「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

鯉の季節

2008-04-30 18:07:32 | 子育て・子育ち
もうすぐ、子どもの日。
恒例の鯉さんたちが、クリニックにもたくさんやって来ました。
子ども達の笑顔が楽しみです。

鯉のぼりのシーズンまでは、例年カープも上り調子。
いつも、ここまでは、プロ野球が楽しく見れるのだけど。。。

クリニックは、ゴールデンウイーク中も、
毎日、急病対応致します!



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「人」の意識の活性化

2008-04-29 14:46:10 | シチズンシップ教育
JR東海会長 葛西敬之氏のコラム。(産経新聞2008/4/26)

***コラム冒頭より引用*****

 ここ10年余り、「戦後体制」の「制度疲労」やそれを改めるための「改革」が政策の課題にあげられなかったときはなかったといってよい。そして、すべてが期待はずれに終った。
 およそ「形」、すなわち組織や規定を変えれば自動的に「意識」の改革がもたらされ、結果として実体の「効率化」が実現すると本気で考える人は実務を達成した経験のない人だろう。実効的に「改革」を進めようとすれば、まず現実を直視し「人」の意識を活性化させなければならない。それが具体的な「行動」となって初めて「改革」の実績が上がる。組織や規定など「制度」の改変は達成された成果を「整える」ために最後に行われる。それがほとんどの場合の現実的手順である。
 その逆さまを行って失敗した典型が省庁の再編統合である。いくつかの省庁を形だけを合併し、大臣、事務次官、局長の数を形式的に削減してみせただけのものだった。しかし、大臣の代りに副大臣や政務官を増設し、事務次官の代りに審議官を増やしたりしたのだから、実質的には各省庁を肥大化させ非効率を増大させたに過ぎない。実施案作成の過程で各省庁は自省の勢力温存に奔走するばかりで本来の行政がおろそかになり、良いことは一つもなかった。
 最悪なのは、それが政府や与党の中に蔓延している「できるところから見える形で」やればよいという気風を映していることだ。つまり取り組んでいる姿を国民に見てもらい、評価してもらえさえすれば結果はどうでもよいという気風である。いわば究極の官僚主義であり、自分の任期はせいぜい2年だという現実が組み合わさると最悪の無責任体制が出来上がる。これまでの「改革」のほとんどは、この無責任体制の拙速な落とし子であった。
 問題の根源は「制度疲労」にあるのではなく、日本人の現実直視能力や責任感、つまり「自立意識」の劣化にあり、その原点に「戦後」という虚構がある。

****引用途中で終わり*****

 葛西氏の文章はその後以下のように続く。
 1945年までの62年間には、「第二次世界大戦後」に、植民地の独立があり、朝鮮戦争があり、米ソ冷戦があった。現日本人の70%以上が、「第二次世界大戦後」に生まれている。そのような状況下、日本での「戦後」は「第二次世界大戦後」を意味し、歴史は止まった如くに政治家、知識人、マスコミ人が論じていることを指摘。
 まずは、日本人の意識改革のために、「戦後」という用語を廃止して、「第二次大戦後」「米ソ冷戦後」という世界の常識に合わせた言い方に変えることを葛西氏は提案している。

 葛西氏は、われわれがはまりやすい落とし穴を指摘してくれている。
 「システム」をつくれば、すみやかに問題は解決すると信じて、システムを作ることに最大限の努力をするが、問題は一行に解決されなかったとう落とし穴。
 大切なのは、「人の意識」がどう変わっていくかにある。「人の意識」が問題解決に向け活性化されて初めて目標に到達できる。

 例えば、麻しんを日本からなくそうと小児科開業医有志が精力的に活動している。その意識の活性化が、ひとつには、厚労省、国立感染症センター等の担当者にも波及し、広報活動の全国展開が可能になったり、予防接種制度が充実して行く。もう一つには、国民ひとりひとりに麻しんを防ぐことの大切さが伝わり、予防接種を必ずうけるようになる。学校も生徒に麻しんの予防接種を受けることの大切さを啓蒙することとあいまって、確実に予防接種を実施する。その結果、麻しんをゼロにした日本にすることができるであろう。
 活性化した意識の広がりを、ゆっくりではあるが確実に私は感じるので、麻しんをゼロに必ずできると思っている。

 たばこの煙から子どもを守ること、事故死からこどもを守ること、これらも「意識の活性化」により到達できる話。
 ノーマライゼーションの社会の実現も結局は、「意識の活性化」が鍵。
 言い出すと、すべてに当てはまる。
 
 ゆめゆめ、「システム」ありき、「制度」ありきにならぬように、行動したいと思う。議会の議論でも注意して見ていきたい。
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明日4/30が締め切りです。地域自立支援協議会部会員募集

2008-04-29 10:50:46 | 医療
 以前も、お知らせしたかと思います。
 障がいのある方が、共に学び、働き、生活できる地域社会の環境整備を考える場、地域自立支援協議会の部会員募集の締め切りが明日4/30に迫りました。

