「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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福島原発事故 想定できることを想定しなかった根本原因の一つ 組織の在り方

2012-09-30 23:00:00 | 地球環境問題
 想定できることを想定していなかったために福島原発事故が起きたと考えています。

 想定しなかったのはなぜか、その根本原因のひとつは、組織の在り方にあったのではないでしょうか。


「環境基本法」第2条と第-環境省を見てみます。(環境基本法の前身は、公害対策基本法:1967年8月3日公布、同日施行。1993年11月19日、環境基本法施行に伴い統合され廃止された。)


****環境基本法******
(定義)
第二条  この法律において「環境への負荷」とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
2  この法律において「地球環境保全」とは、人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。
3  この法律において「公害」とは、環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。第十六条第一項を除き、以下同じ。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。以下同じ。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。


(放射性物質による大気の汚染等の防止)
第十三条  放射性物質による大気の汚染、水質の汚濁及び土壌の汚染の防止のための措置については、原子力基本法(昭和三十年法律第百八十六号)その他の関係法律で定めるところによる。
****************


 環境概念から放射性物質がはずされ、放射性物質に関しては、原子力基本法のほうに入れられました。
 すなわち、通産省管轄になりました。

 原子力推進の省である通産省に、ブレーキの役割を果たすべき部門が入れられていたのですが、これでは、十分なブレーキの役割を果たせるとは、考えられません。
 当初から、放射性物質は、環境とは別物としてはずす思想が、官庁にとりいれられていたことが、今回の事故を想定しなかった根本原因にあると思います。


 それを反省しての、省庁編成がなされつつあるということですので、そちらに期待します。




****原子力基本法 全文*****

原子力基本法
(昭和三十年十二月十九日法律第百八十六号)


最終改正:平成二四年六月二七日法律第四七号


(最終改正までの未施行法令)
平成二十四年六月二十七日法律第四十七号 (未施行)

 


   第一章 総則


(目的)
第一条  この法律は、原子力の研究、開発及び利用を推進することによつて、将来におけるエネルギー資源を確保し、学術の進歩と産業の振興とを図り、もつて人類社会の福祉と国民生活の水準向上とに寄与することを目的とする。

(基本方針)
第二条  原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする。

(定義)
第三条  この法律において次に掲げる用語は、次の定義に従うものとする。
一  「原子力」とは、原子核変換の過程において原子核から放出されるすべての種類のエネルギーをいう。
二  「核燃料物質」とは、ウラン、トリウム等原子核分裂の過程において高エネルギーを放出する物質であつて、政令で定めるものをいう。
三  「核原料物質」とは、ウラン鉱、トリウム鉱その他核燃料物質の原料となる物質であつて、政令で定めるものをいう。
四  「原子炉」とは、核燃料物質を燃料として使用する装置をいう。ただし、政令で定めるものを除く。
五  「放射線」とは、電磁波又は粒子線のうち、直接又は間接に空気を電離する能力をもつもので、政令で定めるものをいう。
   

  第二章 原子力委員会及び原子力安全委員会


(設置)
第四条  原子力の研究、開発及び利用に関する国の施策を計画的に遂行し、原子力行政の民主的な運営を図るため、内閣府に原子力委員会及び原子力安全委員会を置く。

(任務)
第五条  原子力委員会は、原子力の研究、開発及び利用に関する事項(安全の確保のための規制の実施に関する事項を除く。)について企画し、審議し、及び決定する。
2  原子力安全委員会は、原子力の研究、開発及び利用に関する事項のうち、安全の確保に関する事項について企画し、審議し、及び決定する。

(組織、運営及び権限)
第六条  原子力委員会及び原子力安全委員会の組織、運営及び権限については、別に法律で定める。
   

  第三章 原子力の開発機関


(独立行政法人日本原子力研究開発機構)
第七条  原子力に関する基礎的研究及び応用の研究並びに核燃料サイクルを確立するための高速増殖炉及びこれに必要な核燃料物質の開発並びに核燃料物質の再処理等に関する技術の開発並びにこれらの成果の普及等は、第二条に規定する基本方針に基づき、独立行政法人日本原子力研究開発機構において行うものとする。
   

  第四章 原子力に関する鉱物の開発取得


(鉱業法の特例)
第八条  核原料物質に関する鉱業権又は租鉱権に関しては、別に法律をもつて、鉱業法(昭和二十五年法律第二百八十九号)の特例を定めるものとする。

(買取命令及び譲渡命令)
第九条  政府は、別に法律で定めるところにより、その指定する者に対し、核原料物質を買い取るべきことを命じ、又は核原料物質の生産者又は所有者若しくは管理者に対し、政府の指定する者に核原料物質を譲渡すべきことを命ずることができる。

(核原料物質の管理)
第十条  核原料物質の輸入、輸出、譲渡、譲受及び精錬は、別に法律で定めるところにより、政府の指定する者に限つてこれを行わしめるものとする。

(奨励金等)
第十一条  政府は、核原料物質の開発に寄与する者に対し、予算の範囲内において奨励金又は賞金を交付することができる。
  

  第五章 核燃料物質の管理


(核燃料物質に関する規制)
第十二条  核燃料物質を生産し、輸入し、輸出し、所有し、所持し、譲渡し、譲り受け、使用し、又は輸送しようとする者は、別に法律で定めるところにより政府の行う規制に従わなければならない。

(核燃料物質の譲渡命令)
第十三条  政府は、前条に規定する規制を行う場合において、別に法律で定めるところにより、核燃料物質を所有し、又は所持する者に対し、譲渡先及び価格を指示してこれを譲渡すべきことを命ずることができる。
   

  第六章 原子炉の管理


(原子炉の建設等の規制)
第十四条  原子炉を建設しようとする者は、別に法律で定めるところにより政府の行う規制に従わなければならない。これを改造し、又は移動しようとする者も、同様とする。

第十五条  原子炉を譲渡し、又は譲り受けようとする者は、別に法律で定めるところにより政府の行う規制に従わなければならない。

第十六条  前二条に規定する規制に従つて原子炉を建設し、改造し、移動し、又は譲り受けた者は、別に法律で定めるところにより、操作開始前に運転計画を定めて、政府の認可を受けなければならない。
   

  第七章 特許発明等に対する措置


(特許法による措置)
第十七条  政府は、原子力に関する特許発明につき、公益上必要があると認めるときは、特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第九十三条の規定により措置するものとする。

(譲渡制限)
第十八条  原子力に関する特許発明、技術等の国外流出に係る契約の締結は、別に法律で定めるところにより政府の行う規制に従わなければならない。

(奨励金等)
第十九条  政府は、原子力に関する特許出願に係る発明又は特許発明に関し、予算の範囲内において奨励金又は賞金を交付することができる。
  

  第八章 放射線による障害の防止


(放射線による障害の防止措置)
第二十条  放射線による障害を防止し、公共の安全を確保するため、放射性物質及び放射線発生装置に係る製造、販売、使用、測定等に対する規制その他保安及び保健上の措置に関しては、別に法律で定める。
  


  第九章 補償


(補償)
第二十一条  政府又は政府の指定する者は、この法律及びこの法律を施行する法律に基き、核原料物質の開発のためその権限を行う場合において、土地に関する権利、鉱業権又は租鉱権その他の権利に関し、権利者及び関係人に損失を与えた場合においては、それぞれ法律で定めるところにより、正当な補償を行わなければならない。

   附 則

 この法律は、昭和三十一年一月一日から施行する。


   附 則 (昭和四二年七月二〇日法律第七二号)

 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第七条の改正規定は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。


   附 則 (昭和五三年七月五日法律第八六号) 抄


(施行期日)
第一条  この法律は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に掲げる日から施行する。
一  第二条中原子力委員会設置法第十五条を第十二条とし同条の次に二章及び章名を加える改正規定のうち第二十二条(同条において準用する第五条第一項の規定中委員の任命について両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)の規定並びに次条第一項及び第三項の規定 公布の日
二  第一条の規定、第二条の規定(前号に掲げる同条中の規定を除く。)、第三条中核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第四条第二項の改正規定、同法第十四条第二項の改正規定、同法第二十三条に一項を加える改正規定及び同法第二十四条第二項の改正規定(「内閣総理大臣」を「主務大臣」に改める部分を除く。)並びに次条第二項、附則第五条から附則第七条まで及び附則第九条の規定 公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日
三  前二号に掲げる規定以外の規定 公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日

   附 則 (平成一〇年五月二〇日法律第六二号) 抄


(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第二条中動力炉・核燃料開発事業団法第三十一条及び第三十二条第三項を削る改正規定並びに附則第五条及び第六条の規定については、公布の日から施行する。

(核燃料サイクル開発機構への移行)
第二条  動力炉・核燃料開発事業団(以下「事業団」という。)は、この法律の施行の時において、核燃料サイクル開発機構(以下「機構」という。)となるものとする。

(持分の払戻し)
第三条  政府以外の出資者は、機構に対し、この法律の施行の日から起算して一月を経過した日までの間に限り、その持分の払戻しを請求することができる。
2  機構は、前項の規定による請求があったときは、この法律による改正後の核燃料サイクル開発機構法(以下「新法」という。)第七条第一項の規定にかかわらず、当該持分に係る出資額に相当する金額により払戻しをしなければならない。この場合において、機構は、その払戻しをした金額により資本金を減少するものとする。

(名称の使用制限に関する経過措置)
第四条  この法律の施行の際現に核燃料サイクル開発機構という名称を使用している者については、新法第九条の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。

(事業団の役員に関する経過措置)
第五条  この法律の施行の日の前日において事業団の役員である者の任期は、この法律による改正前の動力炉・核燃料開発事業団法第十四条第一項の規定にかかわらず、その日に満了する。

(基本方針に関する経過措置)
第六条  内閣総理大臣は、この法律の施行の日前において、原子力委員会の議決を経て新法第二十七条第一項の規定による基本方針を定めなければならない。
2  内閣総理大臣は、前項の規定により基本方針を定めようとするときは、あらかじめ、大蔵大臣及び通商産業大臣に協議しなければならない。ただし、通商産業大臣との協議は、新法第二十四条第一項第一号イ、ロ及びニに掲げる業務に係る事項に限られるものとする。

(罰則に関する経過措置)
第七条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

   附 則 (平成一一年七月一六日法律第一〇二号) 抄


(施行期日)
第一条  この法律は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一  第一条から第三条までの規定並びに次条及び附則第三十一条から第三十八条までの規定 内閣法の一部を改正する法律の施行前の日で別に法律で定める日
二  附則第十条第一項及び第五項、第十四条第三項、第二十三条、第二十八条並びに第三十条の規定 公布の日

(職員の身分引継ぎ)
第三条  この法律の施行の際現に従前の総理府、法務省、外務省、大蔵省、文部省、厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省、郵政省、労働省、建設省又は自治省(以下この条において「従前の府省」という。)の職員(国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条の審議会等の会長又は委員長及び委員、中央防災会議の委員、日本工業標準調査会の会長及び委員並びに これらに類する者として政令で定めるものを除く。)である者は、別に辞令を発せられない限り、同一の勤務条件をもって、この法律の施行後の内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省若しくは環境省(以下この条において「新府省」という。)又はこれに置かれる部局若しくは機関のうち、この法律の施行の際現に当該職員が属する従前の府省又はこれに置かれる部局若しくは機関の相当の新府省又はこれに置かれる部局若しくは機関として政令で定めるものの相当の職員となるものとする。

(別に定める経過措置)
第三十条  第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要となる経過措置は、別に法律で定める。

   附 則 (平成一六年一二月三日法律第一五五号) 抄


(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から施行する。ただし、附則第十条から第十二条まで、第十四条から第十七条まで、第十八条第一項及び第三項並びに第十九条から第三十二条までの規定は、平成十七年十月一日から施行する。

   附 則 (平成二四年六月二七日法律第四七号) 抄


(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。


 
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国と地方公共団体の役割分担を法律は、如何に規定しているか。憲法92-95条、地方自治法1条の2

2012-09-29 23:00:00 | 地方分権改革
 法律は、国と地方の役割をどのように規定しているのか。

 地方自治法第1の2において、

地方公共団体:住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする。

国:
○国際社会における国家としての存立にかかわる事務、

○全国的に統一して定めることが望ましい国民の諸活動若しくは地方自治に関する基本的な準則に関する事務

○全国的な規模で若しくは全国的な視点に立つて行わなければならない施策及び事業の実施

その他の国が本来果たすべき役割を重点的に担う。

○住民に身近な行政はできる限り地方公共団体にゆだねることを基本として、
地方公共団体との間で適切に役割を分担するとともに、
地方公共団体に関する制度の策定及び施策の実施に当たつて、
地方公共団体の自主性及び自立性が十分に発揮されるようにしなければならない。




****憲法*****
第八章 地方自治


第九十二条  地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。

第九十三条  地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。
○2  地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。

第九十四条  地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。

第九十五条  一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。




*****地方自治法*****
 第一編 総則

第一条  この法律は、地方自治の本旨に基いて、地方公共団体の区分並びに地方公共団体の組織及び運営に関する事項の大綱を定め、併せて国と地方公共団体との間の基本的関係を確立することにより、地方公共団体における民主的にして能率的な行政の確保を図るとともに、地方公共団体の健全な発達を保障することを目的とする。

第一条の二  地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする。
○2  国は、前項の規定の趣旨を達成するため、国においては国際社会における国家としての存立にかかわる事務、全国的に統一して定めることが望ましい国民の諸活動若しくは地方自治に関する基本的な準則に関する事務又は全国的な規模で若しくは全国的な視点に立つて行わなければならない施策及び事業の実施その他の国が本来果たすべき役割を重点的に担い、住民に身近な行政はできる限り地方公共団体にゆだねることを基本として、地方公共団体との間で適切に役割を分担するとともに、地方公共団体に関する制度の策定及び施策の実施に当たつて、地方公共団体の自主性及び自立性が十分に発揮されるようにしなければならない。
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地方議会の役割 その幅の広さについて、地方自治法96条

2012-09-28 23:00:00 | シチズンシップ教育
 地方議会と国会の役割の違いは何か。

 地方自治法の先生の質問でした。

 てっきり、法律を作る違いと条例を作る違いが頭に上りましたが、
 もっと、根本的な違いがありました。


 以下、地方自治法96条1項、
 1号条例制定、2号予算、3号決算
 ここまでが国会の場合の仕事と同じです。

 地方議会では、それ以外に、4号以下、様々な仕事があります。


*****地方自治法96条******


第九十六条  普通地方公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない。

一  条例を設け又は改廃すること。
二  予算を定めること。
三  決算を認定すること。

四  法律又はこれに基づく政令に規定するものを除くほか、地方税の賦課徴収又は分担金、使用料、加入金若しくは手数料の徴収に関すること。

五  その種類及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める契約を締結すること。

六  条例で定める場合を除くほか、財産を交換し、出資の目的とし、若しくは支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し、若しくは貸し付けること。

七  不動産を信託すること。

八  前二号に定めるものを除くほか、その種類及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める財産の取得又は処分をすること。

