回定例会(1日目午前①)https://www.youtube.com/watch?v=d3bXuNv2i8c&list=PLd0pqAHl6q1_e47Yvnv5M31sroRhbQL5B
ちょっとしたアイデアで、一人10万円の「特別定額給付金」の振り込み事務作業が、迅速、簡便になるのですね。
*******ヤフー2020.6.5*******
https://news.yahoo.co.jp/articles/e958aa1678c90cdff964a3248f306ac5101e4676
マイナンバーも郵送も不要 兵庫・加古川市独自の「給付金オンライン申請システム」とは
6/5(金) 18:02配信
ABCニュース
「まさか、忘れた頃にしかやってこないのか…」と気をもむのが、1人10万円の特別定額給付金。
(Q.振り込みはありました?)
「まだです。なんの音沙汰もないです」
「まだ入っていない。すべてが遅いですね」
街で話を聞いても、多くの人たちがまだ10万円の給付金を受け取っていないようです。本来、スムーズに給付金を受け取れるはずのオンライン申請も「マイナンバーカードの暗証番号がブロックされた」、「暗証番号を忘れた」などの問い合わせが殺到しています。
申請を受け付ける側も…
「非常にアナログな手作業というところが、非常に負担が大きかったです。我々は受け取った情報を紙にいったん出力して、目視で住民票の台帳の情報と確認していく作業ですので…」(東京・調布市の担当者)
煩雑で膨大な作業ゆえか、誤って二重給付してしまうなどの問題も各地で発生しています。総務省によると、5日までに54の自治体が、オンライン申請での受付を停止しているといいます。
そんな中、状況が他と大きく異なるのが兵庫県加古川市。
「私もパソコンとかオンラインとか、くわしい方じゃなかったけど、本当に簡単にできて便利でした」(加古川市民)
マイナンバーカードなしでオンライン申請できる、加古川市独自の新システム、その名も「郵送ハイブリッド方式」。開発したのは、市の職員です。
「市民のみなさんに負担のないものを目指さないといけないと」(加古川市企画部情報政策課副課長・多田功さん)
「お送りした申請書には個別に照会番号をふっていますので、それを元にオンライン申請出来るのではないかと気づきました」(加古川市企画部参事・植田耕平さん)
マイナンバーの代わりに使うのは、市から送付される申請書に書かれた、個別の照会番号。これを市民が入力した個人情報にひもづけることで、オンラインでの申請が可能になりました。当然、本人確認書類などは必要ですが、こちらもスマホで撮った写真などでOK。
「郵送でしますとコピーをとっていただかないといけなかったり、何より郵便ポストまで行かなくてもご自宅でできますので」(加古川市企画部・多田さん)
もちろん、加古川市は郵送の申請も受け付けていますが…
「紙の申請書ですと(確認・入力に)トータルで1件あたり10分くらいかかりますが、オンライン申請だと1件2分程度で終わるんじゃないかと(思っています)」(加古川市企画部・植田さん)
「個人の情報っていうのは元々市が持っているものになりますので、そのあたりの確認作業はもちろんしていますけど、スピードとしては格段に早くなっています」(加古川市企画部・多田さん)
さらに住民にとってうれしいのが、申請の処理状況の“見える化”。照会番号を市のHPで入力すれば「審査中」、申請に不備があって「保留中」などの状況をひと目で確認できます。
(Q.開発期間は?)