以下は、区の募集案内のコピーです。
http://www.city.chuo.lg.jp/koho/200315/10_09/index.html

****区の募集案内****
 区では障害のある方の自立支援と、安心して暮らせる地域社会づくりを目指し平成19年3月に障害福祉計画を策定しました。
 この計画に基づき、地域の協力を得てこれからの障害者福祉を協議していく場として設置された地域自立支援協議会では、より深く実りのある話し合いを進めていくため、課題ごとに5つの部会を設けることとしましたので、部会員(無報酬のボランティア)を募集します。

【部会の種類】
・就労支援体制強化部会
・地域移行促進部会
・居住環境整備部会
・障害児サービス部会
・障害者サービス部会

【募集人員】
各部会ごとに4名

【応募資格】
区内在住・在勤者

【応募期間】
4月1日(火曜日)から30日(水曜日)

【任期】
第1回部会開催日(8月ごろ)から平成21年9月30日

【応募方法】
区役所4階障害者福祉課および日本橋・月島特別出張所に置いてある応募用紙に必要事項を記入し、障害者福祉課へ持参または郵送する。

◎応募は1人1部会に限ります。
◎各部会の内容・審査方法等、詳しくは応募用紙をご覧ください。


【応募(問合せ)先】
〒104-8404
中央区築地一丁目1番1号
地域自立支援協議会事務局
(障害者福祉課内)
電話 03-3546-5697
****コピー終わり****

 障がいのあるなしに関わらず、子どもから高齢者まで、誰もが参加できる社会を実現していくために、当事者だけでなく、幅広く皆で、社会にある障害(それは、システムであったり、建物・道路の構造物であったり、人々の認識不足や誤解であったりする、あらゆる障害)を取り除くために考えていければよいのではないかと考えています。
 我こそはと思われる方、是非、積極的にご参加下さい。
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佃中学校 初代校長先生

2008-04-28 23:00:00 | 教育
 本日4/28、佃中学校 初代校長先生 奥原千里氏とお話させていただく貴重な機会を得ました。
 20年前、何もかもが白紙の状態から、作り上げていったといいます。制服、スリッパ、文化祭、校歌から始まり、大切な学校の方針まで。
 ひとつひとつが歴史を刻んでいく、伝統を作っていくという気概で、教職員、生徒が一丸となっての学校づくりでした。
 私も、智辯学園和歌山中学・高等学校の中等部からの第二期生でした。中学生であった当時、学校の歴史を刻むという大きなことは実はあまり感じず、日々の中学生活を仲間達と楽しく過ごしていました。
 さて、佃中学校では、開校20周年事業が今年とりおこなわれます。20年という節目を超え、さらに発展していっていただきたいと、応援しております。
 奥原氏は、いまだに現役で、江戸川区で子ども達に科学教室(化学)を開かれているということでした。奥原氏の後輩等が、ここ中央区で子ども達の理系教育の充実を支援くださっています。
 教育が根付くのには、時間がかかりますが、しっかりと根付いきているのを感じることが出来た一夜でした。
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日本小児科学会に参加して

2008-04-27 23:00:00 | 小児医療
 金土日と、日本小児科学会学術集会が、有楽町の国際フォーラムで開催されました。プログラム同士が近接し、移動時間の余裕がなく、広くて迷路のように入り組んだ会場を小走りに移動しての参加でした。
 非常に有意義で、日頃の疑問への回答の糸口を掴んだ気がしています。
 小児科学会全体としては、「病気の子どもを診る」視点とともに、「健康な子どもを診る」視点が加わり、広がりが見られました。例えば、小児期のメタボリックシンドローム、乳幼児健診(五歳児健診も含め)、禁煙・防煙対策、麻しんゼロなどの話題です。
 また、各職種間の連携の大切さが言われるが、人的問題、それを支える財政基盤が課題としてあげられました。例えば、救急の現場からリハビリテーションの必要性、心理士の介入です。
 地域小児医療の課題としては、在宅医療の必要性が言われているものの24時間365日の医療提供という非常に難しい課題があります。小児救急医療では、私達も聖路加国際病院の場で行っていますが、拠点病院を決め、地域の開業医の小児科が出向いて初期救急体制を担う形に徐々に広がりを見せていました(大田区)。
 小児科医不足と絡んで、医学部5年6年生の早くから、小児科医療の現場を、医学部体験する場の取組みが取り上げられていました。
 中央区の保健医療行政・教育の現場へ、政策の上からも反映させていこうと考えています。
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4/26朝は、築地市場から、

2008-04-26 09:00:00 | 小児医療
4/26朝は、築地市場から始まった。
今日も、築地は、活気に満ちていた。
5月上旬には、国会も動きがあるかもしれない。