九  負担付きの寄附又は贈与を受けること。

十  法律若しくはこれに基づく政令又は条例に特別の定めがある場合を除くほか、権利を放棄すること。

十一  条例で定める重要な公の施設につき条例で定める長期かつ独占的な利用をさせること。

十二  普通地方公共団体がその当事者である審査請求その他の不服申立て、訴えの提起(普通地方公共団体の行政庁の処分又は裁決(行政事件訴訟法第三条第二項に規定する処分又は同条第三項に規定する裁決をいう。以下この号、第百五条の二、第百九十二条及び第百九十九条の三第三項において同じ。)に係る同法第十一条第一項(同法第三十八条第一項(同法第四十三条第二項において準用する場合を含む。)又は同法第四十三条第一項において準用する場合を含む。)の規定による普通地方公共団体を被告とする訴訟(以下この号、第百五条の二、第百九十二条及び第百九十九条の三第三項において「普通地方公共団体を被告とする訴訟」という。)に係るものを除く。)、和解(普通地方公共団体の行政庁の処分又は裁決に係る普通地方公共団体を被告とする訴訟に係るものを除く。)、あつせん、調停及び仲裁に関すること。

十三  法律上その義務に属する損害賠償の額を定めること。

十四  普通地方公共団体の区域内の公共的団体等の活動の総合調整に関すること。

十五  その他法律又はこれに基づく政令(これらに基づく条例を含む。)により議会の権限に属する事項

○2  前項に定めるものを除くほか、普通地方公共団体は、条例で普通地方公共団体に関する事件(法定受託事務に係るものにあつては、国の安全に関することその他の事由により議会の議決すべきものとすることが適当でないものとして政令で定めるものを除く。)につき議会の議決すべきものを定めることができる。
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市町村の境界をめぐり争いがある場合の解決法 最高裁S61.5.29

2012-09-27 23:00:00 | 地方分権改革
 市町村の境界をめぐり争いがある場合の解決法を、以下、最高裁(S61.5.29)が判事しています。

 たかが、市町村の境界と思われますが、重要な地域を含むことができるかどうか、面積がひろがるかどうかは、税収や交付金算定に大きく影響をあたえるため、市町村にとっては、重大事項で、争いが解決せず、長期間にわたっている場合もあります。

 最高裁の判事では、


1)まず、江戸時代における関係町村の当該係争地域に対する支配・管理・利用等の状況を調べ、そのおおよその区分線を知り得る場合には、これを基準として境界を確定すべきものと解するのが相当である。

2)そして、右の区分線を知り得ない場合には、当該係争地域の歴史的沿革に加え、明治以降における関係町村の行政権行使の実状、国又は都道府県の行政機関の管轄、住民の社会・経済生活上の便益、地勢上の特性等の自然的条件、地積などを考慮の上、最も衡平妥当な線を見いだしてこれを境界と定めるのが相当である。






******以下、最高裁判決 全文*******
最高裁ホームページ

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319121104883968.pdf

  主   文

 本件上告を棄却する。
 上告費用は上告人の負担とする。

       理   由

 上告代理人岡部行男、同吉永順作、同復代理人志村桂資の上告理由について
 明治一一年七月二二日太政官布告第一七号郡区町村編制法は、一条において「地方ヲ画シテ府県ノ下郡区町村トス」と規定し、町村を行政区画の一つとして位置付けたが、個々具体的な町村につきこれを新たに創設するということはせずに、二条において「郡町村ノ区域名称ハ総テ旧ニ依ル」と規定し、江戸時代から存続した町村の区域名称を承継した。そして、郡区町村編制法に続く明治二一年法律第一号町村制は三条本文で「凡町村ハ従来ノ区域ヲ存シテ之ヲ変更セス」と規定し、さらに明治四四年法律第六九号町村制は一条で「町村ハ従来ノ区域ニ依ル」と規定し、現行の地方自治法も五条一項で「普通地方公共団体の区域は、従来の区域による。」と規定し、それぞれ、町村の区域については従来のそれを引き継ぐこととしている。几たがつて、今日における町村の区域は、結局のところ、江戸時代のそれによるということになる。なお、以上の各法令は、一定の場合に町村を廃置分合し又は町村の境界を変更若しくは確定する手続を定めており、これらの措置がとられた場合には、それに伴い定まつた区域によることはいうまでもない。そうすると、町村の境界を確定するに当たつては、当該境界につきこれを変更又は確定する右の法定の措置が既にとられていない限り、まず、江戸時代における関係町村の当該係争地域に対する支配・管理・利用等の状況を調べ、そのおおよその区分線を知り得る場合には、これを基準として境界を確定すべきものと解するのが相当である。そして、右の区分線を知り得ない場合には、当該係争地域の歴史的沿革に加え、明治以降における関係町村の行政権行使の実状、国又は都道府県の行政機関の管轄、住民の社会・経済生活上の便益、地勢上の特性等の自然的条件、地積などを考慮の上、最も衡平妥当な線を見いだしてこれを境界と定めるのが相当である。
 これを本件についてみるに、原審の確定した事実関係は、おおむね次のとおりである。
1 上告人と被上告人とは、筑波山頂付近において境界を接している。上告人は茨城県真壁郡内にあり、被上告人は同県筑波郡内にあり、上告人と被上告人との筑波山頂付近における境界(以下「本件境界」という。)は、真壁郡と筑波郡との境界でもある。そして、真壁郡及び筑波郡の区域名称は、江戸時代のそれを承継したものであり、明治以降において、両都の筑波山頂付近における境界、したがつて本件境界につき、これを変更又は確定すべき前記の法定の措置はとられていない。
2 筑波山の山頂は西峰の男体山、東峰の女体山の二峰に分かれているところ、補助参加人の前身の筑波山神社は、古来これら二峰を二柱の神として祀り、男体山頂に男神の本社、女体山頂に女神の本社を置き、筑波山頂付近に多数の摂社及び末社を配していたが、江戸時代においては、その別当寺である知足院(後に護持院と改号)の管理下にあつた。そして、知足院(護持院)が江戸時代にその寺領として領知権を有していた境内地は、筑波郡に属し、かつ、筑波山の南側山腹から北側山腹にまたがつていた。右境内地は、筑波山の北側山腹において、原判決末尾添付図面の(イ)点の三方境、(ロ)点のお迎石、(ハ)点の石重ねに及んでいたが、(イ)点の三方境は、筑波郡、真壁郡及び新治郡の接点をなし、筑波郡と真壁郡との境界の東端、したがつて本件境界の東端に当たる。そして、(イ)点と(ロ)点及び(ロ)点と(ハ)点の各間にぼ境界を示すような物は存しない。また、右図面の(ニ)、(ホ)、(ヘ)及び(ト)の各点にはいずれも巨大な自然石が存し、(ハ)、(ニ)、(ホ)、(ヘ)及び(ト)の各点の脇には男体山に向う尾根道が通じているが、右の尾根道は右の境内地の中か、少なくともその縁辺に位置する。右図面の(ホ)点が上告人と被上告人との境界上にあること及び同点より両側の境界については、両者の間に争いがない。
 原審の以上の事実認定は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。そうすると、筑波山のうち原判決末尾添付図面の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)、(ヘ)及び(ト)の各点を順次直線で連結した線より山上の地域は、江戸時代においておおむね筑波郡に属する知足院(護持院)の境内地としてその支配管理下にあり、それが明治以降も筑波郡の区域として承継されたものというべきであり、そして、明治以降本件境界を変更又は確定すべき前記の法定の措置はとられていないのであるから、原審の確定した右事実関係の下においては、本件境界は右図面の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)、(ヘ)、(ト)及び(チ)点の各点を順次直線で連結した線であることを確定するとした原審の判断は、正当として是認することができる。論旨は、ひつきょう、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するものにすぎず、いずれも採用することができない。
 よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 谷口正孝 裁判官 角田禮次郎 裁判官 高島益郎 裁判官 大内恒夫)
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地方制度調査会 『道州制のあり方に関する答申』H18.2.28、道州制ビジョン懇談会中間報告H20.3.24

2012-09-26 17:54:10 | 国政レベルでなすべきこと

 地方自治法 第一回講義でのテーマのひとつが、道州制。

 その参考資料のひとつが、以下、ページでした。

 H18.2.28 総務省 地方制度調査会 『道州制のあり方に関する答申』の骨子
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/dousyusei/


中間報告(重要!な報告だと思います。)
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/doushuu/080324honbun.pdf


 

道州制ビジョン懇談会 中間報告 関連 H20.3.24
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/doushuu/kondan_index.html

http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/doushuu/pdf/h22feb/iken.pdf

 

道州制ビジョン懇談会の開催について

 

平成19年1月26日
内閣官房副長官補決裁
平成19年2月23日
一部改正
平成19年7月2日
一部改正
平成20年4月30日
一部改正
平成20年7月10日
一部改正

 

趣旨
 
   市町村合併の進展など社会経済情勢の変化により道州制の導入の検討が重要な課題になっていることを踏まえ、道州制の導入に関する基本的事項を議論し、「道州制ビジョン」の策定に資するため、特命担当大臣(道州制担当)の下に「道州制ビジョン懇談会」(以下、「懇談会」という。)を開催する。
 
検討内容
 
   道州制の導入に関する基本的事項
 
道州制の導入により実現される地域社会、経済社会等の姿
道州制の下における新しい国・地方の政府像など
 
構成員等
 
 
(1) 別紙のとおりとする。
(2) 懇談会では、その必要に応じ、関係者の出席を求め、意見を聴取することができる。
 
庶務
 
   懇談会の庶務は、関係省庁の協力を得て、内閣官房において処理する。

 



別紙

道州制ビジョン懇談会メンバー

(五十音順・敬称略)

 

  石井 正弘 (岡山県知事、全国知事会道州制特別委員会委員長)
  岩崎 美紀子 (筑波大学大学院教授)
(座長) 江口 克彦 (PHP総合研究所代表取締役社長)
  金子 仁洋 (評論家)
  鎌田 司 (共同通信社編集委員兼論説委員)
  草野 満代 (フリーキャスター)
  河内山 哲朗 (山口県柳井市長 全国市長会副会長)
  堺屋 太一 (作家・エコノミスト)
  末延 吉正 (立命館大学客員教授)
  高橋 はるみ (北海道知事)
  中村 邦夫 (松下電器産業代表取締役会長)
  長谷川 幸洋 (東京新聞・中日新聞論説委員)
  宮島 香澄 (日本テレビ報道局記者)
計 13名 



道州制協議会の開催について

 

平成19年1月26日
内閣官房副長官補決裁
平成19年7月2日
一部改正
平成20年4月30日
一部改正
平成20年7月10日
一部改正
趣旨  道州制についての国民的論議の喚起のため、特命担当大臣(道州制担当)の下に全国の各ブロックの経済界の方々を構成員とする道州制協議会(以下、「協議会」という。)を開催する。2構成員等 
(1) 別紙のとおりとする。(2)協議会では、その必要に応じ、関係者の出席を求め、意見を聴取することができる。
 3庶務  協議会の庶務は、関係省庁の協力を得て、内閣官房において処理する。

 



別紙

道州制協議会メンバー
(敬称略)

 

1 北海道
  近藤 龍夫 (北海道経済連合会会長)
2 東 北
  佐々木 恭之助(東北経済連合会副会長)  丸森 仲吾(宮城県商工会議所連合会会長)
3 北 陸
  犬島 伸一郎(北陸経済連合会副会長)
4 中 部
  川口 文夫  (中部経済連合会会長)
5 関 西
  村上 仁志(関西経済連合会地方分権委員会委員長)  篠 由紀子(都市生活研究所代表取締役社長)
6 中 国
  福田 督(中国経済連合会会長)
7 四 国
  山下 直家(四国経済連合会副会長)
8 九州・沖縄
  芦塚日出美(九州経済同友会副代表幹事)  太田 守明(沖縄経済同友会副代表幹事)計 11名

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築地市場移転候補地豊洲 汚染土壌コアサンプル廃棄差止請求訴訟 上告へ

2012-09-25 23:00:00 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
 築地市場移転候補地豊洲6丁目、東京ガス工場跡地は、日本最大規模の広さと程度の土壌汚染があり、生鮮食料品を扱う市場の建設地とする政策は誤っています。

 その移転候補地における土壌汚染対策も、土壌汚染対策法に則らずになされる状況であり、なんとかせねばなりません。
 
 土壌汚染対策法に則らないというのは、その対策の大前提とする不透水層が「ない」ものを「ある」として対策を進めている点にあります。
 不透水層があるゆえに、汚染は、不透水層には広がらないとしていましたが、広範囲に汚染が不透水層に広がっている事実が、最近明らかになり、東京都自身が、そのホームページ(下記)で掲載をしています。
 

 汚染状況を証明するひとつの証拠が、土壌汚染調査で得られた土壌汚染試錐コア(コアサンプル)です。
 例えば、その調査当時、不透水層をきちんと把握していたのか、検証の大切な材料です。

 これを東京都は、廃棄しようとしており、その差止めを求め、裁判がなされてきました。


 一審判決 東京地方裁判所 平成23年12月22日

 控訴審判決 東京高等裁判所 平成24年9月25日

 いずれも、棄却されましたが、判決文では、豊洲新市場予定地の土壌汚染が深刻であることと、現在、築地市場で営業をしている仲卸業者に対しても都は安全配慮義務があることを、裁判所が認めるところとなっています。

 コアサンプル破棄の権利侵害行為により、生命、身体、健康等重要な権利が危機にさらされる蓋然性が明らかである以上、引き続き、人格権及び安全配慮義務に基づいて、コアサンプル破棄差止めを求めていきます。


 
 土壌汚染の地を、再利用可能にすることは、大切なことです。
 しかし、学校や病院と同じように生産食料品をあつかう市場などもまた、つくってはなりません。

*****東京都中央卸売市場ホームページより******
http://www.shijou.metro.tokyo.jp/press/24/9_13_1.html

豊洲新市場土壌汚染対策工事における
底面管理調査結果等の公表について(その2)


平成24年9月13日
東京都中央卸売市場

 豊洲新市場用地における土壌汚染対策工事では、このたび、底面管理調査(一部)、汚染状態にあるものとみなされている区域の調査(一部)、盛土の安全性確認調査(一部)などの各調査結果について、請負者よりデータを受領し、工事用ホームページ上で公表しましたので、お知らせいたします。  



1 底面管理調査(一部)
 ○調査の概要:不透水層付近まで操業由来の汚染物質が達している区画において、不透水層以
        下について、深さ方向で2m(2深度)続けて汚染がないことを確認(以下
        「2深度確認」という。)するための調査
 ○調査結果 :今回調査を行った292地点のうち、
        ・ベンゼン113地点、シアン化合物37地点、鉛(溶出)1地点、六価クロム
         1地点、鉛(含有)17地点について、2深度確認を完了した。
        ・ガス工場操業に由来する汚染として、ベンゼン68地点及びシアン化合物16地
         点で環境基準超過を確認した。このうち、ベンゼン5地点で環境基準の100
         倍を超える濃度を検出し、最大濃度は環境基準の1,000倍であった。いずれ
         の地点においても汚染のある深度は確定しており、確実に掘削除去する。
        ・ヒ素については、141地点中139地点で、不透水層内で環境基準超過を確認し
         たが、調査結果から、自然由来と判断した。
 ○今後の対応:引き続き調査を実施し、ガス工場操業に由来する汚染が確認された場合は、
        確実に除去する。
        