「考え出したのが先月21日の夜なので、実際に作ってプロトタイプ(原型)は次の日にはできていました」(加古川市企画部・多田さん)
アイデアをスピーディーに形にした、加古川独自のオンライン申請。利用は5日時点で、1万1000件に達しているということです。
*********中央区HP 関連ページから一部抜粋************
https://www.city.chuo.lg.jp/kurasi/enzyo/_user_kikaku_time_teigakukyuhu.html
特別定額給付金(10万円給付)のご案内-中央区
更新日:2020年6月5日
オンライン申請の受付終了について
郵送申請の給付事務を慎重かつ円滑に進めるため、オンライン申請の受付は以下の期間までといたします。特別定額給付金の申請につきましては、令和2年5月21日から各世帯主あてにお送りしている申請書により、郵送にてご申請ください。
ご不便をおかけいたしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。
オンライン申請期間
令和2年6月14日(日曜日) 23時59分まで
申請方法
オンライン申請(マイナポータルからマイナンバーを活用して電子申請する方式)
オンライン申請期間:令和2年6月14日(月曜日) 23時59分まで
- 期間を過ぎると申請ができなくなりますので、ご注意ください。
- オンライン申請については、以下をご覧ください。
注記:オンライン申請を受け付けておりますが、できるだけ郵送申請をご利用ください。
注記:マイナンバーカードの電子証明書の発行等手続きの全国的な遅延について
全国的に電子証明書の発行、パスワードの変更などが集中し、システムを運営している地方公共団体情報システム機構と通信しにくい状況となり、手続きに時間がかかることがあります。月曜日や金曜日、午前中の通信が混み合う傾向があります。皆様にご不便をおかけしますが、なるべくこれらの曜日・時間帯を避けてご来庁いただきますようお願いいたします。なお、電子証明書の有効期間満了後も更新の手続きが可能です。
マイナンバーカードと電子証明書の更新手続きについて
マイナンバーカードの暗証番号再設定と暗証番号変更について
郵送による申請
申請書を受給権者(世帯主)様あてに順次送付していますので、お手元に届きましたら銀行口座等必要事項を記入し、通帳や本人確認書類のコピーを返信用封筒に同封のうえ返送してください。
申請期限は令和2年8月21日(金曜日)です。
注記:オンライン申請をした方は、郵送申請をしないでください。
本人確認書類は、免許証、マイナンバーカード、健康保険証(介護保険証、後期高齢者保険証を含む)、年金手帳、生活保護受給者証等のコピーとなります。
なお、申請書が届いていない場合はコールセンターまでお問い合わせください。
議会や行政が開かれたものになることが、大きなゴールのひとつです。
手続きの公正が図られることにより、そこで決められる内容自体の公正の担保となります。
中央区議会の各委員会は、お子様連れで傍聴が可能になりました。
なかなか知られていないことかもしれませんので、こちらでもお知らせをするとともに、議会の方からもわかりやすい広報に期待を致します。
*****中央区議会 決算特別委員会議事録2018.10.3 抜粋******
https://www.kugikai.city.chuo.lg.jp/kaigiroku.cgi/h30/kessan20181003.html
まず、1点目の局内幹事長会の決定文書をどういうふうに周知するかということでございますけれども、例えとして、今、乳幼児の傍聴の取り扱いということで委員のほうからお話がございましたが、委員会等で乳幼児を同伴される方は今までも何件かございました。ただ、お子さんですので、そこで泣いたり、むずがったり、委員会室を歩き回ったとかいうことで、議事の進行に妨げがあろうかということがあるときは、今までですと、当然、退場ということで取り扱っていたんですけれども、今回からは、第三委員会室を使って、音声傍聴になりますけれども、やったらどうかということの取り扱いを局内幹事長会で決めたところでございます。
