「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

川﨑の事件、不安な気持ちは、担任や養護、学校カウンセラーの先生、そして私達小児科医にご相談下さい。/病児保育鋭意実施中。

小坂こども元気クリニック・病児保育室の4月のお知らせ (このページは4月中は、トップに来ます。)

2014-04-30 16:36:20 | 小児医療

 いよいよ、新しい年度のスタートです。

 ひとつ進級し、大きくなられたお子様のご成長を、心からお喜び申し上げます。

 入園・入学されたお子様もたくさんおられると思います。本当におめでとうございます。

 学校生活の基本、早寝・早起き・朝ごはんをきちんとして、頑張ってください。本もいっぱい読んでください。存分に自然体験も。
 毎日、元気に登校できるよう、当院も全力でサポートさせていただきます。


 本年度も、小坂こども元気クリニック・病児保育は、「いつでも(24時間・365日)・どこでも(学校・地域の子ども達と関わられる皆様・NPOと連携して)・あらゆる手段を用いて(医学・心理分野にとどまることなく、法律・行政分野などの多角的視点を持って)」子どもの健やかな成長を守る小児科でありたいと思っています。

 スタッフ一同、頑張って参る所存ですので、どうかよろしくお願い申し上げます。




中央区ドクターズさん:
http://www.chuo-doctors.com/hospitalDetail/596 
http://www.chuo-doctors.com/movieDetail/596 

ドクターズファイルさん:
http://doctorsfile.jp/h/28824/df/1/ 


 
診療:月~土 午前8:30受付開始 土曜は午前診療のみ
    日曜日・祝日 急病対応あり(午前中)

病児保育:月~土/ 時間8:30-17:30 (17:30以降の病児お預かりは、ご相談下さい。)

小坂こども元気クリニック・病児保育室
東京都中央区月島3-30-3 ベルウッドビル2~4F
電話03-5547-1191
fax 03-5547-1166

**********************************
<小坂クリニック平成26年4月のお知らせ> ⇒詳細:http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/fdc4391f94b25c08cc8eb68122448c03


小児予防医療関連
【1】新年度から、中央区助成券をお持ちのかたは、水ぼうそう予防接種の自己負担を無料とさせていただきます。(新年度からの中央区の予防接種助成の拡充について)

 1、水ぼうそう予防接種に関しては、中央区の助成額の拡大に合わせ、予防接種費用は、各医院で独自に設定が可能なところですが、当院では、中央区助成券をお持ちのかたには、自己負担分を無料対応させていただきます。

 2、風しんに罹る成人が依然多いことに対応するため、中央区では、妊婦やその同居家族(お父さんだけでなく、祖父母も含め)にも予防接種の費用を助成することとなりました。
   当院でも、妊婦やその同居家族(お父さんだけでなく、祖父母も含め)の皆様に接種可能です。

 3、万が一、麻しんの予防接種(MRの予防接種)の未接種者の場合でも、無料接種可能です。(お手持ちのMR予防接種の期限が切れていたとしても、「任意予防接種」券が中央区から発行されます。保健所・保健センターで入手してください。)

【2】入学・入園前の予防接種、お済みでしょうか。まだの接種は、ご準備を。

 0歳児入園のかたには、麻しんの早期接種のご相談もお受けします

小児医療関連
【3】4月の日曜、祝日はすべて急病対応致します。

 急病対応可能な休日:4/6(日)=電話対応、4/13(日)、4/20(日)、4/27(日)、4/29(祝)
 なお、5月ゴールデン・ウイークにつきましては、できるかぎり全日対応可能にできるように、日程調整中です。
 
【4】受付終了18時に駆け込まれるかたが多いので、受付終了18時30分へ延長させていただきます。
 

【5】風邪治療のスタンダードとして、ポータブル鼻吸引器(医療用)の無料貸し出しを行っています。

【6】当院でも、禁煙外来治療が可能です。

 親御さんが、禁煙できず、または、禁煙途上でお悩みの場合、お気軽にご相談ください。

【7】花粉症の季節。鼻水、目のかゆみなど、花粉症(アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎)で、お困りな場合、お早めにご相談ください。

 幼児でも、風邪ではなく、花粉症の場合もあります。対応させていただきます。


病児保育関連
【8】当院の病児保育について

 お子さんの急な発熱、ご病気で保育園・幼稚園・小学校に登園・登校できない場合、当院の病児保育でお預かりいたします。

 原則平日17時30分までのお預かりの病児保育ですが、子どもや子育てには、例外がつきものです。
 万が一、17時30分を過ぎることがわかっている場合、ご相談ください。土曜日の病児保育もまた、ご相談ください。
 保育園での急な発病の場合、親御さんに代わって当院スタッフが、保育園に出向き、そのまま当院で病児保育へ移行することも可能です。
  


子育て支援関連
【9】クリニック隣り、みんなの子育てひろば“あすなろの木”のお知らせ

〇テコンドー教室を毎週日曜日に開催しております。

〇木の部屋、空間でイベント開催しませんか?

あすなろの木では、大人1人300円、こども無料で何時間でも遊べます。

〇『あすなろ倶楽部』無料体験会開催中!!あすなろ倶楽部では、少人数制で、お子さんの発達に合ったいろいろな遊び、絵本紹介、しつけ方法などお話します。


以上です。


 中央区では、桜が満開ですね。入学・入園式まで、もちますように。

 入園の後、特に保育園児の場合、2-3ヶ月は、風邪ばかりひく期間があります。
 万が一の場合は、当院の病児保育でケアー致しますので、ご相談ください。



 年度の始まりは、何かと忙しいと存じますが、どうか体調をくずされませんように。
 ご無理をなさらず、十分に休養をとって下さい。

 本年度も、皆様にとって、充実した一年になりますことを、心よりお祈り申し上げます。

 お大事に。


医療法人小坂成育会
こども元気クリニック・病児保育室
小坂和輝

コメント (1)

民法学:本人と相手方との間でなした契約の解消・清算における本人第三者間の権利関係を調整するルール

2014-04-30 15:50:19 | シチズンシップ教育
本人と相手方との間でなした契約の解消・清算における本人と第三者(相手方と取引したひと)との権利関係を調整するルール(結局、公信問題で処理するか、対抗問題で処理するかのどちらか)
(悪いのは、相手方であったとしても、その相手方がどっかに消えた場合、その負担を、悪くない本人と第三者のどちらが負うべきか、そこで、民法が登場する。)

 本人ー相手方ー第三者


1)契約がもともと不成立→実務では不成立をできるだけ避け、成立させたうえで取引法上の解消清算のルールを適用


無効、取消、解除=意思表示を解消する。


2)無効
〇虚偽表示(民法94条)→94条2項(公信問題で処理)第三者は善意であることが必要。

(虚偽表示)
第九十四条  相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
2  前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。


〇錯誤(民法95条)→意思表示理論の原則により、第三者が登記を信頼して取引したというような場合でも、第三者に権利は移転しない

(錯誤)
第九十五条  意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。



〇無権代理(民法113条)→民法109、110、112条(公信問題で処理)

(無権代理)
第百十三条  代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。
2  追認又はその拒絶は、相手方に対してしなければ、その相手方に対抗することができない。ただし、相手方がその事実を知ったときは、この限りでない。



3)取消
〇詐欺(民法96条)→民法96条3項(公信問題で処理)第三者は善意であることが必要。取消し後は、対抗問題。

〇脅迫(民法96条)→意思表示理論の原則により、第三者が登記を信頼して取引したというような場合でも、第三者に権利は移転しない

(詐欺又は強迫)
第九十六条  詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2  相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知っていたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3  前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意の第三者に対抗することができない。



〇制限行為能力者(民法5条、9条)→意思表示理論の原則により、第三者が登記を信頼して取引したというような場合でも、第三者に権利は移転しない

(未成年者の法律行為)
第五条  未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2  前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
3  第一項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。

(成年被後見人の法律行為)
第九条  成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。



4)解除
〇債務不履行(民法541条)→民法545条1項ただし書(対抗問題で処理)、第三者は善意悪意を問わない。不履行の事実を知って、取引に入ってもよい。

(履行遅滞等による解除権)
第五百四十一条  当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。

(解除の効果)
第五百四十五条  当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。
2  前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。
3  解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。


 以上からわかるように、

〇錯誤、脅迫、制限行為能力者の場合は、第三者は保護されません。

〇96条と、545条の条文は同じ構造。545条では、第三者に善意悪意は問わない。取引では、不履行の契約を知って、取引に入ることはよくあること。第三者が購入し、その金額で、本人に相手方は返済できるのであり、相手方が破産状態で、ホワイトナイト(白馬の騎士)的存在の第三者が出現することはありうる。


参考:民法1 平成26年4月28日講義
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1カルテル、不当な取引制限(2条6項)、独占禁止法を理解するための基本的な事例

2014-04-29 23:00:00 | 経済法、独占禁止法

(演習1 2014.4.23)

1 医者は、「事業者」なのか。

回答: 
 事業者の定義が聞かれている。

 独禁法は、2条1項で、事業者を定義している。
 2条1項「この法律において「事業者」とは、商業、工業、金融業その他の事業を行う者をいう。事業者の利益のためにする行為を行う役員、従業員、代理人その他の者は、次項又は第三章の規定の適用については、これを事業者とみなす。」
 すなわち、「事業」とは、なんらかの経済的利益の供給に対応し反対給付を反復継続して受ける経済活動をさす。「事業者」とは、「事業」を行う者である。
 