2 帯水層底面調査(一部)
 ○調査の概要:ベンゼンについて、地表から深さ10m以内に帯水層の底面が存在する場合、そ
        の底面の土壌について行う調査。平成22年4月に施行された改正土壌汚染対策
        法に規定された。        
 ○調査結果 :今回調査を行った156地点のうち、66地点でベンゼンの汚染を確認した。な
        お、これら66地点については、底面管理調査により2深度確認を完了した。       
 ○今後の対応:引き続き調査を行い、帯水層底面で汚染が確認された場合は、底面管理調査を
        行い、2深度確認を実施する。
        
3 汚染状態にあるものとみなされている区域の調査(一部) 
 ○調査の概要:過去に東京ガスが行った調査で汚染が確認されているA.P.+2m以下の深度
        で、汚染状態にあるものとみなされている周辺区画の汚染の有無を確認する
        調査        
 ○調査結果 :今回458地点(1,002検体)で調査を行い、ガス工場操業に由来する汚染として、
        シアン化合物16地点(28検体)、ヒ素(溶出)50地点(63検体)、鉛(含有)28
        地点(28検体)を確認した。
        また、ヒ素(溶出)157地点(421検体)及び鉛(溶出)5地点(5検体)で
        環境基準の10倍以下の汚染を検出した。      
 ○今後の対応:引き続き調査を行い、ガス工場操業に由来する汚染が確認された場合は確実に
        除去する。
        なお、環境基準の10倍以下のヒ素(溶出)、鉛(溶出)はガス工場操業に由来
        する汚染ではないと考えられると専門家から見解※をいただいているため、対
        策は行わない。
        ※ 特定有害物質の過去の調査による判断や分布特性等の観点から検討を行った
         うえでの、専門家の判断
        
4 盛土の安全性確認調査(一部)
 ○調査の概要:技術会議の提言に基づき、ガス工場操業地盤の上の全盛土について、市場用地
        の特殊性を考慮し、念のため安全性を確認するための調査。100m3毎に25物質
        (土壌汚染対策法で指定された特定有害物質)について行う。        
 ○調査結果 :今回 216地点(2,483検体)について調査を行い、15地点(15検体:0.6%)
        で環境基準超過を確認した。
        環境基準超過物質は、ヒ素(溶出)13地点(13検体)、鉛(含有)1地点(1
        検体)、ふっ素1地点(1検体)で、いずれも環境基準の2倍以下であった。        
 ○今後の対応:引き続き調査を行い、汚染が確認された場合は、適切に処理する。
        
5 旧管理用通路の調査
 ○調査の概要:6街区の旧東京ガス工場用地に隣接する旧護岸の管理用通路部については、新
        市場用地となることから安全・安心に万全を期すため、専門家会議で定めた調
        査と同様の調査を行う。       
 ○調査結果 :62地点において調査を行い、土壌ではシアン化合物2地点、ヒ素8地点(うち
        7地点は自然由来と判断)で、地下水ではベンゼン1地点、シアン化合物14地
        点、ヒ素1地点で環境基準超過を確認した。       
 ○今後の対応:確認した汚染土壌(自然由来のヒ素を除く)及び汚染地下水については、確実
        に除去・浄化を行う。
        
6 新海面処分場等へ搬出するために実施する、搬出先の「受入基準」に基づく化学性状試験結
 果を受けた対策(調査)(一部)
 ○調査の概要:新海面処分場等へ搬出するために実施する、搬出先の「受入基準」に基づく化
        学性状試験の結果(平成24年3月2日に公表済)を踏まえ、次の調査を実施。
        (1)受入基準を超過したものについて、A.P.+2m以深への操業由来の汚染の
           可能性を確認するための調査
        (2)受入基準以下であるが、環境基準の値を超過したものについて、土壌汚
           染対策法に規定されている分析方法による調査      
 ○調査結果 :(1)について
          ガス工場操業に由来する特定有害物質(以下「ガス工場操業由来の物質」
         という。)について、受入基準の超過を確認した鉛(溶出)6箇所及び環境
         基準の値を超過した鉛(含有)3箇所において、A.P.+2mの深度で調査を行
         い、全て受入基準内であることを確認した。
        (2)について
          ガス工場操業由来の物質(ベンゼン、シアン化合物、水銀)及びPCBにつ
         いて、同じ試料を土壌汚染対策法に規定される分析方法でベンゼン1検体、
         シアン化合物1検体、水銀6検体、PCB 2検体の分析を行い、全て環境基準
         以下であることを確認した。
          これらのことから、A.P.+2m以深への操業由来の汚染の可能性はないこと
         を確認した。       
 ○今後の対応:A.P.+2m以深への操業由来の汚染の可能性の確認が完了していない箇所につい
        て、引き続き調査を実施する。                 


  これらの調査結果等の詳細については、豊洲新市場土壌汚染対策工事ホームページ(http://www.toyosusinsijyo-kouji.jp/)をご参照ください。



問い合わせ先



東京都中央卸売市場 新市場整備部 施設整備課

電話:03-3547-7047
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土壌汚染対策法(平成十四年五月二十九日法律第五十三号)を読む(1)

2012-09-25 16:27:05 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
 いま一度、土壌汚染対策法を全文読みます。

 長文ゆえ、ブログは、二つに分かれています。

*********************************

土壌汚染対策法
(平成十四年五月二十九日法律第五十三号)


最終改正:平成二三年六月二四日法律第七四号


 第一章 総則(第一条・第二条)
 第二章 土壌汚染状況調査(第三条―第五条)
 第三章 区域の指定等
  第一節 要措置区域(第六条―第十条)
  第二節 形質変更時要届出区域(第十一条―第十三条)
  第三節 雑則(第十四条・第十五条)
 第四章 汚染土壌の搬出等に関する規制
  第一節 汚染土壌の搬出時の措置(第十六条―第二十一条)
  第二節 汚染土壌処理業(第二十二条―第二十八条)
 第五章 指定調査機関(第二十九条―第四十三条)
 第六章 指定支援法人(第四十四条―第五十三条)
 第七章 雑則(第五十四条―第六十四条)
 第八章 罰則(第六十五条―第六十九条)
 附則

   第一章 総則


(目的)
第一条  この法律は、土壌の特定有害物質による汚染の状況の把握に関する措置及びその汚染による人の健康に係る被害の防止に関する措置を定めること等により、土壌汚染対策の実施を図り、もって国民の健康を保護することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律において「特定有害物質」とは、鉛、砒素、トリクロロエチレンその他の物質(放射性物質を除く。)であって、それが土壌に含まれることに起因して人の健康に係る被害を生ずるおそれがあるものとして政令で定めるものをいう。
2  この法律において「土壌汚染状況調査」とは、次条第一項、第四条第二項及び第五条の土壌の特定有害物質による汚染の状況の調査をいう。
  


 第二章 土壌汚染状況調査


(使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る工場又は事業場の敷地であった土地の調査)
第三条  使用が廃止された有害物質使用特定施設(水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第二条第二項に規定する特定施設(次項において単に「特定施設」という。)であって、同条第二項第一号に規定する物質(特定有害物質であるものに限る。)をその施設において製造し、使用し、又は処理するものをいう。以下同じ。)に係る工場又は事業場の敷地であった土地の所有者、管理者又は占有者(以下「所有者等」という。)であって、当該有害物質使用特定施設を設置していたもの又は次項の規定により都道府県知事から通知を受けたものは、環境省令で定めるところにより、当該土地の土壌の特定有害物質による汚染の状況について、環境大臣が指定する者に環境省令で定める方法により調査させて、その結果を都道府県知事に報告しなければならない。ただし、環境省令で定めるところにより、当該土地について予定されている利用の方法からみて土壌の特定有害物質による汚染により人の健康に係る被害が生ずるおそれがない旨の都道府県知事の確認を受けたときは、この限りでない。
2  都道府県知事は、水質汚濁防止法第十条の規定による特定施設(有害物質使用特定施設であるものに限る。)の使用の廃止の届出を受けた場合その他有害物質使用特定施設の使用が廃止されたことを知った場合において、当該有害物質使用特定施設を設置していた者以外に当該土地の所有者等があるときは、環境省令で定めるところにより、当該土地の所有者等に対し、当該有害物質使用特定施設の使用が廃止された旨その他の環境省令で定める事項を通知するものとする。
3  都道府県知事は、第一項に規定する者が同項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたときは、政令で定めるところにより、その者に対し、その報告を行い、又はその報告の内容を是正すべきことを命ずることができる。
4  第一項ただし書の確認を受けた者は、当該確認に係る土地の利用の方法の変更をしようとするときは、環境省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
5  都道府県知事は、前項の届出を受けた場合において、当該変更後の土地の利用の方法からみて土壌の特定有害物質による汚染により人の健康に係る被害が生ずるおそれがないと認められないときは、当該確認を取り消すものとする。

(土壌汚染のおそれがある土地の形質の変更が行われる場合の調査)
第四条  土地の掘削その他の土地の形質の変更(以下「土地の形質の変更」という。)であって、その対象となる土地の面積が環境省令で定める規模以上のものをしようとする者は、当該土地の形質の変更に着手する日の三十日前までに、環境省令で定めるところにより、当該土地の形質の変更の場所及び着手予定日その他環境省令で定める事項を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、次に掲げる行為については、この限りでない。
一  軽易な行為その他の行為であって、環境省令で定めるもの
二  非常災害のために必要な応急措置として行う行為
2  都道府県知事は、前項の規定による土地の形質の変更の届出を受けた場合において、当該土地が特定有害物質によって汚染されているおそれがあるものとして環境省令で定める基準に該当すると認めるときは、環境省令で定めるところにより、当該土地の土壌の特定有害物質による汚染の状況について、当該土地の所有者等に対し、前条第一項の環境大臣が指定する者(以下「指定調査機関」という。)に同項の環境省令で定める方法により調査させて、その結果を報告すべきことを命ずることができる。

(土壌汚染による健康被害が生ずるおそれがある土地の調査)
第五条  都道府県知事は、第三条第一項本文及び前条第二項に規定するもののほか、土壌の特定有害物質による汚染により人の健康に係る被害が生ずるおそれがあるものとして政令で定める基準に該当する土地があると認めるときは、政令で定めるところにより、当該土地の土壌の特定有害物質による汚染の状況について、当該土地の所有者等に対し、指定調査機関に第三条第一項の環境省令で定める方法により調査させて、その結果を報告すべきことを命ずることができる。
2  都道府県知事は、前項の土壌の特定有害物質による汚染の状況の調査及びその結果の報告(以下この項において「調査等」という。)を命じようとする場合において、過失がなくて当該調査等を命ずべき者を確知することができず、かつ、これを放置することが著しく公益に反すると認められるときは、その者の負担において、当該調査を自ら行うことができる。この場合において、相当の期限を定めて、当該調査等をすべき旨及びその期限までに当該調査等をしないときは、当該調査を自ら行う旨を、あらかじめ、公告しなければならない。
  

 第三章 区域の指定等

    第一節 要措置区域


(要措置区域の指定等)
第六条  都道府県知事は、土地が次の各号のいずれにも該当すると認める場合には、当該土地の区域を、その土地が特定有害物質によって汚染されており、当該汚染による人の健康に係る被害を防止するため当該汚染の除去、当該汚染の拡散の防止その他の措置(以下「汚染の除去等の措置」という。)を講ずることが必要な区域として指定するものとする。
一  土壌汚染状況調査の結果、当該土地の土壌の特定有害物質による汚染状態が環境省令で定める基準に適合しないこと。
二  土壌の特定有害物質による汚染により、人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあるものとして政令で定める基準に該当すること。
2  都道府県知事は、前項の指定をするときは、環境省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。
3  第一項の指定は、前項の公示によってその効力を生ずる。
4  都道府県知事は、汚染の除去等の措置により、第一項の指定に係る区域(以下「要措置区域」という。)の全部又は一部について同項の指定の事由がなくなったと認めるときは、当該要措置区域の全部又は一部について同項の指定を解除するものとする。
5  第二項及び第三項の規定は、前項の解除について準用する。

(汚染の除去等の措置)
第七条  都道府県知事は、前条第一項の指定をしたときは、環境省令で定めるところにより、当該汚染による人の健康に係る被害を防止するため必要な限度において、要措置区域内の土地の所有者等に対し、相当の期限を定めて、当該要措置区域内において汚染の除去等の措置を講ずべきことを指示するものとする。ただし、当該土地の所有者等以外の者の行為によって当該土地の土壌の特定有害物質による汚染が生じたことが明らかな場合であって、その行為をした者(相続、合併又は分割によりその地位を承継した者を含む。以下この項及び次条において同じ。)に汚染の除去等の措置を講じさせることが相当であると認められ、かつ、これを講じさせることについて当該土地の所有者等に異議がないときは、環境省令で定めるところにより、その行為をした者に対し、指示するものとする。
2  都道府県知事は、前項の規定による指示をするときは、当該要措置区域において講ずべき汚染の除去等の措置及びその理由その他環境省令で定める事項を示さなければならない。
3  第一項の規定により都道府県知事から指示を受けた者は、同項の期限までに、前項の規定により示された汚染の除去等の措置(以下「指示措置」という。)又はこれと同等以上の効果を有すると認められる汚染の除去等の措置として環境省令で定めるもの(以下「指示措置等」という。)を講じなければならない。
4  都道府県知事は、前項に規定する者が指示措置等を講じていないと認めるときは、環境省令で定めるところにより、その者に対し、当該指示措置等を講ずべきことを命ずることができる。
5  都道府県知事は、第一項の規定により指示をしようとする場合において、過失がなくて当該指示を受けるべき者を確知することができず、かつ、これを放置することが著しく公益に反すると認められるときは、その者の負担において、指示措置を自ら講ずることができる。この場合において、相当の期限を定めて、指示措置等を講ずべき旨及びその期限までに当該指示措置等を講じないときは、当該指示措置を自ら講ずる旨を、あらかじめ、公告しなければならない。
6  前三項の規定によって講ずべき指示措置等に関する技術的基準は、環境省令で定める。

(汚染の除去等の措置に要した費用の請求)
第八条  前条第一項本文の規定により都道府県知事から指示を受けた土地の所有者等は、当該土地において指示措置等を講じた場合において、当該土地の土壌の特定有害物質による汚染が当該土地の所有者等以外の者の行為によるものであるときは、その行為をした者に対し、当該指示措置等に要した費用について、指示措置に要する費用の額の限度において、請求することができる。ただし、その行為をした者が既に当該指示措置等に要する費用を負担し、又は負担したものとみなされるときは、この限りでない。
2  前項に規定する請求権は、当該指示措置等を講じ、かつ、その行為をした者を知った時から三年間行わないときは、時効によって消滅する。当該指示措置等を講じた時から二十年を経過したときも、同様とする。

(要措置区域内における土地の形質の変更の禁止)
第九条  要措置区域内においては、何人も、土地の形質の変更をしてはならない。ただし、次に掲げる行為については、この限りでない。
一  第七条第一項の規定により都道府県知事から指示を受けた者が指示措置等として行う行為
二  通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であって、環境省令で定めるもの
三  非常災害のために必要な応急措置として行う行為

