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議会の議事内容を収録した録音テープ(会議録作成前)の公開請求は可能と考えます。

2014-03-30 23:19:10 | マニフェスト2011
 以下、最高裁判所泉徳治裁判官は、議会の議事内容を収録した録音テープの公開請求は可能とする貴重な意見を述べられています。

 一部抜粋を致しますと、

「本件テープが公開されることにより,住民は,会議録作成前においても,議事内容
を知ることができ,その情報をもって町政に参加することができるのであり,また
会議録の正確性を検証することもできるのである。本件テープについて決裁等の
手続終了を擬制するとすれば,2で述べたように,議長から職務命令を受けた職員
が議事場内で録音を終了した時点で議長の決裁等があったと評価する方が妥当
であ
ると考える。」


 私も、泉徳治裁判官の意見に賛同します。

 テープの段階でも、公開されることで、議会の進行にリアルタイムで、住民もフォローし、地方政治に、住民が積極的に参加できるようになれると思います。


 最近は、委員会でもネット中継をしている議会もあり、開かれた議会が増えていることは、よいことだと思います。


 参照法条:土庄町情報公開条例(平成12年土庄町条例第27号)2条2号,地方自治法123条

***********最高裁判所泉徳治裁判官***********************
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=62546&hanreiKbn=02

 私は,原判決を破棄し,第1審判決を取り消して,上告人の請求を認容すべきで
あると考える。その理由は,次のとおりである。

 1
(1)
本件条例2条2号は,公開請求の対象となる「情報」について,「実施機関の職員
が職務上作成し,又は取得した文書,図画,写真,フイルム及び磁気テープであっ
て,決裁又は閲覧の手続が終了し,実施機関において管理しているものをいう。」
と規定している。これを一見すると,決裁等の手続が終了した情報のみが公開請求
の対象になることを規定しているように見える。

 (2) 決裁等の手続を終了していない情報は,一般に,変更の可能性もある未成
熟なものであり,その正確性等を組織的に認知していないものであるから,これに
対しては実施機関として責任を負い難く,これが直ちに公開されると,町政の適正
な運営に支障を来すおそれがあり,住民間に無用の誤解や混乱を生じさせ,町政に
対する住民の信頼を失わせるおそれがある。a町処務規則10条1号は,「決裁」
について,「町長,町長の権限の受任者及び専決権限を有する者等が,その権限に
属する事務の処理につき,最終的に意思決定を行うことをいう。」と定義している
が,意思決定のための決裁文書が未確定の案の段階で公開されるとすると,上記の
ような弊害も生じよう。したがって,上記のような弊害のある情報を公開請求の対
象から除外するということも,立法の選択肢の一つとして肯定することができる。

 (3) 一方,本件条例2条2号は,公開請求の対象となる情報として,「写真,
フイルム及び磁気テープ」を掲げており,これらの情報については,通常の場合,
決裁等の手続を想定し難いところ,決裁等の手続が終了していないために公開請求
- 4 -
の対象から除外されるとすれば,同号が「写真,フイルム及び磁気テープ」を特に
掲げていることの意義がほとんどなくなってしまうのである。

 (4) また,地方自治体の情報公開条例の解釈も,その背景をなす地方自治体の
事務処理の実態に適合するものでなければならないが,地方自治体においては決裁
等の手続がそれ程明確に定められているわけではなく,また,職員が職務上作成し
又は取得した文書等は原則として決裁等の手続を経るという実態には必ずしもなっ
ていないのであり,上記文書等の中には,決裁等の手続を予定していないものも相
当数存すると考えられる。現に,a町には,「閲覧」の定義規定も手続規定もない。
このような実態の中で,決裁等の手続が終了した情報のみが公開請求の対象になる
とすると,公開請求の対象から外れる情報が多数残り,また,公開請求の対象につ
いての地方自治体の恣意的コントロールを招くおそれも生じかねず,情報公開制度
の趣旨に反することになる。

 (5) さらに,本件条例3条は,「実施機関は,この条例の解釈及び運用に当た
っては,情報の公開を求める権利を十分尊重」しなければならないと規定している。
また,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成15年法律第61号によ
る改正前のもの)は,その2条2項において,開示請求の対象となる行政文書につ
いて,決裁等の手続終了を要件とすることなく,行政機関の職員が職務上作成し,
又は取得した文書,図画及び電磁的記録であって,当該行政機関の職員が組織的に
用いるものとして,当該行政機関が保有しているものをいうと規定した上,その4
1条において,「地方公共団体は,この法律の趣旨にのっとり,その保有する情報
の公開に関し必要な施策を策定し,及びこれを実施するよう努めなければならない。」
と規定している。

 (6) 以上を総合して考えると,本件条例2条2号は,最終的な意思決定や組織
的な認知を経ておらず,変更の可能性もある未成熟・不安定な情報で,公開するこ
- 5 -
とにより前記のような弊害のあるものを公開請求の対象から外す趣旨で「決裁又は
閲覧の手続が終了し」と規定しているものであって,実施機関の職員が職務上作成
し又は取得した情報で,決裁等の手続を経ることが予定されておらず,これを公開
しても前記のような弊害のない情報についてまで,これを公開請求の対象から排除
する趣旨ではないと解すべきである。

 (7) 本件テープは,被上告人自らが主張し,原審も認定しているように,そも
そも決裁等の手続を経ることが予定されていない情報である。また,本件テープは
,会議録作成のために議事内容を録音したものではあるが,それ自体で完成し独立
した情報であって,正確性も機械的に担保されたものであり,これを公開しても先
に触れたような弊害は生じない。そして,被上告人が本件テープを現実に支配,管
理していることについても当事者間に争いがないのであるから,本件テープは公開
請求の対象となる本件条例2条2号の情報に該当するというべきである。なお,本
件テープは,会議録作成後に録音が消去されるものであるが,未だ録音が消去され
ずに被上告人の管理下にある以上,公開請求の対象となる情報に当たると解するこ
とに何ら妨げはない。


 2 私は,以上の理由から本件テープは公開請求の対象となる情報に該当すると
考えるものであるが,本件条例の下ではあくまでも決裁等の手続終了が必要である
という立場に仮に立ったとしても,少なくとも本件テープに関しては,決裁等の手
続が終了していると評価することが可能である。もし,被上告人の議長が本件テー
プを再生して会議の経過が正確に録音されていることを確認したとすれば,決裁等
の手続が終了したと解することに異論はないであろう。しかし,機械的に正確性を
担保された録音テープについて,これを再生してまで録音の正確性を確認するとい
う手続は省略されるのが通常であるから,議長から職務命令を受けた職員が議事場
内で録音を終了した時点で,実質的に議長の決裁等の手続が終了したと評価するの
- 6 -
が妥当である。本件テープは,被上告人の事務局の職員が,議長の職務命令を受け
て,会議録を作成するために録音したものである。したがって,本件テープは,い
ずれにしても公開請求の対象となる情報に当たるというべきである。


 3 法廷意見は,本件テープは,会議録作成のための基礎となる資料としての性
格を有するから,会議録が作成され決裁等の手続が終了した後において,公開請求
の対象となるという。これは,会議録の決裁等の手続終了と同時に本件テープにつ
いても本件条例2条2号の決裁等の手続が終了したと評価する趣旨と考えられるが
,実際には本件テープ自体について決裁等が行われるわけではない。また,本件テ
ープは機械的に正確性を担保されたものであって,会議録の決裁等の時点で本件テ
ープに変更が加えられる可能性はない。本件テープは,会議録作成のための基礎と
なる資料としての性格を有するとしても,会議録とは独立した一つの情報である。
本件テープが公開されることにより,住民は,会議録作成前においても,議事内容
を知ることができ,その情報をもって町政に参加することができるのであり,また
,会議録の正確性を検証することもできるのである。本件テープについて決裁等の
手続終了を擬制するとすれば,2で述べたように,議長から職務命令を受けた職員
が議事場内で録音を終了した時点で議長の決裁等があったと評価する方が妥当であ
ると考える。
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情報公開と個人情報保護に関する重要な法令と中央区条例

2014-03-30 22:52:38 | メディア・リテラシー


○行政機関の保有する情報の公開に関する法律→ http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H11/H11HO042.html
(平成十一年五月十四日法律第四十二号)


最終改正:平成二四年六月二七日法律第四二号


 第一章 総則(第一条・第二条)
 第二章 行政文書の開示(第三条―第十七条)
 第三章 不服申立て等(第十八条―第二十一条)
 第四章 補則(第二十二条―第二十六条)
 附則

(目的)
第一条  この法律は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする。



○行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律→ http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H15/H15HO058.html
(平成十五年五月三十日法律第五十八号)


最終改正:平成二四年六月二七日法律第四二号


 行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律(昭和六十三年法律第九十五号)の全部を改正する。


 第一章 総則(第一条・第二条)
 第二章 行政機関における個人情報の取扱い(第三条―第九条)
 第三章 個人情報ファイル(第十条・第十一条)
 第四章 開示、訂正及び利用停止
  第一節 開示(第十二条―第二十六条)
  第二節 訂正(第二十七条―第三十五条)
  第三節 利用停止(第三十六条―第四十一条)
  第四節 不服申立て(第四十二条―第四十四条)
 第五章 雑則(第四十五条―第五十二条)
 第六章 罰則(第五十三条―第五十七条)
 附則

(目的)
第一条  この法律は、行政機関において個人情報の利用が拡大していることにかんがみ、行政機関における個人情報の取扱いに関する基本的事項を定めることにより、行政の適正かつ円滑な運営を図りつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする。



○個人情報の保護に関する法律     → http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxselect.cgi?IDX_OPT=1&H_NAME=%8c%c2%90%6c%8f%ee%95%f1%82%cc%95%db%8c%ec%82%c9%8a%d6%82%b7%82%e9%96%40%97%a5&H_NAME_YOMI=%82%a0&H_NO_GENGO=H&H_NO_YEAR=&H_NO_TYPE=2&H_NO_NO=&H_FILE_NAME=H15HO057&H_RYAKU=1&H_CTG=1&H_YOMI_GUN=1&H_CTG_GUN=1
(平成十五年五月三十日法律第五十七号)


最終改正:平成二一年六月五日法律第四九号


 第一章 総則(第一条―第三条)
 第二章 国及び地方公共団体の責務等(第四条―第六条)
 第三章 個人情報の保護に関する施策等
  第一節 個人情報の保護に関する基本方針(第七条)
  第二節 国の施策(第八条―第十条)
  第三節 地方公共団体の施策(第十一条―第十三条)
  第四節 国及び地方公共団体の協力(第十四条)
 第四章 個人情報取扱事業者の義務等
  第一節 個人情報取扱事業者の義務(第十五条―第三十六条)
  第二節 民間団体による個人情報の保護の推進(第三十七条―第四十九条)
 第五章 雑則(第五十条―第五十五条)
 第六章 罰則(第五十六条―第五十九条)
 附則