 
 病院は、診療し、その対価として診療報酬を受けている。従って、定義に該当し、事業者である。

 一方、病院等に勤務する医師は、診療し、病院から給料を受け取っている。定義には該当せず、事業者には該当しない。




2 公取委がセロファンの価格カルテル事案を摘発した。事業者側は、「一定の取引分野は、セロファンだけでは成立せず、紙全体で考えるべきだ」と主張した。この主張は妥当か。

回答:
 一定の取引分野が問われている。
 一定の取引分野とは、競争制限が行われる場であり、商品・取引段階・地域ごとに確定される。
 本件は、商品の価格カルテルであるから、業者が申し合わせた範囲が、一定の取引分野となる。

 本件では、セロファンにおいて、業者が価格の合意をしたのであり、一定の取引分野を紙全体で考えるのではなく、セロファンで成立すると考えられる。




3 ある町に所在するガソリンスタンド20店が、「ガソリンの価格を1リットル150円以下では販売しない」ことを申し合わせた。しかし、実際にこれを守ったのは5店だけであった。「競争の実質的制限」に該当するか。

回答:
 相互拘束が問われている。
 
 20店のうち、5店しか守っていない。
 相互拘束性がないと言わざるをえない。

 従って、競争の実質的制限になったとは、言い難い。



4 甲製品はA.B.Cの三社が製造販売している。このうちA社が甲製品の値上げを発表した。値上げが通ったことを確認して、1か月後にB・C社が値上げをした。これは不当な取引制限に該当するか。

回答:
 カルテル成立されたかどうかが問われている。

 法2条6項「この法律において「不当な取引制限」とは、事業者が、契約、協定その他何らの名義をもつてするかを問わず、他の事業者と共同して対価を決定し、維持し、若しくは引き上げ、又は数量、技術、製品、設備若しくは取引の相手方を制限する等相互にその事業活動を拘束し、又は遂行することにより、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限することをいう。」

 「共同して」とは、「意思の連絡」を必要とする

 すなわち、特定の事業者が、他の事業者との間で対価引上げ行為に関する情報交換をして、同一又はこれに準ずる行動にでたような場合に、「意思の連絡」があるものと推認される(東芝ケミカル事件、東京高判H7.9.25)。

 本件では、情報交換がない。
 共同しての要件を欠き、不当な取引制限に該当しない。



5 ある事業社団体で原材料費の値上がりを理由に製品価格の値上げを申し合せようとしたが、一部の者から「独禁法に違反するおそれがある」との意見が出たので、この話はまとまらなかった。
 しかし、この会合の終了後、団体の役員である主要7社(シェア50%)だけでも先行して値上げしようと申し合わせ、実行した。これを見た他の会社もこぞって値上げした。
 役員会社7社の行為、追随した会社の行為は、独禁法に違反するか。

回答:
1)役員会社の行為については、シェアが50%でも、実質的制限といえるかが問われている。
 
 競争の実質的制限とは、特定の事業者・団体がその意思である程度自由に価格・品質・数量等の競争条件を左右することによって市場を支配できる状態をいう。
 役員会社は、値上げを実現できており、実質的制限に当たる。

2)追随した会社の行為は、「共同して」が問題となる。
 情報交換なく、要件が欠く。
 付和雷同の追随会社には、独禁法違反はない。

 参考:高松市豆腐価格カルテル事件 審決昭和43.11.29



6 ある事業者団体は、6月20日に会合を開き、「7月21日から値上げする」ことを決めた。公取委はこの情報をつかみ、7月5日に立ち入り検査をして7月20日(値上げ日の前日)に排除措置命令をしようとした。
 命令を値上げ前に行うことは可能か。

回答:
 カルテルの成立時期が問われている。

 拘束力ある合意がなされた日が成立時期である。

 本件では、6月20日に会合を開き、「7月21日から値上げする」という拘束力ある合意がなされている。
 7/21の値上げをまつまでもなく、排除措置命令を行うことができる。

 参考:昭和49.7.20勧告 静岡県家庭用薄葉紙工業組合


7 ある事業者団体の会合で、「原料代が値上がりし、このままでは経営が悪化しかねない。10%程度の値上げはヤムを得ない」という雰囲気になった。
 しかし、いつからいくら値上げしようと明確に決めたわけではない。
 その後、大手会社の1社が10%値上げを打ち出し成功したので、他の会員もこれに追随して10%の値上げをした。
 独禁法違反になるか。

回答:
 カルテル成立されたかどうかが問われている。

 法2条6項では、共同してとは、「意思の連絡」を意味する。
 すなわち、特定の事業者が、他の事業者との間で対価引上げ行為に関する情報交換をして、同一又はこれに準ずる行動にでたような場合に、「意思の連絡」があるものと推認される(東芝ケミカル事件、東京高判H7.9.25)。

 本件では、意思の連絡がなく、カルテルにはならない。


以上

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過失犯を論じる際のポイント

2014-04-28 23:00:00 | 防災・減災
過失犯を論じる際の、ポイント

1、過失犯の成立要件

 過失=注意義務(予見義務+結果回避義務)違反

 〇注意義務の存在(直近過失ではなく、判例は、過失共存説)

 〇結果発生の予見可能性

 〇結果回避の可能性


*ちなみに、不作為犯と似た構造

 不作為犯の成立要件

 〇作為義務の存在

 (〇不作為→結果 の予見)

 〇作為での結果回避可能性・容易性


2、他人の過失が伴った場合の処理

 〇因果関係の中断の問題がないか

 〇過失の共同正犯になる可能性がないか
  東京地判平成4.1.23


3、その他

 〇信頼の原則
 役割分担がきちんとできているチームの仲間を信頼していたので、責任は追及されない。
 判例:北大電気メス事件(札幌高裁昭和51.3.18)
    横浜市大病院患者取違え事件(裁決平成19.3.26)

 〇監督過失
 部下の起こした事故において、チームの最高責任者の監督責任が問われる。
 判例:埼玉医大事件(裁決平成17.11.15)
    薬害エイズ事件厚生省ルート(裁決平成20.3.3)/ミドリ十字ルート
    三菱自動車事件(裁決平成24.2.8)


**刑事訴訟法上のポイント****************

4、訴因変更の要否

 

 
コメント

29日(祝)中央区月島3丁目 こども元気クリニック03-5547-1191急病対応致します。GW旅行の持参薬大丈夫?

2014-04-28 18:18:19 | 小児医療

こども元気クリニック GWのお知らせ等

1、GWは、すべて急病対応(午前中)致します。
特に4連休手前の5月3日(土)は、通常診療致します。
同日は、福むら薬局さんも開院下さいます。

2、GWお出かけの皆さん、旅行中の持参薬、大丈夫ですか?お忘れないですか?

 ご相談ください。

3、4月27日(日)は、急病対応(午前中)致します。

4、当院が、医療情報サイトでご紹介されました。

中央区ドクターズさん:
http://www.chuo-doctors.com/hospitalDetail/596  
http://www.chuo-doctors.com/movieDetail/596  

ドクターズファイルさん:
http://doctorsfile.jp/h/28824/df/1/  

 以上です。
 
 保育園が始まって、特に初めての集団生活のお子さんがたくさん風邪をひかれています。
 お大事に。

こども元気クリニック・病児保育室
中央区月島3-30-3
電話 03-5547-1191

小坂和輝

コメント

内部統制システム構築義務に関する初めての最高裁判例H21.7.9についての分析

2014-04-27 23:00:00 | シチズンシップ教育
第1、内部統制システムについて
1、会社法上の内部統制システムの意義について
 規模がある帝都以上の会社において、会社が営む事業の規模・特性等に応じたリスク管理体制を整備する必要がある。そのようなリスク管理体制を、内部統制システムという。その会社の特定の組織・部署を指す概念ではなく、全社的な経営トップから従業員の末端に至るまでの組織全体のおける仕組み・工夫を言う。例えば、契約書の作成、伝票・領収書等の作成・保管の手続や、社内の決裁権限の定めは、内部統制システムの重要な構成要素である。
 従業員が少ない会社では、取締役が人的組織の活動につき隅々まで目を光らせることも必ずしも不可能ではないが、一定規模以上の会社では、取締役が直接に個々の従業員を監視することは不可能であり、現実的でもない。そこで、この内部統制システムを構築して、会社の計算及び業務執行が適正かつ効率的に行なわれることを確保すること(不適切な計算・業務執行を完全に予防するのではなく、その確率を費用対効果の観点において合理的な程度にまで引き下げること)に意義がある。

2,会社法上、内部統制システム構築義務を負う場合について
 会社法上、「取締役の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適性を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備」と規定している。
 取締役は、取締役会の構成員として、また、代表取締役または業務執行取締役として、リスク管理体制を構築すべき義務を負い、さらに、代表取締役と業務執行取締役がリスク管理体制を構築すべき義務を履行しているか否かを監視する義務を負う。

第2、最高裁の考える内部統制システムの程度
1、事案の概要
 企業の上層部の部長が、不正をして売り上げが上がるようにしていたことを、4年間見抜くことができずにいたことについて、代表取締役に内部統制システム構築違反があるかが問われた事案。不正会計が明るみになることで、株価が下がり、損害を被ったとする株主が、会社及びその代表取締役に対し、損害賠償請求をした。