(適用除外)
第十条  第四条第一項の規定は、第七条第一項の規定により都道府県知事から指示を受けた者が指示措置等として行う行為については、適用しない。
    

第二節 形質変更時要届出区域


(形質変更時要届出区域の指定等)
第十一条  都道府県知事は、土地が第六条第一項第一号に該当し、同項第二号に該当しないと認める場合には、当該土地の区域を、その土地が特定有害物質によって汚染されており、当該土地の形質の変更をしようとするときの届出をしなければならない区域として指定するものとする。
2  都道府県知事は、土壌の特定有害物質による汚染の除去により、前項の指定に係る区域(以下「形質変更時要届出区域」という。)の全部又は一部について同項の指定の事由がなくなったと認めるときは、当該形質変更時要届出区域の全部又は一部について同項の指定を解除するものとする。
3  第六条第二項及び第三項の規定は、第一項の指定及び前項の解除について準用する。
4  形質変更時要届出区域の全部又は一部について、第六条第一項の規定による指定がされた場合においては、当該形質変更時要届出区域の全部又は一部について第一項の指定が解除されたものとする。この場合において、同条第二項の規定による指定の公示をしたときは、前項において準用する同条第二項の規定による解除の公示をしたものとみなす。

(形質変更時要届出区域内における土地の形質の変更の届出及び計画変更命令)
第十二条  形質変更時要届出区域内において土地の形質の変更をしようとする者は、当該土地の形質の変更に着手する日の十四日前までに、環境省令で定めるところにより、当該土地の形質の変更の種類、場所、施行方法及び着手予定日その他環境省令で定める事項を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、次に掲げる行為については、この限りでない。
一  通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であって、環境省令で定めるもの
二  形質変更時要届出区域が指定された際既に着手していた行為
三  非常災害のために必要な応急措置として行う行為
2  形質変更時要届出区域が指定された際当該形質変更時要届出区域内において既に土地の形質の変更に着手している者は、その指定の日から起算して十四日以内に、環境省令で定めるところにより、都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
3  形質変更時要届出区域内において非常災害のために必要な応急措置として土地の形質の変更をした者は、当該土地の形質の変更をした日から起算して十四日以内に、環境省令で定めるところにより、都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
4  都道府県知事は、第一項の届出を受けた場合において、その届出に係る土地の形質の変更の施行方法が環境省令で定める基準に適合しないと認めるときは、その届出を受けた日から十四日以内に限り、その届出をした者に対し、その届出に係る土地の形質の変更の施行方法に関する計画の変更を命ずることができる。

(適用除外)
第十三条  第四条第一項の規定は、形質変更時要届出区域内における土地の形質の変更については、適用しない。
  

  第三節 雑則


(指定の申請)
第十四条  土地の所有者等は、第三条第一項本文、第四条第二項及び第五条第一項の規定の適用を受けない土地の土壌の特定有害物質による汚染の状況について調査した結果、当該土地の土壌の特定有害物質による汚染状態が第六条第一項第一号の環境省令で定める基準に適合しないと思料するときは、環境省令で定めるところにより、都道府県知事に対し、当該土地の区域について同項又は第十一条第一項の規定による指定をすることを申請することができる。この場合において、当該土地に当該申請に係る所有者等以外の所有者等がいるときは、あらかじめ、その全員の合意を得なければならない。
2  前項の申請をする者は、環境省令で定めるところにより、同項の申請に係る土地の土壌の特定有害物質による汚染の状況の調査(以下この条において「申請に係る調査」という。)の方法及び結果その他環境省令で定める事項を記載した申請書に、環境省令で定める書類を添付して、これを都道府県知事に提出しなければならない。
3  都道府県知事は、第一項の申請があった場合において、申請に係る調査が公正に、かつ、第三条第一項の環境省令で定める方法により行われたものであると認めるときは、当該申請に係る土地の区域について、第六条第一項又は第十一条第一項の規定による指定をすることができる。この場合において、当該申請に係る調査は、土壌汚染状況調査とみなす。
4  都道府県知事は、第一項の申請があった場合において、必要があると認めるときは、当該申請をした者に対し、申請に係る調査に関し報告若しくは資料の提出を求め、又はその職員に、当該申請に係る土地に立ち入り、当該申請に係る調査の実施状況を検査させることができる。

(台帳)
第十五条  都道府県知事は、要措置区域の台帳及び形質変更時要届出区域の台帳(以下この条において「台帳」という。)を調製し、これを保管しなければならない。
2  台帳の記載事項その他その調製及び保管に関し必要な事項は、環境省令で定める。
3  都道府県知事は、台帳の閲覧を求められたときは、正当な理由がなければ、これを拒むことができない。
  

 第四章 汚染土壌の搬出等に関する規制

    第一節 汚染土壌の搬出時の措置


(汚染土壌の搬出時の届出及び計画変更命令)
第十六条  要措置区域又は形質変更時要届出区域(以下「要措置区域等」という。)内の土地の土壌(指定調査機関が環境省令で定める方法により調査した結果、特定有害物質による汚染状態が第六条第一項第一号の環境省令で定める基準に適合すると都道府県知事が認めたものを除く。以下「汚染土壌」という。)を当該要措置区域等外へ搬出しようとする者(その委託を受けて当該汚染土壌の運搬のみを行おうとする者を除く。)は、当該汚染土壌の搬出に着手する日の十四日前までに、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、非常災害のために必要な応急措置として当該搬出を行う場合及び汚染土壌を試験研究の用に供するために当該搬出を行う場合は、この限りでない。
一  当該汚染土壌の特定有害物質による汚染状態
二  当該汚染土壌の体積
三  当該汚染土壌の運搬の方法
四  当該汚染土壌を運搬する者及び当該汚染土壌を処理する者の氏名又は名称
五  当該汚染土壌を処理する施設の所在地
六  当該汚染土壌の搬出の着手予定日
七  その他環境省令で定める事項
2  前項の規定による届出をした者は、その届出に係る事項を変更しようとするときは、その届出に係る行為に着手する日の十四日前までに、環境省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
3  非常災害のために必要な応急措置として汚染土壌を当該要措置区域等外へ搬出した者は、当該汚染土壌を搬出した日から起算して十四日以内に、環境省令で定めるところにより、都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
4  都道府県知事は、第一項又は第二項の届出があった場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その届出を受けた日から十四日以内に限り、その届出をした者に対し、当該各号に定める措置を講ずべきことを命ずることができる。
一  運搬の方法が次条の環境省令で定める汚染土壌の運搬に関する基準に違反している場合 当該汚染土壌の運搬の方法を変更すること。
二  第十八条第一項の規定に違反して当該汚染土壌の処理を第二十二条第一項の許可を受けた者(以下「汚染土壌処理業者」という。)に委託しない場合 当該汚染土壌の処理を汚染土壌処理業者に委託すること。

(運搬に関する基準)
第十七条  要措置区域等外において汚染土壌を運搬する者は、環境省令で定める汚染土壌の運搬に関する基準に従い、当該汚染土壌を運搬しなければならない。ただし、非常災害のために必要な応急措置として当該運搬を行う場合は、この限りでない。

(汚染土壌の処理の委託)
第十八条  汚染土壌を当該要措置区域等外へ搬出する者(その委託を受けて当該汚染土壌の運搬のみを行う者を除く。)は、当該汚染土壌の処理を汚染土壌処理業者に委託しなければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一  汚染土壌を当該要措置区域等外へ搬出する者が汚染土壌処理業者であって当該汚染土壌を自ら処理する場合
二  非常災害のために必要な応急措置として当該搬出を行う場合
三  汚染土壌を試験研究の用に供するために当該搬出を行う場合
2  前項本文の規定は、非常災害のために必要な応急措置として汚染土壌を当該要措置区域等外へ搬出した者について準用する。ただし、当該搬出をした者が汚染土壌処理業者であって当該汚染土壌を自ら処理する場合は、この限りでない。

(措置命令)
第十九条  都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当する場合において、汚染土壌の特定有害物質による汚染の拡散の防止のため必要があると認めるときは、当該各号に定める者に対し、相当の期限を定めて、当該汚染土壌の適正な運搬及び処理のための措置その他必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
一  第十七条の規定に違反して当該汚染土壌を運搬した場合 当該運搬を行った者
二  前条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して当該汚染土壌の処理を汚染土壌処理業者に委託しなかった場合 当該汚染土壌を当該要措置区域等外へ搬出した者(その委託を受けて当該汚染土壌の運搬のみを行った者を除く。)

(管理票)
第二十条  汚染土壌を当該要措置区域等外へ搬出する者は、その汚染土壌の運搬又は処理を他人に委託する場合には、環境省令で定めるところにより、当該委託に係る汚染土壌の引渡しと同時に当該汚染土壌の運搬を受託した者(当該委託が汚染土壌の処理のみに係るものである場合にあっては、その処理を受託した者)に対し、当該委託に係る汚染土壌の特定有害物質による汚染状態及び体積、運搬又は処理を受託した者の氏名又は名称その他環境省令で定める事項を記載した管理票を交付しなければならない。ただし、非常災害のために必要な応急措置として当該搬出を行う場合及び汚染土壌を試験研究の用に供するために当該搬出を行う場合は、この限りでない。
2  前項本文の規定は、非常災害のために必要な応急措置として汚染土壌を当該要措置区域等外へ搬出した者について準用する。
3  汚染土壌の運搬を受託した者(以下「運搬受託者」という。)は、当該運搬を終了したときは、第一項(前項において準用する場合を含む。以下この項及び次項において同じ。)の規定により交付された管理票に環境省令で定める事項を記載し、環境省令で定める期間内に、第一項の規定により管理票を交付した者(以下この条において「管理票交付者」という。)に当該管理票の写しを送付しなければならない。この場合において、当該汚染土壌について処理を委託された者があるときは、当該処理を委託された者に管理票を回付しなければならない。
4  汚染土壌の処理を受託した者(以下「処理受託者」という。)は、当該処理を終了したときは、第一項の規定により交付された管理票又は前項後段の規定により回付された管理票に環境省令で定める事項を記載し、環境省令で定める期間内に、当該処理を委託した管理票交付者に当該管理票の写しを送付しなければならない。この場合において、当該管理票が同項後段の規定により回付されたものであるときは、当該回付をした者にも当該管理票の写しを送付しなければならない。
5  管理票交付者は、前二項の規定による管理票の写しの送付を受けたときは、当該運搬又は処理が終了したことを当該管理票の写しにより確認し、かつ、当該管理票の写しを当該送付を受けた日から環境省令で定める期間保存しなければならない。
6  管理票交付者は、環境省令で定める期間内に、第三項又は第四項の規定による管理票の写しの送付を受けないとき、又はこれらの規定に規定する事項が記載されていない管理票の写し若しくは虚偽の記載のある管理票の写しの送付を受けたときは、速やかに当該委託に係る汚染土壌の運搬又は処理の状況を把握し、その結果を都道府県知事に届け出なければならない。
7  運搬受託者は、第三項前段の規定により管理票の写しを送付したとき(同項後段の規定により管理票を回付したときを除く。)は当該管理票を当該送付の日から、第四項後段の規定による管理票の写しの送付を受けたときは当該管理票の写しを当該送付を受けた日から、それぞれ環境省令で定める期間保存しなければならない。
8  処理受託者は、第四項前段の規定により管理票の写しを送付したときは、当該管理票を当該送付の日から環境省令で定める期間保存しなければならない。

(虚偽の管理票の交付等の禁止)
第二十一条  何人も、汚染土壌の運搬を受託していないにもかかわらず、前条第三項に規定する事項について虚偽の記載をして管理票を交付してはならない。
2  何人も、汚染土壌の処理を受託していないにもかかわらず、前条第四項に規定する事項について虚偽の記載をして管理票を交付してはならない。
3  運搬受託者又は処理受託者は、受託した汚染土壌の運搬又は処理を終了していないにもかかわらず、前条第三項又は第四項の送付をしてはならない。
  

  第二節 汚染土壌処理業


(汚染土壌処理業)
第二十二条  汚染土壌の処理(当該要措置区域等内における処理を除く。)を業として行おうとする者は、環境省令で定めるところにより、汚染土壌の処理の事業の用に供する施設(以下「汚染土壌処理施設」という。)ごとに、当該汚染土壌処理施設の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。
2  前項の許可を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を提出しなければならない。
一  氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二  汚染土壌処理施設の設置の場所
三  汚染土壌処理施設の種類、構造及び処理能力
四  汚染土壌処理施設において処理する汚染土壌の特定有害物質による汚染状態
五  その他環境省令で定める事項
3  都道府県知事は、第一項の許可の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
一  汚染土壌処理施設及び申請者の能力がその事業を的確に、かつ、継続して行うに足りるものとして環境省令で定める基準に適合するものであること。
二  申請者が次のいずれにも該当しないこと。
イ この法律又はこの法律に基づく処分に違反し、刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
ロ 第二十五条の規定により許可を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
ハ 法人であって、その事業を行う役員のうちにイ又はロのいずれかに該当する者があるもの
4  第一項の許可は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
5  第二項及び第三項の規定は、前項の更新について準用する。
6  汚染土壌処理業者は、環境省令で定める汚染土壌の処理に関する基準に従い、汚染土壌の処理を行わなければならない。
7  汚染土壌処理業者は、汚染土壌の処理を他人に委託してはならない。
8  汚染土壌処理業者は、環境省令で定めるところにより、当該許可に係る汚染土壌処理施設ごとに、当該汚染土壌処理施設において行った汚染土壌の処理に関し環境省令で定める事項を記録し、これを当該汚染土壌処理施設(当該汚染土壌処理施設に備え置くことが困難である場合にあっては、当該汚染土壌処理業者の最寄りの事務所)に備え置き、当該汚染土壌の処理に関し利害関係を有する者の求めに応じ、閲覧させなければならない。
9  汚染土壌処理業者は、その設置する当該許可に係る汚染土壌処理施設において破損その他の事故が発生し、当該汚染土壌処理施設において処理する汚染土壌又は当該処理に伴って生じた汚水若しくは気体が飛散し、流出し、地下に浸透し、又は発散したときは、直ちに、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

(変更の許可等)
第二十三条  汚染土壌処理業者は、当該許可に係る前条第二項第三号又は第四号に掲げる事項の変更をしようとするときは、環境省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、その変更が環境省令で定める軽微な変更であるときは、この限りでない。
2  前条第三項の規定は、前項の許可について準用する。
3  汚染土壌処理業者は、第一項ただし書の環境省令で定める軽微な変更をしたとき、又は前条第二項第一号に掲げる事項その他環境省令で定める事項に変更があったときは、環境省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
4  汚染土壌処理業者は、その汚染土壌の処理の事業の全部若しくは一部を休止し、若しくは廃止し、又は休止した当該汚染土壌の処理の事業を再開しようとするときは、環境省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

(改善命令)
第二十四条  都道府県知事は、汚染土壌処理業者により第二十二条第六項の環境省令で定める汚染土壌の処理に関する基準に適合しない汚染土壌の処理が行われたと認めるときは、当該汚染土壌処理業者に対し、相当の期限を定めて、当該汚染土壌の処理の方法の変更その他必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

