「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

感染性角膜炎等の集団発生に関する中央区保健所 電話相談受付

2009-02-28 11:13:08 | 医療

 中央区内で起こった非常に残念な医療事故の件、先日書きました。
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/ecf041cef7d45426271660900f6b30dc

 中央区保健所は、土日返上で、電話相談事業を開設いたしました。

 どうもご苦労様でございます。
 患者の皆様の不安に答えるため、どうかよろしくお願い申し上げます。

****以下、中央区ホームページより*****

感染性角膜炎等の集団発生に関する電話相談受付

 中央区内の医療機関におきまして、患者に対して医療行為における衛生管理の不徹底が原因と疑われる感染性角膜炎等の集団発生がありました。
 これに対し中央区では、中央区保健所が当該医療機関の立ち入り調査を行いました。
 その結果、衛生管理に問題が認められ、施設の全面的な使用を制限するとともに健康被害の状況の確認と原因の究明を行っているところです。今後はさらに調査を続けるとともに再発防止の徹底について指導を行ってまいります。
 つきましては、銀座眼科で手術を受けられた皆様の健康不安等に対応するため、下記により臨時の電話相談を実施いたします。


対象

銀座眼科(院長 溝口 朝雄 中央区銀座6丁目6番1号 風月堂ビル6階)でレーシック手術を受けた方


実施日時

2月28日(土曜日)
3月1日(日曜日)
両日とも午前9時から午後5時まで

相談受付電話番号
電話番号 03-3541-5936

【問合せ先】
中央区保健所
電話 03-3541-5936

本文ここまで
***以上*****
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2009-02-28 09:47:47 | Weblog
 2/27金曜日、東京は、雪が降って、寒い一日でした。
 いつもの保育園の健康診断へ伺うと、子ども達が、窓から見える雪を見て、とってもはしゃいでいました。

 3歳や4歳の子ども達に、健診を行いながら、尋ねました。

 「いま、なにがふっているの?」
 みんな、ちゃんと答えます。「ゆきがふってるの。」

 次の質問への子ども達の発想が、豊かで、新鮮でした。
 「ゆきは、なにでできているの?」

 多くの子は、「わからない。」
 
 でも、答える子はいるのです。

 ある子は、「アイス。」ある子は、「風。」ある子は、「くも。」
 
 珍答は、「ゆきだるま。」

 子ども達の感受性が、あたたかく育まれていくことを、願った一日でした。
 
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東京中央郵便局建て替え問題

2009-02-27 09:17:55 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
 ご存知のように、お隣の千代田区でも東京中央郵便局の建て替え問題という
同じような話が起こっています。
 銀座のランドマークのひとつ歌舞伎座の保存に向けて、取り組んでいきます。
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/7b5c5470173e0dfe3d0b1c7d433f3d27
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/9268d5db2cca929461632d72ca79a778
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/cd528c7945a0fa529040c7dda9d7a315


赤字、下線は、小坂による。
***朝日新聞2/27 朝刊****

鳩山総務相、東京中央郵便局建て替えに「待った」

2009年2月27日3時5分

写真東京中央郵便局=08年3月撮影

写真JPタワー(仮称)の完成予想図。11年度中の完成を予定している=日本郵政提供

 日本郵政が進めているJR東京駅前の東京中央郵便局の建て替え工事について、鳩山総務相は26日の衆院総務委員会で、「工事で(局舎の)重要文化財としての価値がなくなったら国家的な損失になる」と述べ、計画の見直しを示唆した。今後、塩谷文部科学相と対応を協議する。工事中止を求めた河村たかし議員(民主)の質問に答えた。

 日本郵政は1931年に建築された同郵便局の局舎(5階建て)の一部を残したまま2011年度までに38階建てのビルに建て替え、テナントからの不動産収入を得る計画。局舎はまだ保存のための調査工事中で解体されておらず、建築家などから歴史的な建築物として保存を求める声が出ていた。

 文化庁は局舎を建て替えれば、重要文化財としての指定は難しいとみている。鳩山総務相は工事の認可権限がないと断ったうえで、「重要文化財の価値があるものが、その価値をなくすようなことはしてはいけないと思う。慎重に検討する」と述べた。

 河村議員はさらに「かんぽの宿と同じような入札疑惑を指摘する声もある」と調査を要求し、鳩山総務相は「事務方と相談する」と答えた。

****朝日新聞 転載終わり*****

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2/26 中央区政を考える会 報告

2009-02-27 00:26:37 | 財務分析(予算・決算)

 中央区政を考える会を開催しました。
 参加者は、私を含め7名。

 こじんまりとした会ではありましたが、その分、ディスカションが深まり、自分自身勉強でき、有意義な会でした。

 19:55まで、シニア・ボランティアの方による『ラオスのお話』
 19:55から、 中央区政を考える会 開始。
 
 19:55~20:40 まず、中央区21年度予算案の説明と私が考える課題をレジュメにそって指摘。

****来年21年度予算案についてのレジュメ****
Ⅰ現状分析
① 中央区:人口増加、マンションの建設
② 東京都:東京五輪?
③ 日本:不況・雇用環境の悪化、政治の混迷
④ 世界:アメリカ後の世界

Ⅱ区の施策
① 目玉
* 聖路加病院における産科19床
* マンションコミュニティ形成の条例
* コミュニティバス運行

② 各種施策
)子育て支援
* 晴海二丁目児童館
* 十思保育園の開設
* 認定こども園
* 子どもの事故防止サーベイランス事業

)教育
* 明石小学校、中央小学校改修
* 教育振興基本計画
* 中央区独自の学習力サポートテスト
* 学校図書館システムの整備
* スクールバス導入(無料、城東小・坂本小・常磐小三校へ)
* 晴海中学校で通級学級開始
* ICT教育(城東小・坂本小・常磐小)

)福祉・障害者施策
* コミュニティバスでの配慮
* 高齢者雇用促進
* 自立支援協議会(6月答申)
* グループホーム 月島
* JR馬喰町駅 エレベーター設置の補助

)医療・介護
* 新型インフルエンザ対策
* 第三次保健医療福祉計画
* 第4期 介護保険
* ヒブワクチン接種補助
* 人形町認知症高齢者グループホーム 定員18人

)環境
* エコ・アクション・ポイント
* 電気自動車の普及
* 中央区の森 間伐材の利用
* 中央区版CO2排出抑制システム
* 資源ごみ持ち去り禁止条例制定
* 省エネルギー機器購入費助成

)都市整備、まちづくり
* 再開発とくに、環状二号線、歌舞伎座取壊し、築地市場移転強行
* マンション住民条例制定
* 朝潮運河新橋
* コミュニティバス運行(12月より)
* 入札及び契約に係る改善

)商業振興、地域活性
* ワークライフバランス取組み企業認定
* NPO協働推進会議のまとめ(夏ごろ)
* 東日本橋地区活性化アクションプラン
* 浜町集会施設建設

)文化振興
* 中央区まるごとミュージアム継続(本年度より開始)
* 中央区観光検定(本年度より開始)

)防災・安全対策
* 安全・安心メール配信
* 地域防災フェア

)平和
* バーチャルミュージアム
* オリンピック招致

)その他
*区役所日曜開庁
*20年度の緊急措置 定額給付金制度(対象者一人あたり1万2千円、65歳以上と18歳以下は2万円)と子育て応援特別手当(第二子以降3歳から5歳までの子 3万6千円)
*住民税のコンビニ収納
*議案の委員会付託

問題点
① 民主主義的な区政運営
)情報公開・情報開示
* 会議の公開
* ホームページを見やすく
)住民参加
* まちづくり協議会改革
)連携

② 築地市場移転問題

③ 住民の声をまちづくりに反映させること

④ 障がいのある方の施策の充実
* 就労支援(ジョブコーチ)
* グループホーム
* 成年後見制度

⑤ 地方分権
* 八丁堀労働スクウェア跡地利用計画、労働スクウェア跡地や晴海周辺空地の暫定利用

****レジュメ、以上****

****配布資料****
①平成21年度予算特別委員会に向けての着目ポイント
②本日のレジュメ
③私のマニフェスト
④平成21年度予算案 区民新聞の記事
⑤コミュニティバスのルート図とスールバスのルート図
⑥平成20年度再開発事業等の取組状況
⑦平成21年度中央区予算案、環境にかかわる部分の抜粋
⑧     (同上)       、障がいのある方への施策の抜粋
⑨豊洲土壌汚染対策に対する私の疑問
⑩     (同上)       、畑明郎氏
****配布資料以上*****


 20:40~21:45 質疑、ディスカッション
***ディスカション出だされた意見など****
①コミュニティバスとスクールバスが分けられた理由は?部署が異なるからか。

②二号線はなぜ、トンネル案から、地上化案になったのか。

③外部の目を入れて、監査を行うべき

④中央区に住む人は、住みやすさを感じているかもしれない。よって、不満もあまりないかもしれない。

⑤学校へ、大学の講師などもよんで、子ども達に幅広い観点から授業を試みては。

⑥中央区観光検定 出来た経緯、受験者700名中区民は何割?、資格者はなにをするのか。東京五輪で、中央区の案内役となるのか。

⑦中央区も独自テストを導入し、教育に独自性をもたそうとしている。

⑧小学校改修は、どのように。特認校とのからみで。

⑨日本の中央であるという区民の意気込みがでる施策を。

⑩家賃が高いイメージがある。

⑪英語案内を多く。

⑫英語で外国人を相手・相談をするNPOがでないか。

⑬区内にインターナショナルスクールが無く、いきなり小学校などに通う点で、苦労する子がいる。

⑭関心をもつことの大切さがわかった。
****以上*****

 予定より大幅に超過した会となりました。
 その分、大いにディスカッションできた形になりました。

 今後も、区民の皆様で、ご希望でしたら、個人であれ、グループであれ、中央区の予算を説明に上がりますので、お気軽にお声をお掛け下さい。
 電話03-5547-1191、ファックス03-5547-1166
 メールkazuki.kosaka@e-kosaka.jp


 
    

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本日2/26 第三回 コミュニティーバス導入検討会 報告

2009-02-26 15:10:24 | 街づくり
本日2/26、コミュニティーバス導入検討会が開催されました。

概要をお知らせします。


****以下、会議 概要****

区民の関心が高く、パブリックコメントが多数寄せられた。

大きく要約すると3点。

① ルート変更

② スクールバス直行便運行決定(4月より試行)

③ バス運行時間帯の変更(運賃に関しては、次回検討)



☆パブリックコメントに対応し、中洲・豊海町エリアをルート変更(資料参照)

☆スクールバスは、単独に特化したもので運行する。

☆運行時間

平日7:00-19:00

休日8:00-19:00

当初は、21:00までであったが、経費の削減と公共施設が19:00までには、ほとんど終了するために変更。

また、休日は通学がないため8:00と1時間遅らす。

☆ 運賃

再度パブリックコメントを募集する。

また、運行事業者の提案を聞く。

☆運行間隔

20分間隔

☆系統

南北2系統

☆ 車両

小型ディーゼルバス



【質疑応答】

質問:バス協会専務理事

① 既存のバス路線の影響を検討、配慮をして欲しい。

② 運賃の決め方について

③ シルバーバス運賃の助成について

区回答:

利用者住民は、ルートから200メートル範囲、夜間人口

利用者発生比率を掛けている。利用者発生比率は2.3%、近隣で実際に走っているコミュニティーバスをもとにしている。

運賃が200円であれば、シルバーバスができる

100円の場合、区の助成はない。

運賃に関しては、今後慎重に協議していく。


以上、

次回7月か8月に開催
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レーシック手術の患者、角膜炎に集団感染 銀座の眼科

2009-02-26 11:16:50 | 医療

 中央区内で発生した医療事故であり、今後、経過を追う必要があるため、掲載します。
 なお、その医院は、地元の中央区医師会や眼科医会には、属していません。
 一般的に言って、医師会では、医療安全部などの部会をつくり、会員の医療安全に対する啓発活動を行い、医療安全の徹底に向け尽力しています。
 

(赤字、下線は、小坂による)
***朝日新聞2/26朝刊 社会面転載*****

レーシック手術の患者、角膜炎に集団感染 銀座の眼科

2009年2月26日3時1分

 