2,被告において架空売上の計上等の不正行為を防止するために構築されたものと認められたシステムとはどのようなものかについて
○職務分掌規定等を定めて事業部門と財務部門を分離したこと

○C事業部について,営業部とは別に注文書や検収書の形式面の確認を担当するBM課及びソフトの稼働確認を担当するCR部を設置し,それらのチェックを経て財務部に売上報告がされる体制を整えたこと

○監査法人との間で監査契約を締結し,当該監査法人及び上告人の財務部が,それぞれ定期的に,販売会社あてに売掛金残高確認書の用紙を郵送し,その返送を受ける方法で売掛金残高を確認することとしていたこと

 以上、3点がシステムとして認められた。

第3、裁判例、判例の分析
1、第1審・控訴審・最高裁の各判決の結論について
 第1審・控訴審は、代表取締役の内部統制システム構築義務違反を認定し損害賠償請求権が肯定された。一方、最高裁は、代表取締役の内部統制システム構築義務違反はないとされ、損害賠償請求権が否定された。

2、結論の違いの前提となる事実の評価について
 第1審・控訴審では、本件不正行為当時,C事業部は幅広い業務を分掌し,BM課及びCR部が同事業部に直属しているなど,上告人の組織体制及び本件事務手続にはBらが企図すれば容易に本件不正行為を行い得るリスクが内在していたにもかかわらず,上告人の代表取締役であるAは,上記リスクが現実化する可能性を予見せず,組織体制や本件事務手続を改変するなどの対策を講じなかった。また,財務部は,長期間未回収となっている売掛金債権について,販売会社に直接売掛金債権の存在や遅延理由を確認すべきであったのにこれを怠り,本件不正行為の発覚の遅れを招いたもので,このことは,Aが財務部によるリスク管理体制を機能させていなかったことを意味する。したがって,Aには,上告人の代表取締役として適切なリスク管理体制を構築すべき義務を怠った過失があると評価された。
 一方、最高裁では、1)第2問2でいうシステムが構築されていることから、通常想定される架空売上げの計上等の不正行為を防止し得る程度の管理体制は整えていたものということができる。2)そして,本件不正行為は,C事業部の部長がその部下である営業担当者数名と共謀して,販売会社の偽造印を用いて注文書等を偽造し,BM課の担当者を欺いて財務部に架空の売上報告をさせたというもので,営業社員らが言葉巧みに販売会社の担当者を欺いて,監査法人及び財務部が販売会社あてに郵送した売掛金残高確認書の用紙を未開封のまま回収し,金額を記入して偽造印を押捺した同用紙を監査法人又は財務部に送付し,見掛け上は上告人の売掛金額と販売会社の買掛金額が一致するように巧妙に偽装するという,通常容易に想定し難い方法によるものであったということができる。3)また,本件以前に同様の手法による不正行為が行われたことがあったなど,上告人の代表取締役であるAにおいて本件不正行為の発生を予見すべきであったという特別な事情も見当たらない。4)さらに,前記事実関係によれば,売掛金債権の回収遅延につきBらが挙げていた理由は合理的なもので,販売会社との間で過去に紛争が生じたことがなく,監査法人も上告人の財務諸表につき適正であるとの意見を表明していたというのであるから,財務部が,Bらによる巧妙な偽装工作の結果,販売会社から適正な売掛金残高確認書を受領しているものと認識し,直接販売会社に売掛金債権の存在等を確認しなかったとしても,財務部におけるリスク管理体制が機能していなかったということはできない。以上によれば,上告人の代表取締役であるAに,Bらによる本件不正行為を防止するためのリスク管理体制を構築すべき義務に違反した過失があるということはできないと評価された。

以上
コメント

内部統制システム構築義務の初めての最高裁判例H21.7.9、企業の内部統制システムの求められる程度とは?

2014-04-26 23:00:00 | 社会問題
 内部統制システム構築義務に関する初めての最高裁判例(平成21.7.9第一小法廷)。


 企業の上層部の部長が、不正をして売り上げが上がるようにしていたことを、4年間見抜くことができずにいたことについて、代表取締役に内部統制システム構築違反があるか。

 一審、高裁と、内部統制システム構築義務違反がありとの判決が出されました。
 この最高裁判決で、破棄自判して、内部統制システム構築義務違反はないとされ、会社側が勝訴しました。

 一審、高裁と、会社の内部統制システムは、上層部が企図すれば容易に不正行為が行われるような欠陥があったものと認定。

 最高裁は、通常予想される不正行為を防止しうる程度の管理体制は構築されており、また、以前に同様の不正行為が起こっていなかった以上、問題の部長らの不正を予見すべき特段の事情も認められないと判示。


<最高裁判決の該当部分>
「しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。

前記事実関係によれば,本件不正行為当時,上告人は,

職務分掌規定等を定めて事業部門と財務部門を分離し,

②C事業部について,営業部とは別に注文書や検収書の形式面の確認を担当するBM課及びソフトの稼働確認を担当するCR部を設置し,それらのチェックを経て財務部に売上報告がされる体制を整え,

③監査法人との間で監査契約を締結し,当該監査法人及び上告人の財務部が,それぞれ定期的に,販売会社あてに売掛金残高確認書の用紙を郵送し,その返送を受ける方法で売掛金残高を確認することとしていた

というのであるから,

上告人は,通常想定される架空売上げの計上等の不正行為を防止し得る程度の管理体制は整えていたものということができる。

そして,本件不正行為は,C事業部の部長がその部下である営業担当者数名と共謀して,販売会社の偽造印を用いて注文書等を偽造し,BM課の担当者を欺いて財務部に架空の売上報告をさせたというもので,

営業社員らが言葉巧みに販売会社の担当者を欺いて,監査法人及び財務部が販売会社あてに郵送した売掛金残高確認書の用紙を未開封のまま回収し,

金額を記入して偽造印を押捺した同用紙を監査法人又は財務部に送付し,

見掛け上は上告人の売掛金額と販売会社の買掛金額が一致するように巧妙に偽装するという,

通常容易に想定し難い方法によるものであったということができる。


また,本件以前に同様の手法による不正行為が行われたことがあったなど,上告人の代表取締役であるAにおいて本件不正行為の発生を予見すべきであったという特別な事情も見当たらない


さらに,前記事実関係によれば,売掛金債権の回収遅延につきBらが挙げていた理由は合理的なもので,販売会社との間で過去に紛争が生じたことがなく,監査法人も上告人の財務諸表につき適正であるとの意見を表明していたというのであるから,財務部が,Bらによる巧妙な偽装工作の結果,販売会社から適正な売掛金残高確認書を受領しているものと認識し,直接販売会社に売掛金債権の存在等を確認しなかったとしても,財務部におけるリスク管理体制が機能していなかったということはできない。

以上によれば,上告人の代表取締役であるAに,Bらによる本件不正行為を防止するためのリスク管理体制を構築すべき義務に違反した過失があるということはできない。」



 なお、破棄されることととなった、原審及び第1審の判決理由。


<最高裁判決の該当部分>

「原審は,次のとおり判断して,被上告人の請求を一部認容すべきものとした。

(1) 本件不正行為当時,

C事業部は幅広い業務を分掌し,BM課及びCR部が同事業部に直属しているなど,上告人の組織体制及び本件事務手続にはBらが企図すれば容易に本件不正行為を行い得るリスクが内在していたにもかかわらず,

上告人の代表取締役であるAは,上記リスクが現実化する可能性を予見せず,

組織体制や本件事務手続を改変するなどの対策を講じなかった。

また,

財務部は,長期間未回収となっている売掛金債権について,販売会社に直接売掛金債権の存在や遅延理由を確認すべきであったのにこれを怠り,

本件不正行為の発覚の遅れを招いたもので,

このことは,

Aが財務部によるリスク管理体制を機能させていなかったことを意味する

したがって,Aには,上告人の代表取締役として適切なリスク管理体制を構築すべき義務を怠った過失がある


(2) 上告人の代表取締役であるAの上記過失による不法行為は,

上告人の職務を行うについてされたものであるから,

上告人は,会社法350条に基づき,被上告人に生じた損害を賠償すべき責任を負う。」







*****************************************************************
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090709152854.pdf

主文
原判決を破棄し,第1審判決中上告人敗訴部分を取り消
す。
前項の部分につき,被上告人の請求を棄却する。
訴訟の総費用は被上告人の負担とする。

理由

上告代理人上甲悌二,同清水良寛の上告受理申立て理由第3ないし第7について

1 本件は,上告人の従業員らが営業成績を上げる目的で架空の売上げを計上し
たため有価証券報告書に不実の記載がされ,その後同事実が公表されて上告人の株
価が下落したことについて,公表前に上告人の株式を取得した被上告人が,上告人
の代表取締役に従業員らの不正行為を防止するためのリスク管理体制を構築すべき
義務に違反した過失があり,その結果被上告人が損害を被ったなどと主張して,上
告人に対し,会社法350条に基づき損害賠償を請求する事案である。被上告人
は,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)261条3項,78条2
項が準用する民法(平成18年法律第50号による改正前のもの)44条1項に基
づく請求をするが,会社法の制定により,同法にこれと同内容の規定である350
条が設けられ,同法の施行前に生じた事項にも適用されるものとされた(会社法附
則2項)ので,同法施行後は同法350条に基づく請求をするものと解される。