(許可の取消し等)
第二十五条  都道府県知事は、汚染土壌処理業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その許可を取り消し、又は一年以内の期間を定めてその事業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一  第二十二条第三項第二号イ又はハのいずれかに該当するに至ったとき。
二  汚染土壌処理施設又はその者の能力が第二十二条第三項第一号の環境省令で定める基準に適合しなくなったとき。
三  この章の規定又は当該規定に基づく命令に違反したとき。
四  不正の手段により第二十二条第一項の許可(同条第四項の許可の更新を含む。)又は第二十三条第一項の変更の許可を受けたとき。

(名義貸しの禁止)
第二十六条  汚染土壌処理業者は、自己の名義をもって、他人に汚染土壌の処理を業として行わせてはならない。

(許可の取消し等の場合の措置義務)
第二十七条  汚染土壌の処理の事業を廃止し、又は第二十五条の規定により許可を取り消された汚染土壌処理業者は、環境省令で定めるところにより、当該廃止した事業の用に供した汚染土壌処理施設又は当該取り消された許可に係る汚染土壌処理施設の特定有害物質による汚染の拡散の防止その他必要な措置を講じなければならない。
2  都道府県知事は、前項に規定する汚染土壌処理施設の特定有害物質による汚染により、人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあると認めるときは、当該汚染土壌処理施設を汚染土壌の処理の事業の用に供した者に対し、相当の期限を定めて、当該汚染の除去、当該汚染の拡散の防止その他必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

(環境省令への委任)
第二十八条  この節に定めるもののほか、汚染土壌の処理の事業に関し必要な事項は、環境省令で定める。
 


  第五章 指定調査機関


(指定の申請)
第二十九条  第三条第一項の指定は、環境省令で定めるところにより、土壌汚染状況調査及び第十六条第一項の調査(以下この章において「土壌汚染状況調査等」という。)を行おうとする者の申請により行う。

(欠格条項)
第三十条  次の各号のいずれかに該当する者は、第三条第一項の指定を受けることができない。
一  この法律又はこの法律に基づく処分に違反し、刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
二  第四十二条の規定により指定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
三  法人であって、その業務を行う役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの

(指定の基準)
第三十一条  環境大臣は、第三条第一項の指定の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、その指定をしてはならない。
一  土壌汚染状況調査等の業務を適確かつ円滑に遂行するに足りる経理的基礎及び技術的能力を有するものとして、環境省令で定める基準に適合するものであること。
二  法人にあっては、その役員又は法人の種類に応じて環境省令で定める構成員の構成が土壌汚染状況調査等の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
三  前号に定めるもののほか、土壌汚染状況調査等が不公正になるおそれがないものとして、環境省令で定める基準に適合するものであること。

(指定の更新)
第三十二条  第三条第一項の指定は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
2  前三条の規定は、前項の指定の更新について準用する。

(技術管理者の設置)
第三十三条  指定調査機関は、土壌汚染状況調査等を行う土地における当該土壌汚染状況調査等の技術上の管理をつかさどる者で環境省令で定める基準に適合するもの(次条において「技術管理者」という。)を選任しなければならない。

(技術管理者の職務)
第三十四条  指定調査機関は、土壌汚染状況調査等を行うときは、技術管理者に当該土壌汚染状況調査等に従事する他の者の監督をさせなければならない。ただし、技術管理者以外の者が当該土壌汚染状況調査等に従事しない場合は、この限りでない。

(変更の届出)
第三十五条  指定調査機関は、土壌汚染状況調査等を行う事業所の名称又は所在地その他環境省令で定める事項を変更しようとするときは、環境省令で定めるところにより、変更しようとする日の十四日前までに、その旨を環境大臣に届け出なければならない。

(土壌汚染状況調査等の義務)
第三十六条  指定調査機関は、土壌汚染状況調査等を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、土壌汚染状況調査等を行わなければならない。
2  指定調査機関は、公正に、かつ、第三条第一項及び第十六条第一項の環境省令で定める方法により土壌汚染状況調査等を行わなければならない。
3  環境大臣は、前二項に規定する場合において、指定調査機関がその土壌汚染状況調査等を行わず、又はその方法が適当でないときは、指定調査機関に対し、その土壌汚染状況調査等を行い、又はその方法を改善すべきことを命ずることができる。

(業務規程)
第三十七条  指定調査機関は、土壌汚染状況調査等の業務に関する規程(次項において「業務規程」という。)を定め、土壌汚染状況調査等の業務の開始前に、環境大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2  業務規程で定めるべき事項は、環境省令で定める。

(帳簿の備付け等)
第三十八条  指定調査機関は、環境省令で定めるところにより、土壌汚染状況調査等の業務に関する事項で環境省令で定めるものを記載した帳簿を備え付け、これを保存しなければならない。

(適合命令)
第三十九条  環境大臣は、指定調査機関が第三十一条各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その指定調査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

(業務の廃止の届出)
第四十条  指定調査機関は、土壌汚染状況調査等の業務を廃止したときは、環境省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を環境大臣に届け出なければならない。

(指定の失効)
第四十一条  指定調査機関が土壌汚染状況調査等の業務を廃止したときは、第三条第一項の指定は、その効力を失う。

(指定の取消し)
第四十二条  環境大臣は、指定調査機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第三条第一項の指定を取り消すことができる。
一  第三十条第一号又は第三号に該当するに至ったとき。
二  第三十三条、第三十五条、第三十七条第一項又は第三十八条の規定に違反したとき。
三  第三十六条第三項又は第三十九条の規定による命令に違反したとき。
四  不正の手段により第三条第一項の指定を受けたとき。

(公示)
第四十三条  環境大臣は、次に掲げる場合には、その旨を公示しなければならない。
一  第三条第一項の指定をしたとき。
二  第三十二条第一項の規定により第三条第一項の指定が効力を失ったとき、又は前条の規定により同項の指定を取り消したとき。
三  第三十五条(同条の環境省令で定める事項の変更に係るものを除く。)又は第四十条の規定による届出を受けたとき。
 


  第六章 指定支援法人


(指定)
第四十四条  環境大臣は、一般社団法人又は一般財団法人であって、次条に規定する業務(以下「支援業務」という。)を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、全国を通じて一個に限り、支援業務を行う者として指定することができる。
2  前項の指定を受けた者(以下「指定支援法人」という。)は、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を環境大臣に届け出なければならない。

(業務)
第四十五条  指定支援法人は、次に掲げる業務を行うものとする。
一  要措置区域内の土地において汚染の除去等の措置を講ずる者に対して助成を行う地方公共団体に対し、政令で定めるところにより、助成金を交付すること。
二  次に掲げる事項について、照会及び相談に応じ、並びに必要な助言を行うこと。
イ 土壌汚染状況調査
ロ 要措置区域等内の土地における汚染の除去等の措置
ハ 形質変更時要届出区域内における土地の形質の変更
三  前号イからハまでに掲げる事項の適正かつ円滑な実施を推進するため、土壌の特定有害物質による汚染が人の健康に及ぼす影響に関し、知識を普及し、及び国民の理解を増進すること。
四  前三号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

(基金)
第四十六条  指定支援法人は、支援業務に関する基金(次条において単に「基金」という。)を設け、同条の規定により交付を受けた補助金と支援業務に要する資金に充てることを条件として政府以外の者から出えんされた金額の合計額に相当する金額をもってこれに充てるものとする。

(基金への補助金)
第四十七条  政府は、予算の範囲内において、指定支援法人に対し、基金に充てる資金を補助することができる。

(事業計画等)
第四十八条  指定支援法人は、毎事業年度、環境省令で定めるところにより、支援業務に関し事業計画書及び収支予算書を作成し、環境大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2  指定支援法人は、環境省令で定めるところにより、毎事業年度終了後、支援業務に関し事業報告書及び収支決算書を作成し、環境大臣に提出しなければならない。

(区分経理)
第四十九条  指定支援法人は、支援業務に係る経理については、その他の経理と区分し、特別の勘定を設けて整理しなければならない。

(秘密保持義務)
第五十条  指定支援法人の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、第四十五条第一号若しくは第二号に掲げる業務又は同条第四号に掲げる業務(同条第一号又は第二号に掲げる業務に附帯するものに限る。)に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

(監督命令)
第五十一条  環境大臣は、この章の規定を施行するために必要な限度において、指定支援法人に対し、支援業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

(指定の取消し)
第五十二条  環境大臣は、指定支援法人が次の各号のいずれかに該当するときは、第四十四条第一項の指定を取り消すことができる。
一  支援業務を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。
二  この章の規定又は当該規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき。
三  不正の手段により第四十四条第一項の指定を受けたとき。

(公示)
第五十三条  環境大臣は、次に掲げる場合には、その旨を公示しなければならない。
一  第四十四条第一項の指定をしたとき。
二  第四十四条第二項の規定による届出を受けたとき。
三  前条の規定により第四十四条第一項の指定を取り消したとき。
   

(次のブログに続く)
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土壌汚染対策法(平成十四年五月二十九日法律第五十三号)を読む(2)

2012-09-25 16:22:28 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
(土壌汚染対策法 続き)



第七章 雑則


(報告及び検査)
第五十四条  環境大臣又は都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、土壌汚染状況調査に係る土地若しくは要措置区域等内の土地の所有者等又は要措置区域等内の土地において汚染の除去等の措置若しくは土地の形質の変更を行い、若しくは行った者に対し、当該土地の状況、当該汚染の除去等の措置若しくは土地の形質の変更の実施状況その他必要な事項について報告を求め、又はその職員に、当該土地に立ち入り、当該土地の状況若しくは当該汚染の除去等の措置若しくは土地の形質の変更の実施状況を検査させることができる。
2  前項の環境大臣による報告の徴収又はその職員による立入検査は、土壌の特定有害物質による汚染により人の健康に係る被害が生ずることを防止するため緊急の必要があると認められる場合に行うものとする。
3  都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、汚染土壌を当該要措置区域等外へ搬出した者又は汚染土壌の運搬を行った者に対し、汚染土壌の運搬若しくは処理の状況に関し必要な報告を求め、又はその職員に、これらの者の事務所、当該汚染土壌の積卸しを行う場所その他の場所若しくは汚染土壌の運搬の用に供する自動車その他の車両若しくは船舶(以下この項において「自動車等」という。)に立ち入り、当該汚染土壌の状況、自動車等若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
4  都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、汚染土壌処理業者又は汚染土壌処理業者であった者に対し、その事業に関し必要な報告を求め、又はその職員に、汚染土壌処理業者若しくは汚染土壌処理業者であった者の事務所、汚染土壌処理施設その他の事業場に立ち入り、設備、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
5  環境大臣は、この法律の施行に必要な限度において、指定調査機関又は指定支援法人に対し、その業務若しくは経理の状況に関し必要な報告を求め、又はその職員に、その者の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
6  第一項又は前三項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
7  第一項又は第三項から第五項までの立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(協議)
第五十五条  都道府県知事は、法令の規定により公共の用に供する施設の管理を行う者がその権原に基づき管理する土地として政令で定めるものについて、第三条第三項、第四条第二項、第五条第一項、第七条第四項又は第十二条第四項の規定による命令をしようとするときは、あらかじめ、当該施設の管理を行う者に協議しなければならない。

(資料の提出の要求等)
第五十六条  環境大臣は、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係地方公共団体の長に対し、必要な資料の提出及び説明を求めることができる。
2  都道府県知事は、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長又は関係地方公共団体の長に対し、必要な資料の送付その他の協力を求め、又は土壌の特定有害物質による汚染の状況の把握及びその汚染による人の健康に係る被害の防止に関し意見を述べることができる。

(環境大臣の指示)
第五十七条  環境大臣は、土壌の特定有害物質による汚染により人の健康に係る被害が生ずることを防止するため緊急の必要があると認めるときは、都道府県知事又は第六十四条の政令で定める市(特別区を含む。)の長に対し、次に掲げる事務に関し必要な指示をすることができる。
一  第三条第一項ただし書の確認に関する事務
二  第三条第三項、第四条第二項、第五条第一項、第七条第四項、第十二条第四項、第十六条第四項、第十九条、第二十四条、第二十五条及び第二十七条第二項の命令に関する事務
三  第三条第五項の確認の取消しに関する事務
四  第五条第二項の調査に関する事務
五  第六条第一項の指定に関する事務
六  第六条第二項の公示に関する事務
七  第六条第四項の指定の解除に関する事務
八  第七条第一項の指示に関する事務
九  第七条第五項の指示措置に関する事務
十  前条第二項の協力を求め、又は意見を述べることに関する事務

(国の援助)
第五十八条  国は、土壌の特定有害物質による汚染により人の健康に係る被害が生ずることを防止するため、土壌汚染状況調査又は要措置区域内の土地における汚染の除去等の措置の実施につき必要な資金のあっせん、技術的な助言その他の援助に努めるものとする。
2  前項の措置を講ずるに当たっては、中小企業者に対する特別の配慮がなされなければならない。

(研究の推進等)
第五十九条  国は、汚染の除去等の措置に関する技術の研究その他土壌の特定有害物質による汚染により人の健康に係る被害が生ずることを防止するための研究を推進し、その成果の普及に努めるものとする。

(国民の理解の増進)
第六十条  国及び地方公共団体は、教育活動、広報活動その他の活動を通じて土壌の特定有害物質による汚染が人の健康に及ぼす影響に関する国民の理解を深めるよう努めるものとする。
2  国及び地方公共団体は、前項の責務を果たすために必要な人材を育成するよう努めるものとする。

(都道府県知事による土壌汚染に関する情報の収集、整理、保存及び提供等)
第六十一条  都道府県知事は、当該都道府県の区域内の土地について、土壌の特定有害物質による汚染の状況に関する情報を収集し、整理し、保存し、及び適切に提供するよう努めるものとする。
2  都道府県知事は、公園等の公共施設若しくは学校、卸売市場等の公益的施設又はこれらに準ずる施設を設置しようとする者に対し、当該施設を設置しようとする土地が第四条第二項の環境省令で定める基準に該当するか否かを把握させるよう努めるものとする。

(経過措置)
第六十二条  この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

(権限の委任)
第六十三条  この法律に規定する環境大臣の権限は、環境省令で定めるところにより、地方環境事務所長に委任することができる。

(政令で定める市の長による事務の処理)
第六十四条  この法律の規定により都道府県知事の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、政令で定める市(特別区を含む。)の長が行うこととすることができる。

第八章 罰則


第六十五条  次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一  第三条第三項、第四条第二項、第五条第一項、第七条第四項、第十二条第四項、第十六条第四項、第十九条、第二十四条、第二十五条又は第二十七条第二項の規定による命令に違反した者
二  第九条の規定に違反した者
三  第二十二条第一項の規定に違反して、汚染土壌の処理を業として行った者
四  第二十三条第一項の規定に違反して、汚染土壌の処理の事業を行った者
五  不正の手段により第二十二条第一項の許可(同条第四項の許可の更新を含む。)又は第二十三条第一項の変更の許可を受けた者
六  第二十六条の規定に違反して、他人に汚染土壌の処理を業として行わせた者