さて、診療終了後、午後からは、小児科学会。楽しみだ。

私の参加スケジュール。

EDS12 4 月26 日(土) 12:00~13:00 第5 会場
座長 浜崎雄平 佐賀大学小児科
小児の長引く咳―診断のコツ―
川崎一輝 国立成育医療センター呼吸器科


会頭講演
4 月26 日(土) 13:15~14:00 第1 会場
座長 吉岡章 奈良県立医科大学小児科
鉄と貧血
福永慶隆日本医科大学小児科


ミニシンポジウム3 思春期医療への対応
4 月26 日(土) 14:00~15:45 第4 会場
座長 児玉浩子 帝京大学医学部小児科
平岩幹男 office21kitatoda
MS3-1 思春期の行動の問題:不登校に小児科医はどうかかわるか
平岩幹男 office21kitatoda

MS3-2 思春期の性の問題:小児科医が知っておくべきこと
早乙女智子 神奈川県立汐見台病院産科

MS3-3 思春期の肥満の問題:メタボリックシンドロームを含めての対応
児玉浩子 帝京大学医学部小児科

MS3-4 思春期の気管支喘息をめぐって:喘息死の問題と適切な薬剤自己管理
土居悟 大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター小児科


総合シンポジウム3 21 世紀の育児支援としての乳幼児健診の在り方
4 月26 日(土) 16:00~18:00 第1 会場
座長 衞藤 東京大学大学院教育学研究科
保科清 日本小児科医会
GS3-1 現行の乳幼児健診システムの限界
田中義人 広島大学大学院保健学研究科

GS3-2 情報化社会における乳幼児健診のあり方
庄司順一 青山学院大学文学部

GS3-3 平成14 年版・母子健康手帳―その主な改訂内容と利用法―
川井尚 日本子ども家庭総合研究所・愛育相談所

GS3-4 「授乳・離乳の支援ガイド」策定の背景と今後の活用
堤ちはる 日本子ども家庭総合研究所母子保健研究部


第7回はしかゼロ小児科全国協議会
日時:平成20年4月26日(土)17時~19時
場所:東京国際フォーラム G602号室
会長:富樫武弘
開会17時
座長 薗部友良、及川馨
            演題
1.麻しんの検査診断-2007年石川県麻しん迅速把握事業の結果から-
   石川はしかゼロ作戦委員会
   中村英夫、渡部礼二、越田理恵、川島ひろ子

2.平成19年千葉市における全数把握サーベイランスの精度についての検討
   千葉市医師会  原木真名、太田文夫  

3.秋田県北部における地域内麻しん流行阻止対策について
 -学校保健法第12条適応による出校停止措置と緊急ワクチン接種効果の検討-
   秋田県大館市立総合病院  小児科 高橋義博

4.MR第3期・第4期に対する千葉県及び習志野市における取り組み
  習志野市小児科医会 ※中山義雄、赤松正根、斉藤裕康
          ※千葉県小児科医会公衆衛生担当

特別演題
「我が国の麻しん排除計画の概要および地域の医療機関に期待したいこと」
厚生労働省健康局結核感染症課  課長補佐 山田隆雄

追加演題予定:砂川富正(国立感染症研究所感染症情報センター)

質疑:
閉会19時


そして、翌日日曜日は、


総合シンポジウム4 小児救急医療の現状とその後の早期リハビリテーションの重要性
4 月27 日(日) 9:00~11:00 第1 会場
座長 市川光太郎 北九州市立八幡病院小児救急センター
栗原まな 神奈川県総合リハビリテーションセンター小児科

I.小児救急医療の現状における回復期治療を含めた問題点の検討
GS4-1 日本小児救急医学会評議員施設における後天性脳損傷児のリハビリ現状調査
市川光太郎 北九州市立八幡病院小児救急センター

GS4-2 当科における小児救急医療の現状と予後に関する問題点の検討
―後天性脳損傷を含めた小児神経疾患入院症例の現状と課題―
長村敏生 京都第二赤十字病院小児科

GS4-3 ICU 収容症例の現状分析と後天性脳損傷症例の検討
―症例数とその内訳,回復期治療の現状と課題点―
神薗淳司 北九州市立八幡病院小児救急センター

II.リハビリテーションの分野からみた小児救急医療の問題点
―早期リハビリテーションの重要性と救急医に求められる課題点―
GS4-4 小児救急医療におけるリハビリテーション医の役割
―大学病院における急性期,亜急性期の対応―
菊地尚久 公立大学法人横浜市立大学附属病院リハビリテーション科

GS4-5 小児救急疾患に対する早期リハビリテーションの現状と課題
―発達障害のリハビリテーションを専門とする病院から―
荒井洋 森之宮病院小児神経科

GS4-6 小児救急疾患に対する早期リハビリテーションの重要性:後天性障害のリハビリテーションを専
門とする病院から
栗原まな 神奈川県総合リハビリテーションセンター小児科