図レーシック手術の手順

 東京都中央区は25日、同区銀座6丁目の銀座眼科(溝口朝雄院長)で、視力回復のためのレーシック手術を受けた患者67人が感染性角膜炎などを発症、2人が入院していると発表した。区保健所は手術器具の滅菌処理が不十分だったことをはじめ、同眼科の衛生管理全体に問題があった疑いがあるとみて調べている。

 区保健所によると、67人は銀座眼科で昨年9月から今年1月にかけてレーシック手術を受けた後、発症した。同眼科ではこの時期に計639人が手術を受けたという。

 入院中の2人のうち1人は回復しているものの、もう1人の症状の程度は詳しく分かっていない。同保健所は銀座眼科に対し、当分の間、レーシックを含めすべての診療を休止するよう指導した。

 区保健所に対する銀座眼科の説明では、同眼科はレーシック手術の際に角膜を削る「マイクロケラトーム」などの手術器具の消毒に、高温高圧の滅菌装置「オートクレーブ」を使っているが、この機械のサーモスタットに不具合があり、滅菌に必要な温度に十分に達していなかった、という。

 また、手術時に医師の手袋着用が徹底されていなかったり、消毒薬の使用が十分でなかったりした疑いもある。区保健所は銀座眼科の衛生管理全般に問題があったとみて調査している。

 銀座眼科はホームページで「検査当日の手術も可能」「平日のほうがお得です」などと宣伝していた。「安全で最高なレーシックを安価で皆様に」「機械や手術内容は(他と比べて)変わることはなく、むしろ最高のもの」ともうたっていた。

 区保健所に今月上旬、千葉県内の病院から銀座眼科で手術を受けた人が感染性角膜炎で通院していると連絡があって発覚した。立ち入り調査は18日から23日にかけて計3回行われた。

 角膜感染症に詳しい道玄坂糸井眼科医院(東京都渋谷区)の糸井素純院長によると、レーシック手術は急速に広がり、値段も安くなっている一方、手術前の説明や手術後の管理がおろそかになっているケースもあるという。手術は刃物のような器具で角膜を傷つけるため、傷口から細菌などが入り込んで感染症が起こりうる。そのため、手術後は一定期間の経過観察が必要になる。

 糸井さんは「医療現場も玉石混交で、術後の合併症の可能性や術後管理の重要性が十分に説明されていないケースも少なくない」と指摘する。

 厚生労働省は25日、すべての医療機関に衛生管理の徹底を指導するよう全国の都道府県に通知した。同省によると、レーシック手術を巡る大きなトラブルや院内感染事例は報告されていない。ただ、同省指導課は「レーシック手術は急速に増えているとみられるが、保険診療外の自由診療で行われていて実態を把握できない部分がある。同様の事例が起きている可能性はある」としている。

****転載、以上****

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【緊急のお知らせ】麻しん(はしか)が、流行の可能性あり

2009-02-26 10:04:37 | 小児医療

 中央区で、麻しん(はしか)が流行り始めました。
 1歳以上でMRワクチン(麻しん・風しん混合ワクチン)予防接種の1期が未接種の方は、急いで接種を済ませてください。
 1歳未満の方は、接種年齢ではございませんが、早期接種が可能です。ご相談下さい。
 あわせてMRワクチンの2期、3期、4期予防接種対象者の方は、期限が、3月だと思いますので、期限内の接種をお願いします。

流行情報は、中央区のホームページから、得ることも可能です。

http://www.city.chuo.lg.jp/kurasi/hokenzyo/hokenzyo1/kannsennsyoukannrennjyouhou/index.html

 ただし、今までは、夏以降麻しん発生がなく、早急に最新情報がアップされることになります。(2月26日午前10時現在)
 麻しん関連の単独のページで情報提供がなされるかもしれませんが、その時はまた、お知らせします。

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都政について

2009-02-26 05:16:02 | 国政レベルでなすべきこと
 昨日2/25、同期で区議会議員になった岡田眞理子氏が、都議選挙に民主党から立たれることを新聞等で正式に知りました。
 岡田氏とは、月島一丁目3・4・5番地の再開発に絡んだ問題に対し、請願が出された時、共に請願書の署名議員で名を連ねさせていただいたことがあります。
 同期議員の4人とともに、勉強会・情報交換会を持たせていただいたことも何度もありました。
 心からご健闘をお祈りいたします。



 都政に関しては、思うところ多々あります。

 一言でいって、都政は、住民ひとりひとりが見えていません。

 住民の声がきちんと届いていないのです。都議の重大な役目のひとつは、住民の声をきちんと聞き、その声を届かせることです。

 築地市場で働く人の声や現場が見えないからこそ、豊洲土壌汚染地への移転問題が生じてきています。
 築地市場移転問題のことだけをもってして、このようなことを申しているわけではございません。ただし、築地市場移転問題は都政の悪い部分が集約された存在だとは思っています。
 産科救急の不備で、なくしてはならない命がなくなりました。築地産院もまた、なぜ、なくさねばならなかったのでしょうか。
 中央区での再開発の強引さは目に余ります。住民の健康を犠牲にし、環状二号線のトンネル案から地上化案への都市計画変更をかけ、昨日お知らせした会で出されていますが、街を分断する巨大道路の敷設がなされようとしています。そして今後も、大規模な再開発は中央区で続いていきます。その再開発の影には、築地市場廃止や歌舞伎座の取り壊しで象徴されますように地域の伝統や文化への配慮もなく、すすめられていくのです。(築地市場も歌舞伎座も決まったことではありません、念のため。そのようなことが起こらぬように闘っていきます。)
 新銀行東京問題では、先日も市民団体が、住民監査請求をおこし、石原知事と仁司泰正元代表執行役に都の棄損額の855億円、石原知事に対して追加出資分400億円もあわせ、合計1255億円の返還を求める方針ということであり、ずさんな経営を監督できずに税金を無駄にしたことは、重大な責任があると思います。
 オリンピック招致では、湯水のごとく各自治体1000万円の浪費をこの経済危機の中で行っています。(中央区は平成20年度は、2000万円ついています。)招致は、華美なこと、目立つこと、外観をとりつくろって行うのではなく、みんなの気持ちや思いで行うべきものです。本当に招致させたい思いがあるのであれば、お金をばらまいて終りではなく、昨日のようなまちづくり協議会の場で、オリンピックの説明を、中央区にさせるのではなく、担当の東京都の部署が出向いて、住民に説明をすべきものです。
 その地域の自治体がその地域の福祉の充実をめざしていくという団体自治の原則に従い、きちんと地元の声を尊重し、築地市場のこと、八丁堀労働スクウェア跡地の利用のこと、交通機関の整備のことを進めていくべきであるのに、一切地元への配慮がなされていません。
 東京都と中央区は対等です。

 私は、都政のゆがみを区政の段階で修正できるように尽力いたすとともに、都政に地域の声が反映されるように、今後とも、言うべきことはもの申していく所存です。
 無所属の立場で、都と闘います。
 
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2/26 中央区政を考える会~中央区平成21年度予算案について~

2009-02-25 21:56:26 | 築地を守る、築地市場現在地再整備

 以前お知らせしておりましたが、明日2/26に迫りました。
 明日、あすなろの木で、皆さんと中央区の予算について、考えたいと思います。
 お時間のございます方、お気軽にお立ち寄り下さい。

*****再掲します。*****
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/37823e72547d8f577328470fc0b6c24c



 多くの皆様から、もっとご意見をお伺いし、中央区予算案の分析を深めて行きたいと考えています。
 予算案について、考える会を、以下のように開催いたします。
 お気軽にご参加下さい。



   *中央区政を考える会*

日時:平成
21226日(木)1945~21:00

場所:あすなろの木

 中央区月島3-30-4 イイジマビル1F
   (こども元気クリニック隣りのビルです。)
電話:03-5547-1191

  
テーマ:平成21年度中央区予算案について


*資料の準備の都合がありますので、参加される方は、事前にご連絡ください。
 電話:03-5547-1191ファクス:03-5547-1166
 メール:kazuki.kosaka@e-kosaka.jp

******抜粋終わり*****


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【大切なお知らせ】勝どき、豊海地区の皆様へ

2009-02-25 07:51:43 | ブログ目次 / イベント情報・会議日程

 急なお知らせの形になり、申し訳ございません。
 今、まちづくり協議会が、開催中。
 晴海地区2/24開催、そして2/25本日、佃・月島、勝どき・豊海地区合同で、開催されます!!

 開催日時:2月25日(水) 午後6:30から

 場所:アート晴海 地下1階ギャラリー
 http://mappage.jp/S/S40.php?L=12&X=2.4397751209997&Y=0.62230920340055

 議題:
 ①2016年オリンピック・パラリンピック招致に伴う施設計画等に関する要望書及び都からの回答について

 ②その他

 行政側から議員に配布されるお知らせでは、②その他となっていますが、私自身、前回の環境建設委員会でも指摘したところですが、
  「隅田川橋りょう(仮称)景観意匠検討委員会」における検討状況について
が、出されるはずです。
 というのは、2/24の晴海地区のまちづくり協議会を傍聴に行き、出されていましたので、必ず出されます。
 このテーマは、とても重要です。
 環状二号線が、地下で作るはずが、強行に地上化がなされました。
 今回、どのように、地上でその大きな道路が街を横切るか、具体的な模型とともに示され、街の意見が聞かれるわけです。

 付け加えるなら、万が一の東京五輪開催の場合、晴海と一体で、どのような観客動線ができるかや、一部競技(競歩)で、どのように競技ルートが街の中でつくられるかという話題も、①の中でなされると思います。

 お時間のございます方は、遠いですが、お出かけ下さい。

*勝どき・豊海地区にとって、本当に重要な事項なのですから、豊海小学校体育館を借りるなどして、その地域の方が、参加しやすい形で開催するのが、本来あるべき姿です。もう少し、行政は配慮すべきでないかと思っています。
 また、まちづくり協議会の開催は、残念ながらなされていませんが、地域住民に分かりやすく広報すべきだと思います。

*2/24では、晴海地区の方にとって、重要な晴海に入った部分の模型がありませんでした。全体の模型をつくるはずなのに、その部分がまだ無いなんてことは、あるのでしょうか。
 次回、晴海地区まちづくり協議会では、その部分を必ず出して説明すべきと考えます。


 晴海地区を傍聴して、勝どき・豊海地区にとって、とても重要な会議であることが分かりましたので、突然ではございますが、お知らせさせていただきます。

 以上、

 
 

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2/25防災等安全対策特別委員会 質問しようと今、思うこと。

2009-02-25 07:47:52 | 防災・減災

 このブログに書きながら、本日2/25の委員会の私の質問事項を整理しています。
 今、頭にあることを書いて見ます。

 他の議員との重複などもあるでしょうから、実際に質問するかどうかの取捨選択は、その場で考えます。

Ⅰ新型インフルエンザ対策について
*パンデミックワクチンの優先順位の考え方
 新型が発生した場合、感染の拡大を防ぐためにワクチン(流行時のワクチン;パンデミックワクチン)の接種を行うことになっています。ただし、パンデミックワクチンは、発生してからでないと作ることができません。また現状では、全国民に必要なワクチンを作るのに1年半はかかるとみられています。このため、「医学的ハイリスク者」「成人・若年者」「小児」「高齢者」の4集団にわけ、国民的な議論を経た上で、接種順位を決めていくことになっていると聞き及んでいます。
 優先順位を決める考え方は、今、どのようになっているのでしょうか?
 また、そのパンデミックワクチン接種方法はどのようになっているのでしょうか?