(目的)
第一条  この法律は、高度情報通信社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大していることにかんがみ、個人情報の適正な取扱いに関し、基本理念及び政府による基本方針の作成その他の個人情報の保護に関する施策の基本となる事項を定め、国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、個人情報を取り扱う事業者の遵守すべき義務等を定めることにより、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする。


○中央区情報公開条例

平成十三年十月十八日

条例第二十九号

中央区情報公開条例

中央区公文書の公開に関する条例(昭和六十二年十二月中央区条例第三十八号)の全部を改正する。

目次

第一章 総則(第一条―第四条)

第二章 区政情報の開示及び区政情報の任意的な開示

第一節 通則(第五条)

第二節 区政情報の開示(第六条―第十六条)

第三節 不服申立て(第十七条―第十九条)

第三章 情報公開の総合的な推進(第二十条―第二十三条)

第四章 雑則(第二十四条・第二十五条)

附則


(目的)

第一条 この条例は、情報公開の推進に大きな役割を果たしてきた知る権利の理念を尊重し、区政情報の開示を請求する区民の権利を保障するとともに、情報公開の総合的な推進に関し必要な事項を定めることにより、中央区(以下「区」という。)が区政に関し区民に説明する責務を全うし、区民の区政への参加を促進し、その信頼を深め、もって地方自治の本旨に即した区政の発展に寄与することを目的とする。





○中央区個人情報の保護に関する条例

平成九年九月三十日

条例第二十八号

中央区個人情報の保護に関する条例

目次

第一章 総則(第一条―第四条)

第二章 実施機関における個人情報の保護

第一節 個人情報の収集及び登録(第五条―第八条の二)

第二節 保有個人情報の管理(第九条―第十一条の二)

第三節 保有個人情報の利用(第十二条―第十四条)

第四節 電子計算組織による処理(第十五条・第十六条)

第五節 保有個人情報の開示、訂正等の請求(第十七条―第二十四条)

第六節 救済の手続(第二十五条―第二十六条の三)

第七節 保有個人情報の任意的な開示(第二十六条の四)

第三章 事業者の責務等(第二十七条―第二十九条)

第四章 雑則(第三十条―第三十三条)

第五章 罰則(第三十四条―第三十八条)

附則


(目的)

第一条 この条例は、個人情報の取扱いについての基本的事項を定め、実施機関における個人情報の収集、管理及び利用の適正を期するとともに、区民の自己に関する個人情報の開示、訂正等を求める権利を保障すること等により、区民の権利利益の保護と信頼される区政の実現を図ることを目的とする。

(一部改正〔平成一七年条例一号〕)

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日本の民法改正を、改正ドイツ民法と比較して考える。特に売買契約の瑕疵担保責任

2014-03-29 23:00:00 | 国政レベルでなすべきこと
 以下、深い考察まではできていませんが、今回検討されている民法改正の重大論点のひとつ、売買契約の瑕疵担保責任の部分を中心に、民法とドイツ民法を、単純に比較してみます。


第1、はじめに
 民法570条本文は、瑕疵担保責任を定めた規定である。
 この責任の法的性質に関し、以下、議論がある。
 1)目的物の「瑕疵」とは、何を意味するか?
 2)「隠れた」瑕疵とは、何を意味するか?
 3)「売買の目的物」とは、どのような概念か?
 4)570条の責任と一般の債務不履行責任との関係は?瑕疵のある物の引渡しを受けた買主は、売主に対して修補や取替えを求めることができるか?
 上記各論点を、債権法改正中間試案も視野に入れつつ日本の民法(以下、「民法」という。)と、改正されたドイツ債権法(以下、「独法」という。)で比較する。

第2 目的物の「瑕疵」とは、何を意味するか?
1、民法
(1)瑕疵とは、
 瑕疵とは、一般に、欠点・欠陥・キズという意味であり、民法570条に言う物の「瑕疵」も同様である。
 さらに、物の客観的・物理的な品質・性能に即して「瑕疵」を判断すべきか(客観的瑕疵概念)、それとも、個々の契約の趣旨に照らせば目的物が有すべき品質・性能を欠いていることを言うのか(主観的瑕疵概念)が議論される。
 通説は、主観的瑕疵の意味で理解されており、それは、契約の解釈で得られる。すなわち、当事者の合意内容を基準に「瑕疵」の有無を判断したうえで、具体的契約から明確な帰結が出てこないときには、当該契約の当事者の地位に置かれた合理人ならば契約目的に照らしてどのような品質・性能を期待したであろうかという観点から「瑕疵」の有無を判断する。
 瑕疵には、物質的な欠点だけでなく、法令上の制限、環境瑕疵、心理的瑕疵等も含まれる。
(2)立証責任
 瑕疵の存在についての主張・立証責任は、買主の側にある。

2、独法
(1)瑕疵とは(『ドイツ売買法 2001年債務法改革(債務法現代化法)を中心としてー』ハルム=ペーター・ベスターマン著(以下、「テキスト」という。)21-22頁)
 物の瑕疵は、主として独法434条で定義され、権利の瑕疵は同435条で定義されている。
独法434条1項は、物の瑕疵あるいは欠陥を定義するのではなく、最初に目的物に物の瑕疵がないとはどういう場合かだけを述べている。同435条で権利の瑕疵についても同様に述べている。
「物の瑕疵がないこと」について、434条1項では、①目的物が契約で前提とした用法に適している場合(同項1文)、そうでなければ、②目的物が通常の用法に適している場合(同項1号)、ならびに、③同種のものが通常備えている性質および目的物の種類から買主が期待できる性質を示している場合である(同項2号)。
さらに、同項第3文で、広告で表示した内容も同項2号でいう性状に入るとされ、同条2項で、契約で定めた組み立てを売主が行う際の瑕疵の事案、組み立ての説明書に瑕疵がある事案を規定し、同条3項で、売主が「別の物または数量不足の物を提供する」事案を明示的に物の瑕疵と同視している。
独法434条の規定は、当事者が契約によって行う性質(Beschaffenheit)について特約の優位をこれまで以上に強調している。
(2)立証責任(テキスト 56頁)
 独法476条で、物の瑕疵の存在について売主の負担で証明責任を転換している。
 通常であれば、物の瑕疵がすでに危険移転時に存在していたことを買主が証明できなければならなかった。独法は、危険移転とは無関係に、瑕疵が、引渡後6ヶ月以内に顕現する場合には、買主は瑕疵がすでに危険移転時に存在したという内容の推定を援用することができる。

3、日本法と独法の比較
 独法では、瑕疵の規定を、瑕疵がない場合を、まず主観的瑕疵概念で検討し、認定できなければ、客観的瑕疵概念も入れて検討するということを、細かく規定している。指令の目標のひとつとして、瑕疵概念を拡張すること買主保護強化があったが、買主を保護するという意味では、独法が、日本民法より優れていると考えられる。
 さらに独法で重要な点は、立証責任の転換である。日本民法では、瑕疵の存在を主張立証するのは、買主であるが、その証明は困難なことが多いであろう。買主保護の点で独法の同規定は、優れている。

第3 「隠れた」瑕疵とは、何を意味するか?
1、民法
(1)「隠れた」とは、
 「隠れた」というのは、客観的に隠れたことを言うものである故に、普通の人の用いるべき注意を用いても発見できないことを言う。
 買主としては、通常人ならば買主の立場に置かれたときに容易に発見することができなかったこと(客観的に見て瑕疵が外部に現れていなかったこと)を主張・立証すれば足り、これにより買主の善意無過失が推定される。
(2)立証責任
 不表見の事実により買主の善意無過失が法律上推定されているがゆえに、買主の悪意または有過失については、売主が主張・立証責任を負う。

2、独法
 民法570条でいう「隠れた」瑕疵という表現を、独法は使っていない。
 独法では、433条で、売買契約における契約類型上の義務を定め、同条1項で、売主の義務として、「物の瑕疵及び権利の瑕疵のない物を買主に取得させなければならない」と規定し、同条2項で、買主の義務として、「売主に合意した売買代金を支払い、購入した物を引き取る義務を負う」ことを規定している。

第4 「売買の目的物」とは、どのような概念か?570条の責任と一般の債務不履行責任との関係は?
1、民法
(1)法定責任説と契約責任説
 まず、物の瑕疵担保責任の法的性質をどのように捉えるかで、「売買の目的物」の意味も変わることになる。
 以下、2説の考え方を比較する。

2、契約責任説の考え方
(1)契約責任説とは、
 売買契約において、瑕疵ある目的物を引渡したならば、それは不完全な履行であり、買主は売主に対して債務不履行に基づく責任(契約責任)を追及することができるという考え方である。
 この考え方は、売買契約において、「瑕疵のない目的物を引き渡すこと」が当事者の効果意思を形成し、したがって債務の内容(給付義務の内容)になっているとの理解を基礎にしている。そして、民法570条の責任は、債務不履行の一般法に対する特別法として位置づけられることになる。従って、まず民法570条が適用され、同条によって規定されていない問題については債務不履行の一般法理によって処理される。
(2)契約責任説の考え方の具体的な帰結
 ① 570条に言う「売買の目的物」には、特定物・種類物(不特定物)の両者が含まれる。
 ② 瑕疵の有無の判断基準時は、引渡時(受領時)とされる。売主が目的物を引き渡した時点で瑕疵があったならば、売主のおこなったことは不完全履行(債務不履行)と評価されるからである。
 ③ 契約締結時に既に瑕疵があった場合(原始的瑕疵)も、570条によって処理される。「原始的不能の給付を目的とする契約も、有効である」との考え方がなされる。
 ④ 債務不履行を理由とする損害賠償(570条、566条)は、履行利益の賠償である。
 ⑤ 瑕疵担保責任の効果は、解除と損害賠償しか規定(570条、566条)がないが、瑕疵のある目的物の引渡しは不完全履行(債務不履行)なので、買主としては、債務不履行の一般法理に依拠して、売主に対し、完全履行請求権(修補請求権。可能な場合には代物交付請求権)を有することになる。