第六十六条  次の各号のいずれかに該当する者は、三月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
一  第三条第四項、第四条第一項、第十二条第一項、第十六条第一項若しくは第二項又は第二十三条第三項若しくは第四項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二  第十七条の規定に違反して、汚染土壌を運搬した者
三  第十八条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)又は第二十二条第七項の規定に違反して、汚染土壌の処理を他人に委託した者
四  第二十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、管理票を交付せず、又は同条第一項に規定する事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をして管理票を交付した者
五  第二十条第三項前段又は第四項の規定に違反して、管理票の写しを送付せず、又はこれらの規定に規定する事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をして管理票の写しを送付した者
六  第二十条第三項後段の規定に違反して、管理票を回付しなかった者
七  第二十条第五項、第七項又は第八項の規定に違反して、管理票又はその写しを保存しなかった者
八  第二十一条第一項又は第二項の規定に違反して、虚偽の記載をして管理票を交付した者
九  第二十一条第三項の規定に違反して、送付をした者

第六十七条  次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一  第二十二条第八項の規定に違反して、記録せず、若しくは虚偽の記録をし、又は記録を備え置かなかった者
二  第五十条の規定に違反した者
三  第五十四条第一項若しくは第三項から第五項までの規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

第六十八条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前三条(前条第二号を除く。)の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

第六十九条  第十二条第二項若しくは第三項、第十六条第三項、第二十条第六項又は第四十条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、二十万円以下の過料に処する。

   附 則


(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次条の規定は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(準備行為)
第二条  第三条第一項の指定及びこれに関し必要な手続その他の行為は、この法律の施行前においても、第十条から第十二条まで及び第十五条の規定の例により行うことができる。
2  第二十条第一項の指定及びこれに関し必要な手続その他の行為は、この法律の施行前においても、同項及び同条第二項並びに第二十四条第一項の規定の例により行うことができる。

(経過措置)
第三条  第三条の規定は、この法律の施行前に使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る工場又は事業場の敷地であった土地については、適用しない。

(政令への委任)
第四条  前二条に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。

(検討)
第五条  政府は、この法律の施行後十年を経過した場合において、指定支援法人の支援業務の在り方について廃止を含めて見直しを行うとともに、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

   附 則 (平成一七年四月二七日法律第三三号) 抄


(施行期日)
第一条  この法律は、平成十七年十月一日から施行する。

(経過措置)
第二十四条  この法律による改正後のそれぞれの法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

   附 則 (平成一八年六月二日法律第五〇号)

 この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。


   附 則 (平成二一年四月二四日法律第二三号)


(施行期日)
第一条  この法律は、平成二十二年四月一日までの間において政令で定める日から施行する。ただし、次条及び附則第十四条の規定は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(準備行為)
第二条  この法律による改正後の土壌汚染対策法(以下「新法」という。)第二十二条第一項の許可を受けようとする者は、この法律の施行前においても、同条第二項の規定の例により、その申請を行うことができる。
2  前項の規定による申請に係る申請書又はこれに添付すべき書類に虚偽の記載をして提出した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
3  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の罰金刑を科する。

(一定規模以上の面積の土地の形質の変更の届出に関する経過措置)
第三条  新法第四条第一項の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)から起算して三十日を経過する日以後に土地の形質の変更(同項に規定する土地の形質の変更をいう。附則第八条において同じ。)に着手する者について適用する。

(指定区域の指定に関する経過措置)
第四条  この法律の施行の際現にこの法律による改正前の土壌汚染対策法(以下「旧法」という。)第五条第一項の規定により指定されている土地の区域は、新法第十一条第一項の規定により指定された同条第二項に規定する形質変更時要届出区域とみなす。

(指定区域台帳に関する経過措置)
第五条  この法律の施行の際現に存する旧法第六条第一項の規定による指定区域の台帳は、新法第十五条第一項の規定による形質変更時要届出区域の台帳とみなす。

(措置命令に関する経過措置)
第六条  この法律の施行前にした旧法第七条第一項又は第二項の規定に基づく命令については、なお従前の例による。

(汚染の除去等の措置に要した費用の請求に関する経過措置)
第七条  この法律の施行前に旧法第七条第一項の規定による命令を受けた者に係る旧法第八条の規定の適用については、なお従前の例による。

(形質変更時要届出区域内における土地の形質の変更の届出に関する経過措置)
第八条  施行日以後の日に附則第四条の規定により新法第十一条第二項に規定する形質変更時要届出区域とみなされた土地の区域において当該土地の形質の変更に着手する者であって、施行日前に当該土地の形質の変更について旧法第九条第一項の規定による届出をした者は、新法第十二条第一項の規定による届出をしたものとみなす。

(汚染土壌の搬出時の届出に関する経過措置)
第九条  新法第十六条第一項の規定は、施行日から起算して十四日を経過する日以後に汚染土壌を当該要措置区域等(同項に規定する要措置区域等をいう。)外へ搬出しようとする者(その委託を受けて当該汚染土壌の運搬のみを行おうとする者を除く。)について適用する。

(指定調査機関の指定に関する経過措置)
第十条  この法律の施行の際現に旧法第三条第一項の規定による指定を受けている者は、施行日に、新法第三条第一項の指定を受けたものとみなす。

(変更の届出に関する経過措置)
第十一条  新法第三十五条の規定は、施行日から起算して十四日を経過する日以後に同条に規定する事項を変更しようとする指定調査機関について適用し、同日前に当該事項を変更しようとする指定調査機関については、なお従前の例による。

(適合命令に関する経過措置)
第十二条  この法律の施行前に旧法第十六条の規定によりした命令は、新法第三十九条の規定によりした命令とみなす。

(罰則の適用に関する経過措置)
第十三条  この法律の施行前にした行為及び附則第六条の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)
第十四条  この附則に定めるもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。

(検討)
第十五条  政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新法の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

   附 則 (平成二三年六月二四日法律第七四号) 抄


(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
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日本小児科学会⇒厚生労働大臣 要望書:水痘、おたふく、B型肝炎ワクチンの早期定期接種化と接種間隔変更

2012-09-24 16:38:16 | 小児医療
 私たち小児科医師が、予防接種行政のあるべき形と考える点を4点、
 小児科学会から、厚生労働大臣に要望書としてH24.9.19に提出されました。


 水痘ワクチン、おたふくかぜワクチン、B型肝炎ワクチンの定期接種化と
 ワクチンの接種間隔の変更に関する要望です。

 

 ぜひ、前進されますことを期待いたしております。




水痘ワクチンの早期定期接種化について
http://www.jpeds.or.jp/saisin/saisin_120921_1.pdf

おたふくかぜワクチンの早期定期接種化について
http://www.jpeds.or.jp/saisin/saisin_120921_2.pdf

B型肝炎ワクチンの定期接種化等に関する要望
http://www.jpeds.or.jp/saisin/saisin_120921_5.pdf


異なるワクチンの接種間隔変更に関する要望書
http://www.jpeds.or.jp/saisin/saisin_120921_4.pdf


******小児科学会ホームページより******

平成24 年9 月19 日
厚生労働大臣
小宮山 洋子 殿
公益社団法人 日本小児科学会
会長 五十嵐 隆


要 望 書

水痘ワクチンの早期定期接種化について

厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会から予防接種制度の見直しについて(第二次
提言)が平成24 年5 月23 日に公表されました。この中で水痘について、1 類疾病の「集団
予防を図る目的で予防接種を行う疾病」に位置づけ、広く接種を促進していくことが望ま
しいと記載されています。この提言に沿って、速やかに水痘ワクチンの定期接種化を実現
して頂けるように要望します。
水痘は、水痘−帯状疱疹ウイルス( varicella-zoster virus:VZV)の初感染によって起こる
感染症です。一般に、水痘は子どもの軽い病気とあなどられがちですが、中には重症化し
て入院が必要となったり、様々な合併症を併発して後遺症を残したり死亡することがあり
ます1)。また、水痘は感染力が極めて強く、保育所や幼稚園では毎年大規模な流行が繰り返
されており、小児科病棟では入院中の水痘発症が後を絶たず、発症者が複数となり、病棟
閉鎖をせざるを得ない状態になった小児科病棟もあり2)、小児の医療現場では水痘の患者数
をまず減少させることが喫緊の課題となっています。
水痘は感染症法に基づく5類感染症定点把握疾患として、全国約3,000 カ所の小児科定点
医療機関から毎週患者数が報告されていますが,毎年約25 万人の報告があり、ここから推
計した全国の年間受診患者数は、約120~150 万人と考えられています。
2004~2005 年度の厚生労働科学研究費補助金(新興・再興感染症研究事業)により実施
した「水痘・帯状疱疹の重症化例・死亡例全国調査(主任研究者:岡部信彦、分担研究者:
神谷 齊、浅野喜造、堤 裕幸、多屋馨子)」では、2004 年は回収率41%の段階で、年間
1,655 名の入院と7 名の死亡(2 名は健康成人)、2005 年は回収率37.3%の段階で1,276 名の
入院と3 名の死亡が報告されており、水痘ワクチンの定期接種化が求められてきました3)。
しかし、2012 年現在、定期接種化は実現されておらず、接種率が30%程度と低いことから、
毎年100 万人を超える発症者とそれに伴う重症化例、死亡例が発症しています。生ワクチ
ンが開発されている麻疹、風疹、水痘、おたふくかぜの4 疾患の中で、麻疹と風疹は定期
接種化に加えて2 回接種導入により患者数は激減していることから、2004 年以降わが国で
2
死亡報告が最も多い疾患が水痘になっています(人口動態統計より)。
日本医師会・日本小児科医会・日本小児科学会合同調査委員会は、入院施設を有する全
国の病院を対象に、2009~2011 年の3 年間に水痘・帯状疱疹による重症例や重篤な後遺症
例・死亡例がどの程度存在したかの実態を明らかにすることを目的に、全国調査を実施し
ました。その結果、回収率18.7%の段階で既に、水痘による入院例が3 年間で3,458 人、帯
状疱疹による入院例が同期間で19,277 人報告され、ACTH あるいは化学療法中に水痘ある
いは帯状疱疹を発症し6 名(小児1 名、成人5 名)が死亡していました。水痘そのものが
重症化して入院になった例も多くありましたが、肺炎・気管支炎、熱性痙攣、肝機能障害、
脳炎・脳症、小脳失調、基礎疾患の増悪が多く報告され、9 名(小児5 名、成人4 名)が急
性脳症あるいは髄膜脳炎等を合併し重篤な後遺症を残していました4)。
0 歳児や30 歳以上の成人が罹患すると、他の年齢で発症するより致命率が高く、30 歳以
上の成人では、水痘患者10 万人あたりの致命率は約25 人と報告されています5)。特に、出
産前5 日、出産後2 日に水痘を発症した母親から生まれた新生児、免疫不全患者、乳児期
後期、15 歳以上、妊婦は水痘が重症化することからハイリスク集団と言われており、妊婦
が妊娠20 週までに発症した場合、先天性水痘症候群(低出生体重,四肢低形成,皮膚瘢痕,
局所的な筋萎縮,脳炎,皮質の萎縮,脈絡網膜炎,小頭症など)の児が出生する可能性が
有ります。
国内での血清疫学調査によると、3~6 歳児で約70%、7~12 歳で約90%が抗体を保有し
ていることがわかっており6)、水痘ワクチンの接種率は高くないことから,抗体獲得のほと
んどが自然感染によって得られたものと考えられます。
米国では水痘ワクチンの2 回接種により重症の水痘患者が激減しており、水痘による入
院例が減少しています7)。これはすなわち、現在わが国で問題になっている水痘の重症化
例・死亡例の発症と、院内発症に伴う医療関連感染を予防することに繋がることが既に海
外で証明されていることになります。水痘ワクチンは、高橋理明博士により国内で開発さ
れたワクチンであり、もともと白血病や免疫不全症等の基礎疾患を有する子ども達を水痘
から予防することを目的に開発されたワクチンであることから、健康小児に接種した場合
の副反応は極めて少なく、安全性の非常に高いワクチンであることが証明されています。
厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会水痘ワクチン作業チーム報告書によると、定
期接種化により2 回接種し、将来において定常状態となった場合、社会経済的視点では1
年あたり約362.3 億円の費用低減が期待できると推計されています8)。
小児のみならず、免疫のない成人を水痘の重症化あるいは死亡から守り、水痘ワクチン
を受けることができない基礎疾患を有する者や妊婦を重症の水痘あるいは死亡から守るた
めには、水痘ワクチンの定期接種化によりまず接種率を上げ、水痘患者数を減少させるこ
とが必要であるので、医学的、医療経済学的、公衆衛生学的観点から、一刻も早い水痘ワ
クチンの定期接種化を要望いたします。
3
(文献)
1. 中井英剛, 菅田健, 吉川哲史, 浅野喜造:医原性免疫不全宿主に発症した水痘または
帯状疱疹による重症化例の全国調査. 小児感染免疫.23(1):29-34,2011.
2. 勝田友博, 中村幸嗣, 鶴岡純一郎,他:大規模小児医療施設における院内水痘発症状況.
日本小児科学会雑誌.115(3):647-652, 2011.
3. 多屋馨子、神谷 齊、浅野喜造、他:水痘、流行性耳下腺炎重症化例に関する全国
調査.平成16 年度・平成17 年度厚生労働科学研究費補助金新興・再興感染症研究事
業(主任研究者 岡部信彦)分担研究報告書
4. 日本医師会・日本小児科医会・日本小児科学会合同調査委員会 保坂シゲリ、小森 貴、
保科 清、他: ムンプスウイルスおよび水痘・帯状疱疹ウイルス感染による重症化症
例と重篤な合併症を呈した症例についての調査. 日本小児科医会報. in press
5. Education, Information and Partnership Branch, National Center for Immunization and
Respiratory Diseases. Varicella. In: Centers for Disease Control and Prevention. 12th
Edition Second Printing. Epidemiology and Prevention of Vaccine-Preventable
Diseases.The Pink Book: Course Textbook. Atlanta: 2012. p301-324. 2012 年7 月
現在URL:http://www.cdc.gov/vaccines/pubs/pinkbook/varicella.html
6. Ueno-Yamamoto K, Tanaka-Taya K, Satoh H, et al: THE changing seroepidemiology
of varicella in Japan: 1977-1981 and 2001-2005. Pediatr Infect Dis J. 29(7):667-9, 2010.
7. Marin M, Zhang JX, Seward JF: Near elimination of varicella deaths in the US after
implementation of the vaccination program. Pediatrics. 128:214-220, 2011.
8. 予防接種部会 ワクチン評価に関する小委員会 水痘ワクチン作業チーム:水痘ワ
クチン作業チーム報告書.( URL
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000014wdd-att/2r98520000016rqn.pdf)