*新型インフルエンザ発生における事業継続計画(BCP)について
1)中央区はどのように整備しているのでしょうか?
2)同様に、企業は、整備状況はどうでしょうか?どのように整備について支援していく計画ですか?
3)整備に当たっては、「事業所防災計画及び災害復興計画」「CO2削減計画」「ワークライフバランス実施計画」などと同時に聞ける場をもつとよいのではないか。

*中央区新型インフルエンザ対策行動計画
1)ネーミング 「封じ込め対策解除期」
 実際は、解除というと、封じ込め策が功を奏して、終息をイメージしてします。でも実際は、封じ込めが破綻して、感染爆発が起こり始める最悪のステージに入ったことを意味している。
 封じ込め対策の「破綻」が分かりやすい形でネーミングを。

2)発熱センター
 レベル3Bにおいて発熱センターは、中央区保健所隣接公園内の1箇所から、中央区保健所1階、中央区休日応急診療所、日本橋休日応急診療所が加わり、合計4箇所となる。
 両休日応急診療所がそれに対応できるか。この度の改修にあわせ、対応できるように整備すべき。

3)医師会との連携
 どのような形で、医師が派遣されるかの調整を。
 発熱外来は、どこが担うのか調整を。

4)区民への周知
 広報カーや防災無線、中央FM、ケーブルTVは、用いるのか?

5)感染症危機管理ネットワーク会議
 開催はいつした?公開?

*区民とのリスクコミュニケーション
 どのように行っていくのか?
 小中学校生徒への知識の普及。
 新型インフルエンザの情報を得るページは?
 健診などで、情報提供を。

*区民へわかりやすい情報提供を
1)中央区は、「レベル」をもちい、国は、「フェーズ」を用いている。
2)「トリアージ」の意味の理解を促進。
3)「封じ込め対策期」「封じ込め対策が解除期」の違いの理解の促進。
封じ込め対策期:感染の疑いで、まず電話で保健所に相談の上、発熱センターを受診。発熱センターでトリアージをした結果、感染疑いがあれば、外来協力医療機関に搬送。そこでウイルス検査の結果が出るまで一時的に隔離
封じ込め対策が解除期:重症度に応じたトリアージ。軽症の場合、その場でタミフル、抗ウイルス薬を処方し、自宅で療養。重症の場合、指定の医療機関に収容。


Ⅱ地震防災・減災
*中央区災害対策本部運営訓練(図上訓練)
 平成21年1月27日に開催されましたが、そのご報告をお願いします。特に、どのような課題が浮かび上がったのかお知らせ下さい。
 また、この訓練は、議員にも通知することを検討いただきたいと考えます。私達議員も行政といかに連携して、災害時に行動していくかを考える場となると考えますので、よろしくお願いいたします。


などなど、

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【平成21年度予算案 分析⑦-6その1】衛生費 08年10月の決算特別委員会

2009-02-25 06:32:06 | 財務分析(予算・決算)

本日、私の属する「防災等安全対策特別委員会」が開催されます。
 その前に、昨年の決算特別委員会の自分の質疑を整理しておきたく、掲載します。
 赤字、下線は、小坂による。
*****決算特別委員会 衛生費より*****
○小坂委員
 では、衛生費について質問します。よろしくお願い申し上げます。
 今回のテーマは3つです。新型インフルエンザに関して、テーマの2つ目は食育に関して、テーマの3つ目は人のライフステージに沿った医療のあるべき姿ということで、これに関しては予算特別委員会と同じような流れになっております。その経過がどうなっているかというあたりを問うていきたいと思っております。

 まず、最初の新型インフルエンザ対策に関しましては、医療レベルではパワーポイントを示しながら話す内容でございますが、できるだけわかりやすく伝えることができればと頑張ってみます。

 では、最初の新型インフルエンザ対策に関してお伺いさせていただきます。

 新型インフルエンザ対策の柱というのは何かといいますと、それは2つに分けて考えられます。まずは医学的な対策。これは、ワクチン、タミフル、医療体制を整備する、これが柱のその1。柱のその2は、非医学的な対応、対策。これは、社会的に接触を減らす、集団で集まる場所に集まらないようにしたり、学校を閉鎖したり、出勤しなくしたりと、そういうことです。この2つの柱が成り立って新型インフルエンザ対策ができます。これを政策面で言いかえるのであれば、新型インフルエンザ対策の主な課題というものは、その1、ワクチン、抗インフルエンザ薬の研究開発、製造、備蓄の強化。2、ワクチン接種の対象者、優先順位の明確化。3、水際対策の現場レベルでの具体化。4、自治体の取り組み体制の強化、地域医療体制の整備。5、企業や政府における事業継続計画の策定など、社会機能維持のための条件整備。6、国民に対する広報啓発。これらが新型インフルエンザ対策の主な課題となります。

 ここで御質問させていただきますが、ここ中央区でも中央区新型インフルエンザ対策行動計画というのが策定されておりまして、きちんとマニュアル化されつつあるんですけれども、そこで各レベル、各フェーズでの医療提供体制をどのように整備し、その医療提供体制に対して、区民がどのように医療にかかるようになっているのか、その辺をわかりやすく御説明ください。

○大地健康推進課長
 中央区におけます新型インフルエンザ行動計画に基づきまして、まずは初期の都内の大流行までのいわゆる封じ込め段階までの時期でございますけれども、こちらにつきましては、まず中央区役所の裏に陰圧テントを設置しまして、いわゆる発熱センターでございますが、そちらに熱等がある方、感染の疑いがある方につきましては、まず電話で保健所に相談の上、発熱センターを受診していただきます発熱センターでトリアージをした結果、感染疑いのある方につきましては、外来協力医療機関という医療機関に搬送いたします。そこで診断の結果が出るまで、ウイルス検査の結果が出るまで一時的に隔離をするという流れになっております。

 それ以降、いわゆる封じ込めができない、いわゆるパンデミック時期につきましては、今度は当初の発熱センター1カ所と、それに加えて発熱センターを合計で4カ所設置をする計画になっております。合計で4カ所の発熱センター、それから医療機関に御協力いただいて6カ所の発熱外来を設置いたします。合計4カ所の発熱センター、プラス6カ所の発熱外来で、まず発熱のある方は皆さんそういったところを受診していただくんですが、そこでは封じ込め対策が解除された段階では、重症度に応じたトリアージを今度行います。軽症の方につきましては、その場でタミフル、抗ウイルス薬を処方いたしまして、自宅で療養していただきます。重症の方につきましては、その後、指定の医療機関に収容するという流れになってございます

 以上でございます。

○小坂委員
 もう少し感染が拡大した場合、その動きは変わりますか。

○大地健康推進課長
 今、国のガイドラインあるいは東京都の行動計画に基づきまして、医療の振り分けの仕方については、現状で考えられているのは、今申し上げましたとおり、封じ込め期と封じ込め解除期と、2通りでございます。

 ただ、医療施設につきましては、患者数に応じまして、指定医療機関だけではなくて、例えば結核病棟等の陰圧室を整備されている医療機関あるいは公立病院あるいは公的機関とか、そういったところに拡大するということを検討してございますけれども、基本的な振り分けの考え方は今申し上げた2通りでございます。

○小坂委員
 ありがとうございます。

 今のが医療体制に関してです。

 私がここで取り上げたいと思っておりますのは、リスクコミュニケーション、国民に対する広報、啓発に関してです。新型インフルエンザのリスクコミュニケーションというのは、1つにはいつ、どこで起こって、その感染力がどれだけあって、どれだけ広がるか。というのは、リスクが余り確かでなく、未確定であった。リスクが読めないという点で、1つ特異性があります。もう一つ、リスクという点で特異性があるのは、これはちょっと地震とは違うんです。地震のリスクであった場合、大ざっぱに言いますと、地震の場合のリスクというのは、発生したときにリスクが確定するんです。これは断定的に言っていますが、細かい部分ではちょっと違いますけれども、地震の場合のリスクというのは、発生したときに被害が確定します。新型インフルエンザの場合は、発生は天災ですけれども、その後に人がどのように対応するか、人と人との感染ですから、人がどのように対応するかによって、被害の大きさというのが変わっていくんです。対応が悪ければ、それは爆発的に被害が大きくなっていきますし、うまく対応できれば小さくて済むというところが、地震のリスクコミュニケーションとこの新型インフルエンザのリスクコミュニケーションのところで大きく異なる点です。

 このリスクコミュニケーションとは専門家がその専門の知識、情報を住民なり、利害関係者に正確に提供して、それらの方々と情報を共有します。その後、住民、利害関係者から意見の提供を受ける。その意見が反映される。その双方向のやりとりがリスクコミュニケーションのあるべき姿です

 従来からのリスクコミュニケーションというのは、一方的なリスクコミュニケーションでした。行政が、これが安全だからということで説得していくというリスクコミュニケーションでしたが、これからのリスクコミュニケーションのあり方、この新型インフルエンザの場合特になんですけれども、双方向性というのが大事になってきます。このあたりのことが、私はとても大事だと思っておりますし、今回取り上げた理由でもあります。このリスクコミュニケーションによって正確な情報を行政が提供し、パニックを起こさせないようにすることがとても大事です。

 ここで御質問させていただきますけれども、実際に新型インフルエンザが発生した場合を想定して、広報のあり方なんですけれども、どのようにリスクコミュニケーションを行っていきますでしょうか。その場合、どのような点が課題になりますでしょうか

 具体的に11月12日には区民、企業向け講習会を行う予定ですけれども、どのような会にすることをお考えでしょうか。このあたりについて教えてください。

○大地健康推進課長
 今、委員の御指摘のレベルに応じた相談体制ということだと思いますけれども、これにつきましては、昨年度作成しました新型インフルエンザ行動計画の中にも、今後マニュアルとしてきちんと整備をしなければいけない項目の一つになってございます。委員御指摘のとおり、現段階、発生前の段階、また海外で発生した段階、そして流行し、またパンデミックになった段階ということで、それぞれのレベルによって情報提供の方法や手段がかなり違ってくるかと思われます。その辺については、やはり早急に相談体制、広報のあり方ということでは検討する課題だと認識しておりまして、準備をしているところでございます。

 また、その一つの準備といたしまして、御質問にもありました今年度11月12日に大会議室で予定しております区民や企業向けの講習会でございますけれども、そこでは本区としましては初めて、区民参加で新型インフルエンザについての情報提供と、それから意見交換等ができればというふうに考えております。また、さらに平成21年1月には区民参加による実地訓練等も予定をしておりますので、そういった中でどういった情報提供方法があるのかということも検討してまいりたいということも考えております。

○小坂委員
 ありがとうございます。

 各フェーズによって変わってくるということであります。

 そこで、リスクコミュニケーション、きちんとこれをやっていかなくてはなりません。この目的というのは、先ほども申し上げましたが、この対策の有効性を高めるということ、イコール、被害を最小化に持っていくということになりますので、このリスクコミュニケーションというのはとても大切になってきます

 フェーズによって異なってくるということでしたけれども、それは大きく言えば、リスク発生前と発生後というところで分けられます。発生前のリスクコミュニケーションは、住民の関心を高めること、とるべき行動について正しい認識を得てもらうこと、対策実施協力に対する納得性を高めること、国民、医療従事者、自治体などから意見を聞いて、それらを反映すること

 大体新型インフルエンザがもし発生したら、外に出たら危ないですよねとか言いながら、でも、出ても、こういうふうにしていたら大丈夫なのではないかというやりとりをするような、大体そんなイメージです。これが発生前のリスクコミュニケーションです。

 それが一たん発生すると、発生後のリスクコミュニケーションは、別名クライシスコミュニケーションといいますけれども、その場合のリスクコミュニケーションはどうなってくるかといいますと、これは迅速・的確な情報提供をしていく必要があります。また、とるべき行動について正しい認識を得てもらう。これは前も一緒ですけれども、とても大事です。そして、不安を助長するような情報はんらんが起こります。無根拠な情報やデマなども含まれます。それらの中から必要な情報を収集していかなくてはならないというところです。ですから、先ほどみたいに、外に出たらだめよね、いや、いいのではないかとか、そのようなやりとりから、今度はもう行政の側から、外に出るなと、このような情報に変わってきます。このあたりの発生前、発生後でリスクコミュニケーションという形は変わってきます。