3、法定責任説の考え方
(1)法定責任説とは、
 特定物の売買契約において、瑕疵のある特定物を引き渡しても、「この物」(特定物)を引き渡したのであれば、それは完全な履行であり、買主は売主に対して債務不履行に基づく責任(契約責任)を追及することができないとの考え方(特定物ドグマ)である。
 この特定物ドグマは、特定物の売買契約において、当事者の効果意思たる債務の内容(給付義務の内容)を形成しているのは「この物」のみであって、「物の性質」がどうであるかは効果意思ではなく、「動機」にすぎないとの理解を基礎にしている。ここから、「特定物売買では、「この物」さえ引き渡せば、履行として完全である(債務不履行ではない)」(瑕疵のある特定物の引渡しは、瑕疵のない完全な履行である)との帰結が導かれる。
 しかし、この場合に、瑕疵のある特定物の引渡しが完全な履行だとしたままでは、その特定物には瑕疵がないと信頼して取引に入った買主が不利益を被る。そこで、民法は、瑕疵のある特定物の引渡しが完全な履行であることを認めたうえでなお、買主の不利益を救済するため、法律で特別の責任を定めて、売主に課すことにした責任が、570条の瑕疵担保責任(履行として完全であると評価された後の利益調整のための特別の法定責任)である。
(2)法定責任説の考え方の具体的な帰結
 ① 570条に言う「売買の目的物」は、特定物のみを対象とする。種類物の売買では、瑕疵のある種類物を引き渡すと、不完全履行と評価され、売主の債務不履行責任が発生し、債務不履行の一般法理で処理される。
 ② 瑕疵の有無の判断基準時は、契約締結時とされる。瑕疵は、原始的瑕疵のみが570条の「瑕疵」に当たる。
 ③ 契約締結後・引渡しが現実にされるまでの間に生じた瑕疵(後発的瑕疵)については、民法400条の保存義務の問題として処理される。
 ④ 損害賠償(570条、566条)は、信頼利益の賠償、つまり、瑕疵を知らなかったことによって買主が被った損害だとされる。
 ⑤ 570条の瑕疵担保責任は、債務不履行責任ではない。従って、瑕疵のある特定物の引渡しも完全な履行なのであるから、受領した買主は、売主に対する完全履行請求権(修補請求権・代物交付請求権)を有しない。このような権利を認めるのは、論理矛盾である。

4、独法
(1)概念の説明 給付障害(テキスト 4頁)
 独法は、給付障害という概念を、用いている。債務不履行に極めて近い概念であるが、債務不履行だけでなく、危険負担の場合も含む。債務者に帰責事由がない履行不能の場合は、厳密に言えば、債務不履行にはならないので、一般的な概念として給付障害という概念を用いる。
(2)瑕疵担保責任の効果(テキスト 23頁)
ア、完全履行請求権
 独法437条は、1号で、買主にまず完全履行を求める権利を認め、439条1項は、これを定義して、買主は、「完全履行として、その選択により、瑕疵の処理または瑕疵のない目的物の供給を請求することが」できる、としている。完全履行とは、修補または代替物供給である。これは、権利の瑕疵にもあてはまる。同2項は、完全履行の費用は、売主負担であることを規定する。
 完全履行がうまくいかなかった場合に、買主は、同条2号の定めるところにより、第440条、第323条および第326条5項による契約の解除、または、第441条による売買代金の減額を行うことができる。
 逆に言うと、買主は、目的物に瑕疵があると思われるときは、直ちに解除したり、損害賠償を求めたりすることができない。売主には、2度目の提供をする権利をもつことを意味する。
イ、解除と損害賠償
 第437条2号と3号は、「および」という語でつながれており、買主は解除することができ、そしてまたそれと並んで、同3号にあるように、「第440条、第280条、第281条、第283条、および第311条により損害賠償を」求めることができる。損害賠償と解除とをともに請求できるのである。
ウ、積極的契約侵害(テキスト 22頁)
 履行利益を超える損害を買主の法益に対し起こした場合、瑕疵の後続損害(例えば、伝染病に罹った家畜を供給し、この家畜から他の買主の家畜に伝染した場合)を引き起こし、そのことに帰責事由がある場合、積極的契約侵害として、独法280条1項でいう債務者の義務違反と見ることができ、損害賠償請求がなされうる。

5、日本法と独法の比較
 独法と、契約責任説は、似ていることがわかる。
 すなわち、第4、2(2)の契約責任説の考え方の具体的な帰結での記載と対応して、独法の担保責任について書くと、
 ① 570条に言う「売買の目的物」には、特定物・種類物(不特定物)の両者が含まれる。
 ② 瑕疵の有無の判断基準時は、引渡時(受領時)とされる
 ③ 契約締結時に既に瑕疵があった場合(原始的瑕疵)も、「原始的不能の給付を目的とする契約も、有効である」とされ処理される。その場合、独法では、追完請求なしの解除がなされうる。
 ④ 損害賠償は、履行利益の賠償である。積極的契約侵害が認められる場合もありうる。

 日本の債権法改正の大きな争点のひとつが、物の瑕疵担保責任の法的性質を法定責任説から契約責任説に移行させるところにある(*『民法(債権関係)の改正に関する中間試案』42頁、54頁~55頁参照)が、独法改正や実際の独法改正後の判例の蓄積が参考になるであろう。

以上


(参考資料)
*『民法(債権関係)の改正に関する中間試案』から一部抜粋
〇42頁
 第22 弁済
6弁済の方法(民法第483条から第491条まで関係)
(1)民法第483条を削除するものとする。
(以下略)

〇54頁~55頁
 第35 売買
 3売主の義務
 (1)売主は、財産権を買主に移転する義務を負うほか、売買の内容に従い、次に掲げる義務を負うものとする。
 ア 買主に売買の目的物を引き渡す義務
 イ 買主に、登記、登録その他の売買の内容である権利の移転を第三者にたいこうするための要件を具備させる義務
 (2)売主が買主に引き渡すべき目的物は、種類、品質及び数量に関して、当該売買契約の趣旨に適合するものでなければならないものとする。
 (3)売主が買主に移転すべき権利は、当該売買契約の趣旨に適合しない他人の地上権、抵当権その他の権利による負担又は当該売買契約の趣旨に適合しない法令の制限がないものでなければならないものとする。
 (4)他人の権利を売買の内容としたとき(権利の一部が他人に属するときを含む。)は、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負うものとする。
(注)上記(2)については、民法第570条の「瑕疵」という文言を維持して表現するという考え方がある。

 4目的物が契約の趣旨に適合しない場合の売主の責任
 民法第565条及び第570条本文の規律(代金減額請求・期間制限に関するものを除く。)を次のように改めるものとする。
 (1)引き渡された目的物が前期3(2)に違反して契約の趣旨に適合しないものであるときは、買主は、その内容に応じて、売主に対し、目的物の修補、不足分の引渡し又は代替物の引渡しによる履行の追完を請求することができるものとする。ただし、その権利につき履行請求権の限界事由があるときは、この限りでないものとする。
 (2)引き渡された目的物が前期3(2)に違反して契約の趣旨に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、債務不履行の一般原則に従って、その不履行による損害の賠償を請求し、又はその不履行による契約の解除をすることができるものとする。
 (3)売主の提供する履行の追完の方法が買主の請求する方法と異なる場合には、売主の提供する方法が契約の趣旨に適合し、かつ、買主に不相当な負担を課するものでないときに限り、履行の追完は、売主が提供する方法によるものとする。
 (以下略)
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3月30日(日)東京都中央区月島3丁目 こども元気クリニック03-5547-1191急病対応します。

2014-03-28 08:48:22 | 小児医療
 3月30日の日曜日、急病対応致します。

 来年度も、小坂こども元気クリニック・病児保育は、「いつでも(24時間・365日)・どこでも(学校・地域の子ども達と関わられる皆様・NPOと連携して)・あらゆる手段を用いて(医学・心理分野にとどまることなく、法律・行政分野などの多角的視点を持って)」子どもを守る小児科でありたいと思っています。
 

 インフルエンザは落ち着きつつあると思います。

 鼻水の風邪、お腹の風邪が多いように感じます。

 喘息の咳の子も少々。


 もし、入学入園前の予防接種がまだのかたは、お早めに。




 新たに、保育園入園のかた、当院の病児保育のご登録、お済でしょうか?
 保育園を行き出したとたん、2-3ヶ月は、風邪のひきっぱなしの時期が続きます。
 突然の熱、風邪のお子さんを、病児保育室にて、看病し、お預かりいたします。

**********************************
<小坂クリニック平成26年3月のお知らせ>


【1】入学・入園前の予防接種、お済みでしょうか。まだの接種は、この3月中に、ご準備を。

 入学前の予防接種お済みでしょうか?
 例えば、入学前のお子さんの場合、MR2期、おたふく(中央区の一部助成)、水ぼうそう(中央区の一部助成)の期限が3月31日までのかたがおれるかもしれません。ご確認をお願いします。
 MRと同じように、おたふく、水ぼうそうもまた、二回接種することを小児科学会が推奨しています。(1回目を自費で受けられた方は、2回目で、中央区の助成券が使えます。)
 

 入園前のお子さんも、定期接種(ヒブ、肺炎球菌、四種混合または三種混合・ポリオ、BCG、麻しん風しん(MR))と任意接種(水ぼうそう、おたふく、B型肝炎、ロタ)お済でしょうか

 
 接種スケジュールや、卵アレルギーのお子さんの接種の可否等、ご不明な点は、お気軽に、クリニックにお電話ください。
 0歳児入園のかたには、麻しんの早期接種のご相談もお受けします。

 
 あわせて、親御さんの接種(風しんの公費負担など)も実施致します


 ご予約:03-5547-1191(日曜日、祝日も接種致します。)





【2】花粉症対策、大丈夫ですか?