それを文書として出したらどうかということでございますけれども、局内幹事長会の部分については、決定の文書等につきましては、区民が知るべきものというか、区民に知らせるべきものだけではなく、いわゆる議会内だけの問題もございます。そういうこともございますので、局内幹事長会の決定文書をそのまま公表するということではなく、今、委員が言われたような乳幼児等の同伴傍聴者の取り扱いにつきましては、委員がおっしゃるように、そういうことができるならば傍聴したいという区民の方もおられるかもしれませんので、その点につきましては、例えばホームページとか、それから議会だよりとかで掲載等をしながら、周知していきたいというふうに考えております。
公文書は、国だけの問題に限りません。
各自治体の文書管理を議会や住民がきちんとチェックしていかねばなりません。
「ある」ものを「ない」と言われます。
実際に、私も、議会で経験しており、そういわれて、それなら、どうすべきであったかと深く反省するところです。
*****朝日新聞20180429******************
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13473341.html
(いちからわかる!)公文書 何のため・何が問題・どうする
2018年4月29日05時00分
改ざんする、出すべきなのに出さない、個人のメモと言い張る――。役所の「公文書」をめぐる問題が後を絶たない。そもそも、公文書とは何だろうか。それを作り、残していく意味はどこにあるのか。(久保田一道、西山公隆)
■何のため 政策決定の経緯、記録し後で検証
「公文書」とは、広辞苑(岩波書店)によると「国または地方公共団体の機関、または公務員がその職務上作成した文書」だ。政策や意思決定の経緯や結論が書かれ、後で検証する時の資料になる。
2007年に明らかになった「消えた」年金記録問題などで、公文書がきちんと記録、保管されていなかったことが批判された。与野党から省庁など国の機関を対象にした「公文書管理法」が必要だとの声が高まり、11年4月に施行された。
同法は「公文書」を定義し、その作り方、整理の仕方、保存する期間の設定などを定める。具体的には、省庁などが作る「行政文書」、独立行政法人や日本銀行、国立大学法人などの「法人文書」、歴史的な資料として重要な「特定歴史公文書等」にわけている。
最近、森友学園や陸上自衛隊の「日報」などで問題になっているのが「行政文書」だ。省庁など行政機関の職員が(1)仕事上作ったり、得たりし、(2)組織として使うもので、(3)その時に持っているもの――と定義される。同法に基づき、省庁の行政文書の詳しい取り扱いを決めた「行政文書の管理に関するガイドライン」では、政策・意思決定の際、省内や他の役所との間でどんな協議をしたか、誰が決めたのかを公文書として残すよう求める。下書き段階のメモも、国の政治上の重要な意思決定が記録されている場合は保存を義務づける。他省庁と仕事の連絡に使った電子メールも保存が求められる。
公文書管理法に罰則はないが、不適切な扱いがあれば、国家公務員法に基づき懲戒処分される可能性がある。刑法には公用文書等毀棄(きき)罪もある。
■何が問題 廃棄・改ざん発覚、検証妨げる例も
なぜ、きちんとした公文書の保存、公開が必要なのか。公文書管理法は省庁などの「経緯も含めた意思決定に至る過程」「事務及び事業の実績」を「合理的に跡づけ、または検証する」ことを挙げる。公文書を残すことで行政が透明になり、政治に緊張感を生むことにもつながる。
森友学園をめぐる国有地取引問題を例に考える。安倍晋三首相の妻昭恵氏が、学園が開設をめざした小学校の名誉校長だったことで、不当な値引きがあったのかどうかが問われた。
だが財務省は、国と学園側との交渉を記録した文書を「廃棄した」と繰り返し、会計検査院も昨年11月、文書の廃棄で「検証を十分に行えない状況」と指摘した。さらに財務省は3月、取引に関する決裁文書14件を問題発覚後に改ざんしていたと発表。理由を「国会答弁に合わせる」とし、自らの都合で書き換えていた。改ざん前の文書には、昭恵氏の名前や複数の政治家側による照会の経緯が記載されていた。文書の廃棄や改ざんで取引の経緯の検証が妨げられていた。