日本小児科学会賞受賞記念講演
4 月27 日(日) 11:15~12:10 第1 会場
座長 別所文雄 杏林大学医学部小児科
福山型先天性筋ジストロフィー
―その発見から現代的位置づけまで―
福山幸夫 東京女子医科大学

EDS23 4 月27 日(日) 12:15~13:15 第8 会場
座長 砂川慶介 北里大学北里生命科学研究所
上気道感染症はなぜ難治化したのか?
―細菌のしたたかな戦略と宿主の防御能の最前線―
保富宗城 和歌山県立医科大学耳鼻咽喉科学


総合シンポジウム5 診療・教育・研究をふまえた病診連携の現状と未来
―Diseasebased からHealthbased の小児科学へ―
4 月27 日(日) 13:30~16:00 第2 会場
座長 松平隆光 日本小児科医会
横田俊平 横浜市立大学大学院医学研究科発生成育小児医療学
GS5-1 小児の総合医療とは
―日本小児科医会「かかりつけ小児総合医検討委員会」の見解―
西牟田敏之 国立病院機構下志津病院

GS5-2 地区医師会と大学病院との診療と研修での連携
―大学病院での初期救急医療への参加と紹介患者の症例検討会―
神川晃 (社)蒲田医師会

GS5-3 大学病院の立場から見た教育・研究における病診連携
鈴木康之 岐阜大学医学部医学教育開発研究センター

GS5-4 小児科クリニックでの臨床実習
―小児科開業医が教育に参加できる喜びと達成感―
橋本剛太郎 はしもと小児科クリニック

GS5-5 軽度発達障害の早期診断と地域での支援
―小児科開業医と専門医の連携を目指して―
小枝達也 鳥取大学地域学部地域教育学科発達科学講座

以上。

これらが終った頃には、結構、頭が重く感じる。消化不良もありうる。
だけど、小児科学の進歩についていくために、頑張らねば。。。
そして、学んだことを、
中央区の保健医療行政、子ども達の健康教育、学校保健の充実へと反映させていきます。
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小児の在宅医療

2008-04-25 18:30:00 | 国政レベルでなすべきこと
本日4/25から、3日間、小児科学の一番大きな学術集会であるところの『日本小児科学会学術集会』が東京で開催されている。

私も、診療の合間をぬって、参加している。

本日は、とても大切なシンポジウムの一つが開催された。

*****プログラムより*****
ミニシンポジウム1 『長期入院と在宅医療』
4 月25 日(金) 13:50~15:20 第4 会場
座長
谷澤隆邦 兵庫医科大学小児科
田中英高 大阪医科大学小児科

MS1-1 長期入院を余儀なくされる子ども達のアメニティ
細谷亮太 聖路加国際病院小児科

MS1-2 NICU から退院できない長期人工換気患者の現状
滝敦子 川口市立医療センター新生児集中治療科

MS1-3 小児在宅医療の現状
前田浩利 あおぞら診療所新松戸

MS1-4 医療的ケアの必要な児の在宅支援の現状(超重症児調査から)
杉本健郎 びわこ学園医療福祉センター
**************************
 
 気管切開、在宅人工呼吸、経管栄養などをしながら、重症な病気を抱えながら病院や在宅で過ごす子どもの患者と家族を支援する医療体制の整備に関する諸課題が討論された。

 細谷先生は、長期入院患者の入院環境にたいせつな10項目を提示。
①本当に必要な時のみ入院
②24時間面会可能に
③親の居場所
④子どもへの病気の説明
⑤本人の治療への同意
⑥小児病棟であること
⑦あそび・学び・リラックスの場
⑧訓練された優秀なスタッフがいること
⑨ケアチームによる継続的なケア
(医療従事者、栄養士、教師、そしてケースワーカー&保育士&チャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS)&ホスピタル・プレイ・スペシャリスト(HPS)らによるケアチーム)
⑩プライバシー


続く三人の演者そして引き続きのシンポジウムでは、在宅医療関連で以下のような問題提起がなされた。

*資格のない人の医療行為、その場合の法的な部分での課題
*小児医療での訪問看護の充実
*緊急時の基幹病院の受け入れ体制
*在宅医療をしている子たちのショートステイやケアホームの施設整備
*特別支援学校が地域の在宅医療の子ども達の教育の拠点となること
*保険点数ではカバーできないスタッフの人件費の創出
*呼吸リハビリテーション
*24時間、365日をカバーできる在宅医療のためのクリニックの存在
*学校での看護師の配置
*医療体制充実のための政策医療
などなど 討議された。

 日本の小児在宅医療を支える体制が、不十分であり、一部の小児科医らが孤軍奮闘して支えている現状がある。
 小児在宅医療の充実に向けた環境整備がすすむように医療政策を進めていく必要性を強く感じている。

 
 さて、日々の疑問の回答を一つでも見つけることが出来るよう、学術集会参加してきます。楽しみです。
 これから、
イブニングミニシンポジウム3
『医師が出来る子どもの防煙教育と受動喫煙防止』 行ってきます!