 花粉が飛ぶ季節に入りました。

 鼻水、目のかゆみなど、花粉症(アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎)で、お困りな場合、お早めにご相談ください。




【3】3月の日曜、祝日はすべて急病対応致します。

急病対応可能な休日:3/2(日)、3/9(日)、3/16(日)、3/21(祝)、3/23(日)=電話対応、3/30(日)

 
*月曜日朝一番で登園できるよう治癒証明なども日曜日に書きますのでご利用ください。


 
【4】クリニックの受付終了18時30分へ延長致しました。

 受付終了18時に駆け込まれるかたが多いので、対応を取らさせていただきます。

 受付終了18時30分へ延長させていただきます。
 


【5】土曜日の病児保育、ご相談ください。

 2月1日土曜日に、かかりつけの患者さんにどうしてもとお願いがあり、病児保育を当院にて行いました。
 今後も、もし、ご希望がございましたら、クリニックにご相談下さい。

 
  <土曜日の病児保育>

 時間 午前9時~午後5時30分。

 料金は平日と同じ中央区2000円/日、区外5000円/日。


 お申込みのかたは、当院にお電話(03-5547-1191)下さい。



【6】ポータブル鼻吸引器(医療用)の無料貸し出しを始めました!ご好評いただいております。

 小さい子は、鼻をかめなくて、鼻水が咳になったり、鼻が詰まり呼吸し辛くて睡眠できなくなったりしてたいへんです。

 口で吸う鼻吸引器では、なかなか効果が出ません。

 そこで、当院では、医療用のポータブル鼻吸引器(医療用)の無料貸し出しを始めました。

 鼻水でお困りの方(鼻水のため睡眠が障害されている赤ちゃん等)は、診療の時、お気軽にご相談下さい。




【7】病児保育では、インフルエンザのお子さんもお預かり可能です。

 お電話で、お問い合わせをいただくため、念のため、お伝えいたします。

 当院の病児保育では、インフルエンザのお子さんも、お預かり可能です。
 
 他の風邪のお子様とは別の部屋を準備して、感染しあわないように配慮してのお預かりをいたします。




【8】クリニック隣り、みんなの子育てひろば“あすなろの木”のお知らせ



みんなの子育てひろば“あすなろの木”では、

テコンドー教室を毎週日曜日に開催しております。

日頃、子育てで忙しいお母さんでも

仕事でお子さんと接する機会の少ないお父さんでも

お子さんと一緒にテコンドーを習いながら、

お互いのコミュニケーションを図ることができます。

御興味のある方は、ご連絡ください。



講師:石田峰男(岡澤道場総括)

毎週日曜日 / 親子クラス AM9:30-10:30 /小学生クラス AM10:30-11:30 

連絡先 / あすなろの木事務局 03-5547-1191



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



木の部屋、空間でイベント開催しませんか?



あすなろの木では、大人1人300円、

こども無料で何時間でも遊べます。

もちろん1組から御利用できますが、

お友達のイベント(お誕生会・歓送迎会・お食事会)など

グループでの御利用も頂けます。



お母さんは、仲間同士、デリバリーでピザを頼んで、ビールやワインで乾杯!

お子さんは、お菓子を食べながらジュースで乾杯!

ティ―パーティとしても御利用頂けます。(土曜日・日曜日でも利用可能)

御利用お待ちしてしております。



利用:完全予約制

利用料:おとな300円 こども無料

連絡先:03-5547-1191 あすなろ事務局

※ お陰様で御利用頂く方が沢山おられます。

御利用希望の方はお早めに予約されることをお勧めいたします。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



『あすなろ倶楽部』無料体験会開催中!!



あすなろ倶楽部では、少人数制で、お子さんの発達に合った

いろいろな遊び、絵本紹介、しつけ方法などお話します。

また、参加されているお母さん同士の交流の

きっかけなどで御利用を頂いております。

只今、無料体験実施中!

お子さんと一緒に、勉強、遊びながら素敵なお友達をつくりましょう♡



講師:NPO法人あそび子育て研究協会 理事長 増田おさみ

毎週木曜日(月3回)費用:月5,000円

時間:①0~3才クラス 2:00 -3:00 ②3歳以上クラス 3:00 – 4:00

場所:みんなの子育てひろば『あすなろの木』(こども元気クリニック隣り)

連絡先:080-6905-6498(増田)



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★




以上です。


 インフルエンザは、ようやく落ち着きつつあります。

 寒くなったり温かくなったり、急激な温度変化で体調を崩しやすい季節です。

 また、花粉症が猛威を振るったりします。
 春一番で、喘息の咳が出る子もおられます。

 どうか体調をくずされませんように。ご無理をなさらず、十分に休養をとって下さい。

 お大事に。


医療法人小坂成育会
こども元気クリニック・病児保育室
小坂和輝



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中野区議会で区長任期「三期以内」多選自粛規定(かつて区長自らが提案)を削除する条例改正案可決???

2014-03-27 11:12:37 | 地方分権改革
 区長の多選が許されるかという問題と、区長自身が議会に提案した条例を区長の都合で撤回することが許されるかという問題が、複雑に絡み合っている。


 社会環境の変化で、かつて提案した条例を、時代に合わせ改正改善していくことは、当然の動きだとしても、今回のような区長自身の提案した、多選自粛規定削除が許されるというためには、合理的な説明が必要です。

 3月25日議決後、田中区長は取材に「これまでの区政運営や(多選の規制について)考えが変わったことについて区民に説明していきたい」と語ったとありますが、まさに区民への説明が必要だと思います。

 民主主義が試されている事案だと思います。


**********************************
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20140326/CK2014032602000114.html

【東京】


区長の多選自粛規定削除 中野区民が抗議活動


2014年3月26日


 中野区議会で区長の任期を「三期以内」とする区自治基本条例の多選自粛規定を削除する条例改正案が可決された二十五日、区内では区民らが抗議活動を展開した。改正は二〇〇五年に条例を制定した田中大輔区長(62)の四選出馬表明に伴うもので、六月に行われる選挙戦で有権者の判断が問われる。


 「自治基本条例に沿った区政運営が基本」「区長選に出たいがゆえに変えることが許されて良いのか」。区議会本会議前の二十五日午前、JR中野駅前と区役所前で、改正に反対する地元区民でつくる「『多選自粛条項』を守らせる市民連絡会」のメンバーらがマイクを握って声を上げ、チラシを配った。


 連絡会は二十三日からインターネットと街頭で署名を実施。全国の約千百人が賛意を示した。代表の絵画教室経営松井奈穂さん(59)は「区民が一言も発せられないまま区長の都合で改正が決まるのは許せない」と憤った。署名した主婦(55)は「居座りたいから規定を変えるのはあまりにも独善的」、男性会社員(38)も「自分で制定したのに良くない」と批判した。


 議決後、田中区長は取材に「これまでの区政運営や(多選の規制について)考えが変わったことについて区民に説明していきたい」と語った。 (杉戸祐子)
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 受動喫煙などたばこの害から、胎児や子ども達を守ることは大切です。

2014-03-27 11:07:31 | 小児医療
 受動喫煙などたばこの害から、胎児や子ども達を守ることは大切です。

 川崎市が、逆の方向で、進められていることが、気になります。


********東京新聞*********************
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20140323/CK2014032302000111.html

【神奈川】


川崎市庁舎内 全面禁煙が後退 次々新たに喫煙所


2014年3月23日


 県が受動喫煙の防止条例を施行して間もなく四年。横浜市が三月末で庁舎内喫煙所を閉鎖する姿勢の一方、川崎市では条例施行以前は全面禁煙だった庁舎に喫煙所が増えた。「一般論として、受動喫煙のリスクを下げるには全面禁煙の方がよいのは言わずもがな」と県保健福祉局がん対策課。川崎市は後退する形になっている。 (山本哲正)


 川崎市は二〇〇六年、受動喫煙の防止と快適な職場環境を目的に庁舎内全面禁煙の指針をまとめ、〇八年から実施した。


 しかし、県条例施行の一〇年四月、条例を「排気設備が整備されていれば喫煙所を用意できる」と解釈し、指針を「完全分煙または屋内全面禁煙を確保」と改訂した。市議会で市議が「たばこは法律で認められる趣味嗜好(しこう)品。権利を尊重せよ」と繰り返し訴え、市庁舎を利用する市民からも喫煙所設置の要望が出たためだ。


 現在、本庁舎は地下一階に、議場のある第二庁舎は八階に空気清浄機付き喫煙所がある。第三庁舎には一二年三月、屋外に密閉型の喫煙所をつくった。これまで喫煙所がなかった市内区役所でも一二年に高津、一三年に中原と新設。本庁舎では閉庁時間をすぎるころから周囲にたばこの臭いが漂うケースがある。


 県が一三年四月に三十三市町村の対応を調べたところ、本庁舎、議会部分含め建物内禁煙、または敷地内禁煙を徹底しているのは、箱根町、藤沢市など二十四例だった。


 横浜市は四月、職員向けには市庁舎屋上、市議向けには市庁舎と議会棟をつなぐ屋根のみの非常用通路に喫煙所をつくる方針。全面禁煙ではないが、これまでの屋内喫煙所について「設備を整えてきたが、ドアの開閉、喫煙者の衣服についた成分など受動喫煙をゼロにできなかった」(市総務局総務部管理課)としている。


 川崎市職員厚生課も「目指すべきは全面禁煙で受動喫煙防止」という点は認めている。ただ、昨年十二月の市議会で福田紀彦市長が「喫煙所の設置を進める」と答弁したことがあってか、同課の見解はこうだ。


 「今は段階的に、最善を尽くしている」
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子ども達を、ネット中傷から守るには、どうすればよいか、小児科医にとっても大きな課題

2014-03-26 23:00:00 | メディア・リテラシー
 子ども達を、ネット中傷から守るには、どうすればよいか、小児科医にとっても大きな課題です。

 行政が、ネット中傷の文言を、削除に乗り出して下さっているとのこと。このような動きと連携していく必要があります。

 小児科医ができることは、ウイルスからワクチンで体を守るように、「メディアリテラシー」というワクチンを、学校の先生や地域と連携し、子ども達に伝えていくことだろうか。 



**********読売新聞**********
http://www.yomiuri.co.jp/net/news0/national/20140325-OYT1T00002.htm

子供のネット中傷、削除に壁…運営者が拒否も

 インターネット上に書き込まれた小中高校の児童・生徒に対する中傷や個人情報を削除するようサイト運営者に要請したことがある自治体が、47都道府県と20政令市のうち少なくとも53自治体に上ることが読売新聞の調査でわかった。

 要請件数は把握されているだけで約7万件に達する。一方、53自治体中39自治体は、「中傷された本人からの要請でないと削除できない」などの理由で断られた経験があると回答。書き込みが放置され子供が不登校になるケースもあり、専門家は「サイト運営者は要請に応じるべきだ」と訴えている。

 調査は都道府県と政令市の教育委員会、私学担当部署に行った。対象期間は、民間業者などに委託してネット上の中傷を監視する自治体が増え始めた2008年の4月から13年12月まで。

(2014年3月25日07時33分 読売新聞)


http://www.yomiuri.co.jp/net/news0/national/20140325-OYT1T00121.htm

深刻なネット中傷…「会員限定」への対応難しく

 子供の悪口が書かれていても、打つ手がない――。

 読売新聞が全国の都道府県と政令市を対象に行ったインターネット上の子供への中傷に関する対応調査で、苦悩する現場の実情が浮き彫りになった。登録した会員でないと見られないサイトに中傷の場が拡大するなど、ネット上の人権侵害は実態が見えにくくなる分、深刻になっているとみられ、関係者は「中傷の削除などについてのルール作りが早急に必要」と警鐘を鳴らす。

 「学校でうざい人は」「嫌いな先生は」――。東北地方のある自治体では、この数年間で公立小・中学校の9割で、学校の「非公式サイト」ができた。質問に対し、子供らの実名を挙げて回答が寄せられている。教育委員会はサイト運営者に削除を求めたが、「被害者が特定できない」などとして、一部は応じてもらえなかった。「うざい」と書き込まれた生徒の実名やあだ名が残り、それを見た生徒はショックを受け不登校に。ほかにも放置されたままの中傷があり、教委は「現状では、こうしたサイトを見たり書き込んだりしないよう指導するしかない」と話す。