2 原審の適法に確定した事実関係の概要は,次のとおりである。
(1) 上告人は,ソフトウェアの開発及び販売等を業とする株式会社であり,平
成15年2月に東京証券取引所(以下「東証」という。)第2部に上場した。A
は,上告人設立以降現在まで上告人の代表取締役の地位にある。
- 2 -
(2) 被上告人は,平成16年9月13日及び翌14日,証券会社を通じて上告
人の株式を取得した者である。
(3) 上告人の事業は,注文に応じてソフトウェアの受託開発等を行うソフトウ
ェア事業と大学向けの事務ソフト等の既製品を開発し販売するパッケージ事業に大
別され,パッケージ事業本部にはC事業部が設置されている。
(4) Bは,平成12年4月に上告人のC事業部の部長に就任した。当時,C事
業部には,Bが部長を兼務する営業部のほか,注文書や検収書の形式面の確認を担
当するBM課(ビジネスマネージメント課)及び事務ソフトの稼働の確認を担当す
るCR部(カスタマーリレーション部)が設置されていた。また,当時の上告人の
職務分掌規定によれば,財務部の分掌業務は,資金の調達と運用・管理,債権債務
の管理等とされ,C事業部の分掌業務は,営業活動,営業事務(受注管理事務,債
権管理事務,売掛金の管理及び不良債権に対する処理方針の決定を含む。)等とさ
れていた。
(5) 上告人のパッケージ事業は,上告人が,顧客であるD株式会社ほか1社
(以下,2社を単に「販売会社」という。)に事務ソフト等の製品を販売し,販売
会社がエンドユーザーである大学等に更にこれを販売するというものである。平成
12年当時のパッケージ事業における事務手続(以下「本件事務手続」という。)
の流れは,以下のとおりであった。
アC事業部の営業担当者が販売会社と交渉し,合意に至ると販売会社が注文書
を営業担当者に交付する。営業担当者は,注文書をBM課に送付し,同課は受注処
理を行った上,営業担当者を通じて販売会社に検収を依頼する。
イCR部の担当者が,販売会社の担当者及びエンドユーザーである大学の関係
- 3 -
者と共に,納品された事務ソフトの検収を行う。
ウBM課は,販売会社から検収書を受領した上,売上処理を行い,上告人の財
務部に売上報告をする。財務部は,BM課から受領した注文書,検収書等を確認
し,これを売上げとして計上する。
(6) Bは,高い業績を達成し続けて自らの立場を維持するため,平成12年9
月以降,C事業部の営業担当者である部下数名(以下「営業社員ら」という。)に
対し,後日正規の注文が獲得できる可能性の高い取引案件について,正式な注文が
ない段階で注文書を偽造するなどして実際に注文があったかのように装い,売上げ
として架空計上する扱い(以下「本件不正行為」という。)をするよう指示した。
Bの指示を受けて行われた本件不正行為の手法は,次のとおりであった。
ア営業社員らは,偽造印を用いて販売会社名義の注文書を偽造し,BM課に送
付した。
イBM課では,偽造に気付かず受注処理を行って検収依頼書を作成し,営業社
員らに交付した。しかし,検収依頼書は販売会社に渡ることはなく,営業社員らに
よって検収済みとされたように偽造され,BM課に返送された。実際には大学に対
して製品は納品されておらず,CR部担当者によるシステムの稼働の確認もされて
いなかったが,B及び営業社員ら(以下「Bら」という。)は,納品及び稼働確認
がされているかのような資料を作成した。
ウBM課では,検収書の偽造に気付かず売上処理を行い,財務部に売上げの報
告をした。財務部は,偽造された注文書及び検収書に基づき売上げを計上した。
エ財務部は,毎年9月の中間期末時点で,売掛金残高確認書の用紙を販売会社
に郵送し,確認の上返送するよう求めていた。また,毎年3月の期末時点には,上
- 4 -
告人との間で監査契約を締結していた監査法人も,売掛金残高確認書の用紙を販売
会社に郵送し,確認の上返送するよう求めていた。ところが,営業社員らは,Bの
指示を受けて,販売会社の担当者に対し,上告人等から封書が郵送される可能性が
あるが,送付ミスであるから引き取りにいくまで開封せずに持っていてほしいなど
と申し向け,これを販売会社から回収した上,用紙に金額等を記入し,販売会社の
偽造印を押捺するなどして販売会社が売掛金の残高を確認したかのように偽装し,
財務部又は監査法人に送付していた。財務部及び監査法人は,偽造された売掛金残
高確認書において上告人の売掛金額と販売会社の買掛金額が一致していたため,架
空売上げによる債権を正常債権と認識していた。
(7) Bらは,当初は契約に至る可能性が高い案件のみを本件不正行為の対象と
していたが,次第に可能性が低い案件についても手を付けざるを得なくなり,売掛
金の滞留残高は増大していった。
(8) 財務部は,回収予定日を過ぎた債権につき,C事業部から売掛金滞留残高
報告書を提出させていたが,Bらは,回収遅延の理由として,大学においてシステ
ム全体の稼働が延期されたことや,大学における予算獲得の失敗及び大学は単年度
予算主義であるため支払が期末に集中する傾向が強いことなどを挙げていた。財務
部は,これらの理由が合理的であると考え,また,販売会社との間で過去に紛争が
生じたことがなく,売掛金残高確認書も受領していると認識していたことから,売
掛金債権の存在について特に疑念を抱かず,直接販売会社に照会等をすることはし
なかった。また,監査法人も,平成16年3月期までの上告人の財務諸表等につき
適正であるとの意見を表明していた。
(9) 上告人は,監査法人から売掛金残高の早期回収に向けた経営努力が必要で
- 5 -
ある旨の指摘を受け,代表取締役であるAが販売会社と売掛金残高について話をし
たところ,双方の認識に相違があることが明らかになり,平成16年12月ころ,
本件不正行為が発覚した。
(10) 上告人は,平成17年2月3日付けでBを懲戒解雇処分とし,その後刑事
告発した。Bは,有印私文書偽造・同行使の罪で起訴され,有罪判決を受けた。
(11) 上告人は,平成17年2月10日,複数年度にわたりBらによる本件不正
行為が行われていたこと,それにより同16年9月ころまでの上告人のパッケージ
事業の売上高に影響が生ずること,そのためパッケージ事業については多額の損失
計上を余儀なくされるが,上告人グループの売上高の約80%を占めるソフトウェ
ア事業については影響はないことなどを公表し,同17年3月期の業績予想を修正
した。東証は,上告人から過去の有価証券報告書を訂正する旨の報告を受け,同年
2月10日,上場廃止基準(財務諸表に虚偽記載があること)に抵触するおそれが
あるとして,上告人の株式を監理ポストに割り当てることとした。これらの事実が
新聞報道された後,上告人の株価は大幅に下落した。

3 原審は,次のとおり判断して,被上告人の請求を一部認容すべきものとし
た。
(1) 本件不正行為当時,C事業部は幅広い業務を分掌し,BM課及びCR部が
同事業部に直属しているなど,上告人の組織体制及び本件事務手続にはBらが企図
すれば容易に本件不正行為を行い得るリスクが内在していたにもかかわらず,上告
人の代表取締役であるAは,上記リスクが現実化する可能性を予見せず,組織体制
や本件事務手続を改変するなどの対策を講じなかった。また,財務部は,長期間未
回収となっている売掛金債権について,販売会社に直接売掛金債権の存在や遅延理
- 6 -
由を確認すべきであったのにこれを怠り,本件不正行為の発覚の遅れを招いたもの
で,このことは,Aが財務部によるリスク管理体制を機能させていなかったことを
意味する。したがって,Aには,上告人の代表取締役として適切なリスク管理体制
を構築すべき義務を怠った過失がある。
(2) 上告人の代表取締役であるAの上記過失による不法行為は,上告人の職務
を行うについてされたものであるから,上告人は,会社法350条に基づき,被上
告人に生じた損害を賠償すべき責任を負う。


4 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次
のとおりである。
前記事実関係によれば,本件不正行為当時,上告人は,①職務分掌規定等を定め
て事業部門と財務部門を分離し,②C事業部について,営業部とは別に注文書や検
収書の形式面の確認を担当するBM課及びソフトの稼働確認を担当するCR部を設
置し,それらのチェックを経て財務部に売上報告がされる体制を整え,③監査法人
との間で監査契約を締結し,当該監査法人及び上告人の財務部が,それぞれ定期的
に,販売会社あてに売掛金残高確認書の用紙を郵送し,その返送を受ける方法で売
掛金残高を確認することとしていたというのであるから,上告人は,通常想定され
る架空売上げの計上等の不正行為を防止し得る程度の管理体制は整えていたものと
いうことができる。そして,本件不正行為は,C事業部の部長がその部下である営
業担当者数名と共謀して,販売会社の偽造印を用いて注文書等を偽造し,BM課の
担当者を欺いて財務部に架空の売上報告をさせたというもので,営業社員らが言葉
巧みに販売会社の担当者を欺いて,監査法人及び財務部が販売会社あてに郵送した
売掛金残高確認書の用紙を未開封のまま回収し,金額を記入して偽造印を押捺した
- 7 -
同用紙を監査法人又は財務部に送付し,見掛け上は上告人の売掛金額と販売会社の
買掛金額が一致するように巧妙に偽装するという,通常容易に想定し難い方法によ
るものであったということができる。
また,本件以前に同様の手法による不正行為が行われたことがあったなど,上告
人の代表取締役であるAにおいて本件不正行為の発生を予見すべきであったという
特別な事情も見当たらない。
さらに,前記事実関係によれば,売掛金債権の回収遅延につきBらが挙げていた
理由は合理的なもので,販売会社との間で過去に紛争が生じたことがなく,監査法
人も上告人の財務諸表につき適正であるとの意見を表明していたというのであるか
ら,財務部が,Bらによる巧妙な偽装工作の結果,販売会社から適正な売掛金残高
確認書を受領しているものと認識し,直接販売会社に売掛金債権の存在等を確認し
なかったとしても,財務部におけるリスク管理体制が機能していなかったというこ
とはできない。
以上によれば,上告人の代表取締役であるAに,Bらによる本件不正行為を防止
するためのリスク管理体制を構築すべき義務に違反した過失があるということはで
きない。
5 以上と異なる原審の判断には判決の結論に影響を及ぼすことが明らかな法令
の違反がある。論旨は理由があり,原判決は,その余の点につき判断するまでもな
く,破棄を免れない。そして,以上説示したところによれば,被上告人の上告人に
対する請求は理由がないから,第1審判決中これを認容した部分を取り消し,同部
分につき被上告人の請求を棄却すべきである。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
- 8 -
(裁判長裁判官甲斐中辰夫裁判官涌井紀夫裁判官宮川光治裁判官
櫻井龍子裁判官金築誠志)
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中・高校時代の悪友、写真家中筋純の写真展『流転チェルノブイリ』本日~早稲田奉仕園内