 実際に情報提供となってくると、これはとても難しいんです。中央区の行政の方々もこのチラシをつくってくださいました。まず、現段階の一つのやり方として、これでいいかもしれませんが、この情報提供は本当に難しいと思います。その難しい点というのは、対象範囲が広ということがあります。小さい子からお年寄りまでという伝えるべき対象、相手が広い。その方々は、さまざまな感受性を持っているわけです。その理解力や感受性に合わせて情報提供をしていかなくてはならない。また、独居高齢者や外国人など、情報弱者も存在する。そのようなさまざまな広い対象者を相手に情報を提供していかなくてはならないという性質の情報です。

 2つ目の情報提供の注意点としましては、これはだれがうつしたとか、どこの企業の人がインフルエンザを持ち込んだとか、そういうふうな風評被害を起こすような情報になってきますので、そのあたりの偏見や差別的な反応、また風評被害、これらを極力減らしていくような伝え方をしなくてはなりません。だれもがうつし、だれもがうつされる可能性がある、そのようなことを伝えていく必要があります。情報を伝える3つ目のポイント、注意点といたしましては、各フェーズにおいて個人の対応が異なってくるということを理解してもらわなくてはなりません。外来への発熱センターに電話して済ませればいい、もしくは外来センター、発熱センターに行って、ちょっと熱があれば、それでいきなり入院させられるというフェーズから、もっといっぱい患者が発生してきたら、そうではないんですよね。ちょっとした熱の人は家にいてください。新型インフルエンザにかかっても、重症者だけ病院に入院させるというふうな行動のパターンが変わってくるんですよ。同じかかった人でも、軽症であれば家にいなさいというふうに行動のとり方が変わってくる。そのあたりを理解してもらわなくてはならない。

 4つ目の注意点としては、リスク、リスクといっても自分の問題として、実感がわかないんです。自分のこととして受けとめにくいという状態があります。罹患率25%、最大死亡者64万人、こんなことを言われても、だれも実感として持てないんですよね。4人に1人かかってしまうとかいうふうな伝え方とか、64万人というのは、平成19年度の総死亡者数、111万の半分である、このような伝え方をすると、ちょっとわかってくるというふうな、実感がわかないものをいかに実感がわくように伝えていくかというところの注意点があります。

 5つ目の注意点としては、自分が感染するのか、自分が治るのかということをまず思い描いてしまう人たちを説得していかなくてはならない。公衆衛生的な観点からいえば、ワクチンとか抗ウイルス薬使用というのは、限られた医療資源ですので、優先順位をつけて配分していかなくてはならない。一たんかかってしまえば、薬をくれ、くれという状況になる可能性がある。そういう国民に対し、住民に対して、こうこうこういう理由だからこの人に使うんだよというふうに納得してもらわなくてはならない。そのような伝え方の難しさがある。

 また、最後に、感染者の自由な行動が感染拡大をする原因になるということで、公衆衛生的な対策のためには、共同責任として、社会の利害を考えた場合はそういうのを差し控えなくてはならない。そういう自由な行動は制限します。そういうふうなことを伝えていかなくてはならない。

 ということで、伝え方は非常に難しいというふうな状況があります。それですので、実際、情報提供の課題といえば、新型インフルエンザ対策は、行政ばかりでなく、国民一人一人が取り組むべきものであるということや、2番目に限られた医療資源をどう分配するか、その原則を国民が納得のいくように伝えることが必要であること。

 3つ目に、医療だけではなく、新型インフルエンザのリスクを、医療だけではリスクをゼロにできない。マスクをしてもうつる場合がある。そういうようなこともうまく伝える必要がある。外出の自粛や学校の閉鎖、企業活動の縮小など、これらの社会的な対応が不可欠であるということを、理由も添えてわかりやすく伝えていく必要がある。

 5つ目に、感染封じ込め対策から蔓延をしのぐ対策へと切りかえるところで医療資源の分配方針が変わる。先ほど言いましたが、重症な患者さんを、ちょっとした熱の人でも入院させるというのが最初のフェーズでしたが、その後、重症者だけ入院させるというふうに、感染が爆発したら変わってきますから、そのような医療資源の分配方針が変わるという点をはっきりと伝えていく必要がある。これは、新型インフルエンザで情報提供の課題があると私は認識しております。

 ですので、新型インフルエンザ、これは単にこのパンフレットを配るということだけでなく、これらの課題を丁寧に伝えていくということが必要ですし、それを伝えることによって、それを得た住民が意見交換をしながら納得して、その行動をとってもらうというところまでが担保された伝え方をしなくてはならない。ここがとても重要になってきます。このあたりのことをきちんと対策をとっていっていただければと思い、今回取り上げさせていただきました。

 単なる情報提供で終わらせてはいけないと思うんです。これが本当に実際に新型インフルエンザが来た場合に、人と人との感染をなるべく起こらないようにしていく。人が感染拡大を起こさない、行動を自粛する、行動変容を起こすような伝え方をしていっていただければと思います。そのためには、住民と行政との信頼関係を基盤にするようなリスクコミュニケーション、信頼関係を構築するようなリスクコミュニケーションが必要と思われます。このあたりをぜひとっていっていただければと思いまして、まずこのリスクコミュニケーションということを取り上げさせていただきました。

 これは衛生の話では、すべて実は通じるところであります。性教育の問題でありましても、これはこうこうこういうリスクがあるから、こういう行動をとったらだめというふうに、大人であればリスクコミュニケーションをすることになるでしょうし、メタボリックシンドロームでも、こうこうこういうふうな生活をしていたら、こういうことになるから自粛しなさいという情報提供をしなくてはならないし、禁煙に関しても、また大気汚染の問題でも、またサーマルリサイクルの話でも同じだと思うんですよね。サーマルリサイクルして、それで大気が汚れるかどうか、それを住民が納得して初めてリスクコミュニケーションができると思います。すべてにおいて、このリスクコミュニケーションというのは行政課題に通じると思いましたので、今回取り上げさせていただきました。今後のリスクコミュニケーションに関しての、新型インフルエンザは特になんですけれども、整備のほう、よろしくお願い申し上げます。

 (次のテーマに移ります。今後掲載します。)

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【平成21年度予算案 分析⑦-9その1】総括 08年10月の決算特別委員会

2009-02-25 05:45:21 | 財務分析(予算・決算)

 本日、私の属する「防災等安全対策特別委員会」が開催されます。
 その前に、昨年の決算特別委員会の自分の質疑を整理しておきたく、掲載します。
 赤字、下線は、小坂による。
*****決算特別委員会 総括質問より*****
○小坂委員
 では、よろしくお願い申し上げます。

 まず、私は防災に関してお伺いさせていただきました後に、以前、総務費関連でもお伺いさせていただいたんですけれども、区の基本的な方針に関して7点ほどお伺いさせていただきたいと思います。その7点は、1点目は情報公開・情報開示について、2点目は市民参加に関して、3点目は連携に関して、4点目は行政のスピード化に関して、5点目はIT化に関して、6点目は中長期的な計画に関して、そして最後が築地市場に関してお伺いしたいと思っております。

 では、まず防災に関してお伺いさせていただきます。

 これに関しては5点あります。

 まず1点目は、企業との連携に関してです。

 まず、企業は被災時におきまして、企業の方々は戦力として見ているのかどうか。帰宅困難者として帰ってもらうことだけをみなしているのか。被災時にその企業の方々しい家族の安否を確認した方々はぜひ中央区に残っていただいて、被災地の作業に協力してもらおうというふうなところまで計画として考えているのかどうかお聞かせください。

 また、2つ目として、企業に関してのところで防災拠点運営委員会の何割ぐらいが企業との連携がきちんととれているのか教えてください。

 企業に関しての3点目は、中央区には4万4,000ですか、企業があるんですけれども、その何割が災への取り組をきちんとしているのか。防災への取り組みというのは、帰宅困難者対策をきちんと持っていたり、備蓄をきちんととっていたり、近隣町会との連携がきちんととれていたり、避難者への商品提供ができたり、避難者への場所提供ができたりと、そのような計画をきちんと持っていることを言いますけれども、そのような企業、事業所というのは何割ぐらい中央区においてはきちんとできているのでしょうか。

 これが企業との連携でお伺いさせていただきたい点です。

 2点目は、防災拠点運営委員会に関してです。

 この会というのは非常に大事な会でありまして、このメンバーの公表というのがとても大事なこととなってくると思います。このメンバーに関しては、こちらの計画書にきちんと記載されておりますけれども、ぜひ中央区の区政年鑑に載せていただいて、こういう人がきちんとやっているんだということまで載せていただく必要があるのではないかなと思うんですけれども、この辺いかがでしょうか。

 3点目は、社会教育会館など指定管理者の委託の施設が災害時の福祉避難所となっておりますけれども、被災時にこの指定管理者の方々というのはきちんと被災に対しての機能として、この福祉避難所を運営するに当たって、彼らはきちんと協力し、施設運営に協力してくれるのかどうか、このあたり、きちんと覚書なりがなされているのかどうか教えてください。

 4点目は、河川や運河を避難や救助への運搬移動に活用する方法について、きちんと検討されているのかどうか教えてください。中央区地域防災計画116ページには船着場のことに関して書かれておりますけれども、まさに道もめちゃくちゃ、橋も落ちるといったときに、一番期待を持てるのは河川、運河の使用となってきますので、このあたりの計画がきちんと深められているのかどうか教えてください。

 5点目は、これは前委員が指摘されていることですけれども、避難路の明示をきちんとしていただきたいと思っております。東京都の避難路というのがあるのかもしれませんけれども、防災拠点マップというのがあるのであれば、ここの道は中央区における、ここの道は絶対に安全だ、ここだけは通れるというのをきちんと明示していただきたいと思うんです。そうでないと、どこを通ったらいいのか、非常に混乱した区民が狭い道をわざわざ行っちゃうとかいうこともありますので、自分の住んでいる地域のこの道だけは絶対に安全というのをきちんと明示していただければと思うんですけれども、避難時の避難路の明示をきちんとやっていただけるかどうか、このあたりの御質問です。

 以上5点、よろしくお願いします。

○中島防災課長
 まず、防災につきまして、企業との関係でございます。

 東京都も区もそうなんですが、災害を想定して企業にどういったことを期待しているのかという点が1点ございます。委員が御指摘ありましたように、被災時に戦力なのか、帰宅困難者なのかという話が1つございまして、東京都も私ども中央区も、企業については組織でありまして、組織は組織で守るんだというのが基本でございます。もちろん、企業さんは自分の企業活動を継続させるために自分の会社の事業継続の計画の取り組みというのがもちろん必要でございますし、また、災害時に従業員をどうやって守るのか、また家族等の安否を確認するためにはふだんから企業で考えておいてもらわなければいけない、こうした考え方を私ども示しているところでございます。もちろん、その中で、すぐに帰らなければいけない人、帰宅しなければいけない人などについては、今、委員の御指摘のような、なかなか帰宅が難しいという意味で帰宅困難者になるケースもあると思いますが、基本は企業は企業として災害対策に当たってほしいということでございます。

 また、同じく企業の防災拠点運営委員会との連携でございます。

 なかなか、これは全体的にできているという状況ではまだございません。平成11年から取り組んでおりました防災拠点運営委員会の立ち上げが、平成16年あるいは平成18年に何とか形がついたと。それで、防災区民組織の集まりというのが基本のスタンス、区と警察、消防がアドバイザーということですが、今後、これからその地域の企業との連携という話になってくるのかなと思っています。そうした機運あるいは個別のお話については、ここにはこんなところがという話は言ってはございますけれども、全体としてはそんな状況でございます。

 また、企業が防災の取り組みをどの程度しているのかということでございます。

 数字として、何%ということはございませんけれども、東京都の火災予防条例で出火防止あるいは避難だけではなくて、震災時を想定した防災計画を立てるようにということで条例改正もされている中で、ある程度の規模の会社については、防災対策の取り組みが現在必須ということで消防のほうから指導も入っております。そうしたことから、先ほど言いましたように、災害を想定すると、企業がどうやって生き残るかというのは企業さんにとっても死活問題だという認識が最近深まっているようにも感じておりますので、数字はございませんけれども、そうした取り組みは進んでいるものと考えております。