防衛省も、自衛隊のイラクへの派遣や南スーダンPKOに関する「日報」が同省内にあったのに、開示請求に対して「ない」と繰り返した。だが、最近になって、日報の存在が判明。自衛隊の海外での活動についての資料が一時、「ない」ことにされていた。
公文書をめぐる政府の対応が遅れたり、立法や政策決定の過程が不透明になったりした例は多い=図。
■どうする 公文書の範囲と保存期間が課題
公文書をめぐる問題が相次ぐ背景に、省庁が法律などを自分に都合良く解釈していることが挙げられる。
まず、公文書の「範囲」だ。内閣府公文書管理委員会委員の三宅弘弁護士は「ややもすると、文書の対象を狭くしようという考え方になる」と話す。実際、内閣法制局は国会答弁用に作った想定問答を「組織的に用いるものではない」などと解釈し、行政文書ではないとしていた。後に総務省の審査会から行政文書だと指摘され、公開した。
加計学園の獣医学部新設問題では、内閣府が愛媛県職員らと首相秘書官との面会予定を文部科学省に連絡したメールについて、機密性を示す「機2」という表示があるのに、内閣府は「行政文書だと言い切る、(そう)でないと言い切る、いずれも難しい」(担当者)と判断を避けた。
政府・与党内には、公文書の定義をはっきりするべきだといった声があるが、定義を厳密にすればするほど、逆に公文書の範囲を狭めかねない。野党6党・会派が17年12月に国会に出した公文書管理法改正案では、逆に範囲を広くするよう求めている。
公文書管理法案を可決した09年6月の参院内閣委員会での付帯決議では、「文書の不作成が恣意(しい)的に行われない」「文書の組織共用性の解釈を柔軟なものとする」とされた。法ができた時に立ち返り、公文書の範囲をできるだけ広くとって、より多くの公文書を残すことが求められる。
もう一つは「期間」だ。森友学園問題では、学園との交渉記録が保存期間「1年未満」に分類され、短い期間で捨てられていた。ガイドラインは、歴史的資料として大事な公文書の保存期間を「1年以上」と定めるだけだが、財務省はガイドラインに基づいて作る省の文書管理規則の下に、さらに「細則」を作成。1年以上の保存期間の文書に当たらなければ、1年未満で捨ててよいとしていた。他省庁も同様で、事実上、官僚の判断に委ねられていた。
17年12月改定の新ガイドラインで、1年未満で廃棄することができる文書の類型が具体的に示されたが、効果があるかどうかが問われる。
三宅弁護士は、省庁の文書管理を支援、監督するため、「省庁の文書管理に目を光らせる数百人規模の『公文書管理庁』の設置や、公文書管理法に罰則を設けるなどの法改正が必要だ」とも指摘する。
「公の文書」こそ、命です。そして「公の文書」は、区民のものです。
「公の文書」は幻想か?中央区では、幻想ではありません。
幻想にならぬように、努力して参ります。
文書が適切に保存され、いつでも公開されるのであれば、公正中立な行政運営が可能になります。
公開のタイミングも大切です。時期外れで遅れて公開されても意味をなしません。
議論の最中に公開されて、初めて意味を持ちます。
どうか、よろしくお願いいたします。
中央区では、大事な「公の文書」は、順不同であげるなら
一、まちづくりの文書(都市計画関連図書など)
一、教育の文書(教育委員会定例会資料など)
一、議会の文書(委員会・本会議の資料や議事録など)
中央区が予算を付ける以上は、公開されるべきまちづくりの文書の一例(残念ながら、ノリ弁当のように黒く塗りつぶされ内容がわからなくされています。)
詳細部分は黒でも、総額・合計額は、一部公開できると考えます。
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https://digital.asahi.com/articles/DA3S13459046.html
(耕論)「公の文書」は幻想か 瀬畑源さん、森田明さん、奈良岡聰智さん
2018年4月20日05時00分
財務省が公文書を改ざんし、防衛省は日報を何度も隠し、厚生労働省はほぼ黒塗りの文書を出す。そこに「公文書は国民の財産」という意識は見えない。「公の文書」というのは幻想なのか。