2014-04-25 16:06:38 | 仲間・先生

 中・高校時代の悪友、写真家 中筋純の写真展

 早稲田の杜の一画にて、本日4/25金~始まる(4/30水まで)。

 ちなみに、彼は、早大とは関係ないと思う。確か、外大中国語学科。








会場は、早稲田奉仕園内のスコット ホール ギャラリー。


 是非、足をお運びください。
 パンフは、クリニック 3Fエレベーターボタン近くの配布物の台に置いています。
 

 チェルノブイリ原発事故のその後がわかります。

 土曜日は、いろいろイベントがあるそうです。


 彼には、中央区でも一度、語っていただきました。→http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/2c4f6276fc89ccea794921d40d9811f6
                                  http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/4835525e265c9c6ef896b00417159ebb
 また、講演会お願いしています。講演料は「もんじゃ」食べ放題。











 

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4月27日(日)東京都中央区月島3丁目 こども元気クリニック03-5547-1191急病対応します。

2014-04-24 23:00:00 | 小児医療

こども元気クリニック GWのお知らせ等

1、GWは、すべて急病対応(午前中)致します。
特に4連休手前の5月3日(土)は、通常診療致します。
同日は、福むら薬局さんも開院下さいます。

2、GWお出かけの皆さん、旅行中の持参薬、大丈夫ですか?お忘れないですか?

 ご相談ください。

3、4月27日(日)は、急病対応(午前中)致します。

4、当院が、医療情報サイトでご紹介されました。

中央区ドクターズさん:
http://www.chuo-doctors.com/hospitalDetail/596  
http://www.chuo-doctors.com/movieDetail/596  

ドクターズファイルさん:
http://doctorsfile.jp/h/28824/df/1/  

 以上です。
 
 保育園が始まって、特に初めての集団生活のお子さんがたくさん風邪をひかれています。
 お大事に。

こども元気クリニック・病児保育室
中央区月島3-30-3
電話 03-5547-1191

小坂和輝

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築地を守る!本日13時10分判決。東京高裁 加藤新太郎裁判長424号法廷、築地市場移転問題訴訟。報告会有り。

2014-04-23 11:07:44 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
 本日、築地市場移転問題の3つの裁判のひとつ、公金返還訴訟の高裁判決が下されます。

 裁判長は、ご高名な加藤新太郎裁判官。

 法曹倫理のご著書で、加藤裁判官は、以下のような趣旨を、述べられています。
 弁護士は、弁護士法1条1項「公益的役割」(公益性)及び「当事者その他の関係人の依頼等によって法律事務を行うことを職務とする」(同3条1項)という「当事者の代理人としての役割」(党派性)の一見矛盾する両者のバランスを取らねばならない。すなわち、「当事者の代理人としての役割」の限界を画すものが「公益的役割」である。従って、弁護士は、依頼者との信頼関係に基づく善管注意義務により、最大限の努力を傾注して依頼者の権利実現または利益擁護に邁進すべきだが、そのために社会的正義その他の規範に違反しまたは公益ないし公的価値に抵触することは許されない(加藤新太郎『弁護士役割論』)。
 すーと、胸に入ってくる見解です。
 
 
 加藤新太郎裁判官に、ご判断頂くことは、私はとても光栄です。
 たしかに、住民監査請求が、法律で定められた期限に遅れています。
 とはいえ、都による議会での虚偽の答弁があったなど遅れたなりの事情があるわけであり、どうかその部分を考慮いただきたいと思います。

 東京都の違法に対し、公正なる審判を願いたい。
 自分は、口頭弁論の法定を傍聴し、都が十分な反論をしていないことから、少し期待を持っています。

 以下は、原告団のひとり、水谷さんからの案内文。

******************************************************************
【転送、拡散歓迎!】「築地市場移転問題」汚染地購入裁判のご案内」



■平成18年公金返還訴訟 (判決)

2014年4月23日(水)13:10~ 東京高裁424法廷

報告会(法廷終了後) 場所:弁護士会館502D号室(弁護士会館は地裁の隣にあります。判決後15時頃まで)

 

 この「公金支出金返還請求裁」は豊洲新市場用地購入問題で、石原慎太郎都知事等の賠償責任を問う裁判です。東京ガスの工場跡地を都は市場用地として2006年、‘11年と2回に分けて購入しています。23日は’06年(平成18年)購入分について、高裁判決があります。

 ‘06年購入時、東京都は大量の残置汚染を知っていながら「既に汚染が処理された」または「汚染が残ったとしても東京ガスが処理する」と都議会や、財産価格審議会を騙し、汚染無しの価格で東京ガスの工場跡地を購入しました。地方自治において、あってはならない著しい不正義ですが、これについての一審の東京地裁は、本論に入る前に門前払いをする形で原告敗訴の判決を出しました。結果的に地裁は「東京都の嘘を原告がもっと早く見破るべきだった」「監査請求期間を逸した」とする判決を出したのでした。私たちはこれを不服として控訴、東京高裁で審議が続きましたが、23日判決を迎えることになりました。

 国内最大の汚染地、豊洲東京ガス工場跡地は通常売れず塩漬けになる土地でした。ところが築地市場移転を急いだ都は、東京ガスに対し汚染の「除去工事」ではなく、簡単な汚染の「拡散防止工事」(100億円程度)で良いと約束をし、最終的に大量の汚染が残置されたままの土地を市場用地として入手しました。一方都民に対して都は「汚染は除去され十分きれいになった」と二枚舌を使いました。都が東京ガスと結んだ問題の文書は朝日新聞によって明らかになり、私たちはその記事をベースに住民監査請求を行い、現在の裁判に至ります。今に引きずる土壌汚染の問題は、都が自らの「二枚舌」を誤魔化すために、汚染をできるだけ隠蔽しようとしてきた事にあります。



 移転反対運動の盛り上がりを受け、‘07年に開かれた「専門家会議」による汚染調査の結果、必要な対策費約1300億円と試算されました。しかし、そもそも東京ガスの対策工事後の残置汚染が後で発覚する事は想定していない事業計画であった為、まともに土壌汚染を処理する予算は無く、都は新たに「技術会議」を開き、必要な汚染対策工事費の半減(約600億円)を図りました。都の行った汚染調査は、環境省の示すガイドラインを無視し意図的に省略されているため、調査も対策も「未完」状態にあると言えますが、それにもかかわらず施設の起工式が既に行われました。汚染の除去完了を確認するための(法的に必要な)2年間の地下水モニタリングも待たず、建物を建ててしまえば、追加の調査や対策が不可能になります。「あとは野となれ・・」の無責任な計画です。勿論、首都圏の食糧供給基地となる卸売市場の環境としては「最悪」です。



 土壌汚染についての「嘘」と「無責任」は舛添新都知事に引き継がれました。しかし市場用地問題は土壌汚染ばかりではありません。2本の幹線道路に分断された「最悪の立地・流通動線問題」があります。2月21日に開かれた、移転事業の最高意思決定機関である「新市場建設協議会」では、業界が施設計画にNOを突きつけ「大荒れ」とうい事態になりました。卸売業者協会伊藤会長は都の施設の「物流計画」について「効率性」の問題から「使い物にならない市場」であるとして都に計画の見直しを迫り、さらに話し合いに応じようとしない都の姿勢をも痛烈に批判しました。施設工事の起工式が2月末に行われたものの、施設計画問題は勿論解決されていません。現在汚染対策工事なども大幅にずれ込んでおり、築地市場の引越しが前提の「環状2号線の工事が、オリンピックには間に合わない(ケンプラッツ・日経BP)」ことも明らかになってきました。この様に移転計画は、現在に至り一層混乱しており「破綻」としか言いようのない状況です。
 これらの原因は、汚染地購入時点に立返って問題を洗い出さない限り出口は見えないものと思います。都に軌道修正の能力はありません。都の暴走を止めるためには、消費者である市民が絶えず監視を続けることが最大の力となります。裁判の傍聴に是非ご参加下さい。―――――――――― (以上報告)築地移転問題関連裁判の原告メンバー 水谷和子 連絡先 mizunoyaka@ezweb.ne.jp