 その次でございますが、防災拠点運営委員会のメンバーを区政年鑑に載せるというようなお話がございました。先ほど申し上げたように、何とか全拠点で委員会が立ち上がりまして、今、運営支援のほうに区のほうが重点を置いております。各区民組織、これは町会・自治会を母体にしておりますけれども、それぞれの出身母体のほうで担当を、例えば町会長さんだとか、それから防災担当がかわったとか、そういった名簿の整備などを、今、区が事務局機能を担う中で、そうした整備を進めているところでございまして、先行きとしては、委員の御指摘のようなことも考える可能性もあるかなと考えております。

 それから、指定管理者施設、それから社会教育会館はこれからだと聞いておりますけれども、これが災害時の一種の活動の場所になるわけでございます。指定管理者制度導入に当たりましては、当初に基本協定、各年度ごとに個別の協定ということで契約というんでしょうか、なっていると聞いております。どの協定におきましても、基本的に緊急時の対応として、施設が区の防災対策にきちんと協力をするということ、誠実に区の要請に対して応じるというのが、どの指定管理者施設の協定においても、基本協定において明示されております。私どもとしては、そうした基本協定に基づく中で、災害時にきちんと対応してもらえるものというふうに確信しているところでございます。

 それから、河川の関係でございます。

 災害時の河川利用というのは、ここのところ非常に着目されておりまして、区の総合防災訓練でも平成18年度、19年度ということで区の独自の総合防災訓練でも活用しております。また、ことしの8月末の東京都の合同の総合防災訓練でも船着場を使っていろいろさまざまな艦船あるいは遊魚船もございましたが、そういったところで訓練の積み重ねを行っております。そうした訓練を積み重ねる中で、いろいろとここは実効性についても見えてきているところでございますが、今、河川の利用については東京都あるいは東京消防庁、警視庁がそれぞれの機関が災害時に船舶で、河川を使って人員を運んだり、輸送したいと。いろいろな機関が結構入り組んで入ってきておりまして、そうしたところで真に実効性のある区の計画としていくためには、時系列も想定して、どういうものを河川、水面を事業所としているところ、水面で事業を行っているところとやっていけるのか、その辺を東京都あるいはさまざまなところと、これはもう少し調整が要るのかなというふうに考えております

 それから、最後に、避難道路の明示でございます。

 実は、この点につきましては、中央区には結論から申しますと、都が指定する避難道路というのはございません。といいますのは、そもそも避難道路といいますのが、大規模な火災が発生した場合に広いところへ逃げる、これは広域避難場所と言っておりますが、そこの広域避難場所の距離が大体3キロ程度以上あるところ、いわゆる遠距離に広域避難場所があるところについて東京都が避難道路、要するにこの道を伝って大きな公園に逃げてほしいと。これが避難道路の指定ということなんですが、中央区はそんな長い距離の避難を要しないということで、避難道路の指定はございません。ただ、しかしながら、委員の御質問の趣旨も、例えば自宅で被災した場合に、学校に避難をする際にどういうところを通っていけばいいのかなというのが御趣旨かなとも受けとめております。中央区は非常に道路も多いということで、この道路を通れば絶対安全で、例えば広い街区を通るのではなくて、学校まで100メートル、200メートルというところも非常に多いわけですので、どういう道を通るかはそのときの被害の発生状況にもよるという面もあろうかと思います。

 いずれにいたしましても、防災拠点を避難所として活用するために、そこへ移動するという際にどうやって安全な道筋を判断するのかということが大事なことになってくるかと思います。これにつきましては、それぞれの町々ごとに、例えばここには木造家屋が並んでいるとか、それから自動販売機が並んでいるとか、そうした地域の危険度をそれぞれ考えていただくということがいいのではないかなというふうに考えております。

 以上です。

○小坂委員
 それぞれ丁寧に御説明ありがとうございました。

 企業との連携では、組織は組織でということで、関与もしないけれどもというふうな感じに受けとめるんですけれども、やはり企業あっての中央区でもありますので、企業に勤めていらっしゃる若い世代の方々、昼間人口となる方々はぜひ中央区の区民の被災者を救うようなところまでの連携をとれるような形で持っていっていただければと考えております。このあたり、また連携のほうを深めていっていただければと思います。

 防災拠点運営委員会との連携というのも、組織が立ち上がったばかりでありますので、それはなかなかまだまだ先の話かもしれませんけれども、ぜひ企業との連携というのを次に行う早い段階におきまして、1つの重要課題として、ぜひ持っていていただけないかなと思います。途中から防災拠点運営委員会にどうぞ入れてくださいとか言っても、なかなか組織ができてしまった後に企業が入ってくるのも入りづらいですから、このように立ち上がったばかりのときに企業も最初から計画や運営委員会の運営にかかわっているという形のほうが、その後の実際に被災した場合にきちんと動いてくれるし、連携も強まると思いますので、早い段階からの連携というのをぜひお願いしたいと考えております。

 また、事業者の何割かが防災の取り組みをしているか、このあたりも他の部署とも連携しながら、ぜひ把握のほうをよろしくお願い申し上げます。

 防災拠点運営委員会の委員とか、どのような組織になっているか、公表をお願いしたいと考えておりますのは、やはりこの地域を守る重要な名簿ですので、公開、公表していただいて、地域の課題を考えた人がいたら、この防災関連の課題に関してはこの人に持っていこうというふうなことがわかりますので、ぜひ名簿の公表、整理のほうをよろしくお願い申し上げます

 社会教育会館などの指定管理者制度が導入されたとしても、きちんと福祉避難所として機能してもらえるというふうなことがわかりましたので、そのあたりは安心できました。

 河川、運河の避難経路に関しては、これはとても大事な問題かと思いますので、実効性のある計画の立案をよろしくお願い申し上げます。

 避難路の明示に関しましては、中央区はかなり狭い路地がありますので、ここに出れば安全に避難できるというところの明示も必要かと思いますし、そのようなところにおいては、安全に、より安全にというふうな整備の仕方が大事かと思いますので、避難路というものをきちんと明示し、そしてそれを明らかに防災拠点マップに載せていただくとか、そのような形を持っていただければいいのではないかなと考えておりますので、またさらなる検討のほうをよろしくお願い申し上げます。

(防災に関しては、以上。今後、残り部分も掲載していきます。)

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築地を守るために(改訂)

2009-02-24 17:20:27 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
 各方面から、アドバイスをいただき、文章をバージョンアップさせています。今後も、バージョンアップの折は、ご報告します。
 長文にもかかわらず、こうして丁寧に修正・加筆を加えていただけますこと、本当に感謝いたします。 
初校 平成21年2月23日
第二校平成21年2月24日

『団体自治の原則を踏みにじる東京都の築地市場移転強行に対して強く抗議すると共に、豊洲土壌汚染対策に関して、専門家による公開討論を求めます。』


 平成21年2月6日、築地市場の移転候補地、豊洲の土壌汚染の土壌処理対策を検討する「技術会議」の最終報告が提出されました。石原慎太郎都知事は、2月18日の第一回都議会定例会の施政方針表明において、豊洲新市場の平成26年(2014年)12月の開場を表明しました。
 それに対し、矢田美英中央区長は2月20日の環境建設委員会の場で、私の質問を受けて、「築地市場移転に断固反対する姿勢に変わりはない。特に技術会議の方針には疑念が残る。」と発言し、あらためて中央区は移転に断固反対であることを確認したところです。
 「技術会議」の土壌汚染処理に向けた提言は、一言でいうと「安かろう、悪かろう」の提言です。まったく信憑性のない提言であると考えます。

 以下に、理由を述べます。

一、密室の中で進められた会議であること
 東京都は、会議内容を公開していると述べていますが、どうみても密室の中で、非公開に会議を進めています。
 座長以外、誰が委員であるのかすら、2月6日のプレス発表まで明かされませんでした。
 会議録は、最終報告の段階でも、一切公開されず、2月17日になって、ようやく東京都中央卸売市場のホームページ上で公開されました。アップされた会議録をご覧いただくと分かりますが、発言委員名が明らかにされておらず、どの委員の発言か、わかりません。なお、会議録が本当に会議を再現したものかの疑いも残ります。
 ベンゾ(a)ピレン問題や不透水層欠落・不透水層への汚染の拡大問題など朝日新聞のスクープ記事でもお分かりのように東京都に情報の隠蔽体質がある以上、様々な不都合を隠すため密室で会議を進行させたと疑わざるをえません。
 科学技術の検討は、万人監視の公開のもと実施すべきであり、非公開で進められたこと自体、この会議の結論の信憑性が疑われます。

(頑なに情報公開を拒む東京都の姿勢について)
 細かい話になりますが、いかに東京都が情報公開を拒んでいるか、私と東京都とのやり取りから察していただければ幸いです。
 私は、第一回技術会議(8月15日)が開催された後の8月20日、速記録を情報公開請求の形で東京都に求めました。
 9月3日付けの東京都の回答では、東京都情報公開条例第7条第5号を用いて、「本会議で評価・検証する内容は、都の土壌汚染対策工事の発注につながるものである。そのため、公にすることにより、外部からの干渉、圧力等により行政の内部の自由かつ率直な意見の交換が妨げられ意思決定の中立性が損なわれるおそれ、不当に都民の間に混乱を生じさせるおそれ叉は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあることから、東京都情報公開条例第7条第5号に該当する。」という理由で、非開示決定が言い渡されました。
 都のこの回答を不服とし、私は、9月29日異議申し立てを以下の理由で行いました。
 異議申し立ての理由:「非開示決定は、公にすることにより、外部からの干渉、圧力等により行政の内部の自由かつ率直な意見の交換が妨げられ意思決定の中立性が損なわれるおそれ等があるとして、東京都情報公開条例(以下「本条例」という)第7条第5号に該当するとする。
 しかしながら、本条例前文に「開かれた都政を推進していく」「都民がその知ろうとする東京都の保有する情報を得られるよう、情報の公開を一層進めていかなければならない」などとあるとおり、本条例においては公開が原則であり、例外的に非公開とするのは、公開による不利益が具体的かつ現実に生ずる蓋然性が極めて高い場合に限定すべきである。そして、公開による不利益がある場合でも、徒に文書全体を非公開とするのではなく、このような不利益を生じさせる部分を除外したうえ、他の部分は可能な限り開示しなければならない。
 速記録原稿については、確かに都の土壌汚染対策工事の発注につながるものではあるが、都民の食卓や健康等に重大な影響を及ぼす築地市場移転予定地の土壌汚染対策工事であることを勘案すれば、都民がその工事内容を知る権利を重視すべきであるし、むしろこれを公開してよりよい土壌汚染対策工事について広く都民の意見を踏まえた議論がなされるべきである。
 また、公開した方が、有権者たる都民の監視のもとでのより公正な手続での発注が期待できる。
 仮に全部開示が不適切である場合でも、一部技術内容や発言者等を匿名にすることで、残部についての開示は十分に可能である。」
 以後、私は、再三にわたり、この異議申し立ての返事や速記録の公開を求め、東京都に申し入れを行いました。窓口の都職員とは、全技術会議の速記録を提出することをお願いしていたのでありますが、年が明け、技術会議の報告書が出された今でさえも、異議申し立てに対する返事も、速記録の公開も一切なされていません。
 驚いたことに、あれほどお互いが、全会議の速記録の公開についてやりとりをしていたにもかかわらず、2月18日の都職員の回答は、私の情報公開請求は、第一回の会議分の速記録に関してのみの請求であると突然言われました。では、その第一回の速記録だけでもいいから出してもらえるようにお願いしましたが、まだ出せないということでした。
 仕方なく、2月19日私はあらためて全会議の速記録の情報公開請求を東京都に行いました。回答は2週間以内に行うことになっていますので、この請求が通れば、私は、全会議の速記録を3月4日に手にすることが出来ます。
 情報公開請求の非開示決定に対する異議申立に対して、いつまでに回答をしなければならないという規定はないため、致し方ないわけではありますが、既に、技術会議の最終報告が出されている以上、非開示にする理由もないわけであり、すぐにでも速記録を出せるはずです。なぜ、頑なに速記録を公開しないのか理解に苦しみます。