4 月25 日(金) 18:00~19:30 第5 会場
座長 斎藤麗子 東京都町田保健所
EM3-1 合同委員会報告と子どもの周囲のタバコ環境
齋藤麗子 東京都町田保健所
EM3-2 校医による防煙教育と町の祭典の分煙化
―自治会の協力により成しえた未成年喫煙のキッカケの防止―
加藤一晴 加藤医院
EM3-3 小児科受診の親に対する禁煙医療
藤原芳人 医)ふじわら小児科
EM3-4 Health Promotion and Youth Smoking Cessation Policy in Korea
Eun Woo Nam  
ProfessorHead of Healthy City Research Center Institute of Health
and Welfare, Yonsei University at Wonju, Korea
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金哲彦氏を囲んで

2008-04-24 23:00:00 | 仲間・先生
 昨夜4/24、小雨の降る東京、八丁堀のお蕎麦屋さんで金哲彦氏を囲んで、ランナーが集った。
 三年前、八丁堀の早稲田大学エクステンションセンターで開催されたマラソンの講座の講師が金先生であった。

 金先生は、マラソン界では、知らない人はまずいない。箱根駅伝や、マラソン大会の、テレビ中継ではよく解説者をされている。
 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/kin_tetsuhiko/

 集った皆さんも、良く走られているので、その話を聞くと、自分もやらなきゃという気がわいてくる。
 年に3回は、フルマラソンに参加し、またいろいろな短い大会にも参加されている方、与論島のマラソンには、毎年参加されている方、東京マラソンに出た方、ボランティアとして参加した方などなど。
 ちなみに、金先生の講座で知り合った方に、一年前の区議選のポスターを作っていただいた。この講座での出会いがなければ、私の選挙ポスターは生まれなかった。

 昨日も、さまざまなマラソンにまつわるお話で、盛り上がった。
 ホノルルマラソンのランナーの時間計測用ICタグの不具合があり、2~3千人の計測不能者がでて、完走賞がすぐにもらえず、あとからおくられたというお話。そのICタグの開発の国際競争。東京マラソンの応募者15万人は、ギネスものというお話。東京マラソンのボランティアの舞台裏。長野マラソンの魅力。学校芝生化のこと。
 市民ランナーに優しい街としては、ドイツのスツットガルトがあるらしい。金先生が、走りやすかったという。中央区は、川があり、川沿いの土手は、私も好きなランニングコースである。よいところを見習って行きたい。金先生の東京事務所は、中央区の私が以前住んでいた同じ建物にあるというから驚き。今後もご指導をいただきたいと思うところ。
 話の中で、すごい楽しみな企画が生まれた。金先生の関わるランナーズ関連の雑誌で新しい企画が誕生したら、その企画の生みの場所は、このお蕎麦屋さんの一室でのこととご理解いただいていいと思う。いや~是非、実現してほしいなあ。。。

 メタボリックシンドロームの特定健診・特定指導を使って、日本の国民を健康に導くのはたやすい話でないが、走る環境の整備、市民ランナーの広がりにより、健康になっていくのは、大いに実現可能な話だと思っている。
 自分も走らなきゃ。まとめて走る時間つくれないから、自転車使って移動するのと、区役所等では階段をつかって体を動かそうとしているところ。今年度こそ、東京マラソン当たりたい。

 写真は、金氏をパワフルな女性ランナーたち。上手く撮れていると思ってたらぶれてた。。。

 
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「そんなの関係ねえ」で、すます風潮

2008-04-23 08:46:06 | 戦争と平和
東京新聞コラム内で、たいへん気がかりな発言を見つけました。
イラクでの空輸活動を違憲とした名古屋高裁の判決に関し、航空自衛隊トップの航空幕僚長の発言。

****以下、コラム引用****
東京新聞コラム 筆洗
2008年4月22日

 『森羅万象』転じて『半裸万笑』。住友生命保険が毎年公募している「創作四字熟語」の一つである。お笑いタレントの小島よしおさんら半裸の芸人が、人気者になっている世相を表している▼正月に東京都内で初詣でをした際、小島さんがテレビ番組の企画で登場する瞬間に出くわした。拳を振り下ろしながら「そんなの関係ねえ」を始めると、境内は興奮状態に陥った。参拝者も一緒に叫んでいる▼何かをちゃかして、ただ笑いたいだけなのかもしれないが、怖さも感じた。実生活でも叫びたい気分が、充満しているように感じたからである▼世の中では自分の思い通りにいかないことが多い。「そんなの関係ねえ」と宣言して突き進むなら、取りあえずは気分がよかろう。でも「問答無用」と相手との関係を絶つのと同じで、みんなが言い出したら社会は成り立たない▼この人の口から飛び出したのも笑えない。航空自衛隊トップの航空幕僚長である。イラクでの空輸活動を違憲とした名古屋高裁の判決に関し「そんなの関係ねえという状況だ」と発言したという。判決が現地で活動する隊員に与える影響を問われての答えだが、司法の判断を無視するかのようである▼はやりの言葉は時代の気分を映し出すと同時に、増幅させる装置になり得る。「そんなの関係ねえ」と、笑い飛ばすわけにはいかないときもある。