■「役人のもの」意識、今でも 瀬畑源さん(長野県短期大学准教授)
一連の問題は、「公文書が国民のものである」という考え方が歴史的に根付いてこなかった表れだと感じます。
明治以来、公文書の管理は各省に任されてきました。明治憲法下では、各大臣がそれぞれ天皇を補佐する「単独輔弼(ほひつ)制」で、いわば究極の縦割り体制でした。各省が自分たちが必要だと思う公文書は残し、それ以外は捨てる。要するに公文書は「役人のもの」であり、役所ごとに管理もばらばらだったのです。
この「縦割り」は、戦後もほとんど変わりませんでした。米国は統治のために、官僚組織を温存したからです。官僚は戦後も公文書を「自分の文書」として扱い続けました。
状況を悪化させたのは、自民党の長期政権でした。政権交代がなく、官僚と族議員が情報を握り続け、文書を他人に公開する、という意識が全く育ちませんでした。野党になるおそれがあれば、その際も情報が取れるように公開の仕組みを作る動きが出てくるのですが、それがなかった。
情報公開法が施行されたのは21世紀の2001年になってからです。公文書を国民に見せる、という意識が全くなかった官僚は過剰反応し、悪い方向に走りました。公開をおそれて、文書はなるべく作らず、作ってもすぐに捨て、メモと称して公文書にしない――ことが横行したのです。
重要なのは問題が起きたあとの対応です。東日本大震災の後、原子力災害対策本部の議事録が未作成だったことが発覚した際、担当大臣の岡田克也氏は、徹底調査を行い、できる限り議事録を復元し、今後の緊急時の議事録作成基準を定めました。
それに対し、安倍政権の対応はお粗末でした。昨年2月に佐川宣寿・前理財局長が「森友学園との交渉記録は廃棄した」と言った際、記録の再現も、調査もしなかった。
まず明治以来の「縦割りの公文書管理」を改める必要があります。強い権限をもつ「公文書管理院」を作り、一元管理させるべきです。
そして何よりも重要なのは、公文書に対する官僚の意識を抜本的に変えることです。文書は国民のための大事なものだという根本の理念が浸透しなければ「捨てる」「改ざんする」「隠す」という行動様式は変わりません。
公文書を残す必要があるのは、国民の権利が侵されたという疑念が生じた時、その経緯を説明するためです。例えば、旧優生保護法のもとで行われた不妊手術の強制では、行政に記録が残っていないケースが多く、実態が分からないままです。公文書は現在だけでなく、将来の国民への説明責任を担保するものです。「こういう論理で、こう判断した」という公文書を残すことは、国家が歴史に対して背負う重要な責務です。(聞き手 編集委員・尾沢智史)
*
せばたはじめ 76年生まれ。専門は日本近現代政治史。著書に「公文書問題」、共著に「国家と秘密 隠される公文書」
■「個人資料」、抜け穴ふさげ 森田明さん(弁護士)
私は2011年から3年間、国の情報公開・個人情報保護審査会の常勤委員を務めました。情報公開請求が非公開になった際、不服申し立てを審査する組織です。公文書公開に対する各省庁の姿勢をつぶさにみてきました。
「公文書は自分たちのものだから、外部にどこまで見せるかは自分たちが決める」というのが、情報公開に対する霞が関の本音だと思います。
公開請求があり、該当文書が多くある場合、役所側が簡単な文書を選び、限定公開するケースが少なからずありました。「専門文書よりわかりやすいので」などという自分勝手な理屈でした。「情報公開は義務ではなく、広報活動」という意識から抜け出していないわけで、そこに根本的な問題があります。
公開対象を勝手に狭めるだけでなく、公文書の管理自体もずさんで、根強い隠蔽(いんぺい)体質も以前からありました。
特にひどかったのが防衛省です。最近も、イラク派遣の自衛隊日報隠しが明らかになりましたが、隠蔽体質は以前からでした。存在する文書を存在していないかのように審査会に説明したり、非公開とされた文書を審査しようとすると別の文書を提出してきたり。審査会は答申の付言で「隠蔽を疑わせる」などと忠告してきましたが、省内では真剣には受け止められませんでした。その後、一連の日報隠しが表面化したのです。