一、会議の中立性が担保されていない
 会議の座長を務めた原島文雄氏は、元東京都立科学技術大学長であり、首都大学東京の学長に就任を予定されており、東京都と密接な利害関係を有しています。
 このような座長のもとになされた検討結果が、果たして中立な結論を導き出せるでしょうか?
 なにがなんでも移転を強行したいと考える東京都側に立った結論を導き出すと誰もが疑うわけであり、中立性が担保されていない以上、この会議の結論の信憑性が疑われます。

一、そもそも座長は、土壌汚染の専門家ではない
 会議の座長を務めた原島文雄氏の現在の肩書きは、「東京電機大学 未来科学部 教授、システムエンジニアリング」となっています。早い話が、「ロボット工学が専門の電気工学者」ということです。
 ロボット工学という畑違いの方が、土壌汚染処理の検討を進める会議の座長をすること自体に無理が見られます。この会議の結論の信憑性が疑われます。
 なお、2月6日提出されたその他の構成メンバー6名の経歴は、座長代理をつとめられた矢木修身氏は、元環境省国立環境研究所水土壌圏環境部水環境室長、日本大学大学院総合科学研究科教授で専門は環境微生物工学。安田進氏は、東京電機大学理工学部教授で、原島座長が東京電機大学長時の学長補佐であり、専門は地盤工学(液状化対策)。長谷川猛氏は東京理科大学工学部工業化学科卒業後、東京都に入都され、東京都環境科学研究所長。小橋秀俊氏は、国土交通省の独立行政法人土木研究所 つくば中央研究所技術推進本部 主席研究員で専門は土木。川田誠一氏は、東京都立科学技術大学教授、産業技術大学院大学 産業技術研究科長 教授で専門はシステムエンジニアリング。根本祐二氏は、国が出資する元日本開発銀行(現:日本政策投資銀行)、東洋大学大学院経済学研究科教授で専門はプロジェクトマネジメント。つまり、東京都関係者、国関係者など御用学者で固めたメンバーと言え、土壌汚染に少しは係わりがある者は、矢木氏と長谷川氏の二人だけであり、液状化に詳しい者が安田氏のみである。これでは、土壌汚染対策の技術工法を審査する委員会としては、失格であろう。専門家会議委員4人中、平田、森澤および駒井の3人は土壌汚染の専門家であり、技術会議は専門家会議よりも専門的レベルがかなり劣る構成であると言える。

一、「専門家会議の提言の具現化」という当初約束された方向性から外れた検討結果を出してきている
 技術会議は、先立って開催された「専門家会議」の提言を具現化するためには、どの技術を実際に用いたらよいのかを検討することが約束されていました。
 実際に比較いただくとわかるのですが、汚染地下水の流れを制御するために建物下空間と外部空間の遮水壁を省略したり、現地の土壌を、浄化済みと称して入れ替え用の土壌に転用するなど、「専門家会議」が出した提言と、「技術会議」が出した結論が全く異なっています。
 「技術会議」は、当初約束されたように「専門家会議の提言の具現化」を目指すべきであり、その提言からずれた結論は、食の安心・安全やその場所で働く市場関係者の健康への影響の安全性が担保されているとはいい難いと考えざるを得ません。

一、「有楽町層が不透水層」という一番の大前提が崩れている
 土壌汚染の対策にあたり、大前提として「有楽町層」は“不透水層”であり、汚染は、その下に広がらないということがありました。
 1/26、1/27と朝日新聞がスクープ記事が出されてお分かりのように、不透水層の有楽町層が確認できない箇所が数箇所存在したり、実際に有楽町層があった場所でさえ、有楽町層内へ汚染が拡大している箇所が数箇所存在していました。
 「有楽町層」は“不透水層”で汚染が広がらないとして、詳細な土壌汚染調査はなされておりません。どれだけ深刻な汚染があるのか、誰も知らないまま、対策を強引に進めようとしているのです。
 土壌汚染は、深層部まで深く広がっていると考えるのが、一般的な考え方と思います。
 このままでは、食の安全・安心やその場所で働く市場関係者の健康への影響の安全性を担保とした土壌汚染対策がなされると信用することはできません。

一、地盤の弱い土地では、土盛り後、地盤の安定を確認するために2年間放置する必要があるが、整備方針のスケジュールにはその期間の想定がまったくない
 建築工事のあり方では、常識となっていますが、地盤の弱い土地では、土盛り後、地盤の安定を確認するために2年間放置する必要があります。実際に、豊洲移転候補地では、その期間経過をみた場所が存在しています。あらたに土壌の入れ替えを行うわけであり、その後、地盤の安定をみる期間が2年間必要であります。
 この期間をもたずに、土壌汚染対策工事20ヶ月後、“即”建築工事開始となっていますが、このスケジュールの出し方自体に無理があります。
 このようなスケジュールを出してきたこと自体、技術会議の結論の信憑性が疑われます。

一、有効性が立証されていない“新技術”を採用している
 「最先端の新たな技術・工法の採用」と銘打っていますが、“最先端”とは、すなわちそれだけ、使用実績が少ないということです。それを安易に採用しています。
 土壌汚染の微生物処理が果たして有効であると立証されているでしょうか。東京ガスによる以前の土壌汚染処理でも微生物処理が採用されたにも関らず、これだけベンゼンの汚染が残っている事実が現に存在しています。今回の微生物処理が従来のものに比べて最先端である根拠を示す必要がありますが、明らかにされていません。
 “最先端”の技術・工法が有効であるという根拠をきちんと示さずに、採用するのは非常に危険であると思います。根拠なしであるが故に、食の安全・安心を担保した土壌汚染処理がなされると信用することはできません。

一、技術会議の提言を、果たして技術会議の委員が考え出したものなのかさえ疑わしい
 あくまで、想像の域を脱しませんが、ホームページ上の技術会議の会議録を読んでいますと、果たして、この技術会議で、土壌汚染対策の細かなやり方や採用技術が決められたかどうかということの疑いが生じます。どこか、裏の会議体があり、そこで青写真が作られ、それを技術会議の場で、委員が、承認したのではないかと考えられます。
 そのような裏の会議体があるのであれば、東京都はそれを明らかにすべきだと思います。
 これは、現段階では、あくまで、会議録の文脈から読み取った憶測です。そのように感じた理由は、委員の発言が、専門家会議の内容をあまり知らなくてなされており、主体的に考える姿勢が感じられないがゆえに、裏の会議体が考えたことを出してきているという疑念を持たざるをえません。

 「市場を考える会」が、技術会議の最終報告を受けて、同日記者会見を行いました。都庁の記者クラブにおいて、一時間以上に及んだ記者会見がございましたが、今まで述べてきた内容は、その折に、話された内容も一部参考にするとともに、坂巻幸雄氏(日本環境学会土壌汚染問題ワーキンググループ長、元通産省地質調査所主任研究官)や畑明郎(日本環境学会長・大阪市立大学大学院教授)のお話を参考にまとめました。


次に、土壌汚染に関連して、小児科医師の立場から述べさせていただきます。

一、ベンゼン、ベンゾ(a)ピレン、シアン化化合物の有害性について
 専門家会議の報告書から分かる汚染の実態は、とても深刻です。土壌からは、ベンゼンが環境基準の4万3000倍の430mg/lで、シアン化合物は、定量下限値(0.1mg/l)の860倍の86mg/lで見付かりました。地下水においては、全調査地点4122地点の13.6%でベンゼン(最高1万倍、100mg/l)が、約1/4の23.4%にシアン化合物(定量下限値の最高130倍 13mg/l)が検出され、広範囲に土壌汚染が広がっています(『専門家会議報告書』5-37)。なお、シアン化合物で、定量下限値という語を使用しておりますのは、環境基準では、「検出されてはならない」からであり、環境基準との比較ができないためです。
 情報の隠蔽として疑われているベンゾ(a)ピレンは、最大値は590mg/kgで、自然界値1.2μg/g(2002年の環境省底質調査)の約500倍、07年調査時点の最大値の115倍でありました。検出個所は151地点あり、そのうち50mg/kg以上が15地点、5mg/kg以上も58地点あります。ベンゾ(a)ピレンについての環境基準や指針は国内にはありませんが、専門家会議の座長は「米国やドイツなどでは2mg/kgや3mg/kgがリスク評価のための基準」と発言しています。
 各物質の毒性に関しましては、RBCAによるリスク評価モデルを用いる中で、高濃度のベンゼンにより発がんリスクがあったり、シアンによる急性障害が出るとして、専門家会議の委員自体が毒性を認めています。
 ベンゼンの慢性毒性として、発がん性がありますが、それのみではなく、文献的には、妊娠中の胎児への催奇形性も言われており、市場内で働く女性が多い中、健康被害が懸念されます。
 ベンゾ(a)ピレンは、石炭から燃料をつくるときに生じるコールタール、たばこ、車の排出ガスなどに含まれる揮発性物質であり、極度に強い発がん性があるといわれています。マウスを用いた実験では、僅かな量でも皮膚がんを引き起こすことが明らかになっています。
 シアン化合物は、呼吸障害や頭痛、めまいなど急性障害を起こす猛毒物質で、健康被害を及ぼす可能性は大いに考えられます。特に、シアン化カリウム(青酸カリ)は、150~300mgが致死量となります。シアン化ガスは、青酸ガスのことで、ご存知のように、ホロコーストでも用いられました。気体の毒性の報告では、270ppmで即死というものから、5000ppm(0.5%)の1分間の吸入で半数死亡などがあります(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)。
 このようにベンゼン、ベンゾ(a)ピレン、シアン化合物など、今回言われている土壌汚染物質の毒性は、非常に強く、厳重な管理を要します。特に、シアン化合物は、環境基準の「検出されてはいけない」ことを達成させる必要があります。技術会議の報告書で、「地下水を敷地全面にわたって早期に環境基準以下に浄化」と述べられていますが、専門家会議の調査で全体の約4分の1、すなわち約10ヘクタールにシアンの汚染が広がっており、果たして浄化が可能なのか大いに疑問の残るところです。


次に、地元中央区議会議員の立場(無所属)から述べさせていただきます。

一、日本国憲法 地方自治の章において保障する「団体自治」の観点から、東京都の独断による移転の強行に抗議します。
 中央卸売市場は、都道府県が策定する卸売市場整備計画に基づき、農林水産大臣の認可を受けた都道府県または人口二十万人以上の指定都市が開設できるものとされています。しかしながら、現在、特別区は指定都市に含まれていないことから、都が築地市場をはじめ特別区内十箇所で市場を開設、運営しております。
 卸売市場は、その周辺地域の産業や経済、住民の暮らし、さらにはまちづくりに大きな影響力を有する施設です。日本国憲法で謳われている団体自治の観点からしても、また、地方分権の流れからみても、地域の総合的、一体的なまちづくりを可能にするために、都に留保されている市場の都市計画決定や開設に関する事務に、築地市場の所在地を有する地元の区が関与することが当然のあるべき姿と考えます。
 中央区ホームページ内『築地市場再整備問題の経緯と中央区の取り組み』をご覧いただきますと分かりますように、築地市場再整備を求め、中央区長、中央区議会議長は、平成10年(1998年)の「築地市場再整備に関する要望書」提出から始まり、再三にわたり「抗議」「要望書」「意見書」を東京都に提出して参りました。平成11年(1999年)当時、中央区は、築地市場現在地再整備する場合の種地として、築地川東支川の2851㎡の提供を市場当局に申し入れをしたり、平成12年(2000年)には、『築地市場現在地再整備促進基礎調査報告書』も作成し、具体的な再整備に向けた提案も行ってまいりました。
 しかし、石原都知事の平成11年9月築地市場視察における「古い、狭い、そして危ない」の発言で象徴されますように、地元自治体のそれらの意見・提案を真摯に受け止めることなく、東京都は、強引に移転の方針で計画を進めてまいりました。
 この度、東京都が作成配布しております『築地市場の移転整備 疑問解消BOOK なぜ移転が必要なの?』においても、地元中央区とのやりとりの経緯や移転に伴っての場外市場をはじめ周辺地域への配慮が一切書かれておりません。
 日本国憲法では、地方自治の大原則である「住民自治」と「団体自治」が謳われていますが、これまでの経過を見ていただければ、東京都の地元自治体である中央区に対して、その「団体自治」のあり方に大きく反して行動してきたことがお分かりいただけると同時に、このようなことは、あってはならないのではないでしょうか。私は、「団体自治」の原則を踏みにじる東京都に対して、強く抗議を致します。
 