***引用終わり***

 賛否両論あってよい。だからこそ、議論するのである。それをお笑いじゃあるまいし、「そんなの関係ねえ」で、済ましてしまってよいものでしょうか?
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4/22 築地市場等街づくり対策特別委員会 開催

2008-04-22 22:44:22 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
4/22築地市場等街づくり対策特別委員会が開催されました。
委員である私は、以下の質問を致しました。
質問持ち時間33分。

【Ⅰ】西仲通り商店街4番街 勝どきより出口部分の開発
 西仲通り商店街4番街の出口(月島3丁目20-6と20-7、20-8)が、取り壊しや、西仲通りに面した酒屋、(もんじゃ屋をはさんで)布団屋が、閉店になっている。どのような開発が計画されているのか?
 とくに、アーケードと新たな建物との間に、空間を生じる形になるのか?是非ともアーケードに面した形で商店街の街並みを崩さぬように、計画を立てるように指導するべきである。

回答:地域住民と開発業者が、行政の声かけの下、勉強会を開催(2月)。どのような計画になるかは不明の段階。
 アーケードの連続性、商店街の町並みの連続性を守る開発を誘導していく。
小坂要望:アーケードの連続性、商店街の町並みの連続性を守れるように努力いただきたい。


【Ⅱ】まちづくり協議会(中央区住宅マスタープラン21ページ)
①まちづくり協議会の意義、重要性が、中央区住宅マスタープランでも述べられている。
住宅マスタープランより引用:「地域特性を生かしたまちづくりの整備構想や整備計画などについて、まちづくり協議会の活動を支援し、地域住民と意見交換を行います。なお、協議内容等について、地域住民へきめ細かな情報提供を行う方法を町会などと相談の上、工夫していきます。」
 まちづくり協議会の開催を広く広報すべきであると考えるが、とくに、区報なども用い広報すべきと考えるが、いかがか?

回答:町会を通じ、周知させていく。会場の広さの関係もあるが、区報による広報も検討。

②5月あたりに開催されるまちづくり協議会の開催はあるか?

回答:5月は予定がない。案件が出れば、開催する。

小坂要望:まちづくり協議会は大切な会議であり、ひろく広報していただきたい。区報による広報も検討いただきたい。私たち区議も、開催日程を、積極的に住民に知らせていくように努力する。


【Ⅲ】区都市計画審議会
①区都市計画審議会は、たいへん重要な会議である。話された内容の議事録を広く公開していくべきである。

回答:議事録の公開は行っている。

②ホームページ上でも、公開していくべきと考えるが、いかがか?

回答:細部をつかみきれていないので、調べてみる。

小坂要望:是非、ホームページ上でも、議事録を見れるようにしていただきたい。


【Ⅳ】築地市場の現在地再整備
①豊洲移転候補地は、現在、どこの所有になっているか?

回答:15%ほど東京都の土地になっているとか聞き置くが、正確な把握はしていない。調査をしていく。

小坂要望:是非、その調査結果を、教えていただきたい。あわせて、「東京都と東京ガスの豊洲移転候補地の土地売買にかかわる契約書」を提出いただきたい。資料要求いたします。

②「築地市場地区を核とした活気とにぎわいづくり」予算1300万円
 「築地市場地区を核とした活気とにぎわいづくり」予算1300万円計上の用途として、移転が強行された時に備え、「鮮魚マーケットの構想」を立てていくということでした。具体的に、どのように立てていくのか

回答:築地のまちづくり、勝どきのまちづくりのあり方を検討するのに使っていく。

小坂要望:具体的なところは、今後教えていただきたい。

③築地市場の移転に関しての情報発信
 築地市場の移転と豊洲の土壌汚染に関する説明するパンフを1000部作成し、「市場を考える会」の方が、築地市場場外の歩道で配布。1000部が30分も立たないうちに配布し終えた。
 市民は、情報を欲している。情報発信していく必要があると考えるが?

回答:区のホームページ上で、築地市場に関する情報は提供しているが、土壌汚染に関しては、中味を厚くしていく必要性を感じている。

小坂要望:是非、土壌汚染の状況についても、情報を発信していただきたい。

④豊洲の移転候補地の地震による液状化対策
 土壌汚染の調査は、専門家会議でされているが、専門家会議で指摘されているように液状化対策については、検討されていない。
 液状化対策が不十分であれば、やはり移転を許すわけにはいかないと考えるがいかがか?