(2014年3月25日10時16分 読売新聞)
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「おもろいやんけ」という気持ちで、世紀の大発見の証明を待ちたい。

2014-03-25 23:00:00 | 教育
 以下、同感の内容です。

「滋賀県、現在、立命館大学総合科学技術研究機構のチェアプロフェッサーです。専門は地球物理学。」

 文章にもありますが、私も、「おもろいやんけ」という言葉がけをしながら、小保方氏のチームが、世紀の大発見の証明をされることを期待して待ちたいと思います。



***********************************
http://blog.goo.ne.jp/bitex1993/e/978fa73e5c3e841edf168828ec1d0004?fb_action_ids=452648211535960&fb_action_types=og.likes&fb_source=other_multiline&action_object_map=%5B637671092973346%5D&action_type_map=%5B%22og.likes%22%5D&action_ref_map=%5B%5D

まずいな、と思う。

あまりにも行き過ぎたバッシングだ。

確かに論理的な破たんはあるが、科学におけるもう一つ大切なことを私たちは忘れている気がする。

それはIntuition(直観)と呼ばれるものだ。

彼女は何かを見つけ、何かを伝えたいとしている。

このことは、すべての前提に対して優先するものだと私は思っている。

某学会までもが彼女のContributionを痛烈に批判することの危うさを私は感じている。

仮に彼女の発見と言われるものが間違っていたとしても、間違いだとわかることが科学の進歩につながる。

もし正しいとしたら、いったいどうやって謝罪するというのだろうか。

これは、社会やマスコミや学会の致命的な倫理的破たんだ。

正しい対応の仕方とは何だろうか。

私が理化学研究所の所長であったとするならば、外圧を凍結し、彼女に1年間の猶予を与えるだろう。

この一年間の間に、問われている批判にこたえるだけの成果を出しなさい、と励ますだろう。

おそらく、ハーバード大学の指導教官の思いもそこにある気がする。

研究者が正しいと思い、直観に従って記述した研究成果が、時として不適正な場合もあるかもしれない。

本来はそのようなことはあってはならないのだが、その不都合さゆえに、すべてを否定するような行為は科学に対して何の貢献ももたらさない。

以前、科学論文には、Originality、Repeatability、Consistencyの3つが必要だと述べた。

それにもまして大切なことは、事実に対するIntuitionである。

確かにリセット可能な細胞が常に存在する、という主張には首をかしげたくなる。

しかし、気まぐれな自然の中には、そのようなものが存在していてもよいのかもしれない。

そこに科学の妙味がある。

それらを完全否定するようなバッシングは、百害あって一利ない。

過去において、この種の発見は、多くの批判と虐待をもたらしてきた。

あえて私は、小保方晴子さんにエールを送りたい。

負けるな青年。

間違っていてもよいではないか。

まだあなたは若い。

自分のIntuitionに従って、正々堂々と主張してほしい。

あなたが見たかもしれない壁の向こうには、違う色の世界が広がっているのだろう。

私はそれが世の人々に新しい真実を突きつけることを期待している。

私たちが向き合っている現代社会の多くの矛盾が、一人あなたに襲い掛かっている現実を座視することに私は耐えきれない。

科学とは本来、すべてのドグマや圧力から、自由でかつ夢があるものだと思うからである。

かつて寺本英が私に言った、「おもろいやんけ」という言葉を伝えたい。
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差別に対し、敢然と立ち向かう浦和レッドダイヤモンズの姿勢に敬意を表します。

2014-03-24 23:00:00 | 教育
 ごく一部のサポーターの差別行動のために、他のサポーターが、試合を応援席で応援できない事態になる形にはなりましたが、取り得る手段としては、これしかなかったのかもしれません。

 差別に対し、敢然と立ち向かう浦和レッドダイヤモンズの姿勢に敬意を表します。


「差別撲滅宣言」全文:

 浦和レッドダイヤモンズはサッカーファミリーの一員として、第63回国際サッカー連盟(FIFA)総会(2013年)で採択された「人種差別主義および人種差別撲滅に関する決議」を最大限に尊重し、人種、肌の色、性別、言語、宗教、または出自などに関する差別的あるいは侮辱的な発言または行為を認めないことを宣言します。

 サッカーはスポーツや社会から差別を撲滅する力を持っています。

 私たちはサッカーを通じて結ばれた仲間と共に差別と戦うことを誓います。


*********************************************************
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014032490070742.html

【スポーツ】


浦和、観客ゼロからの再出発 試合前に「撲滅宣言」

2014年3月24日 07時07分


 浦和サポーターが差別的な横断幕を掲げた問題の処分を受け、サッカーのJリーグで初の無観客試合となったJ1浦和-清水戦が二十三日、さいたま市の埼玉スタジアムで行われ、1-1で引き分けた。約六万人収容の競技場は静まり返り、審判の笛と選手の掛け声だけが響いた。

 試合に先立ち、浦和主将のDF阿部勇樹選手が「差別撲滅宣言」を読み上げ、再発防止にチーム一丸となって取り組むことをあらためて明言した。試合は報道陣だけが見守った。

 Jリーグの村井満チェアマンは「もう一度、フェアプレーという原点に立ち、信頼回復に努めたい」とコメントし、リーグの再出発を誓った。

◆仲間と共に差別と戦う

 浦和の阿部主将が読み上げた「差別撲滅宣言」の全文は以下の通り。

 浦和レッドダイヤモンズはサッカーファミリーの一員として、第63回国際サッカー連盟(FIFA)総会(2013年)で採択された「人種差別主義および人種差別撲滅に関する決議」を最大限に尊重し、人種、肌の色、性別、言語、宗教、または出自などに関する差別的あるいは侮辱的な発言または行為を認めないことを宣言します。

 サッカーはスポーツや社会から差別を撲滅する力を持っています。

 私たちはサッカーを通じて結ばれた仲間と共に差別と戦うことを誓います。

(東京新聞)
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最高裁から、立法論の提案。「法定地上権」について:千種秀夫補足意見(最高裁H6.12.20)

2014-03-23 23:00:00 | 国政レベルでなすべきこと
 法定地上権について、千種秀夫補足意見(最高裁H6.12.20)が、今日の社会経済の実情に合致した制度にすることが望ましいと、立法論の提案をされています。

 参考になる考え方故、こちらでも、該当箇所を掲載します(自分の考察を深める、メモとしても)。


 問題となる民法条文、現行の条文です。

(法定地上権)
第三百八十八条  土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。この場合において、地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。


〜法定地上権の成立要件〜

1、抵当権設定時の土地と建物が存在していること。

2、抵当権設定時に、土地と建物が同一の所有者に属していること。

3、土地と建物の一方又は双方に抵当権が設定されること。

4、競売が行われて土地と建物が別異の者に帰属すること。



******最高裁ホームページ*******
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319120845115650.pdf


裁判官千種秀夫の補足意見は、次のとおりである。

 私は、本件において、法定地上権の成立を認めない法廷意見に賛成するものであ
るが、その理由について若干補足しておきたい。

一 我が国の民法は、土地と建物を別個独立の不動産としているため、同一所有者
に属する土地とその地上建物のいずれかに抵当権が設定されそれが競売された場合
には、土地と建物が別個の所有者に帰属するに至る結果、建物所有者がその敷地の
所有者に対し敷地の利用権を主張することができず、建物を収去せざるを得なくな
るおそれがある。法定地上権の制度は、このような事態に伴う社会経済的な損失を
防止する目的から、そのような場合には、「抵当権設定者ハ競売ノ場合ニ付キ地上
権ヲ設定シタルモノト看做ス」こととし(民法三八八条)、建物所有者に敷地利用
権を保証し、建物を収去しなくてもすむように配慮したものである。

二 そのような制度の目的からすれば、土地が数人の共有に属する場合においても、
同様な事態にあっては、同様な結果になることが好ましいともいえる。しかし、土
地の共有者は、その共有持分自体を担保に供することはできても、当該共有地上に
単独で地上権を設定することはできない。そのため、土地の共有持分が競売された
場合においては、共有者全員について建物所有者のために地上権を設定したとみな
- 4 -
し得るような特段の事情がある場合でない限り、建物所有者は法定地上権を取得す
ることができないことになる。すなわち、たとえば甲、乙共有の土地上に甲所有の
建物があり、甲が自己の土地共有持分に抵当権を設定しこれが競売された場合を考
えると、甲については法定地上権を設定したものとみなし得る事情が存在するとし
ても、乙としては、共有地上に地上権が設定されることは予期しないところであり、
もしこれが認められることになれば、自己の意思に反して不当な負担を課せられる
結果となりかねない。そのため、判例は、かかる事案においては、法定地上権の成
立を否定してきたのである(最高裁昭和二六年(オ)第二八五号同二九年一二月二
三日第一小法廷判決・民集八巻一二号二二三五頁参照)。

三 それならば、右の事例で、乙に甲のため地上権を設定する意思があったなら法
定地上権を認めてもよいか。これは、解釈論として当然に予想される問題である。
殊に、甲外数名が敷地を共有するとともに地上建物をも共有する場合に、全員が全
員の共同の債務を担保するため同一債権者に対して共同で各持分について抵当権を
設定した場合を想定すると、他に特段の事情のない限りは共有者全員を束ねて一人
とみることも可能であり、その結果は、民法三八八条をそのまま適用することもで
きることになるのではないか、それならば、更に一歩を進めて、土地共有者全員が、
そのうちの一人の債務を担保するため、共同で各自の共有持分に抵当権を設定した
場合にも同様なことがいえるのではないか。そうした疑問が起こるのも当然である。

四 原審の確定するところによれば、前記のとおり、本件土地は被上告人B1とそ
の妻子の三名の共有に属していたところ、右共有者らは、本件土地につき、B1を
債務者として国民金融公庫のために抵当権を設定しその旨の登記を経ており、公庫
は、右抵当権に基づいて本件土地全体につき競売手続を申し立て、上告人が本件土
地全部を競落し、その所有権を取得したというのである。しかも、本件土地建物は、
もともとB1の父DがB1に贈与する意向であったが、土地については、B1に単
- 5 -
独で贈与税を支払う資力がないことから同人とその妻子に贈与し、建物については、
B1が事業に失敗しその債権者から差押えを受けるおそれがあったため、Dの所有
名義にしておいたところ、同人の死亡によりB1を含む九名の相続人の共有になっ
たというのである。したがって、このような事実関係を内部的にみれば、被上告人
B1ら三名は、ほとんどB1一人と同視し得る実情にあり、B1の妻子らとしても、
地上建物所有者らのために法定地上権が発生することは当然予想していたとみるこ
とも可能であろう。