一、公開討論(リスクコミュニケーション)の必要性について
 専門家、大学教授を集めて、今回のような専門家会議、技術会議を開催し、それらの提言を尊重して、政策を立案することは行政の用いる手段としてよくあることと思います。
 問題は、専門家や大学教授の提言に対し、それを分析、チェックするだけの専門性を議会が有しないが故に、そのまま、提言を受けざるを得ないことです。行政が選んだ専門家、大学教授は、結論ありきのまま会議を進めたり、今回発覚したように、行政からは都合の悪い情報は与えられないまま会議が進められることがあるわけであり、出された提言そのものの妥当性・信憑性を評価する必要があるにもかかわらず、それをチェックできないでいるのです。
 今回の場合で言えば、東京都は、専門家会議の場で再三、傍聴者から要望が出された、専門家会議委員と、その出した提言に疑問を呈する専門家との公開討論の場を作るべきであると考えます。その場がつくられないのであれば、都議会や国会において、「提言に疑問を呈する専門家」による公聴の場が作られることを切に願います。


 以上、都民・仲卸業者・研究者と連帯して行動してきた立場として、小児科医師の立場として、そして地元中央区の区議会議員の立場として申し述べました。


 最後に、しきりに東京都は、築地市場廃止、豊洲新市場開設を“決定事項”のように述べておりますが、事実無根であります。
 その根拠を述べます。
 中央卸売市場は、「中央卸売市場整備計画」に基づいて設置されると「卸売市場法」に定められています。そしてその「中央卸売市場整備計画」は農林水産大臣が定めます。築地の豊洲移転計画は、平成17年(2005年)3月に第八次中央卸売市場整備計画の中で書かれています。その整備計画を定める際には、「食料・農業・農村政策審議会」の意見を聞くことになっています。
 第166回国会の環境委員会で明らかになったことですが、豊洲移転については、平成17年(2005年)3月17日の一日だけ開催された同審議会の分科会である「総合食料分科会」で議論されました。その「総合食料分科会」では、「汚染土壌と食の安心、安全」という議論は一切なされなかったと佐藤政府参考人は認めています。そもそも分科会には、土壌汚染の関係の専門家は入っていませんでした。よって、審議会で議論の欠けていた土壌汚染については、「東京都の動きを踏まえ、また環境省とも連携して取り組むと」農水省が断言しています。
 以上の経過からわかりますように、今後土壌汚染のことがきちんと審議され、「卸売市場整備基本方針」に謳われている「食の安全・安心」が担保されて「築地市場の豊洲移転」は初めて“決定”されることになるわけです。現段階では、豊洲での生鮮食料品を扱う市場開設は、多くの難題が残されていると考えざるを得ません。

 まだ、決まったことではない以上、食の安心・安全を守るため、世界のtsukijiブランドを守るため、都民・日本の“食文化の象徴”としての文化的遺産を守るため、今こそ立ち上がるべきであると考えます。
 なぜ、築地市場を破壊してその土地を売却し、その代金を国内最大級の汚染地を民間の特定私企業から買い上げ、移転や汚染対策の費用に注ぎ込む費用に充てねばならないのでしょうか。
 それは、市場関係者をないがしろにし、都民の利益を損ね、単に事業を受注する企業を潤すだけの愚策です。
 築地市場の現在地での再整備は、十分可能です。今、あらためて真剣に考えようとしていないだけの話です。
 現在地での再整備を実現し、築地の活気とにぎわいをさらに発展させ、銀座などの周辺地域の連携により、日本の食文化の中心として、さらには、都心観光拠点・都心商業の一大集積地として繁栄に導くことこそが、選択すべき道だと考えます。

平成21年2月24日
文責 中央区議会議員 小児科医師 小坂和輝
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/
連絡先 03-5547-1191
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築地を守るために

2009-02-23 07:59:02 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
 平成21年2月6日、築地市場の移転候補地、豊洲の土壌汚染の土壌処理対策を検討する「技術会議」の最終報告が提出されました。石原慎太郎都知事は、2月18日の第一回都議会定例会の施政方針表明において、豊洲新市場の平成26年(2014年)12月の開場を表明しました。
 それに対し、矢田美英中央区長は2月20日の環境建設委員会の場で、私の質問を受けて、「築地市場移転に断固反対する姿勢に変わりはない。特に技術会議の方針には疑念が残る。」と発言し、あらためて中央区は移転に断固反対であることを確認したところです。
 「技術会議」の土壌汚染処理に向けた提言は、一言でいうと「安かろう、悪かろう」の提言です。まったく信憑性のない提言であると考えます。

 以下に、理由を述べます。

一、密室の中で進められた会議であること
 東京都は、会議内容を公開していると述べていますが、どうみても密室の中で、非公開に会議を進めています。
 座長以外、誰が委員であるのかすら、2月6日のプレス発表まで明かされませんでした。
 会議録は、最終報告の段階でも、一切公開されず、2月17日になって、ようやく東京都中央卸売市場のホームページ上で公開されました。アップされた会議録をご覧いただくと分かりますが、発言委員名が明らかにされておらず、どの委員の発言か、わかりません。なお、会議録が本当に会議を再現したものかの疑いも残ります。
 ベンゾ(a)ピレン問題や不透水層欠落・不透水層への汚染の拡大問題など朝日新聞のスクープ記事でもお分かりのように東京都に情報の隠蔽体質がある以上、様々な不都合を隠すため密室で会議を進行させたと疑わざるをえません。
 科学技術の検討は、万人監視の公開のもと実施すべきであり、非公開で進められたこと自体、この会議の結論の信憑性が疑われます。

(頑なに情報公開を拒む東京都の姿勢について)
 細かい話になりますが、いかに東京都が情報公開を拒んでいるか、私と東京都とのやり取りから察していただければ幸いです。
 私は、第一回技術会議(8月15日)が開催された後の8月20日、速記録を情報公開請求の形で東京都に求めました。
 9月3日付けの東京都の回答では、東京都情報公開条例第7条第5号をもちいて、「本会議で評価・検証する内容は、都の土壌汚染対策工事の発注につながるものである。そのため、公にすることにより、外部からの干渉、圧力等により行政の内部の自由かつ率直な意見の交換が妨げられ意思決定の中立性が損なわれるおそれ、不当に都民の間に混乱を生じさせるおそれ叉は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあることから、東京都情報公開条例第7条第5号に該当する。」という理由で、非開示決定が言い渡されました。
 都のこの回答を不服とし、私は、9月29日異議申し立てを以下の理由で行いました。
 異議申し立ての理由:「非開示決定は、公にすることにより、外部からの干渉、圧力等により行政の内部の自由かつ率直な意見の交換が妨げられ意思決定の中立性が損なわれるおそれ等があるとして、東京都情報公開条例(以下「本条例」という)第7条第5号に該当するとする。
 しかしながら、本条例前文に「開かれた都政を推進していく」「都民がその知ろうとする東京都の保有する情報を得られるよう、情報の公開を一層進めていかなければならない」などとあるとおり、本条例においては公開が原則であり、例外的に非公開とするのは、公開による不利益が具体的かつ現実に生ずる蓋然性が極めて高い場合に限定すべきである。そして、公開による不利益がある場合でも、徒に文書全体を非公開とするのではなく、このような不利益を生じさせる部分を除外したうえ、他の部分は可能な限り開示しなければならない。
 速記録原稿については、確かに都の土壌汚染対策工事の発注につながるものではあるが、都民の食卓や健康等に重大な影響を及ぼす築地市場移転予定地の土壌汚染対策工事であることを勘案すれば、都民がその工事内容を知る権利を重視すべきであるし、むしろこれを公開してよりよい土壌汚染対策工事について広く都民の意見を踏まえた議論がなされるべきである。
 また、公開した方が、有権者たる都民の監視のもとでのより公正な手続での発注が期待できる。
 仮に全部開示が不適切である場合でも、一部技術内容や発言者等を匿名にすることで、残部についての開示は十分に可能である。」
 以後、私は、再三にわたり、この異議申し立ての返事や速記録の公開を求め、東京都に申し入れを行いました。窓口の都職員とは、全技術会議の速記録を提出することをお願いしていたのでありますが、年が明け、技術会議の報告書が出された今でさえも、異議申し立てに対する返事も、速記録の公開も一切なされていません。
 驚いたことに、あれほどお互いが、全会議の速記録の公開についてやりとりをしていたにもかかわらず、2月18日の都職員の回答は、私の情報公開請求は、第一回の会議分の速記録に関してのみの請求であると突然言われました。では、その第一回の速記録だけでもいいから出してもらえるようにお願いしましたが、まだ出せないということでした。
 仕方なく、2月19日私はあらためて全会議の速記録の情報公開請求を東京都に行いました。回答は2週間以内に行うことになっていますので、この請求が通れば、私は、全会議の速記録を3月4日に手にすることが出来ます。
 情報公開請求の非開示決定に対する異議申立に対して、いつまでに回答をしなければならないという規定はないため、致し方ないわけではありますが、既に、技術会議の最終報告が出されている以上、非開示にする理由もないわけであり、すぐにでも速記録を出せるはずです。なぜ、頑なに速記録を公開しないのか理解に苦しみます。


一、会議の中立性が担保されていない
 会議の座長を務めた原島文雄氏は、首都大学東京の学長に就任を予定されており、東京都と密接な利害関係を有しています。
 このような座長のもとになされた検討結果が、果たして中立な結論を導き出せるでしょうか?
 なにがなんでも移転を強行したいと考える東京都側に立った結論を導き出すと誰もが疑うわけであり、中立性が担保されていない以上、この会議の結論の信憑性が疑われます。

一、そもそも座長は、土壌汚染の専門家ではない
 会議の座長を務めた原島文雄氏の現在の肩書きは、「東京電機大学 未来科学部 教授、システムエンジニアリング」となっています。早い話が、「ロボット工学が専門の電気工学者」ということです。
 ロボット工学という畑違いの方が、土壌汚染処理の検討を進める会議の座長をすること自体に無理が見られます。この会議の結論の信憑性が疑われます。
 なお、2月6日提出されたその他の構成メンバー6名の経歴は、座長代理をつとめられた矢木修身氏は、日本大学大学院総合科学研究科教授で専門は水環境制御。安田進氏は、東京電機大学理工学部教授で専門は地盤工学。長谷猛氏は東京理科大学工学部工業化学科卒業後、東京都に入都された方。小橋秀俊氏は独立行政法人土木研究所 つくば中央研究所技術推進本部 主席研究員で専門は土木。川田誠一氏は、産業技術大学院大学 産業時牛津研究科教授で専門はシステムエンジニアリング。根本祐二氏は、東洋大学大学院経済学研究科教授で専門はプロジェクトマネジメント。

一、「専門家会議の提言の具現化」という当初約束された方向性から外れた検討結果を出してきている
 技術会議は、先立って開催された「専門家会議」の提言を具現化するためには、どの技術を実際に用いたらよいのかを検討することが約束されていました。
 実際に比較いただくとわかるのですが、汚染地下水の流れを制御するために建物下空間と外部空間の隔離壁を省略したり、現地の土壌を、浄化済みと称して入れ替え用の土壌に転用するなど、「専門家会議」が出した提言と、「技術会議」が出した結論が全く異なっています。
 「技術会議」は、当初約束されたように「専門家会議の提言の具現化」を目指すべきであり、その提言からずれた結論は、食の安心・安全やその場所で働く市場関係者の健康への影響の安全性が担保されているとはいい難いと考えざるを得ません。