★関連裁判予定

■平成23年公金返還訴訟(2011年購入分)

2014年5月13日(火)10:30~ 東京地裁703法廷
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寺田逸郎最高裁判所長官 就任談話H26.4.1

2014-04-22 23:00:00 | 国政レベルでなすべきこと
 以下、新しく就任された寺田逸郎最高裁判所長官 就任談話です。

 定型的なあいさつ文の中にも、下線(下線を私は引きましたが)のような長官自身が注目している観点があるような気がします。

*******最高裁ホームページ********************************
寺田最高裁判所長官の就任談話


平成26年4月1日


談 話



最高裁判所長官 寺田逸郎


この度,最高裁判所長官を拝命いたしました。その職責の重大さを十分に受けとめて務めてまいりたいと考えております。

戦後70年近くを経過し,この間,私共は,国民の御理解,御協力をいただきながら,個々の事件の適正妥当な解決を見いだす作業を通じて,国民の権利を擁護し,社会の基盤をなす法秩序の維持を図るという自らの使命を果たすべく努めてきたところです。しかし,社会,経済状況の変化等を反映して,利害の対立が複雑化し,また深刻化することも少なくない中で,裁判所に求められるものがますます幅広く,深くなっていることに思いを致さざるを得ません。また,社会のテンポが一層速くなっていることも見逃せません。裁判所は,これまでにも増して,一件一件の事件の適正妥当な,そして迅速な解決に向けて誠実に努めていかなければならないと思います。

時代の要請に応えるため取り組まれてきた一連の司法制度改革については,導入された制度の運用がそれぞれ進められています。このうち,裁判員制度は,まもなく施行から5年になります。裁判員を経験された多くの方々が裁判員裁判に参加したことは得難い経験であったと高く評価しておられ,国民の協力を得て円滑な運用を行うという点では,概ね責任を果たしつつ推移しているということができるでしょう。しかし,この歴史的意義を有する制度の定着に向けて取り組んでいくべき課題もなお少なくありません。また,裁判所にとって,新たに本日施行されたハーグ条約関連法にあるように,家庭内の出来事や国際的な広がりのある分野もが視野に入ってくることも普通に見られるようになっています。このような状況に対応し,司法の機能を充実,強化していくため,国内の実情はもとより国際社会の潮流も見据えて検討を深め,国民の期待と信頼に応え得るよう不断に努力を重ねていくことが求められているのだと思います。

東日本大震災とこれに伴う原子力発電所の事故は,発生から3年を経過しましたが,被災地域の方々をはじめとして,今なお多くの国民の生活に深刻な影響を与えています。司法の分野においても,被災地域の方々の生活の安定と復興に向けて可能な限り努力を続けてまいります。

就任に当たり,これまで築き上げてきたところを土台として,国民,社会から一層信頼される司法を確立していくため,全力で職務に取り組んでまいる覚悟です。

国民の皆様におかれましても,一層の御理解,御協力を寄せていただけるようお願い申し上げます。
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独禁法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)を知る<まずは、一番基本的なところ>

2014-04-21 23:00:00 | 経済法、独占禁止法

Ⅰ独占禁止法の目的

 直接目的:公正・自由な競争の促進

 公正・自由な競争の促進があると、①創意工夫が発揮され、②事業活動が活性化し、③雇用・所得のレベルアップが図れる。

 最終的には、〇国民経済の民主的で健全な発達
       〇一般消費者の利益確保
       がなされる。



Ⅱ独占禁止法の規制対象

1、規制対象:事業者と事業団体

2、事業者の定義 

2条1項この法律において「事業者」とは、商業、工業、金融業その他の事業を行う者をいう。事業者の利益のためにする行為を行う役員、従業員、代理人その他の者は、次項又は第三章の規定の適用については、これを事業者とみなす。


事業者:反復継続する経済活動を行う者


3、事業者団体の定義

2条2項
 この法律において「事業者団体」とは、事業者としての共通の利益を増進することを主たる目的とする二以上の事業者の結合体又はその連合体をいい、次に掲げる形態のものを含む。ただし、二以上の事業者の結合体又はその連合体であつて、資本又は構成事業者の出資を有し、営利を目的として商業、工業、金融業その他の事業を営むことを主たる目的とし、かつ、現にその事業を営んでいるものを含まないものとする。
一  二以上の事業者が社員(社員に準ずるものを含む。)である社団法人その他の社団
二  二以上の事業者が理事又は管理人の任免、業務の執行又はその存立を支配している財団法人その他の財団
三  二以上の事業者を組合員とする組合又は契約による二以上の事業者の結合体

事業団体:2以上の事業者の組織体
     判断基準:事務所・規約・意思決定組織の有無








Ⅲ独占禁止法の基本概念:私的独占の禁止(2条5項・3条前段)

〇一定の取引分野:競争制限が行われる場

〇競争の実質的制限

→特定の事業者・団体がその意思である程度自由に価格・品質・数量等の競争条件を左右することによって市場を支配できる状態

〇公共の利益

→競争制限行為と法益とを比較考量して最終目的に実質的に反しないと認められる例外的場合

2条5項 この法律において「私的独占」とは、事業者が、単独に、又は他の事業者と結合し、若しくは通謀し、その他いかなる方法をもつてするかを問わず、他の事業者の事業活動を排除し、又は支配することにより、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限することをいう。


3条前段 事業者は、私的独占又は不当な取引制限をしてはならない。






Ⅳ独占禁止法の基本概念:不当な取引制限(カルテル)(2条6項・3条後段)

〇事業者が他の事業者と共同して:行為要件

〇価格の決定・維持・引上げ、数量・技術・製品・設備・取引の相手方を制限
 →相互に事業活動を拘束・遂行:相互拘束性

〇一定の取引分野における競争を実質的制限:効果要件

〇公共の利益:違法性阻却要件

2条6項 この法律において「不当な取引制限」とは、事業者が、契約、協定その他何らの名義をもつてするかを問わず、他の事業者と共同して対価を決定し、維持し、若しくは引き上げ、又は数量、技術、製品、設備若しくは取引の相手方を制限する等相互にその事業活動を拘束し、又は遂行することにより、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限することをいう。


3条後段 事業者は、私的独占又は不当な取引制限をしてはならない。







以上

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取締役の任務懈怠の有無を、どう裁判所で判断するか。「経営判断の原則」

2014-04-20 23:00:00 | 社会問題

1、経営判断の原則とは

 経営判断の原則(以下、「同原則」という。)とは、取締役・執行役の行為の結果として会社に損害が生じたような場合において、任務懈怠の有無を判断する際に、裁判所は、経営判断には、事後的に介入しないというルールをいう。

2、同原則の必要性

 同原則が必要とされる理由は、企業経営にはリスクが伴い、むしろ、リスクのある事業を行うことにこそ株式会社という制度の役割であり、そのような株式会社の活動を通じて資本主義経済が発展することから、経営判断への事後的な介入が容易に行われれば、そのような株式会社の存在価値が損なわれる可能性があることによる。また、裁判官や一般の株主は、経営判断に関して、経営者よりも優れた能力を有するともいえないことによる。


3、同原則に関して、取締役の善管注意義務違反の有無の判断における基準

 取締役の業務についての善管注意義務違反又は忠実義務違反の有無の判断に当たっては、

1)取締役によって当該行為がなされた当時における会社の状況及び会社を取り巻く社会、経済、文化等の情勢の下において、

2)当該会社の属する業界における通常の経営者の有すべき知見及び経験を基準として、

3)前提としての事実認識に不注意な誤りがなかったか否か

及び

4)その事実に基づく行為の選択決定に不合理がなかったか否か


という観点から、当該行為をすることが著しく不合理と評価されるか否かによるべきである(東京地判平成16・9・28)。

 従って、善管注意義務に違反しないとされるためには、

①当該行為が経営判断上の専門的判断に委ねられた事項についてのものであること、

②意思決定の過程に著しい不合理性がないこと、

③意思決定の内容に著しい不合理性がないこと

の3つが要求される(最判平成22・7・15)こととなる。



実際の判例:http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20100715143943.pdf

<東京高等裁判所H20.10.29の判断>

原審は,上告人らの善管注意義務違反の有無について次のとおり判断して,
上告人らに対し参加人に連帯して1億2640万円及び遅延損害金の支払を命ずる
限度で,被上告人の請求を認容した。

〇本件買取価格は,Aの株式1株当たりの払込金額が5万円であったことから,これと同額に設定されたものであり,それより低い額では買取りが円滑に進まないといえるか否かについて十分な調査,検討等がされていないこと,

〇既にAの発行済株式の総数の3分の2以上の株式を保有していた参加人において,当時の状態を維持した場合と比較してAを完全子会社とすることが経営上どの程度有益な効果を生むかという観点から検討が十分にされていないこと,

〇本件買取価格の設定当時のAの株式の1株当たりの価値は株式交換のために算定された評価額等から1万円であったと認めるのが相当であること

等からすれば,本件買取価格の設定には合理的な根拠又は理由を見出すことはできず,上告人らは,取締役としての善管注意義務に違反して,その任務を怠ったものである。


<上記高裁判断を覆した、最高裁H22.7.15の判断>

しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は次のとおりである。


前記事実関係によれば,本件取引は,AをBに合併して不動産賃貸管理等の事業
を担わせるという参加人のグループの事業再編計画の一環として,Aを参加人の完
全子会社とする目的で行われたものであるところ,このような事業再編計画の策定
は,完全子会社とすることのメリットの評価を含め,将来予測にわたる経営上の専
門的判断にゆだねられていると解される



