都民の意見を聴く会 公述意見書
小児科専門クリニックである医療法人小坂成育会こども元気クリニックです。
子ども達の健康を守る立場から、意見を述べさせていただきます。
まず、第1に、本論に入る大前提として、この『環境影響評価書案』は、「八重洲二丁目中地区再開発準備組合」名義で作成をされています。一民間の任意団体が作成をしたものであり、責任の所在は、理事長に帰属します。もし、将来、文書の内容において問題が生じた場合、その責任は、今後の再開発組合に引き継がれるとしても、責任の所在が不明確になる可能性もあり得ます。
このような重要な資料の作成においては、法定の「再開発組合」となってから、作成をすべきものであることをご指摘させていただきます。少なくとも、「環境影響評価書」となるものの作成名義は、「再開発組合」であることを求めます。
次に、本論に入ります。
第2、「八重洲二丁目中地区再開発第一種市街地再開発事業」、以下、「本事業」と述べさせていただきますが、街区を接して隣接する「八重洲二丁目北地区第一種市街地再開発事業」、以下、「北地区事業」と述べさせていただきますが、時期を同じくして、実施されていくこととなります。
であれば、本事業と北地区事業の環境影響の評価を、各事業個別で判断すると共に、「本事業と北地区事業を合わせたもの」を以下、「両事業」と呼びますが、両事業を合わせて一体としてみた場合の環境影響評価書も作成をすべきものと考えます。また、実際に、バスターミナルの運営においては、両街区を合わせて一体的に行っており、両事業合わせた環境影響評価書もまた、作成をする必要があると考えます。よろしく、ご検討をいただけますようにお願いいたします。
次に、各論に移ります。
第3、評価項目において、「温室効果ガス」についての検討が落ちています。これは、重大な欠陥です。高さ240m、延べ床面積約41.8haの巨大な再開発ゆえ、与える地球環境負荷も大きく、きちんと検討をすべきことを指摘します。
次に移ります。
北地区事業において城東小学校と昭和幼稚園が入ります。すると、工事の完了後の影響として、①大気汚染、②騒音・振動、③日影、④風環境において、子ども達が通う施設であるがゆえに、最大限の配慮をすべきと考えます。「中央区の教育環境に関する基本条例」の趣旨も鑑みながら以下、順次のべます。
第4、大気汚染について
二酸化窒素及び浮遊粒子状物質について、一日を平均して評価をしているが、通勤・通学・観光客などが活動する各時間帯における予測もいれて評価をすべきであり、それらが時間平均において、基準を上回るのであれば、本事業及び両事業の見直しをすべきであると考えます。
また、本事業では、あおぎり通りに面し、地下駐車場排気口が高さ10mに設置されます。地上面での測定で0.00005ppmの影響線が、城東小学校にかかっており、この影響は無視をすることができません。まず、城東小学校も、立体配置をするため、子ども達の活動する運動場や教室の窓が、高さ10mの排気口部分と近接をすることとなることより、地上面だけではなく、高さ10mの基準における二酸化窒素及び浮遊物質の予測結果を出すことを求めます。
また、上述のように、二酸化窒素などの影響ラインがたとえわずかでも、城東小学校にかかっていることが分かる以上、地下駐車場の排気口は、あおぎり通り面には許されず、配置計画を外堀通り面に変更するとともに、排気口における無害化処理などの対処を求めます。城東小学校の生徒は、窓も開けられなくなる事態を防ぐために、強く要望をいたします。
第5、騒音・振動について
騒音・振動の評価は、学校生活のうえでも、重要です。
しかし、環境影響評価書案において、「工事の施行中」のみの騒音・振動の評価となっており、「工事の完了後」がなされていません。両事業において、バスターミナルを設置する以上は、多量の観光バスの通過による影響を評価すべきであり、そのことを落としていることは、重大な環境影響評価書案の欠陥です。「工事の完了後」の騒音・振動の影響を入れた環境影響評価書案を再度作成することを求めます。少なくとも、「環境影響評価書」には、同評価を入れた状態になっていることを強く要望します。
併せて、「工事の施行中」において、すでに、通学路となる北地区事業に面した柳通りにおいて、騒音・振動、交通量の増加における影響が出ていることから、少なくとも北地区事業に面した柳通りの部分は、バスを通過させないものとすることの協定を、中央区、東京都と再開発組合などで結ぶことを求めます。
第6、風環境について
風害は、子ども達の通学路そして、東京都の玄関口でもあり、最大限の対策を取ることを求めます。
両事業を合わせた風害評価を入れることと、工事の完了後においても、継続的に風環境の実際の状態を計測評価及び対応をすることを求めます。
第7、日影について
日影は、子ども達の学び舎への影響として、最大限に配慮をすべきものです。
施行区域は、法令による基準として、日影の規制においては、最低3時間でも規制されることになっています。資料161頁の「計画建物による冬至日の等時間日影図」をみてわかる通り、城東小学校予定地の大部分に既に3時間の日影を、場所によっては、5時間以上の日影を、すでに本事業は出していることがわかります。
本事業は、建築基準法の日影規制に違反することが考えられることから、建物の配置計画の見直しを求めます。
以上、東京都の玄関口における事業であり東京都の模範となる事業を期待するとともに、中央区立城東小学校や幼稚園・保育園の子ども達の学ぶ環境にも最大限配慮することを求め述べさせていただきました。
よろしく、ご検討をいただけますようにお願い申し上げます。
以上
平成29年11月2日
東京都中央区月島3-30-3ベルウッドビル2F
医療法人小坂成育会 こども元気クリニック
理事長 小坂和輝
電話 03-5547-1191Fax 03-5547-1166メール kosakakazuki@gmail.com