私がいま一番懸念しているのは、各省庁が多くの公文書を、公開や保存の対象となる「行政文書」の区分から常に外そうとしていることです。
集団的自衛権の限定行使を認めた閣議決定に関する想定問答文書を請求された際、内閣法制局が「行政文書ではない」と主張したのは、その典型でした。審査会は昨年、その法制局の見解を覆して「行政文書である」との答申を出し、公開させました。
官僚が仕事でつくった文書はほぼすべてが行政文書であると考えるべきです。省庁はそろそろ意識を変える必要がある。ただ、幹部クラスは「情報は自分たちのもの」という感覚から抜けきれていません。公文書を保存し、公開する理念が浸透するには、官僚の世代交代を待たなくてはいけないかもしれません。
今月から、省庁の文書管理規則の運用が変わりました。意思決定過程の検証に必要な文書は原則1年以上保存するという内容です。1年以上であれば廃棄には内閣総理大臣の同意が必要になるので、改革の第一歩としては評価できます。
ただ、「個人資料」という区分の穴が残っています。イラク派遣の日報は当初、個人資料であり、行政文書ではないとされていました。個人資料扱い、という抜け穴を一刻も早くふさぐべきです。(聞き手・日浦統)
*
もりたあきら 55年生まれ。元内閣府情報公開・個人情報保護審査会委員。元神奈川大学法科大学院教授。
■英国、国民財産の考え浸透 奈良岡聰智さん(京都大大学院教授)
日本の公文書管理に様々な問題があるのは明らかですが、過去20年でかなり進歩はしています。2001年に情報公開法、11年には公文書管理法ができ、情報公開請求も盛んです。
中央官庁に勤める中堅・若手の官僚たちに聞くと、公開請求への対応にかなりの労力を割いており、懸命に向き合っている面は評価してよいと思います。そのうえで、各省の情報公開への対応と、公文書の管理の両面で、さらに改善する必要があります。
歴史研究者であり、公文書を検証するユーザーである私から見て、情報公開や歴史的な公文書管理で最も進んでいるのは、英国と米国です。
英国では、新たな公文書は各省が保管し、情報自由法に基づいて公開されます。
そして作成から20年(一部は30年)が経過した公文書で重要なものは、英国立公文書館に移され、永久保存されると共に原則公開もされます。
現在の英国の公文書管理制度のもとになった公記録法が制定されたのは1958年です。公的な記録は、国民の財産であり、民主主義を支える大事な要素だから、きちんと保存し、みんながアクセス権を持てるようにする、という考えが根づいているのです。社会全体で、行政の意思決定や、公権力がどのように行使されたのかを検証できるようにし、行政の透明性を確保するコンセンサスができているということでしょう。
英国立公文書館は「歴史的に価値がある重要文書は永久に保存し、できるだけ公開する」というのが基本姿勢です。しかし、多くが公開される一方で、公開されないものもある。外交・安全保障、王室や個人情報などに関係する文書には公開されないものも少なくないのです。公開すれば、混乱を生んだり、効率的な仕事を妨げたりするとの判断であり、「公開するのも、公開しないのも、公益だ」というのが、彼らの立場です。
日本にも1971年設立の国立公文書館があります。ただ、職員数はわずか175人です。英国の約600人、アメリカの3112人、ドイツの687人は言うまでもなく、韓国の471人にも水をあけられています。日本では公文書を持つ各省庁が公文書館の権限を強めることに反対していることが一因のようです。
文書をどう残すかは、行政府だけではなく、立法府、そして日本のさまざまな組織に共通する課題です。日本人が過去とどう向き合うか、という根源的な課題も内在しています。
今回の公文書問題を、公文書に限らず、社会全体で必要な文書をどう残し、将来公開するための安定的な仕組み作りをどうするべきかを話し合う良い機会にするべきです。(聞き手・諏訪和仁)
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ならおかそうち 75年生まれ。専門は日本政治外交史。著書に「加藤高明と政党政治 二大政党制への道」など。