五 しかしながら、法定地上権は競売によって生ずるものであるから、その成否の
解釈に当たっては、競売手続の適正迅速な進行とその結果として形成される法律関
係の確実性の確保という観点を看過することはできない。そうでなければ、取引の
安全と競売手続への信頼を確保することができないからである。従来、法定地上権
の解釈論は、先に掲げた民法の趣旨、目的のゆえに、実体法学者から、なるべく建
物所有者の土地利用権を確保する方向で論じられてきたかに思われる。しかし、そ
の結果の妥当性もさることながら、競売手続が終了した後になって法定地上権の有
無が訴訟で争われること自体にも問題のあることを指摘しなければならない。

六 今日、このような問題が実務上注目されるようになったゆえんは、一に土地利
用権が一個独立の価値権として評価され、ひいては課税あるいは取引の対象とされ
るに至ったことにある。その上、地価の上昇に伴い、課税その他の理由から土地を
単独で所有することができず、そのために土地共有関係が増加しつつあるという社
会経済的事情があり、これが背景となって、問題の解決を更に困難にしている。
 地上権はもとより土地賃借権が法的に手厚い保護を受け、それ自体が財産権とみ
なされるということは、反面、こうした用益権の付着した土地の底地価格が低下す
ることを意味する。その結果、土地の競売手続においては、その地上に建物が存す
るか否か、また、その建物の所有者がいかなる土地利用権を有するかが大きな問題
- 6 -
となり、競落後法定地上権が生ずるか否かも売却価額に大きな影響を与えるに至る。
競売の対象とされた土地の売却代金によりどれだけの被担保債権の弁済が受けられ
るか、はたまた、競売後地上建物の所有者又はその居住者はその建物をそのまま保
持し又はこれに居住し続けることができるかどうか、こうした問題は、関係者とし
ては無視できない大きな利害関係のある問題である。その結果、競売手続を進行さ
せる執行裁判所としては、競売物件の評価に当たって、これらの権利の有無を適確
に判断しなければならないこととなる。
 通常、競売不動産については、執行裁判所の執行官が不動産の現況を調査し、土
地利用関係を確認し、この報告を基礎として評価人が右不動産の評価をし、しかる
後裁判所により物件明細書が作成され、最低売却価額が決定されるのであるが、も
しこの段階で複雑な事実認定と困難な法律判断を要することになると、競売手続を
適正迅速に処理することは困難とならざるを得ない。したがって、この段階におい
て判断の資料に供しうるのは、登記簿の記載等公示されだれにでも分かる客観的資
料のみに限る必要がある。先にも触れたとおり、本件においては、土地共有者らは
主債務者とその妻子であって、対債権者の関係のみに限ってみれば、主債務者の妻
子はこれと同一視し得ないではない。しかし、そのような内部事情は登記簿上だれ
でも確知できるものではなく、多くの場合訴訟手続ないしはそれに準ずる事実認定
手続を経なければ明確にし得ない事情である。そのような事情を競売手続において
考慮することは適当とはいえない。
 それならば、こうした主観的事情を捨象し、ただ土地の共有者三名がその一人の
債務のため同一債権者に対し各共有持分について共同して抵当権を設定したという
事実(これは登記簿上確認できる。)だけで他の土地共有者らの地上権設定の意思
を認め、法定地上権の成立を肯定してよいかが問題となる。しかし、これまた、直
ちに積極の結論を導くことは容易ではない。三名の各共有持分は、それぞれの共有
- 7 -
者の資産であるから、一般論としていえば、各人はそれぞれの持分を他に処分しあ
るいはそれに自己の債務のため抵当権を設定することも可能であり、また逆に、そ
れぞれの債権者からそれぞれの持分を差し押さえられた結果これらが各個に競売さ
れ、他の者がその共有持分を取得することも考えられる。このように、現実の競売
の時点においては、三名が共同して抵当権を設定した時と異なった状況の生じてい
る場合もあり得るのであって、そのような場合に、どの時点のどのような事情をも
って法定地上権の発生を確定しうるかは一律に決し難く、立法等による明確な基準
の設定をまたない限り、統一的な処理は困難である(また、本件にあっては、被上
告人B1は九名の建物共有者のうちの一人にすぎないという事情も考慮されなけれ
ばならないであろう。)。

 以上のように考えると、先に述べたように他の土地共有者らについても建物所有
者のために地上権を設定したとみなし得るような特段の事情がある場合(最高裁昭
和四一年(オ)第五二九号同四四年一一月四日第三小法廷判決・民集二三巻一一号
一九六八頁参照)を除いて、土地共有持分の競売に当たっては、当然には法定地上
権は発生しないものとし、なるべく画一的に処理することが相当であるといわなけ
ればならない。

七 なお付言するに、立法論としていうならば、法定地上権の目指す目的は、必ず
しも地上権という用益物権の成立を認めなくとも、賃借権あるいは使用借権その他
何らかの敷地利用権を確保してやれば足りるといえる。
 ただ、民法制定当初は、他人の土地を利用して建物を建築所有する方法としては
地上権の設定が予想されていたためこのような制度が設けられたにすぎない。しか
し、その後の土地利用の実態をみると、建物敷地として他人の土地を利用する場合
には、賃貸借又は使用貸借契約を利用する場合が多く、かつまた、その後の立法に
よって、土地の賃借権は地上権と同様に手厚く保護され、物権に劣らぬ強力な権利
- 8 -
とされるに至ったため、今日では、建物所有のために地上権が設定されることはま
れであり、専ら賃借権が利用されるに至っている。加えて、借地権に関しては、累
次の法改正により、今日では、共有の建物に関しては、他の者と共に有することと
なるときに限り、自己借地権の設定も認められ(借地借家法一五条)、また、借地
権をめぐる問題の処理のためには非訟手続も整備されるに至っている。そのような
状況の下においては、現行の法定地上権の制度は陳腐化し、解釈によって今日の複
雑な事態に適応させていくことは困難であるばかりでなく、土地利用権の確保に偏
重することは競売手続への信頼をおびやかすおそれなしとしない。そのような意味
からすれば、法定地上権の制度は、法定借地権等今日通常行われている土地利用権
を内容とするものに改め、かつ、その内容を法定し、あるいは借地非訟事件手続に
より一定の範囲内でその条件を確定する道を開く(現在でも、法定地上権成立後そ
の地代は裁判所が定めなければならないこととされている(民法三八八条但書)。)
等今日の社会経済の実情に合致した制度とすることが望ましいと考える。


     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    千   種   秀   夫
            裁判官    園   部   逸   夫
            裁判官    可   部   恒   雄
            裁判官    大   野   正   男
            裁判官    尾   崎   行   信
-


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私は、田中二郎反対意見に同調します。借地権の対抗要件最高裁判例S41.4.27

2014-03-22 00:00:01 | 街づくり
 法は、ひとを守るために存在する。

 しかし、最高裁の大法廷判決(S41.4.27)は、上記に反し、私は、違和感を持ちます。

 その判例は、

 父が借地人となり、借地上の建物は、父名義で登記すべきところ、胃を悪くしている父は長く生きられないとして、登記は長男名でしていた。

 借地権は、その土地上の建物が登記されていると、他の人に、とくにその土地を買い受けた新たな所有者に対しても、その権利を主張しうるが、建物が借地人である父と違うものの名の登記だったゆえ、無効の登記とされ、新たな土地の所有者に対し、借地権を主張できず、その家族は、建物を壊して出ていかねばならないという判決が出されました。

 大いに、違和感を持ちますが、法律の文面を厳密に当てはめると、父は、違法であり、最高裁の判決もごもっともということになります。


 同判決文の中で、田中二郎裁判官は、少数意見として、反対の意を述べられています。

 この田中裁判官の意見こそ、「法は、ひとを守るために存在すること」を表しているひとつの好例であると、自分は感じます。


*******************************
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319124437711316.pdf

裁判官田中二郎の反対意見は、次のとおりである。

 私は、多数意見とは反対に、本件上告は棄却すべきものと考える。その理由は、
次のとおりである。

 一 建物保護法は、建物の所有を目的とする土地の借地権者(地上権者および賃
借権者を含む。)が土地の上にその者の名義で登記した建物を有するときは、当該
借地権(地上権および賃借権を含む。)の登記がなくても、その借地権を第三者に
対抗することができるものとすることによつて、当該借地権ないし借地権者を保護
しようとするものである。すなわち、当該借地権が地上権の場合でも、手続の煩瑣
なために未登記のものが多く、殊にそれが賃借権の場合には、賃貸人はその登記に
協力すべき義務を負うものでなく、賃借人は賃貸人に対し登記に協力すべきことを
訴求し得べきものでないために、登記のないのが通例で、従つて、当該借地権をも
- 9 -
つて当該土地の第三取得者に対抗することができない場合の多いのに対処して、同
法は、借地権自体について登記がなくても、当該土地の上に登記した建物を有する
ことによつて、その借地権の対抗力を認め、もつて、借地権者を保護し、ひいて、
建物の所有者およびこれと一体的に家族的共同生活を営んでいる家族の居住権を保
護することを目的とするものである。建物保護法は、この意味において、借地権を
保護し、もつて借地上の建物の居住権を保護することを企図した一種の社会政策的
立法であるから、同法を解釈適用するに当つては、このような立法の趣旨目的を尊
重し、必ずしもその字句に捉われることなく、その目的にそつた解釈をなすべきで
ある。
 もつとも、建物保護法は、無制限かつ無条件に借地権および居住権を保護しよう
というのではなく、借地権者が自らその土地の上に登記した建物を有することを第
三者に対抗するための要件としている。これは、同法が、一方において、居住権を
含む借地権の保護を企図しつつ、他方において、建物の登記という外形的表象の存
在を要件とすることによつて、土地の取引の安全を保護し、土地の第三取得者に不
測の損害を生ぜしめないことを期し、この二つの対立する利益の調整を図ることを
趣旨としているからである。そこで、居住権を含む借地権の保護の要請と土地の取
引の安全、土地の第三取得者の保護の要請とを如何に調製すべきかが問題解決の鍵
になるものといわなければならない。
 このような見地に立つて考えると、建物保護法の明文は、一応、原則として、借
地権者がその土地の上に自己名義で登記した建物を有することを第三者に対抗する
ための要件としているが、同法の立法の趣旨目的に照らして考えれば、同法にいう
建物の登記は、土地の第三取得者に不測の損害を生ぜしめる虞れのないかぎり、形
式上、常に借地権者自身の名義のものでなければならないということを、文字どお
りにしかく厳格に解さなければならない理由はない。
- 10 -
 一般的にいえば、一面において、居住権を含む借地権の保護の要請に応じ、これ
を保護するだけの合理的根拠があり、しかも、他面において、土地の取引の安全を
害することなく、新たに土地所有権を取得しようとする者が容易に当該土地の上に
登記した建物が存在することを推知することができ、従つて、土地の新たな取得者
に不測の損害を生ぜしめる虞れがないような場合には、借地権者に同法の保護を与
えることが同法の立法趣旨にそうゆえんである。このような見地から、私は、その
建物の登記の瑕疵が更正登記の許される程度のものであればもちろん(昭和四〇月
三月一七日最高裁大法廷判決民集一九巻二号四五三頁参照)、更正登記の許されな
い場合であつても、例えば建物の登記が借地権者自身の名義でなく、現実にそこで
共同生活を営んでいる家族の名義になつているようなときは、登記した建物がある
場合に該当するものとして、その対抗力を認めるべきであると考える。
 このような考え方をするときは、土地を新たに取得しようとする者は、土地の上
に建物があるかどうかを実地検分し、さらに建物に登記があるかどうかを調査する
だけでなく、土地の上の建物の登記名義人と借地権者との身分関係についても調査
する労を免れず、そのかぎりにおいて、土地の取引にいくらかの障害を生ずること
にはなるが、それが不当な障害とまではいえず、借地権保護の立法趣旨を達成させ
るために、この程度の負担を課しても、決して酷とはいいがたく、従つて、土地の
新たな取得者に不測の損害を生ぜしめるものとはいえないと思う。