そして,この場合における株式取得の方法や価格についても,
取締役において,株式の評価額のほか,取得の必要性,参加人の財務上の負担,株式の取得を円滑に進める必要性の程度等をも
総合考慮して決定することができ,
その決定の過程,内容に著しく不合理な点がない限り,取締役としての善管注意義務に違反するものではないと解すべきである


以上の見地からすると,

〇参加人がAの株式を任意の合意に基づいて買い取ることは,円滑に株式取得を進める方法として合理性があるというべきであるし,

〇その買取価格についても,Aの設立から5年が経過しているにすぎないことからすれば,払込金額である5万円を基準とすることには,一般的にみて相応の合理性がないわけではなく

〇参加人以外のAの株主には参加人が事業の遂行上重要であると考えていた加盟店等が含まれており,買取りを円満に進めてそれらの加盟店等との友好関係を維持することが今後における参加人及びその傘下のグループ企業各社の事業遂行のために有益であったことや,非上場株式であるAの株式の評価額には相当の幅があり,事業再編の効果によるAの企業価値の増加も期待できたことからすれば,株式交換に備えて算定されたAの株式の評価額や実際の交換比率が前記のようなものであったとしても,買取価格を1株当たり5万円と決定したことが著しく不合理であるとはいい難い

〇そして,本件決定に至る過程においては,参加人及びその傘下のグループ企業各社の全般的な経営方針等を協議する機関である経営会議において検討され,弁護士の意見も聴取されるなどの手続が履践されているのであって,その決定過程にも,何ら不合理な点は見当たらない。


以上によれば,

本件決定についての上告人らの判断は,参加人の取締役の判断として著しく不合理なものということはできないから,上告人らが,参加人の取締役としての善管注意義務に違反したということはできない。


5 以上と異なる見解の下に,本件決定についての上告人らの判断に参加人の取
締役としての善管注意義務違反があるとして被上告人の請求を一部認容した原審の
判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由があ
り,原判決中,上告人ら敗訴部分は破棄を免れない。そして,以上説示したところ
によれば,同部分に関する被上告人の請求は理由がないから,同部分について被上
告人の請求を棄却した第1審判決は正当であり,同部分についての被上告人の控訴
は棄却すべきである。
 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。


*********最高裁ホームページより**************************

主文
原判決中,上告人ら敗訴部分を破棄する。
前項の部分につき,被上告人の控訴を棄却する。
控訴費用,上告費用及び参加によって生じた訴訟費用
は,被上告人の負担とする。

理由
上告代理人手塚裕之ほかの上告受理申立て理由(ただし,排除されたものを除
く。)について

1 本件は,上告補助参加人(以下「参加人」という。)の株主である被上告人
が,参加人の取締役である上告人らに対し,上告人らが,A(以下「A」とい
う。)の株式を1株当たり5万円の価格で参加人が買い取る旨の決定をしたことに
つき,取締役としての善管注意義務違反があり,会社法423条1項により参加人
に対する損害賠償責任を負うと主張して,同法847条に基づき,参加人に連帯し
て1億3004万0320円及び遅延損害金を支払うことを求める株主代表訴訟で
ある。

2 原審の適法に確定した事実関係の概要は,次のとおりである。
(1) 参加人は,Aを含む傘下の子会社等をグループ企業として,不動産賃貸あ
っせんのフランチャイズ事業等を展開し,平成18年9月期時点で,連結ベースで
総資産約1038億円,売上高約497億円及び経常利益約43億円の経営規模を
有していた。
(2) Aは,主として,備品付きマンスリーマンション事業を行うことなどを目
的として平成13年に設立された会社であり,設立時の株式の払込金額は5万円で
あった。Aの株式は,発行済株式の総数9940株の約66.7%に相当する66
30株を参加人が保有していたが,参加人が,上記(1)の事業の遂行上重要である
と考えていた上記フランチャイズ事業の加盟店等(以下「加盟店等」という。)も
これを引き受け,保有していた。
(3) 参加人は,機動的なグループ経営を図り,グループの競争力の強化を実現
するため,完全子会社に主要事業を担わせ,参加人を持株会社とする事業再編計画
を策定し,平成18年5月ころ,同計画に沿って,関連会社の統合,再編を進めて
いた。Aについては,参加人の完全子会社であるB(以下「B」という。)に合併
して不動産賃貸管理業務等を含む事業を担わせることが計画された。
(4) 参加人には,社長の業務執行を補佐するための諮問機関として,役付取締
役全員によって構成され,参加人及びその傘下のグループ各社の全般的な経営方針
等を協議する経営会議が設置されている。平成18年5月11日に開催された経営
会議には,上告人Y が代表取締役1 として,上告人Y2及び同Y3が取締役として出
席し,AとBとの合併に関する議題が協議された。そして,その席上,① 参加人
の重要な子会社であるBは,完全子会社である必要があり,そのためには,AもB
との合併前に完全子会社とする必要があること,② Aを完全子会社とする方法
は,参加人の円滑な事業遂行を図る観点から,株式交換ではなく,可能な限り任意
の合意に基づく買取りを実施すべきであること,③ その場合の買取価格は払込金
額である5万円が適当であることなどが提案された。参加人から,上記提案につき
助言を求められた弁護士は,基本的に経営判断の問題であり法的な問題はないこ
と,任意の買取りにおける価格設定は必要性とバランスの問題であり,合計金額も
それほど高額ではないから,Aの株主である重要な加盟店等との関係を良好に保つ
- 3 -
必要性があるのであれば許容範囲である旨の意見を述べた。
協議の結果,上記提案のとおり1株当たり5万円の買取価格(以下「本件買取価
格」という。)でAの株式の買取りを実施することが決定され(以下「本件決定」
という。),併せて,当時参加人との間で紛争が生じており買取りに応じないこと
が予想された株主については,株式交換の手続が必要となる旨の説明がされ,了承
された。
(5) 参加人は,Aを完全子会社とするために実施を予定していた株式交換に備
え,監査法人等2社に株式交換比率の算定を依頼した。提出された交換比率算定書
の一つにおいては,Aの1株当たりの株式評価額が9709円とされ,他の一つに
おいては,類似会社比較法による1株当たりの株主資本価値が6561円ないし1
万9090円とされた。
(6) 参加人は,平成18年6月9日ころから同月29日までの間に,本件決定
に基づき,参加人以外のAの株主のうち,買取りに応じなかった1社を除く株主か
ら,株式3160株を1株当たり5万円,代金総額1億5800万円で買い取った
(以下,これらの買取りを「本件取引」と総称する。)。
(7) その後,参加人とAとの間で株式交換契約が締結され,Aの株式1株につ
いて,参加人の株式0.192株の割合をもって割当交付するものとされた。

3 原審は,上告人らの善管注意義務違反の有無について次のとおり判断して,
上告人らに対し参加人に連帯して1億2640万円及び遅延損害金の支払を命ずる
限度で,被上告人の請求を認容した。
本件買取価格は,Aの株式1株当たりの払込金額が5万円であったことから,こ
れと同額に設定されたものであり,それより低い額では買取りが円滑に進まないと
- 4 -
いえるか否かについて十分な調査,検討等がされていないこと,既にAの発行済株
式の総数の3分の2以上の株式を保有していた参加人において,当時の状態を維持
した場合と比較してAを完全子会社とすることが経営上どの程度有益な効果を生む
かという観点から検討が十分にされていないこと,本件買取価格の設定当時のAの
株式の1株当たりの価値は株式交換のために算定された評価額等から1万円であっ
たと認めるのが相当であること等からすれば,本件買取価格の設定には合理的な根
拠又は理由を見出すことはできず,上告人らは,取締役としての善管注意義務に違
反して,その任務を怠ったものである。

4 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は次の
とおりである。
前記事実関係によれば,本件取引は,AをBに合併して不動産賃貸管理等の事業
を担わせるという参加人のグループの事業再編計画の一環として,Aを参加人の完
全子会社とする目的で行われたものであるところ,このような事業再編計画の策定
は,完全子会社とすることのメリットの評価を含め,将来予測にわたる経営上の専
門的判断にゆだねられていると解される。そして,この場合における株式取得の方
法や価格についても,取締役において,株式の評価額のほか,取得の必要性,参加
人の財務上の負担,株式の取得を円滑に進める必要性の程度等をも総合考慮して決
定することができ,その決定の過程,内容に著しく不合理な点がない限り,取締役
としての善管注意義務に違反するものではないと解すべきである。
以上の見地からすると,参加人がAの株式を任意の合意に基づいて買い取ること
は,円滑に株式取得を進める方法として合理性があるというべきであるし,その買
取価格についても,Aの設立から5年が経過しているにすぎないことからすれば,
- 5 -
払込金額である5万円を基準とすることには,一般的にみて相応の合理性がないわ
けではなく,参加人以外のAの株主には参加人が事業の遂行上重要であると考えて
いた加盟店等が含まれており,買取りを円満に進めてそれらの加盟店等との友好関
係を維持することが今後における参加人及びその傘下のグループ企業各社の事業遂
行のために有益であったことや,非上場株式であるAの株式の評価額には相当の幅
があり,事業再編の効果によるAの企業価値の増加も期待できたことからすれば,
株式交換に備えて算定されたAの株式の評価額や実際の交換比率が前記のようなも
のであったとしても,買取価格を1株当たり5万円と決定したことが著しく不合理
であるとはいい難い。そして,本件決定に至る過程においては,参加人及びその傘
下のグループ企業各社の全般的な経営方針等を協議する機関である経営会議におい
て検討され,弁護士の意見も聴取されるなどの手続が履践されているのであって,
その決定過程にも,何ら不合理な点は見当たらない。
以上によれば,本件決定についての上告人らの判断は,参加人の取締役の判断と
して著しく不合理なものということはできないから,上告人らが,参加人の取締役
としての善管注意義務に違反したということはできない。
5 以上と異なる見解の下に,本件決定についての上告人らの判断に参加人の取
締役としての善管注意義務違反があるとして被上告人の請求を一部認容した原審の
判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由があ
り,原判決中,上告人ら敗訴部分は破棄を免れない。そして,以上説示したところ
によれば,同部分に関する被上告人の請求は理由がないから,同部分について被上
告人の請求を棄却した第1審判決は正当であり,同部分についての被上告人の控訴
は棄却すべきである。
- 6 -
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官白木勇裁判官宮川光治裁判官櫻井龍子裁判官
金築誠志裁判官横田尤孝)
コメント