*********

要 望 書

おたふくかぜワクチンの早期定期接種化について

厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会から予防接種制度の見直しについて(第二次
提言)が平成24 年5 月23 日に公表されました。この中でおたふくかぜについて、1 類疾病
の「集団予防を図る目的で予防接種を行う疾病」に位置づけ、広くワクチン接種を促進し
ていくことが望ましいと記載されています。この提言に沿って、速やかにおたふくかぜワ
クチンの定期接種化を実現して頂けるように要望します。
おたふくかぜは、流行性耳下腺炎あるいはムンプスとも呼ばれ、ムンプスウイルスの感
染によって起こる感染症です。一般的に、おたふくかぜは子どもの軽い病気とあなどられ
がちですが、中には重症化し入院が必要となることがあり、また、様々な合併症を併発し
後遺症を残すこともあります。たとえば、ムンプス難聴は、片側が多いものの、稀ではあ
りますが両側となり、人工内耳埋込手術が必要になることもあります。また、思春期以降
に罹患すると精巣炎(睾丸炎)あるいは卵巣炎を併発することがありますが、特に精巣炎
では精巣萎縮を伴い、精子数が減少するという報告もあります1)。髄膜炎・脳炎・脳症、膵
炎も軽視できない合併症です。
流行性耳下腺炎は、毎年、保育所や幼稚園で患者発生とそれに伴う流行が見られるため、
3~6 歳で患者数の約60%を占めますが、成人での発症もあります。流行性耳下腺炎は感染
症法に基づく5類感染症定点把握疾患として、全国約3,000 カ所の小児科定点医療機関から
毎週患者数が報告されていますが, 5~6 年毎に大規模な流行が繰り返されているのが現状
です。年間の報告数は約7~25 万人であり、ここから推計した全国の年間受診患者数は、
約40~120 万人と考えられています。
2004~2005 年度の厚生労働科学研究費補助金(新興・再興感染症研究事業)により実施
した「流行性耳下腺炎の重症化例・死亡例全国調査(主任研究者:岡部信彦、分担研究者:
神谷 齊、浅野喜造、堤 裕幸、多屋馨子)」では、2004 年は回収率41%の段階で、年間
1,624 名の入院が、2005 年は回収率37.3%の段階で2,069 名の入院が報告されており、5 歳
をピークに合併症による入院が多く報告されました。成人でも合併症による入院が20~40
代をピークとして認められました。合併症としては、髄膜炎の頻度が最多で、ついで精巣
炎、熱性痙攣、難聴・内耳炎・内耳障害、膵炎が続きました。以上のようなことから、お
2
たふくかぜワクチンの定期接種化が求められてきました2)が、2012 年現在、定期接種化は
実現されておらず、接種率は30%程度と低迷しています。
日本医師会・日本小児科医会・日本小児科学会合同調査委員会は、入院施設を有する全
国の病院を対象に、2009~2011 年の3 年間におたふくかぜによる重症例や重篤な後遺症例・
死亡例がどの程度存在したかの実態を明らかにすることを目的に、全国調査を実施しまし
た。その結果、回収率18.7%の段階で既に、おたふくかぜによる入院例が3 年間で4,808 人
報告され、基礎疾患のない小児1 名が急性脳症発症後に肺炎を合併して死亡していました。
おたふくかぜそのものが重症化して入院になった例も多くありましたが、髄膜炎の2,523 名
を筆頭に、脱水症、精巣(睾丸)炎、難聴、膵炎、脳炎・脳症、心筋炎、卵巣炎等多数の
合併症が報告され、基礎疾患の増悪や他疾患で入院中の発症も多く報告されました。また、
78 名(小児55 名、成人23 名)は重篤な後遺症を残したと報告されました。内訳は、聴力
低下が61 名(小児43 名、成人18 名)、髄膜炎・脳炎・脳症11 名、精巣炎3 名、喉頭浮腫
1 名、肝炎1 名、部分てんかん1 名であり3)、決して子どもの軽い病気とは言えません。
森島らは、厚生労働科学研究費補助金(新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事
業)により、小児の急性脳炎・脳症の実態を研究していますが、15 歳以下の小児だけで年
間約1,000 名の急性脳炎・脳症例が発症しており、その中で、ムンプス脳炎は、全体の3%
を占め、インフルエンザ、HHV-6/7,ロタウイルスに次いで4 番目に多い原因と報告されてい
ます4)。
海外では麻疹風疹おたふくかぜ(MMR)ワクチンの2 回接種が小児の定期接種に導入さ
れている国が多く、ワクチンの効果によりおたふくかぜの患者数は激減しており、先進国
でおたふくかぜワクチンが定期接種化されていない国は日本だけになっています1)。
一方、おたふくかぜワクチン接種後に無菌性髄膜炎を発症することがあります。予後良
好とは言え、頻度が国産の単味ワクチンで0.03~0.06%と報告されており1)、接種前には十
分な説明と被接種者の理解が必要です。自然感染による無菌性髄膜炎の発生は日本外来小
児科学会の永井らの調査によると1.24%とされており5)、ワクチン接種後の方がその頻度は
低いことが明らかです。日本医師会・日本小児科医会・日本小児科学会合同調査委員会で
は、おたふくかぜワクチンによる副反応で入院した患者数も同時に調査していますが、3 年
間で40 名が髄膜炎の合併により入院加療を受けていました。いずれも軽症であり、ワクチ
ン接種による聴力低下や脳炎・脳症、死亡例の報告はありませんでした3)。
厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会おたふくかぜワクチン作業チーム報告書によ
ると、定期接種化により2 回接種し、将来において定常状態となった場合、社会経済的視
点では1 年あたり約289.8 億円の費用低減が期待できると推計されています6)。
小児のみならず、免疫のない成人をおたふくかぜの重症化あるいは後遺症から守り、お
たふくかぜワクチンを受けることができない基礎疾患を有する者や妊婦をおたふくかぜか
ら守るためには、おたふくかぜワクチンの定期接種化によりまず接種率を上げ、おたふく
かぜの患者数を減少させることが必要です。医学的、医療経済学的、公衆衛生学的観点か
ら、一刻も早いおたふくかぜワクチンの定期接種化を要望いたします。
3
(文献)
1. 国立感染症研究所:おたふくかぜワクチンに関するファクトシート.平成22 年7 月7
日版(URL:
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000bx23-att/2r9852000000bybc.pdf.)
2. 多屋馨子、神谷 齊、浅野喜造、他:水痘、流行性耳下腺炎重症化例に関する全国
調査.平成16 年度・平成17 年度厚生労働科学研究費補助金新興・再興感染症研究事業
(主任研究者 岡部信彦)分担研究報告書.
3. 日本医師会・日本小児科医会・日本小児科学会合同調査委員会保坂シゲリ、小森 貴、
保科 清、他: ムンプスウイルスおよび水痘・帯状疱疹ウイルス感染による重症化症
例と重篤な合併症を呈した症例についての調査. 日本小児科医会報. in press.
4. 森島恒雄.小児の急性脳炎・脳症の現状. ウイルス. 59(1): 59-66, 2009.
5. Nagai T, Okafuji T, Miyazaki C, et al: A comparative study of the incidence of aseptic
meningitis in symptomatic natural mumps patients and monovalent mumps vaccine recipients
in Japan. Vaccine 25: 2742-2747, 2007.
6. 予防接種部会 ワクチン評価に関する小委員会 おたふくかぜワクチン作業チー
ム:おたふくかぜワクチン作業チーム報告書
(URL http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000014wdd-att/2r98520000016rqu.pdf.)


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要 望 書

B型肝炎ワクチンの定期接種化等に関する要望

厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会から予防接種制度の見直しについて(第二次
提言)が平成24 年5 月23 日に公表されました。この中でB型肝炎について、1類疾病の
「致命率が高いこと、または感染し長期間経過後に重篤になる可能性が高い疾病になるこ
とによる、重大な社会的損失の防止を図る目的で予防接種を行う疾病」に位置づけ、広く
ワクチン接種を促進していくことが望ましいと記載されています。この提言に沿って、速
やかにB型肝炎ワクチンの定期接種化を実現して頂けるように要望します。
日本ではB型肝炎ウイルス(HBV)に起因する肝癌の死亡者数は年間約5,000 人、肝硬
変による死亡者数は1,000 人と推計されており、子宮頚癌による死亡者数の2倍以上に達
しています1)。また医療経済面では、医療費助成制度が設けられるなど、B型慢性肝疾患の
治療には高額な費用負担が生じます。加えて、HBV のキャリア状態が終息したと判断され
た人も、近年の多様化している免疫抑制療法の治療中にHBV 感染の再活性化が起こり非
常に重篤な肝炎を起こす事例(de novo 肝炎など)が日本には多いことが判明し、その予
防や治療のために多額の医療費が必要になっています1)。
日本ではこれまでHBV の母子感染予防に力を入れ、大きな成果をあげてきたと評価でき
ます。一方、近年これらの予防措置からはずれる症例も多く、また若年成人を中心に現在
も年間6,000 人以上の新規感染者がいると推計されます2)。このため母子感染予防だけでは
制御できない現状があり、水平感染を視野に入れた感染防止対策が強く求められています。
とくに小児のHBV 感染者は無症状でも体液中のウイルス量が多く、感染源になりやすい可
能性も考えられ、保育所や運動部での集団感染事例も散見されます。このためかHBV キャ
リア小児が保育所通園を断られるなど、深刻な事態も発生しています。
2
HBV 感染者が1歳未満の場合 90%、1~4歳の場合は20~50%、それ以上の年齢にな
ると1%以下の確率でキャリアに移行します。一方、乳児にB型肝炎ワクチンを接種する
と95%以上で抗体が獲得され、感染防止効果は20 年以上続き、安全性も高いことが確認さ
れています1)。このため、世界保健機関(WHO)は全ての小児へのB型肝炎ワクチン接種を
勧告しており、2010 年の時点ですでに179 か国がこれを導入しています。
以上のような経緯から、B型肝炎ワクチンの定期接種化は極めて重要な施策であり、早
期に実現できるよう、よろしくお願い申し上げます。これに関連して、乳児へのワクチン
接種回数を減らし、接種費用の軽減を図るために、他のワクチンとの混合ワクチンの開発・
導入を早急に検討して下さるようにお願いいたします。また、小児HBV 感染では家族内感
染が多くを占めることから2)、定期接種化と並行して、HBV キャリアの同居家族へのワク
チン接種も緊急の施策として進めて頂けるようにお願い申し上げます。
1) 厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会 ワクチン評価に関する小委員会報告書
2)厚生労働科学研究 肝炎等克服緊急対策研究事業「B 型肝炎の母子感染および水平感染
の把握とワクチン戦略の再構築に関する研究」平成23 年度 総合・分担研究報告書 研
究代表者 森島恒雄