 二 ところで、本件についてみると、原判決の確定した事実によれば、被上告人
は、昭和二元年以来、本件土地の上に本件家屋を建築所有しており、昭和三一年一
一月一四日、被上告人と同居し、氏を同じくする未成年者長男D(当時一五、六才)
名義で保存登記を経由しているというのである。(長男D名義で保存登記をしたの
は、その当時、被上告人は、胃を害して手術をすることになつており、或いは長く
は生きられないかもしれないと思つていたので、右家屋を長男Dの名義にしておけ
- 11 -
ば後々面倒がないと考え、同人には無断で、その所有名義に登記したというのであ
る。)そして、原判決は、D名義の保存登記は、実質的には、被上告人名義の登記
があるのと同じであるとみるべきで、D名義の保存登記は、実体関係と符合するも
のであり、被上告人は、当該借地権をもつて上告人に対抗できる旨判示しているの
である。
 (1) 上告理由第一点は、要するに、本件建物のD名義の所有権保存登記を被
上告人名義の登記と同じであるとみ、D名義の登記は実体上の権利関係と実質的に
符合するとした原判決を非難し、右の登記は虚偽の登記又は偽造文書による登記で
あるから無効であると主張する。
 しかし、叙上の具体的事情のもとに、被上告人が自らの意思に基づき長男D名義
の登記をしたのを虚偽の登記又は偽造文書による登記とまでいう論旨は、現実にそ
わない主張であり、D名義の登記は被上告人名義の登記と同じであるとする原判決
の判断は、いささか詭弁の感を免れないにしても、結論において、われわれの常識
に合する妥当な判断というべきである。けだし、本件登記の当時、もはや、長くは
生きられないかもしれないと思つていた被上告人が後々の面倒を避けるために、便
宜、長男D名義を用いたというのであつて、それは、家屋の所有権自体も長男Dに
贈与する意思であつたかもしれず(D名義の登記をすれば、税法上は財産の贈与が
あつたものとして贈与税の課税を免れない。それは贈与があつたものと推定される
からである。)、また、いずれは長男Dに贈与する趣旨のもとに、さしあたり登記
名義だけをD名義にしておく趣旨であつたかもしれないが、そのいずれにしろ、そ
の意図するところは、当該家屋について登記をしておかなければ、土地の第三取得
者に対抗できなくなることを慮り、被上告人を含む家族の共同生活の場を確保しよ
うというにある。その際、被上告人は、自己とその家族の一員として共同生活をし
ている長男Dとは、ともに一つのいわゆる家団を構成するメンバーであつて、自己
- 12 -
の名義にするのも、長男D名義にするのも、ただ便宜の措置と考えてD名義の登記
をしたものにほかならず、このような措置は、われわれの日常生活においては、往
々見る現象であつて、直ちに登記名義と実体関係とがそごするとまではいえず、こ
のような登記を虚偽の登記とか偽造文書による登記として無効であるという論旨は、
われわれの常識に反し、必ずしも世人を納得させるものではない。原判決の認定判
断は、その表現において、いささか妥当を欠くきらいはあつても、結局において、
正当として支持すべきものと考える。
 (2) 上告理由第二点は、要するに、本件家屋について、借地権者でない長男
D名義の登記をもつて被上告人が建物保護法一条による保護を受け得べきいわれは
ないというにある。
 建物保護法によつて借地権を対抗し得るためには、原則として、その土地の上に
借地権者の名義で登記した建物を有することを要することは所論のとおりであるが、
右の要件は、建物保護法の立法趣旨からいつて、文字どおりに厳格に解すべきでは
なく、特殊例外的に、第三取得者に不測の損害を生ぜしめる虞れのないかぎり、形
式上登記名義人が異なつていても、土地上に登記した建物がある場合に該当するも
のとして、同法の保護を与えるべき場合がある。原判決の引用する大審院判決(昭
和一四年(オ)七八九号昭和一五年七月一一日判決、新聞四六〇四号)が、相続人
は、地上建物について相続登記を経なくても、被相続人名義人の登記のままで、そ
の敷地について借地権を第三取得者に対抗することができる旨を判示しているのは、
その一例である。この事件は、本件とは多少事案を異にするといえるけれども、形
式的には、建物所有者と登記名義人とが異なつているにかかわらず、その対抗力を
認めた点において、本件原判決と共通のものがある。すなわち、建物保護法一条の
対抗力に関するかぎり、一般の場合と異なり、必ずしも形式的な登記名義の厳格な
一致を要求することなく、同法の立法趣旨にそう具体的に妥当な結論を導き出そう
- 13 -
としたものにほかならない。
 ところで、本件家屋の登記は、長男D名義になつており、形式的にみるかぎり、
借地権者たる被上告人名義にはなつていないから、建物保護法一条の要件を完全に
そなえているとはいえない。しかし、被上告人と長男Dとは、本件家屋において、
一体的に家族的共同生活を営んでいる、いわゆる家団の構成メンバーにほかならず、
建物保護法の趣旨は、このような一体的な家団構成メンバーの居住権を含む借地権
を保護するにあるとみるべきであるから、建物保護法一条の定める対抗要件に関す
るかぎり、形式上は家団の構成メンバーの一員である長男D名義の登記になつてい
ても、被上告人名義の登記があるのと同様に、その対抗力を認めるのが、立法の趣
旨に合する解釈というべきである。これを他の一面である土地の取引の保護とか第
三取得者の保護という観点からいつても、本件土地の上に被上告人によつて代表さ
れる家団の構成メンバーの一員である長男D名義で登記した建物の存在することは、
格別の労を用いることなく、容易に推知することができるのであるから、これに対
抗力を認めたからといつて、土地の取引の安全を乱すことはなく、当該土地の第三
取得者に不測の損害を生ぜしめるものとはいえない。
 私は、同じ氏を称する家団の構成メンバーであれば、その登記名義が、仮りに父
名義であれ、妻名義であれ、子供の名義であれ、建物保護法一条にいう有効な登記
として、その対抗力を認めるを妨げないと考えるのであるが、少なくとも、本件の
具体的事情のもとに、長男D名義の登記の対抗力を肯定した原判決の判断は、正当
として維持されるべきであり、本件上告は理由がなく、棄却すべきものと考える。

 裁判官長部謹吾は、裁判官入江俊郎および裁判官田中二郎の各反対意見に同調す
る。

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公簿面積と実測面積は、必ずしも一致しません!!!土地購入時注意を。

2014-03-21 10:04:59 | 街づくり
 土地を購入の場合、注意すべき点として、

 土地の面積に、単位面積当たりの価格を乗じて、購入価格を算出することがあります。

 土地の面積は、

 〇単に土地の価格を決める一応の標準として公簿面積(坪数)が用いられたにすぎないのか、

 〇実測面積が公簿面積と一致することを前提とした売買なのか

 判断をめぐって、トラブルが生じます。


 公簿面積と実測面積は、必ずしも一致していないところに原因があります。


 土地を購入する際は、

 ①実測面積が公簿面積と一致することを前提に、②土地の面積に、単位面積当たりの価格を乗じて、購入価格を算出(数量指示売買:民法565条、563条1項代金減額請求/2項売買契約の解除)したことを必ず、確認を取るべきだと思います。
 後になって、あると思った面積がないことがわかり、トラブルが生じないようにするために。


数量指示売買:当事者において目的物の実際に有する数量を確保するため、その一定の面積、容積、重量、員数又は尺度があることを売主が契約において表示し、かつ、この数量を基礎として代金額が定められた売買(最高裁昭和43年8月20日)



<民法>
(権利の一部が他人に属する場合における売主の担保責任)
第五百六十三条  売買の目的である権利の一部が他人に属することにより、売主がこれを買主に移転することができないときは、買主は、その不足する部分の割合に応じて代金の減額を請求することができる。
2  前項の場合において、残存する部分のみであれば買主がこれを買い受けなかったときは、善意の買主は、契約の解除をすることができる。
3  代金減額の請求又は契約の解除は、善意の買主が損害賠償の請求をすることを妨げない。

第五百六十四条  前条の規定による権利は、買主が善意であったときは事実を知った時から、悪意であったときは契約の時から、それぞれ一年以内に行使しなければならない。

(数量の不足又は物の一部滅失の場合における売主の担保責任)
第五百六十五条  前二条の規定は、数量を指示して売買をした物に不足がある場合又は物の一部が契約の時に既に滅失していた場合において、買主がその不足又は滅失を知らなかったときについて準用する。

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あっぱれ、町田市。『まちだ市民法学 ―私たちにとって法とは何か― 』すばらしい企画!!!