医師の守秘義務を考える上で重要判例。救急医療の現場で知りえた覚せい剤使用を通報することに関し。

2014-04-19 23:00:00 | 医療
 医師の守秘義務を考える上での、ひとつの重要判例(治療の目的で救急患者から尿を採取して薬物検査をした医師の通報を受けて警察官が押収した尿につきその入手過程に違法はないとされた事例)です。

 救急の現場で、知りえた覚せい剤使用を、警察に通報することが、医師の守秘義務に反するかどうか。

 とてもとても悩ましい問題です。

 なお、下記判例の医師の行為自体は、罰せられる違法性はありません(刑事訴訟法239条2項参照)。
 最高裁裁判官も全員一致で、判決を出しています。

 医師の守秘義務の原則は、どこまで通用するか。

 「医師は、治せばよい、覚せい剤の部分には触れないでよい。」と言っているのでは決してありません。
 傷の治療だけして、覚せい剤使用を放置して退院させると、この患者は、救われない。
 治すべき部分は、短期的には、もちろんナイフの刺し傷。長期的には、薬物に依存することになったこと。
 患者のために、全人的ケアが求められるケースです。
 忙しい救急現場だけでは、対応できるものでもありません。


*******************************

刑事訴訟法239条
第二百三十九条  何人でも、犯罪があると思料するときは、告発をすることができる。
○2  官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。


*****************************
メモ:「証拠能力」と証拠の「証明力」との違い。

 「証拠能力」は、裁判に、証拠として出せるかどうか。
 違法に得られた証拠は、裁判には出されません。
 もし、このケースで、採尿結果の証拠が、医師の守秘義務違反に基づき違法だとされたら、検察は、この患者の覚せい剤使用の犯罪を、他の証拠を用いて証明しなければならなくなります。

 一方、証拠の「証明力」は、その証拠を用いて、事実を証明しうるかどうか。
 このケースでは、患者さんの尿から覚せい剤が検出されたという鑑定書を用いて、患者が覚せい剤を使用していたと証明しえ、結果、検察は、その患者を覚せい剤使用の罪で罰すべきことを法廷で主張しえます。
 鑑定書が、裁判で用いられなければ、実質的には、「国立病院aにおいて、患者さんの尿から覚せい剤が検出された」という事実なしで、裁判が行われることとなります。
 他に有力な証拠がなければ、裁判上は、無罪ともなりえます。




*****最高裁ホームページより*************************

 主    文
       本件上告を棄却する。

         理    由

 弁護人森野嘉郎の上告趣意のうち,判例違反をいう点は,所論引用の判例は事案
を異にして本件に適切でなく,その余は,憲法違反をいう点を含め,実質は単なる
法令違反の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。

 なお,所論にかんがみ,被告人の尿に関する鑑定書等の証拠能力について職権で
判断する。

 1 原判決及びその是認する第1審判決の認定によれば,被告人の尿の入手経過
は,次のとおりである。

 (1) 被告人は,平成15年4月18日,同せい相手と口論となり,ナイフによ
り右腰背部に刺創を負い,同日午後7時55分ころ,東京都世田谷区内の病院で応
急措置を受けたものの,出血が多く,救急車で国立病院aに搬送された。被告人は
,同日午後8時30分ころ,上記aに到着した際には,意識は清明であったものの
,少し興奮し,「痛くないの,帰らせて。」,「彼に振り向いてほしくて刺したの
に,結局みんなに無視されている。」などと述べ,担当医師が被告人を診察したと
ころ,その右腰背部刺創の長さが約3㎝であり,着衣に多量の血液が付着していた
のを認めた。
 (2) 同医師は,上記刺創が腎臓に達していると必ず血尿が出ることから,被告
人に尿検査の実施について説明したが,被告人は,強くこれを拒んだ。同医師は,
先にCT検査等の画像診断を実施したところ,腎臓のそばに空気が入っており,腹
腔内の出血はなさそうではあったものの,急性期のためいまだ出血していないこと
も十分にあり得ると考え,やはり採尿が必要であると判断し,その旨被告人を説得
した。被告人は,もう帰るなどと言ってこれを聞かなかったが,同医師は,なおも
- 1 -
約30分間にわたって被告人に対し説得を続け,最終的に止血のために被告人に麻
酔をかけて縫合手術を実施することとし,その旨被告人に説明し,その際に採尿管
を入れることを被告人に告げたところ,被告人は,拒絶することなく,麻酔の注射
を受けた。
 (3) 同医師は,麻酔による被告人の睡眠中に,縫合手術を実施した上,カテー
テルを挿入して採尿を行った。採取した尿から血尿は出ていなかったものの,同医
師は,被告人が興奮状態にあり,刃物で自分の背中を刺したと説明していることな
どから,薬物による影響の可能性を考え,簡易な薬物検査を実施したところ,アン
フェタミンの陽性反応が出た。
 (4) 同医師は,その後来院した被告人の両親に対し,被告人の傷の程度等につ
いて説明した上,被告人の尿から覚せい剤反応があったことを告げ,国家公務員と
して警察に報告しなければならないと説明したところ,被告人の両親も最終的にこ
れを了解した様子であったことから,被告人の尿から覚せい剤反応があったことを
警視庁玉川警察署の警察官に通報した。
 (5) 同警察署の警察官は,同月21日,差押許可状の発付を得て,これに基づ
いて同医師が採取した被告人の尿を差し押さえた。

 2 所論は,担当医師が被告人から尿を採取して薬物検査をした行為は被告人の
承諾なく強行された医療行為であって,このような行為をする医療上の必要もない
上,同医師が被告人の尿中から覚せい剤反応が出たことを警察官に通報した行為は
医師の守秘義務に違反しており,しかも,警察官が同医師の上記行為を利用して
被告人の尿を押収したものであるから,令状主義の精神に反する重大な違法があり
,被告人の尿に関する鑑定書等の証拠能力はないという


 しかしながら,【要旨】上記の事実関係の下では,同医師は,救急患者に対する
治療の目的で,被告人から尿を採取し,採取した尿について薬物検査を行ったもの
- 2 -
であって,医療上の必要があったと認められるから,たとえ同医師がこれにつき被
告人から承諾を得ていたと認められないとしても,同医師のした上記行為は,医療
行為として違法であるとはいえない。

 また,医師が,必要な治療又は検査の過程で採取した患者の尿から違法な薬物の
成分を検出した場合に,これを捜査機関に通報することは,正当行為として許容さ
れるものであって,医師の守秘義務に違反しないというべきである


 以上によると,警察官が被告人の尿を入手した過程に違法はないことが明らかで
あるから,同医師のした上記各行為が違法であることを前提に被告人の尿に関する
鑑定書等の証拠能力を否定する所論は,前提を欠き,これらの証拠の証拠能力を肯
定した原判断は,正当として是認することができる。

 よって,刑訴法414条,386条1項3号により,裁判官全員一致の意見で,
主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 横尾和子 裁判官 甲斐中辰夫 裁判官 泉 徳治 裁判官 島
田仁郎 裁判官 才口千晴)
- 3 -
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4月20日(日)東京都中央区月島3丁目 こども元気クリニック03-5547-1191急病対応します。

2014-04-18 15:46:52 | 小児医療

こども元気クリニック GWのお知らせ等

1、GWは、すべて急病対応(午前中)致します。
特に4連休手前の5月3日(土)は、通常診療致します。
同日は、福むら薬局さんも開院下さいます。

2、4月19日(土)は、都合により診療開始を午前10時~とさせていただきます。

3、4月20日(日)は、急病対応(午前中)致します。

4、当院が、医療情報サイトでご紹介されました。

中央区ドクターズさん:
http://www.chuo-doctors.com/hospitalDetail/596 
http://www.chuo-doctors.com/movieDetail/596 

ドクターズファイルさん:
http://doctorsfile.jp/h/28824/df/1/ 

 以上です。
 
 保育園が始まって、特に初めての集団生活のお子さんがたくさん風邪をひかれています。
 お大事に。

こども元気クリニック・病児保育室
中央区月島3-30-3
電話 03-5547-1191

小坂和輝


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