回答:第4回の専門家会議の質疑応答で、「都は平成18年に液状化対策の調査を行っている」と出ている。

小坂要望:液状化対策が不十分であれば、十分になされることを強く都に要望して行っていただきたい。

⑤土壌汚染対策基本法の強化
 現在、国は「土壌汚染に関する政策のありかた懇談会」を昨年6月から開催し、平成20年3月31日に答申を出した。土壌汚染対策の規制を、市場や学校などの地域には、より厳しくしていく方向性は、その答申でも述べられている。この件をどうとらえているか?

回答:国の動向をみていく。

以上で、時間切れ。

****以下は、質問できず、今後個別に聞いていく予定****
 
*あさしお運河の歩道橋架橋
 歩道橋架橋の計画があるが、架ける前の歩道混雑状況と架けた後の混雑改善の予想をきちんと調査・評価して、計画を作っていただきたい。
 どのような調査計画を立てているのか?
 何パーセントの減を予測しているのか?

*コミュニティーバス
*日本橋上空高速道
*開発協力金要綱
*自転車専用道設置(江東区のケース)
*晴月橋の自転車道
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学術的な面からも築地市場の現在地での再整備の可能性を探って下さい。

2008-04-21 09:00:00 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
熊谷さん、ブログ上へのコメントありがとうございます。

***コメント(2008-04-19 12:38:36)引用***
築地市場現地再整備計画案について (熊谷 太郎)

はじめまして。私は現在神奈川大学建築学科室伏研究室に所属しています熊谷太郎と申します。

現在、築地移転問題について研究をしております。
小坂様のblogにある築地再開発計画を拝見させて頂きまして、区議会議員の方でもこういう人はいるんだなと非常に感動しました。
今後の研究の参考とさせて頂きたいので、より詳しく案を拝見させて頂きたいのですが、どこかでいただけるようなものなのでしょうか。

お忙しい中、恐縮ですがお教えいただければと存じます。
***引用終わり***

 私は、医学が専門であり、建築学の専門ではございません。ただ、建築の専門家の方々にお伺いして、築地市場の現在地での再整備計画の可能性を探っておる段階です。
 移転させて築地市場の跡地をなんらかの開発につかうよりも、現在地での再整備こそが、経済効率を増した開発が出来るのではないかと、考えています。
 もちろん、土壌汚染のある場所、そして起こりうる大震災時の液状化対策の施していない豊洲の地に、「築地ブランド」を犠牲にして築地市場を移転させることができないのは、当然の理ではありますが。
 
 熊谷さんにも是非、大学研究の学術的な観点から、分析を加えていただければと思います。期待しています。
 
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戦争は、なぜ起きるか? (Ⅱ)

2008-04-20 19:08:01 | 戦争と平和
戦争が起きる理由を記した手前上、もうひとつ大事な要因のことを書かねば、不十分であるので、書きおきます。

***引用***
一神教と多神教のちがいは、ただ単に、信ずる神の数にあるのではない。他者の神を認めるか認めないか、にある。そして、他者の神も認めるということは、他者の存在を認めるということである。ヌマ(ローマ建国後二代目の王)の時代から数えれば二千七百年は過ぎているのに、いまだにわれわれは一神教的な金縛りから自由になっていない。
『ローマ人の物語』塩野七生著、「ローマは一日にして成らず」(上)75ページ新潮社 より
***引用終わり***
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戦争は、なぜ起きるか? (Ⅰ)

2008-04-20 09:40:26 | 戦争と平和
戦争は、なぜ起きるか?

政治関連の勉強会で、重村智計氏(早稲田大学教授)が、述べられていた。

二つの要因があると。

一つは、「過度の恐怖」、もう一つは、「判断ミス」。

一つ目の「過度の恐怖」については、古代ギリシアの著述家トゥキディデスの著作『戦史』(History of the Peloponnesian War)において、ペロポネソス戦争の歴史が記されているが、アテネとスパルタの戦争が、「相手への過度の恐怖」で生じたと述べている。

二つ目の「判断ミス」。
例1:太平洋戦争開戦
 太平洋戦争開戦直前の日米交渉において、1941年(昭和16年)11月26日にアメリカ側から日本側に提示された交渉文書ハル・ノート(Hull note、正式にはOutline of proposed Basis for Agreement Between The United States and Japan、合衆国と日本の間の協定で提案された基礎の概要)。(日米交渉のアメリカ側の当事者であったコーデル・ハル国務長官の名前からこのように呼ばれている。)
http://www007.upp.so-net.ne.jp/togo/dic/data/hullnote.html
 このハル・ノートを、「最後通牒である」と“誤って解釈”し、日本は真珠湾攻撃をした。
 ただし、この件については、「事実上の最後通牒である」とする解釈もあり、説は分かれていることも事実。

例2:湾岸戦争
 湾岸戦争は、1990年8月2日にイラクがクウェートに侵攻したのを機に、アメリカ合衆国が中心となり、国際連合が多国籍軍(連合軍)の派遣を決定し、1991年1月17日にイラクを空爆で、始まった。
 イラク側フセインは、米が介入してこないと“誤った判断”のもと、クウェートへ侵攻した。