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異なるワクチンの接種間隔変更に関する要望書

異なるワクチンの接種間隔について、従来我が国においては、生ワクチン接種後は27 日
以上、不活化ワクチン接種後は6 日以上空けるように定められている。
注射生ワクチン同士の接種については、免疫産生のうえで理論的に起こり得る干渉現象
を回避するために、同時接種でない場合は27 日間以上の接種間隔が必要である。しかし、
不活化ワクチンや経口生ワクチン接種後のすべての種類のワクチン接種、あるいは注射生
ワクチン接種後の不活化ワクチンや経口生ワクチン接種については接種間隔を置かなけれ
ばならない特段の科学的理由は見当たらない。米国や英国をはじめとする海外のほとんど
の国においては、注射生ワクチン同士の接種間隔に規制を設けているが、他の接種間隔に
は規制を設けていない。また、最近の我が国における有害事象報告において、接種間隔が
最短である同時接種における重篤な有害事象の明らかな増加はみられない。
沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン、インフルエンザ菌b型ワクチン、肺
炎球菌結合型ワクチン、組換え沈降B 型肝炎ワクチン、弱毒生ロタウイルスワクチン、不
活化ポリオワクチン(平成24 年9 月1 日導入)など乳児期に接種すべきワクチンは増加し
ているが、現状の接種間隔の規定により、適切な時期に適切な数のワクチン接種が行いに
くい状況となっている。
以上より、異なるワクチンの接種間隔について、以下のように改訂することを要望する。
1) 乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン、乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生
風しんワクチン、乾燥弱毒生水痘ワクチン、乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン、経皮用
乾燥BCG ワクチンなど注射生ワクチンを接種した日から、次の注射生ワクチン接種を
行うまでの間隔は27 日以上置くこと、次の不活化ワクチンや経口生ワクチン接種を行
うまでの間隔は制限しないこと。
2) 沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン、インフルエンザ菌b型ワクチ
ン、肺炎球菌結合型ワクチン、乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン、沈降ジフテリア破傷風
混合トキソイド、組換え沈降B 型肝炎ワクチン、組換え沈降ヒトパピローマウイルス
2
様粒子ワクチンなど不活化ワクチンを接種した日から、次のすべての種類のワクチン接
種を行うまでの間隔は制限しないこと。
3) 弱毒生ロタウイルスワクチンなど経口生ワクチンを接種した日から、次のすべて
の種類のワクチン接種を行うまでの間隔は制限しないこと。
3
我が国においては、異なるワクチンの接種間隔について、かつては予防接種実施規則で、
生ワクチン(ポリオ、種痘、麻しん、風しんワクチン)接種後は1 ヶ月間、他の生ワクチ
ンの接種は禁忌とされていた。不活化ワクチンについては法令上の規定はなかったが、副
反応の観察期間を置くために、生ワクチンから不活化ワクチンまで4 週間、不活化ワクチ
ン接種後は1~2 週間隔をあけることが慣習化していた。
しかし平成6 年の予防接種法改正時に、生ワクチン同士の接種間隔に関する上記禁忌規
定はなくなり、予防接種実施要領(局長通知)の中で、生ワクチン接種後は1 ヶ月以上(平
成17 年度以降は27 日以上)、不活化ワクチンやトキソイド接種後は1 週間以上(平成17
年度以降は6 日以上)接種間隔をあけることとされた。
一般に、生ワクチンを同時ではなく1か月以内の短い間隔で接種した場合、免疫産生の
うえで理論的には干渉がありうる(ただし、現行ワクチン同士で明らかな干渉現象が起こ
る証拠は挙げられていない)ので、互いに1 ヶ月の間隔をあけて接種するのが望ましいと
されている。
一方、生ワクチンと不活化ワクチン、死菌ワクチン、トキソイドの組み合わせ、あるい
は不活化ワクチン、死菌ワクチン、トキソイド同士の組み合わせに関しては、免疫学的干
渉は起こらず、同時接種を含め接種間隔を置かなければならない特段の科学的理由はない。
しかし我が国では、接種後に偶発疾患が生じたときに、続けて接種したためと誤認される
ことを防ぐために、生ワクチンの副反応がでやすい接種後約4 週間、不活化ワクチンの副
反応がでやすい接種後約1 週間、それぞれ間隔をあけて他のワクチンを接種する方がよい
とする(各ワクチンの副反応の出現時期が重ならないよう観察期間を置く)考えから、生
ワクチン同士の接種間隔に加え、生ワクチン接種から不活化ワクチン接種まで4 週間以上、
不活化ワクチンから他のワクチン接種まで1 週間以上あけることが追記された。
平成18 年改正の予防接種実施要領においても、1)3 価混合の経口ポリオ生ワクチン、
乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン、乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワ
クチン、又は経皮用乾燥BCGワクチンを接種した日から次の予防接種を行うまでの間隔は、
27 日以上置くこと。沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン、日本脳炎ワクチン
又は沈降ジフテリア破傷風混合トキソイドを接種した日から次の予防接種を行うまでの間
隔は、6 日以上置くこと。2)2 種類以上の予防接種を同時に同一の接種対象者に行う同時
接種(混合ワクチンを使用する場合を除く)は、医師が特に必要と認めた場合に行うこと
ができること、としている。
海外における異なるワクチンの接種間隔については、米国の疾病予防対策センター
(Center for Disease Control and Prevention: CDC)が推奨するワクチン接種間隔の規定
4
が参考となる。英国をはじめ、他の多くの国々では、これを追従する形となっており、こ
の規定を採用している。
その規定では、1)同じワクチンを接種する際には、それぞれのワクチンの決められた
接種間隔を守ること、2)注射生ワクチン同志の接種は、お互いの干渉作用を避けるため、
4 週間の間隔を空けることとしており、それ以外のワクチン接種においては、特に接種間隔
を定めていない。すなわち、不活化ワクチン同志の接種の場合には、日本で実施されてい
る6 日以上の間隔を空ける必要はなく、また、生ワクチン接種後の不活化ワクチン接種、
あるいは、不活化ワクチン接種後の生ワクチン接種に関しても、接種間隔の規定は存在し
ない。更には、経口投与するロタウイルスワクチンと他の生ワクチン投与もその投与方法
が異なることから、原則接種間隔の制限はない。
生ワクチンと不活化ワクチンの接種間隔ガイドライン
(American Academy of Pediatrics. Pertussis. In: Pickering LK, Baker, CJ, Kimberlin DW,
Long SS, eds. Red book: 2009 report of the Committee on Infectious Diseases. 28th ed.
Elk Grove Village, IL: American Academy of Pediatrics; 2009:22.より改編)
抗原の組み合わせ 推奨される最低接種間隔
2 つ以上の不活化 同時に、あるいはどの様な間隔で接種してもよいかもしれない
不活化と生 同時に、あるいはどの様な間隔で接種してもよいかもしれない
2 つ以上の注射生ワクチン† 同時に接種されなければ、最低28 日間あける
† 経口生ワクチン (腸チフスやロタウイルスワクチン)は 同時に、あるいは不活化、注射の
生ワクチンの前後でどの様な間隔で接種してもよいかもしれない
これまで、我が国において、生ワクチンを26 日以内の間隔で接種した場合や、不活化ワ
クチンを6 日以内の間隔で接種した場合は少なく、接種間隔が規定よりも短い場合の有効
性や有害事象に関してエビデンスと成り得る報告はなかった。しかし近年、インフルエン
ザ菌b型ワクチンや肺炎球菌結合型ワクチンなど乳児期に接種すべきワクチンが増加し、
また子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業によりこれらワクチンに公費助成がなされる
ようになり、2 種類以上の予防接種の接種間隔が最短となる同時接種が医師の判断のもとに
行われるようになった。この促進事業では、予防接種と起こった症状の因果関係に関わら
5
ず、接種後一定期間に発生した有害事象はすべて報告するよう求められている。このため、
同時接種後の重篤な有害事象例が報告されるようになった。
平成23 年3 月から平成24 年5 月まで、最も重篤な有害事象である予防接種後の死亡症
例は17 例報告され、同時接種後が13 例、単独接種後が4 例であった。定期的に厚生労働
省薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会で詳細な調査が行われてお
り、同時接種後の13 例(男児7 例、女児6 例)は、1 歳未満が11 例、1 歳1 例、2 歳1 例
で、基礎疾患が記載されているのが2 例であった。接種後死亡までの期間は、接種翌日5
例、2 日後2 例、3 日後2 例、5 日後1 例、7 日後1 例、11 日後1 例であった。 経過や所
見に基づいて1 例ずつ詳細に評価された。解剖は8 例で行われており、そのうち4 例でSIDS
(乳児突然死症候群)が推定された。その他の死因は誤嚥1 例、急性感染症1 例、急性循
環不全1 例とされている。「現在得られている各症例の経過や所見では、いずれもワクチン
接種との直接的な明確な因果関係は認められないと考えられる」とされている。
海外でも予防接種後に一定頻度の死亡例があることが報告されている。 インフルエンザ
菌b型ワクチンや肺炎球菌結合型ワクチン接種後の死亡頻度は10 万接種あたり0.02~1.0
と報告され、死因は感染症や乳幼児突然死症候群が大半を占めており、いずれもワクチン
との因果関係は明確ではない。国内での頻度は、昨年3 月末時点でインフルエンザ菌b型
ワクチンは10 万接種あたり0.13、肺炎球菌結合型ワクチンは10 万接種あたり0.15 と推計
され、経過も海外の症例と大差なく、ワクチン接種の安全性に特段の問題があるとは考え
にくいとされた。本年5 月末時点での頻度は、両ワクチンとも死亡頻度は0.2 前後であり増
加はしていない。
すなわち、接種間隔が最短で行われる同時接種において、重篤な有害事象が増加すると
は考えられていない。
注射生ワクチン同士の接種については、免疫産生のうえで理論的に起こり得る干渉現象
を回避するために、同時接種でない場合は27 日間以上の接種間隔が必要である。しかし、
不活化ワクチンや経口生ワクチン接種後のすべての種類のワクチン接種、あるいは注射生
ワクチン接種後の不活化ワクチンや経口生ワクチン接種については接種間隔を置かなけれ
ばならない特段の科学的理由は見当たらない。米国や英国をはじめとする海外のほとんど
の国においては、注射生ワクチン同士の接種間隔に規制を設けているが、他の接種間隔に
は規制を設けていない。最近の我が国における有害事象報告において、接種間隔が最短で
ある同時接種における重篤な有害事象の明らかな増加はみられない。以上より、異なるワ
クチンの接種間隔については、注射生ワクチン同志の接種は、お互いの干渉作用を避ける
ため、同時接種以外の場合は27 日間以上の間隔を空けることとし、それ以外のワクチン接
種においては、特に接種間隔を設けないよう改訂することを要望する。
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9/25東京高裁825号法廷 築地市場移転候補地豊洲 汚染土壌コアサンプル廃棄差止請求訴訟 控訴審判決

2012-09-23 23:00:00 | 築地を守る、築地市場現在地再整備

 コアサンプルは、廃棄すべきではない。(汚染証拠隠滅はしてはならない。)

 築地市場移転候補地豊洲 汚染土壌コアサンプル廃棄差止請求訴訟 控訴審判決

 9/25火13時15分東京高裁825号法廷 

 
 食の安全・安心を守り、市場で働かれているかたの健康を守るため、
 適切な司法判断が下されることを期待いたしております。


 東京地裁の判決文はこちら⇒ http://tsukiji-wo-mamoru.com/_src/sc289/111222hanketu.pdf

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法科大学院 司法試験 合格祝賀会。一生勉強を続けていくということ。

2012-09-22 23:00:00 | 教育
 法科大学院 司法試験合格祝賀会に出席してきました。

 理事の先生のお一人は、6名合格したが、これは、少ない。気を引き締めていかねばならないと大いに苦言を呈されていました。
 10名を超えるようにならなくてはと。

 法科大学院は、立派に役割を果たしているとも考えることができます。
 多様な人材が、一方で、仕事を持ちながらも、司法試験に臨む道を開いてくれています。

 憲法学の福井先生が、閉会の辞として述べておられました。

 答えが与えられているのではなく、それを見つけ出すことが求められている。
 そのためには、一生勉強を続けなばならない。

 自分も法科大学院生活の1/6を終えました。
 まだまだ、法的思考には至っていませんが、努力せねばと改めて実感した時間でした。

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9月21日より法科大学院、後期始まる。

2012-09-21 23:00:00 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
 9月21日から、いよいよ法科大学院の後期が始まりました。


月 物権法

火 商法・会社法

水 行政法、刑法演習

木 刑法、地方自治法

金 国際取引法、民法演習

土 民事訴訟法、環境法


 あたりの時間割を組むことを考えています。


 期待するのは、新しく始まる行政法、地方自治法、環境法など。
 土壌汚染対策法などの理解が深まればと思っています。

 
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訴えられる医者とは? 医師が知るべきひとつの事実

2012-09-20 17:20:28 | 医療
 法科大学院講義「医療と法」を受講して、「なぜ、この医療行為が、裁判になるのか」という問いをよく抱きました。

 その時、類推したことは、裁判に至るには、医療行為に関連して、余程の「プラスα」があるのではないかということです。


 以下、そのことに関連して記載されたブログがございました。


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http://1minute.raindrop.jp/?p=9045
訴えられる医者とは


訴えられやすい医者と訴えられにくい医者がいる。

それを調べる方法は二つ。

まず、医者が受けた教育と実績を調べ、過去数年間に犯したミスの記録を分析する方法。

もうひとつは医者と患者の短い会話を聞く方法である。

たいていの人は、二つめの方法がいいに違いないと考えるはずだ。

そのとおり。

でもなぜ?

実を言うと、医者が医療事故で訴えられるかどうかは、ミスを犯す回数とはほとんど関係ない。

訴訟を分析したところ、腕のいい医者が何度も訴えられたり、たびたびミスをしても訴えられない医者がいることがわかった。

一方で、医者にミスがあっても訴えない人がかなりの数に上ることもわかった。

要するに、患者はいい加減な治療を受けただけでは医者を訴えない。

訴訟を起こすにはほかに「わけ」がある。

その「わけ」とは何か。

それは、医者から個人的にどんな扱いを受けたかである。

医療事故の訴訟にたびたび見られるのは、医者にせかされたとか、無視されたとか、まともに扱ってもらえなかったという訴えだ。

「患者は好きな医者を訴えたりしないものなの」と医療事故訴訟が専門の弁護士アリス・バーキンは言う。

医療について研究しているウェンディ・レビンソンは医者と患者の会話を何百件も録音した。

ほぼ半数の医者は訴えられたことがない。

あとの半数は二度以上訴えられている。

二つのグループの医者に明らかな違いがあることを見つけた。

訴えられたことのない外科医は、訴えられたことのある外科医よりも、一人の患者につきあう時間が3分以上長かったのだ。

この分析をさらに進めた実験もある。

心理学者のナリニ・アンバディは、外科医と患者の会話に注目した。

判定者は外科医の技術レベルについては何も知らなかった。

患者に何を話していたのかさえわからなかった。

判断材料は外科医の声を分析した結果だけ。

威圧感のある声の外科医は訴えられやすく、声が威圧的でなく患者を気遣うような感じの外科医は訴えられにくかった。

医療事故というと、とんでもなくややこしい問題のように思うかもしれないが、要は患者を大事にしているかどうかの問題であり、その態度は声の調子に現れるのだ。

医者にとって最も損な声は威圧的な声ということになる。


【人の心に灯をともす】http://merumo.ne.jp/00564226.html より

飲食店などで苦情になるのは、料理がまずかったとか、料理が遅い、という事実より、その後の店側の対応が悪かった、というのがほとんどだ。

店員が、「謝っていない」、「態度がでかい」、「誠意がない」といったときに起こる。

人に好かれないタイプの典型は、「偉そう」、「傲慢」、「尊大」、「威張る」、「威圧的」、「見下す」といった態度で接する人たちだ。

反対に、好かれるタイプは、「謙虚」、「気遣いがある」、「人なつこい」、「愛きょうがある」、「可愛げがある」という人たち。

人間の意識や態度は、言葉遣いや、声の調子に歴然と現れる。

だから、誰かと、ほんの二言三言、言葉を交わしただけで、人間性なり性格が判断されてしまうということは心しなければならない。

訴訟される医者も、嫌われる人間も、突き詰めれば、「人を大事にしているかいないか」によって決まる。

人を喜ばせ、大事にする人間でありたい。
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今後のエネルギー・環境政策について H24.9.19閣議決定 国民の理解、柔軟性、不断の検証と見直し

2012-09-20 15:47:46 | 地球環境問題

 今後のエネルギー・環境政策についてH24.9.19閣議決定

 あまり、具体性のない決定です。
 当たり前のこと、すなわち、プロセス論としては、至極当たり前のことが書かれています。

 目標が一体どういうものなのか、これだけではまったくわからず、「革新的エネルギー・環境戦略」(平成24年9月14日エネルギー・環境会議決定)に立ち戻って、趣旨を理解する必要があります。

 ただ、一応閣議決定ということですので、メモとして書き置きます。

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http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120919/20120919_1.pdf


今後のエネルギー・環境政策について

平成24年9月19日
閣議決定

今後のエネルギー・環境政策については、「革新的エネルギー・環境戦略」(平成24年9月14日エネルギー・環境会議決定)を踏まえて、関係自治体や国際社会等と責任ある議論を行い、国民の理解を得つつ、柔軟性を持って不断の検証と見直しを行いながら遂行する。

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日本小児科学会雑誌論策「予防接種拡充など予防医学の拡充と啓発は,感染症減少,医療経済効果に繋がった」

2012-09-19 16:58:19 | 小児医療
 小児科学の学会雑誌「日本小児科学会雑誌」 最新号。

 「両市とも,合計特殊出生率は増加したが,医療費控除の拡大は,軽症患児の時間外受診を増加させたものの,感染症を減らすにはいたらなかった.一方,予防医学の拡充と啓発は,感染症減少,医療経済効果に繋がった」との結論が出されています。

 貴重な論文だと思います。
 言いえていることのひとつは、予防接種施策の拡充など、予防医学の拡充と啓発に、今後も、力を入れていくことが重要であるということです。


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日本小児科学会雑誌 最新号

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(登録:12.9.11)

第116巻 第9号/平成24年9月1日
Vol.116, No.9, September 2012


http://www.jpeds.or.jp/journal/116-09.html#116091380

【論策】
■題名
公的補助による任意予防接種と医療費控除の小児医療,地域社会への影響

■著者
大分大学医学部地域医療・小児科分野1),同 小児科学2)
是松 聖悟1)2)  秋吉 健介2)  高野 智幸2)  関口 和人2)  岡成 和夫2)  武口 真広2)  岡本 知子2)  園田 幸司2)  加藤 里絵2)  松塚 敦子2)  半田 陽祐2)  島田 祐美2)  宮原 弘明2)  前田 美和子2)  山田 博2)  前田 知己2)  末延 聡一2)  拜郷 敦彦2)  泉 達郎2)

■キーワード
地域保健, 予防接種, 医療費控除, 出生数, 費用対効果

■要旨
 健康で元気な子どもを育む地域社会を構築するための小児医療・福祉・保健活動を評価する目的で,小児への公的補助による任意予防接種と医療費控除が,時間外・救急を含む受診動向,予防接種率,小児医療,地域経済,出生率へ与える影響を相互比較した.
 大分県竹田市は,予防接種の助成を2006年より水痘,ムンプスワクチンまで,日田市は,医療費控除を2007年に学童まで,周辺2町は中学生まで拡大させた.水痘,ムンプスが減少した竹田市に対し,日田市では麻疹,水痘が多く,また,乳幼児1人当りの小児科外来受診件数,外来医療費は竹田市の3倍を要した.軽症患児の時間外受診も1.6倍に増え,小児科医の過重就労から,時間外診療の縮小を余儀なくされた.
 この取り組みにて,竹田市では予防接種助成271万円の増額により,医療費と看病による親の生産損失額が1,301万円から217万円へ削減され,年間804万円の費用対効果が得られた.日田市が同様の取り組みをした場合,年間2,744万円の費用対効果が推定された.
 両市とも,合計特殊出生率は増加したが,医療費控除の拡大は,軽症患児の時間外受診を増加させたものの,感染症を減らすにはいたらなかった.一方,予防医学の拡充と啓発は,感染症減少,医療経済効果に繋がった.健康で元気な子どもが育つ街を作るための基盤となり,小児医療の健全化をもたらすことを証明した.
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