本日4/25から、3日間、小児科学の一番大きな学術集会であるところの『日本小児科学会学術集会』が東京で開催されている。
私も、診療の合間をぬって、参加している。
本日は、とても大切なシンポジウムの一つが開催された。
*****プログラムより*****
ミニシンポジウム1 『長期入院と在宅医療』
4 月25 日(金) 13:50~15:20 第4 会場
座長
谷澤隆邦 兵庫医科大学小児科
田中英高 大阪医科大学小児科
MS1-1 長期入院を余儀なくされる子ども達のアメニティ
細谷亮太 聖路加国際病院小児科
MS1-2 NICU から退院できない長期人工換気患者の現状
滝敦子 川口市立医療センター新生児集中治療科
MS1-3 小児在宅医療の現状
前田浩利 あおぞら診療所新松戸
MS1-4 医療的ケアの必要な児の在宅支援の現状(超重症児調査から)
杉本健郎 びわこ学園医療福祉センター
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気管切開、在宅人工呼吸、経管栄養などをしながら、重症な病気を抱えながら病院や在宅で過ごす子どもの患者と家族を支援する医療体制の整備に関する諸課題が討論された。
細谷先生は、長期入院患者の入院環境にたいせつな10項目を提示。
①本当に必要な時のみ入院
②24時間面会可能に
③親の居場所
④子どもへの病気の説明
⑤本人の治療への同意
⑥小児病棟であること
⑦あそび・学び・リラックスの場
⑧訓練された優秀なスタッフがいること
⑨ケアチームによる継続的なケア
(医療従事者、栄養士、教師、そしてケースワーカー&保育士&チャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS)&ホスピタル・プレイ・スペシャリスト(HPS)らによるケアチーム)
⑩プライバシー
続く三人の演者そして引き続きのシンポジウムでは、在宅医療関連で以下のような問題提起がなされた。
*資格のない人の医療行為、その場合の法的な部分での課題
*小児医療での訪問看護の充実
*緊急時の基幹病院の受け入れ体制
*在宅医療をしている子たちのショートステイやケアホームの施設整備
*特別支援学校が地域の在宅医療の子ども達の教育の拠点となること
*保険点数ではカバーできないスタッフの人件費の創出
*呼吸リハビリテーション
*24時間、365日をカバーできる在宅医療のためのクリニックの存在
*学校での看護師の配置
*医療体制充実のための政策医療
などなど 討議された。
日本の小児在宅医療を支える体制が、不十分であり、一部の小児科医らが孤軍奮闘して支えている現状がある。
小児在宅医療の充実に向けた環境整備がすすむように医療政策を進めていく必要性を強く感じている。
さて、日々の疑問の回答を一つでも見つけることが出来るよう、学術集会参加してきます。楽しみです。
これから、
イブニングミニシンポジウム3
『医師が出来る子どもの防煙教育と受動喫煙防止』 行ってきます!
4 月25 日(金) 18:00~19:30 第5 会場
座長 斎藤麗子 東京都町田保健所
EM3-1 合同委員会報告と子どもの周囲のタバコ環境
齋藤麗子 東京都町田保健所
EM3-2 校医による防煙教育と町の祭典の分煙化
―自治会の協力により成しえた未成年喫煙のキッカケの防止―
加藤一晴 加藤医院
EM3-3 小児科受診の親に対する禁煙医療
藤原芳人 医)ふじわら小児科
EM3-4 Health Promotion and Youth Smoking Cessation Policy in Korea
Eun Woo Nam
ProfessorHead of Healthy City Research Center Institute of Health
and Welfare, Yonsei University at Wonju, Korea