例3:イラク戦争
 イラク戦争は、2003年3月19日よりアメリカ合衆国が主体となり、イギリス、オーストラリアに、工兵部隊を派遣したポーランドなどが加わり、イラクに進攻して始まった。
 米国が、「イラクは大量破壊兵器の保有をしている」と“誤って判断”し、イラクに侵攻した。


 戦争に関わらず、歴史は、様々な解釈がある。ただ、今後の戦争を起こさぬように、『相手への過度の恐怖』と『誤った判断』が、戦争の引き金になりうることを十分理解しておくことは、大切であると、私は考える。

*各項目では、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』を参照し、記載。
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がんばれ、武藤!朝は、築地市場から

2008-04-19 09:17:14 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
今日4/19は、中央区が生んだカーレーサー 武藤英紀氏のインディジャパン300マイル レース決勝の日。(日本テレビ16:00~放送有り。)

彼のヘルメットデザインは、出身校豊海小学校の子ども達がデザインした。
子ども達は、地元を上手くとらえ、表現した。
マグロと築地市場をイメージした図柄。
日本一いや世界一の築地市場共に、是非、優勝フラッグをきってほしい。

地元から、栃木県茂木町「ツインリンクもてぎ」に、子ども達も中心に応援団も無事出発した。

今日の朝の築地市場、いつも通り活気に満ちていた。
築地市場を守っていこうという人の思い。
土壌汚染の場所になぜ、生鮮食品をあつかう市場を移さねばならないのか。
いままで、築き上げてきた「築地ブランド」は、地に落ちる。。。
どうか、思いが国会に通じてほしい。。。

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障がいのある方の就労支援への思い

2008-04-18 12:39:15 | 医療
昨日4/17の福祉保健委員会を経験して、思いに任せて、キーボードを打ってみました。

 私は、小さい頃、中学校教師の当時で言う特殊学級担当の母親を見ながら、育ちました。知的障がいのある子達が、母を訪ねて家に遊びに来た時、彼等といっしょに夏の日、虫を取りに行ったり、山を探検したのを思い出します。また、彼等の就職の世話や結婚の世話まで、母親が行ってきました。それは、学校の教師という枠以上に、時間や労力がかかることであったのではないかと思いますが、努力の結果、彼等が幸せになっていくことを、母親は喜びとして感じていたと、想像します。
 彼等と身近に過ごすことができた少年時代は、かけがえのない貴重な体験でした。私が現在、小児科医師として、また、障がいのある子達のことに関心を持ち、活動をしているのもその影響があるのだと思っています。
 また、小児科医師としてなりたての頃、一つの疑問がありました。染色体異常や重度心奇形などの非常に重い病気を抱えながら、障がいをもった子達が生まれてくる大学病院の医療の現場(東京女子医科大学循環器小児科学教室)で、私たち小児科医師は、必死になって、彼等に生きてもらえるように努力しました。(この表現は、医学を買いかぶりすぎかもしれません。彼等はその生命力を必死に使って生きただけであり、私達ができた治療による貢献は、ほんのわずかであったのかもしれません。)寝ずに、尿が一滴一滴、尿道カテーテルから落ちてくるのをじっと見つつ、循環の回復をまっている中で、「この子に果たして幸せな将来が待っているのだろうか。」という疑問が私には浮かんでくるのでした。忙しい小児集中治療の現場では、疑問は抱えるもののその解決なりまで考える余裕がなく、時間だけが過ぎていきました。
 今、小児科クリニックの開業医となり、子ども達の病気の背後にある家庭環境、生活環境、学校や社会まで目が届く現場を日々経験して感じていることは、先ほどの疑問に対して、「生きること自体がすばらしい。」という回答です。どんなに重い障がいをもっていたとしても、それに立ち向かって生きることはとてもすばらしい、それ自体がすばらしいことだと確信に近い程に思っています。
 ただし、理想を言ったところで、“生きにくい現実”は、確かにあります。それは、誰かできる人が、支援し協力し、解決していけば良いのだと思います。今、私は、“生きにくい現実”の中、障がいのある方の、ひとりひとりの障がいの程度、ひとりひとりの個性に合わせた就労支援の実現に取り組みたいと思っています。就労につくということは、社会の偏見、社会の障害など多くの問題のある中、とても難しいことだけれど、誰かがしなくてはならない、そして、実際、志のある多くの方々が取り組んでいるこの課題に、私も取り組んで行きたいと感じています。
 障がいのある方の親御さん達が、心配なことは、ご自身の老後よりもむしろ、子どもの将来のことだと、おっしゃいます。就労を実現し、障がいのある方の生きがい、障がいのある方の親御さんへの安心を、そしてすべての人に優しい社会の実現を目指して行きたいと考えています。
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