2014-03-21 00:00:01 | NPO・地域力

 町田市企画のすばらしい市民講座です。

 法律学は、基本的なところは、誰もが知っておいたほうが、安全安心に生きられると思います。

 「法は、ひとを守るために存在する。」自分の三つの命題のひとつでもあります。


 法を知ることで、へんな政治家に騙されるようなこともなくなります。
 一国の首相が、憲法学を知らないという日本という国はどうかしています。

 
 法律学の基本的な知識の講座。
 
 どこの自治体にも、広がるべき企画です。


**********************************
 https://www.city.machida.tokyo.jp/bunka/bunka_geijutsu/cul/chuokominkan/kouminkan/hats/hats/2014hatshougaku.html

まちだ市民法学 ―私たちにとって法とは何か―



回 日程 テーマ・内容 講師・指導者


1 5月8日
木曜日
午後6時45分から
9時まで 【オリエンテーション】
今、法を学ぶ。「まちだ市民法学」開講にあたって

【法の基礎(1)】私たちにとって法とは何か

鈴木剛 (プログラム委員)
杉原泰雄 (一橋大学名誉教授)
聞き手:神子島健 (プログラム委員)


2 5月15日
木曜日
午後7時から
9時まで

【法の基礎(2)】法の歴史

日本近現代史にみる「法の支配」

間部俊明(横浜弁護士会/弁護士)


3 5月22日
木曜日
午後7時から
9時まで

【法の基礎(3)】
あらためて基本的人権を考える
 -社会的弱者の視点から、国境を越えて-

伊藤和子
(NPO法人ヒューマンライツナウ事務局長/弁護士)


4 5月29日
木曜日
午後7時から
9時まで

【講義】

「知る権利」を知る
   -情報公開と保護-

三木由希子
(NPO法人情報公開クリアリングハウス理事長)


5 6月5日
木曜日
午後7時から
9時まで

【講義】

すぐそこにある「冤罪」
-法は誰の権利を守るのか-

秋山賢三
(たちかわ市民法律事務所/弁護士)


6 6月19日
木曜日
午後7時から
9時まで

【公開講座】グローバル経済と法
-TPP問題を中心に-

莫邦富
(経済ジャーナリスト/作家)


7 6月26日
木曜日
午後7時から
9時まで

【講義】教育と法

-地方自治の視点から-

荒井文昭
(首都大学東京教授)


8 7月3日
木曜日
午後7時から
9時まで

【講義】働くルールはなぜ必要か
-格差と貧困の現場から-

竹信三恵子
(和光大学教授)


9 7月10日
木曜日
午後6時45分から
9時まで

【まとめ】自治から考える地域の未来
      -環境に関する条例を中心に-

まとめに代えて
【修了式】

パネリスト:池上洋通(地方自治研究者)
町田市職員 (まちづくり関連)
鈴木剛 (プログラム委員)
神子島健 (プログラム委員)

※6月12日(木曜日)と7月17日(木曜日)の午後7時から9時まで、生涯学習センター7階ホールにて希望者によるディスカッションや学習会を予定しています。

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3月21日(祝)東京都中央区月島3丁目 こども元気クリニック03-5547-1191急病対応します。

2014-03-20 18:17:35 | 小児医療
 3月21日の祝日、急病対応致します。

 インフルエンザBが、ごくわずかながらポツンポツンと出ています。

 鼻水の風邪が多いように感じます。

 喘息の咳の子も少々。


 もし、入学入園前の予防接種がまだのかたは、お早めに。



 新たに、保育園入園のかた、当院の病児保育のご登録、お済でしょうか?
 保育園を行き出したとたん、2-3ヶ月は、風邪のひきっぱなしの時期が続きます。
 突然の熱、風邪のお子さんを、病児保育室にて、看病し、お預かりいたします。

**********************************
<小坂クリニック平成26年3月のお知らせ>


【1】入学・入園前の予防接種、お済みでしょうか。まだの接種は、この3月中に、ご準備を。

 入学前の予防接種お済みでしょうか?
 例えば、入学前のお子さんの場合、MR2期、おたふく(中央区の一部助成)、水ぼうそう(中央区の一部助成)の期限が3月31日までのかたがおれるかもしれません。ご確認をお願いします。
 MRと同じように、おたふく、水ぼうそうもまた、二回接種することを小児科学会が推奨しています。(1回目を自費で受けられた方は、2回目で、中央区の助成券が使えます。)
 

 入園前のお子さんも、定期接種(ヒブ、肺炎球菌、四種混合または三種混合・ポリオ、BCG、麻しん風しん(MR))と任意接種(水ぼうそう、おたふく、B型肝炎、ロタ)お済でしょうか

 
 接種スケジュールや、卵アレルギーのお子さんの接種の可否等、ご不明な点は、お気軽に、クリニックにお電話ください。
 0歳児入園のかたには、麻しんの早期接種のご相談もお受けします。

 
 あわせて、親御さんの接種(風しんの公費負担など)も実施致します


 ご予約:03-5547-1191(日曜日、祝日も接種致します。)





【2】花粉症対策、大丈夫ですか?

 花粉が飛ぶ季節に入りました。

 鼻水、目のかゆみなど、花粉症(アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎)で、お困りな場合、お早めにご相談ください。




【3】3月の日曜、祝日はすべて急病対応致します。

急病対応可能な休日:3/2(日)、3/9(日)、3/16(日)、3/21(祝)、3/23(日)=電話対応、3/30(日)

 
*月曜日朝一番で登園できるよう治癒証明なども日曜日に書きますのでご利用ください。


 
【4】クリニックの受付終了18時30分へ延長致しました。

 受付終了18時に駆け込まれるかたが多いので、対応を取らさせていただきます。

 受付終了18時30分へ延長させていただきます。
 


【5】土曜日の病児保育、ご相談ください。

 2月1日土曜日に、かかりつけの患者さんにどうしてもとお願いがあり、病児保育を当院にて行いました。
 今後も、もし、ご希望がございましたら、クリニックにご相談下さい。

 
  <土曜日の病児保育>

 時間 午前9時~午後5時30分。

 料金は平日と同じ中央区2000円/日、区外5000円/日。


 お申込みのかたは、当院にお電話(03-5547-1191)下さい。



【6】ポータブル鼻吸引器(医療用)の無料貸し出しを始めました!ご好評いただいております。

 小さい子は、鼻をかめなくて、鼻水が咳になったり、鼻が詰まり呼吸し辛くて睡眠できなくなったりしてたいへんです。

 口で吸う鼻吸引器では、なかなか効果が出ません。

 そこで、当院では、医療用のポータブル鼻吸引器(医療用)の無料貸し出しを始めました。

 鼻水でお困りの方(鼻水のため睡眠が障害されている赤ちゃん等)は、診療の時、お気軽にご相談下さい。




【7】病児保育では、インフルエンザのお子さんもお預かり可能です。

 お電話で、お問い合わせをいただくため、念のため、お伝えいたします。

 当院の病児保育では、インフルエンザのお子さんも、お預かり可能です。
 
 他の風邪のお子様とは別の部屋を準備して、感染しあわないように配慮してのお預かりをいたします。




【8】クリニック隣り、みんなの子育てひろば“あすなろの木”のお知らせ



みんなの子育てひろば“あすなろの木”では、

テコンドー教室を毎週日曜日に開催しております。

日頃、子育てで忙しいお母さんでも

仕事でお子さんと接する機会の少ないお父さんでも

お子さんと一緒にテコンドーを習いながら、

お互いのコミュニケーションを図ることができます。

御興味のある方は、ご連絡ください。



講師:石田峰男(岡澤道場総括)

毎週日曜日 / 親子クラス AM9:30-10:30 /小学生クラス AM10:30-11:30 

連絡先 / あすなろの木事務局 03-5547-1191



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



木の部屋、空間でイベント開催しませんか?



あすなろの木では、大人1人300円、

こども無料で何時間でも遊べます。

もちろん1組から御利用できますが、

お友達のイベント(お誕生会・歓送迎会・お食事会)など

グループでの御利用も頂けます。



お母さんは、仲間同士、デリバリーでピザを頼んで、ビールやワインで乾杯!

お子さんは、お菓子を食べながらジュースで乾杯!

ティ―パーティとしても御利用頂けます。(土曜日・日曜日でも利用可能)

御利用お待ちしてしております。



利用:完全予約制

利用料:おとな300円 こども無料

連絡先:03-5547-1191 あすなろ事務局

※ お陰様で御利用頂く方が沢山おられます。

御利用希望の方はお早めに予約されることをお勧めいたします。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



『あすなろ倶楽部』無料体験会開催中!!



あすなろ倶楽部では、少人数制で、お子さんの発達に合った

いろいろな遊び、絵本紹介、しつけ方法などお話します。

また、参加されているお母さん同士の交流の

きっかけなどで御利用を頂いております。

只今、無料体験実施中!

お子さんと一緒に、勉強、遊びながら素敵なお友達をつくりましょう♡



講師:NPO法人あそび子育て研究協会 理事長 増田おさみ

毎週木曜日(月3回)費用:月5,000円

時間:①0~3才クラス 2:00 -3:00 ②3歳以上クラス 3:00 – 4:00

場所:みんなの子育てひろば『あすなろの木』(こども元気クリニック隣り)

連絡先:080-6905-6498(増田)



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★




以上です。


 インフルエンザは、ようやく落ち着きつつありますが、一部幼稚園・保育園では、まだポツンポツンと出ています。

 寒くなったり温かくなったり、急激な温度変化で体調を崩しやすい季節です。

 また、花粉症が猛威を振るったりします。
 春一番で、喘息の咳が出る子もおられます。

 どうか体調をくずされませんように。ご無理をなさらず、十分に休養をとって下さい。

 お大事に。


医療法人小坂成育会
こども元気クリニック・病児保育室
小坂和輝



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日影規制:建築確認処分取消判決:さいたま地裁H26.3.19原啓一郎裁判長

2014-03-20 18:01:04 | 街づくり
 日陰となることから、法が住民を守った判決。

 ある意味、大きな意義のある判決ではないだろうか。

 日影許容範囲を広げる算出式を用いた安易な中高層建物乱立に対し規制をかけている。



**************************
http://www.asahi.com/articles/ASG3M71KQG3MUTNB013.html

埼玉)「日陰の規制算出、法令に不適合」 処分取り消し

2014年3月20日03時00分



 さいたま市大宮区で建築中の中高層建物によって自宅に日陰ができるなどとして、周辺住民が国の指定確認検査機関を相手取り、建築確認処分の取り消しを求めた裁判の判決が19日、さいたま地裁であった。原啓一郎裁判長は「建築計画は建築基準関係の法令に適合せず、処分は違法」として、処分を取り消した。

 原告の周辺住民らは、建物により周囲にできる日陰の規制について、検査機関が採用した算定方法では、日陰の許容範囲が広がることになり、建築基準法などに照らして違法と主張。これに対し検査機関側は、これまで多くの政令指定都市で採用されてきた算定方式だとして反論していた。

 判決では、検査機関が採用した算出方式は、高い建物による周辺住民への影響を規制するという建築基準関係法令の趣旨からかけ離れていると指摘。この算出方式によって導かれた建築計画は法令に適合せず、処分は違法と指摘した。
コメント (1)
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