小児科専門クリニックである医療法人小坂成育会こども元気クリニックです。
子ども達の健康を守る立場から、意見を述べさせていただきます。
まず、第1に、本論に入る大前提として、この『環境影響評価書案』は、「八重洲二丁目中地区再開発準備組合」名義で作成をされています。一民間の任意団体が作成をしたものであり、責任の所在は、理事長に帰属します。もし、将来、文書の内容において問題が生じた場合、その責任は、今後の再開発組合に引き継がれるとしても、責任の所在が不明確になる可能性もあり得ます。
このような重要な資料の作成においては、法定の「再開発組合」となってから、作成をすべきものであることをご指摘させていただきます。少なくとも、「環境影響評価書」となるものの作成名義は、「再開発組合」であることを求めます。
次に、本論に入ります。
第2、「八重洲二丁目中地区再開発第一種市街地再開発事業」、以下、「本事業」と述べさせていただきますが、街区を接して隣接する「八重洲二丁目北地区第一種市街地再開発事業」、以下、「北地区事業」と述べさせていただきますが、時期を同じくして、実施されていくこととなります。
であれば、本事業と北地区事業の環境影響の評価を、各事業個別で判断すると共に、「本事業と北地区事業を合わせたもの」を以下、「両事業」と呼びますが、両事業を合わせて一体としてみた場合の環境影響評価書も作成をすべきものと考えます。また、実際に、バスターミナルの運営においては、両街区を合わせて一体的に行っており、両事業合わせた環境影響評価書もまた、作成をする必要があると考えます。よろしく、ご検討をいただけますようにお願いいたします。
次に、各論に移ります。
第3、評価項目において、「温室効果ガス」についての検討が落ちています。これは、重大な欠陥です。高さ240m、延べ床面積約41.8haの巨大な再開発ゆえ、与える地球環境負荷も大きく、きちんと検討をすべきことを指摘します。
次に移ります。
北地区事業において城東小学校と昭和幼稚園が入ります。すると、工事の完了後の影響として、①大気汚染、②騒音・振動、③日影、④風環境において、子ども達が通う施設であるがゆえに、最大限の配慮をすべきと考えます。「中央区の教育環境に関する基本条例」の趣旨も鑑みながら以下、順次のべます。
第4、大気汚染について
二酸化窒素及び浮遊粒子状物質について、一日を平均して評価をしているが、通勤・通学・観光客などが活動する各時間帯における予測もいれて評価をすべきであり、それらが時間平均において、基準を上回るのであれば、本事業及び両事業の見直しをすべきであると考えます。
また、本事業では、あおぎり通りに面し、地下駐車場排気口が高さ10mに設置されます。地上面での測定で0.00005ppmの影響線が、城東小学校にかかっており、この影響は無視をすることができません。まず、城東小学校も、立体配置をするため、子ども達の活動する運動場や教室の窓が、高さ10mの排気口部分と近接をすることとなることより、地上面だけではなく、高さ10mの基準における二酸化窒素及び浮遊物質の予測結果を出すことを求めます。
また、上述のように、二酸化窒素などの影響ラインがたとえわずかでも、城東小学校にかかっていることが分かる以上、地下駐車場の排気口は、あおぎり通り面には許されず、配置計画を外堀通り面に変更するとともに、排気口における無害化処理などの対処を求めます。城東小学校の生徒は、窓も開けられなくなる事態を防ぐために、強く要望をいたします。
第5、騒音・振動について
騒音・振動の評価は、学校生活のうえでも、重要です。
しかし、環境影響評価書案において、「工事の施行中」のみの騒音・振動の評価となっており、「工事の完了後」がなされていません。両事業において、バスターミナルを設置する以上は、多量の観光バスの通過による影響を評価すべきであり、そのことを落としていることは、重大な環境影響評価書案の欠陥です。「工事の完了後」の騒音・振動の影響を入れた環境影響評価書案を再度作成することを求めます。少なくとも、「環境影響評価書」には、同評価を入れた状態になっていることを強く要望します。
併せて、「工事の施行中」において、すでに、通学路となる北地区事業に面した柳通りにおいて、騒音・振動、交通量の増加における影響が出ていることから、少なくとも北地区事業に面した柳通りの部分は、バスを通過させないものとすることの協定を、中央区、東京都と再開発組合などで結ぶことを求めます。
第6、風環境について
風害は、子ども達の通学路そして、東京都の玄関口でもあり、最大限の対策を取ることを求めます。
両事業を合わせた風害評価を入れることと、工事の完了後においても、継続的に風環境の実際の状態を計測評価及び対応をすることを求めます。
第7、日影について
日影は、子ども達の学び舎への影響として、最大限に配慮をすべきものです。
施行区域は、法令による基準として、日影の規制においては、最低3時間でも規制されることになっています。資料161頁の「計画建物による冬至日の等時間日影図」をみてわかる通り、城東小学校予定地の大部分に既に3時間の日影を、場所によっては、5時間以上の日影を、すでに本事業は出していることがわかります。
本事業は、建築基準法の日影規制に違反することが考えられることから、建物の配置計画の見直しを求めます。
以上、東京都の玄関口における事業であり東京都の模範となる事業を期待するとともに、中央区立城東小学校や幼稚園・保育園の子ども達の学ぶ環境にも最大限配慮することを求め述べさせていただきました。
よろしく、ご検討をいただけますようにお願い申し上げます。
以上
平成29年11月2日
東京都中央区月島3-30-3ベルウッドビル2F
医療法人小坂成育会 こども元気クリニック
理事長 小坂和輝
電話 03-5547-1191Fax 03-5547-1166メール kosakakazuki@gmail.com