一、「有楽町層が不透水層」という一番の大前提が崩れている
 土壌汚染の処理にあたり、大前提として「有楽町層」は“不透水層”であり、汚染は、その下に広がらないということがありました。
 1/26、1/27と朝日新聞がスクープ記事が出されてお分かりのように、不透水層の有楽町層が確認できない箇所が数箇所存在したり、実際に有楽町層があった場所でさえ、有楽町層内へ汚染が拡大している箇所が数箇所存在していました。
 「有楽町層」は“不透水層”で汚染が広がらないとして、詳細な土壌汚染調査はなされておりません。どれだけ深刻な汚染があるのか、誰も知らないまま、対策を強引に進めようとしているのです。
 土壌汚染は、深層部まで深くひろがっていると考えるのが、一般的な考え方と思います。
 このままでは、食の安全・安心やその場所で働く市場関係者の健康への影響の安全性を担保とした土壌汚染処理がなされると信用することはできません。

一、地盤の弱い土地では、土盛り後、地盤の安定を確認するために2年間放置する必要があるが、整備方針のスケジュールにはその期間の想定がまったくない
 建築工事のあり方では、常識となっていますが、地盤の弱い土地では、土盛り後、地盤の安定を確認するために2年間放置する必要があります。実際に、豊洲移転候補地では、その期間経過をみた場所が存在しています。あらたに土壌の入れ替えを行うわけであり、その後、地盤の安定をみる期間が2年間必要であります。
 この期間をもたずに、土壌汚染対策工事20ヶ月後、“即”建築工事開始となっていますが、このスケジュールの出し方自体に無理があります。
 このようなスケジュールを出してきたこと自体、技術会議の結論の信憑性が疑われます。

一、有効性が立証されていない“新技術”を採用している
 「最先端の新たな技術・工法の採用」と銘打っていますが、“最先端”とは、すなわちそれだけ、使用経験が少ないということです。それを安易に採用しています。
 土壌汚染の微生物処理が果たして有効であると立証されているでしょうか。東京ガスによる以前の土壌汚染処理でも微生物処理が採用されたにも関らず、これだけベンゼンの汚染が残っている事実が現に存在しています。
 “最先端”の技術・工法が有効であるという根拠をきちんと示さずに、採用するのは非常に危険であると思います。根拠なしであるが故に、食の安全・安心を担保した土壌汚染処理がなされると信用することはできません。

一、技術会議の提言を、果たして技術会議の委員が考え出したものなのかさえ疑わしい
 あくまで、想像の域を脱しませんが、ホームページ上の技術会議の会議録を読んでいますと、果たして、この技術会議で、土壌汚染処理の細かなやり方や採用技術が決められたかどうかということの疑いが生じます。どこか、別の会議体があり、そこで青写真が作られ、それを技術会議の場で、委員が、承認したのではないかと考えられます。
 そのような別の会議体があるのであれば、東京都はそれを明らかにすべきだと思います。
 これは、現段階では、あくまで、会議録の文脈から読み取った憶測です。そのように感じた理由は、委員の発言が、専門家会議の内容をあまり知らなくてなされており、主体的に考える姿勢が感じられないがゆえに、別の会議体が考えたことを出してきているという疑念を持ちました。

 「市場を考える会」が、2月6日の技術会議の最終報告を受けて、同日記者会見を行いました。都庁の記者クラブにおいて、一時間以上に及んだ記者会見がございましたが、今まで述べてきた内容は、その折に、話された事柄も一部参考にするとともに、坂巻幸雄氏(日本環境学会土壌汚染問題ワーキンググループ長、元通産省地質調査所主任研究官)や畑明郎(大阪市立大学大学院教授)のお話を参考にまとめました。


次に、土壌汚染に関連して、小児科医師の立場から述べさせていただきます。

一、ベンゼン、ベンゾピレン、シアン化化合物の有害性について
 専門家会議の報告書から分かる汚染の実態は、とても深刻です。土壌からは、ベンゼンが環境基準の4万3000倍の430mg/lで、シアン化合物は、定量下限値(0.1mg/l)の860倍の86mg/lで見付かりました。地下水においては、全調査地点4122地点の13.6%でベンゼン(最高1万倍、100mg/l)が、約1/4の23.4%にシアン化合物(定量下限値の最高130倍 13mg/l)が検出され、広範囲に土壌汚染が広がっています(『専門家会議報告書』5-37)。なお、シアン化合物で、定量下限値という語を使用しておりますのは、環境基準では、「検出されてはならない」からであり、環境基準との比較ができないためです。
 情報の隠蔽として疑われているベンゾ(a)ピレンは、最大値は590mg/kgで、自然界値1.2μg/g(2002年の環境省底質調査)の約500倍、07年調査時点の最大値の115倍でありました。検出個所は151地点あり、そのうち50mg/kg以上が15地点、5mg/kg以上も58地点あります。ベンゾピレンについての環境基準や指針は国内にはありませんが、専門家会議の座長は「米国やドイツなどでは2mg/kgや3mg/kgがリスク評価のための基準」と発言しています。
 各物質の毒性に関しましては、RBCAによるリスク評価モデルを用いる中で、高濃度のベンゼンにより発がんリスクがあったり、シアンによる急性障害が出るとして、専門家会議の委員自体が毒性を認めています。
 ベンゼンの慢性毒性として、発がん性がありますが、それのみではなく、文献的には、妊娠中の胎児への催奇形性も言われており、市場内で働く女性が多い中、健康被害が懸念されます。
 ベンゾ(a)ピレンは、石炭から燃料をつくるときに生じるコールタールや、車の排気ガスに含まれる揮発性物質であり、極度に強い発がん性があるといわれています。マウスを用いた実験では、僅かな量でも皮膚がんを引き起こすことが明らかになっています。
 シアン化合物は、呼吸障害や頭痛、めまいなど急性障害を起こす猛毒物質で、健康被害を及ぼす可能性は大いに考えられます。特に、シアン化カリウム(青酸カリ)は、150~300mgが致死量となります。シアン化ガスは、青酸ガスのことで、ご存知のように、ホロコーストでも用いられました。気体の毒性の報告では、270ppmで即死というものから、5000ppm(0.5%)の1分間の吸入で半数死亡などがあります(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)。
 このようにベンゼン、ベンゾピレン、シアン化化合物など、今回言われている土壌汚染物質の毒性は、非常に強く、厳重な管理を要します。特に、シアン化化合物は、環境基準の「検出されてはいけない」ことを達成させる必要があります。技術会議の報告書で、「地下水を敷地全面にわたって早期に環境基準以下に浄化」と述べられていますが、専門家会議の調査で全体の約4分の1、すなわち約10ヘクタールにシアンの汚染が広がっており、果たして浄化が可能なのか大いに疑問の残るところです。


次に、地元中央区議会議員(無所属)の立場から述べさせていただきます。

一、日本国憲法 地方自治の章において保障する「団体自治」の観点から、東京都の独断による移転の強行に抗議します。
 中央卸売市場は、都道府県が策定する卸売市場整備計画に基づき、農林水産大臣の認可を受けた都道府県または人口二十万人以上の指定都市が開設できるものとされています。しかしながら、現在、特別区は指定都市に含まれていないことから、都が築地市場をはじめ特別区内十箇所で市場を開設、運営しております。
 卸売市場は、その周辺地域の産業や経済、住民の暮らし、さらにはまちづくりに大きな影響力を有する施設です。日本国憲法で謳われている団体自治の観点からしても、また、地方分権の流れからみても、地域の総合的、一体的なまちづくりを可能にするために、都に留保されている市場の都市計画決定や開設に関する事務に、築地市場の所在地を有する地元の区が関与することが当然のあるべき姿と考えます。
 別添資料『築地市場再整備問題の経緯と中央区の取り組み』をご覧いただきますと分かりますように、築地市場再整備を求め、中央区長、中央区議会議長は、平成10年(1998年)の「築地市場再整備に関する要望書」提出から始まり、再三にわたり「抗議」「要望書」「意見書」を東京都に提出して参りました(別添資料下線部)。平成11年(1999年)当時、中央区は、築地市場現在地再整備する場合の種地として、築地川東支川の2851㎡の提供を市場当局に申し入れをしたり、平成12年(2000年)には、『築地市場現在地再整備促進基礎調査報告書』も作成し、具体的な再整備に向けた提案も行ってまいりました。
 しかし、石原都知事の平成11年9月築地市場視察における「古い、狭い、そして危ない」の発言で象徴されますように、地元自治体のそれらの意見・提案を真摯に受け止めることなく、東京都は、強引に移転の方針で計画を進めてまいりました。
 日本国憲法では、地方自治の大原則である「住民自治」と「団体自治」が謳われていますが、これまでの経過を見ていただければ、東京都の地元自治体である中央区に対して、その「団体自治」のあり方に大きく反して行動してきたことがお分かりいただけると同時に、このようなことは、あってはならないのではないでしょうか。私は、「団体自治」の原則を踏みにじる東京都に対して、強く抗議を致します。
 
一、公開討論(リスクコミュニケーション)の必要性について
 専門家、大学教授を集めて、今回のような専門家会議、技術会議を開催し、それらの提言を尊重して、政策を立案することは行政の用いる手段としてよくあることと思います。
 問題は、専門家や大学教授の提言に対し、それを分析、チェックするだけの専門性を議会が有しないが故に、そのまま、提言を受けざるを得ないことです。集められた専門家、大学教授は、結論ありきのまま会議を進めたり、今回発覚したように、行政からは都合の悪い情報は与えられないまま会議が進められることがあるわけであり、出された提言そのものの妥当性・信憑性を評価する必要があるにもかかわらず、それをチェックできないでいるのです。
 今回の場合で言えば、東京都は、専門家会議の場で再三、傍聴者から要望が出された、専門家会議委員と、その出した提言に疑問を呈する専門家との公開討論の場を作るべきであると考えます。その場がつくられないのであれば、都議会や国会において、「提言に疑問を呈する専門家」による公聴の場が作られることを切に願います。


 以上、都民・仲卸業者・研究者と連帯して行動してきた立場として、小児科医師の立場として、そして地元中央区の区議会議員の立場として申し述べました。


 最後に、しきりに東京都は、築地市場廃止、豊洲新市場開設を“決定事項”のように述べておりますが、事実無根であります。
 その根拠を述べます。
 中央卸売市場は、「中央卸売市場整備計画」に基づいて設置されると「卸売市場法」に定められています。そしてその「中央卸売市場整備計画」は農林水産大臣が定めます。築地の豊洲移転計画は、平成17年(2005年)三月に第八次中央卸売市場整備計画の中で書かれています。その整備計画を定める際には、「食料・農業・農村政策審議会」の意見を聞くことになっています。
 第166回国会の環境委員会で明らかになったことですが、豊洲移転については、平成17年(2005年)3月17日の一日だけ開催された同審議会の分科会である「総合食料分科会」で議論されました。その「総合食料分科会」では、「汚染土壌と食の安心、安全」という議論は一切なされなかったと佐藤政府参考人は認めています。そもそも分科会には、土壌汚染の関係の専門家は入っていませんでした。よって、審議会で議論の欠けていた土壌汚染については、「東京都の動きを踏まえ、また環境省とも連携して取り組むと」農水省が断言しています。
 以上の経過からわかりますように、今後土壌汚染のことがきちんと審議され、「卸売市場整備基本方針」に謳われている「食の安全・安心」が担保されて「築地市場の豊洲移転」は初めて“決定”されることになるわけです。

 まだ、決まったことではない以上、食の安心・安全を守るため、世界のtsukijiブランドを守るため、都民・日本の“食文化の象徴”としての文化的遺産を守るため、今こそ立ち上がるべきであると考えます。
 なぜ、築地市場を破壊してその土地を売却し、その代金を国内最大級の汚染地を民間の特定私企業から買い上げ、移転や汚染対策の費用に注ぎ込む費用に充てねばならないのでしょうか。
 それは、市場関係者をないがしろにし、都民の利益を損ね、単に事業を受注する企業を潤すだけの愚策です。
 築地市場の現在地での再整備は、十分可能です。今、あらためて真剣に考えようとしていないだけの話です。
 現在地での再整備を実現し、築地の活気とにぎわいをさらに発展させ、銀座などの周辺地域の連携により、日本の食文化の中心として、さらには、都心観光拠点・都心商業の一大集積地として繁栄に導いくことこそが、選択すべき道だと考えます。

平成21年2月23日
文責 中央区議会議員 小児科医師 小坂和輝
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/
連絡先 03-5547-1191
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