「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

川﨑の事件、不安な気持ちは、担任や養護、学校カウンセラーの先生、そして私達小児科医にご相談下さい。/病児保育鋭意実施中。

自分で使わず他人に譲渡するために自己名義の預金口座をつくることは詐欺罪に当たります。

2013-04-30 23:00:00 | シチズンシップ教育
 預金通帳を誰かに譲渡する意図を隠して銀行員に自己名義の預金口座開設をする行為は、詐欺罪か。

 詐欺罪に当たるとしても、意図なるものは、客観的に見えないから、実際に詐欺罪として犯人を捕まえることは、難しいのではないかと感じます。

 難しいけれど、この段階で防がねば、振り込め詐欺を根絶できないと思います。

 最高裁がどのような見解か、見てみます。


*****最高裁ホームページより****
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070718144217.pdf

判決文全文

主文
本件上告を棄却する。
当審における未決勾留日数中140日を本刑に算入する。

理由

弁護人近藤広明の上告趣意のうち,判例違反をいう点は,事案を異にする判例を
引用するものであって,本件に適切でなく,その余は,憲法違反をいう点を含め,
実質は単なる法令違反,事実誤認,量刑不当の主張であって,刑訴法405条の上
告理由に当たらない。

所論にかんがみ,本件各詐欺罪の成否について検討する。

1 原判決及びその是認する第1審判決の認定並びに記録によれば,本件の事実
関係は次のとおりである。
(1) 被告人は,第三者に譲渡する預金通帳及びキャッシュカードを入手するた
め,友人のAと意思を通じ,平成15年12月9日から平成16年1月7日までの
間,前後5回にわたり,いずれも,Aにおいて,五つの銀行支店の行員らに対し,
真実は,自己名義の預金口座開設後,同口座に係る自己名義の預金通帳及びキャッ
シュカードを第三者に譲渡する意図であるのにこれを秘し,自己名義の普通預金口
座の開設並びに同口座開設に伴う自己名義の預金通帳及びキャッシュカードの交付
方を申し込み,上記行員らをして,Aが,各銀行の総合口座取引規定ないし普通預
金規定等に従い,上記預金通帳等を第三者に譲渡することなく利用するものと誤信
させ,各銀行の行員らから,それぞれ,A名義の預金口座開設に伴う同人名義の普
通預金通帳1通及びキャッシュカード1枚の交付を受けた。
(2) 被告人は,A及びBと意思を通じ,平成17年2月17日,Bにおいて,
- 2 -
上記(1)と同様に,銀行支店の行員に対し,自己名義の普通預金口座の開設等を申
し込み,B名義の預金口座開設に伴う同人名義の普通預金通帳1通及びキャッシュ
カード1枚の交付を受けた。
(3) 上記各銀行においては,いずれもA又はBによる各預金口座開設等の申込
み当時,契約者に対して,総合口座取引規定ないし普通預金規定,キャッシュカー
ド規定等により,預金契約に関する一切の権利,通帳,キャッシュカードを名義人
以外の第三者に譲渡,質入れ又は利用させるなどすることを禁止していた。また,
A又はBに応対した各行員は,第三者に譲渡する目的で預金口座の開設や預金通
帳,キャッシュカードの交付を申し込んでいることが分かれば,預金口座の開設
や,預金通帳及びキャッシュカードの交付に応じることはなかった。
2 以上のような事実関係の下においては,銀行支店の行員に対し預金口座の開
設等を申し込むこと自体,申し込んだ本人がこれを自分自身で利用する意思である
ことを表しているというべきであるから,預金通帳及びキャッシュカードを第三者
に譲渡する意図であるのにこれを秘して上記申込みを行う行為は,詐欺罪にいう人
を欺く行為にほかならず,これにより預金通帳及びキャッシュカードの交付を受け
た行為が刑法246条1項の詐欺罪を構成することは明らかである。被告人の本件
各行為が詐欺罪の共謀共同正犯に当たるとした第1審判決を是認した原判断に誤り
はない。
よって,刑訴法414条,386条1項3号,刑法21条により,裁判官全員一
致の意見で,主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官藤田宙靖裁判官堀籠幸男裁判官那須弘平裁判官
田原睦夫裁判官近藤崇晴)

**********************

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=34955&hanreiKbn=02

事件番号

 平成18(あ)2319



事件名

 詐欺被告事件



裁判年月日

 平成19年07月17日



法廷名

 最高裁判所第三小法廷



裁判種別

 決定



結果

 棄却



判例集等巻・号・頁

 第61巻5号521頁




原審裁判所名

 東京高等裁判所



原審事件番号

 平成18(う)1339



原審裁判年月日

 平成18年10月11日




判示事項

 預金通帳等を第三者に譲渡する意図を秘して銀行の行員に自己名義の預金口座の開設等を申し込み預金通帳等の交付を受ける行為は,刑法246条1項の詐欺罪に当たるか




裁判要旨

 預金通帳等を第三者に譲渡する意図であるのに,これを秘して銀行の行員に自己名義の預金口座の開設等を申し込み,預金通帳等の交付を受ける行為は,刑法246条1項の詐欺罪に当たる。




参照法条

 刑法246条1項,金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律16条の2第1項,金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律16条の2第2項
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ありがとう、スピルバーグ。『リンカーン』を観て

2013-04-29 03:19:45 | 国政レベルでなすべきこと
 スピルバーグ『リンカーン』を観て来ました。

 まずは、ひとこと。

 ここにも、戦った政治家がいました。

 奴隷解放。

 その実現のためには、克服せねばならない憲法改正2/3の壁(上院可決後、下院において下院議員2/3以上の賛成を得ること)がありました。それを見事に乗り越えた。
 

 憲法のなんたるかをご理解なさらないで憲法96条改正をとなえる国会議員の皆様、政治家の皆様に言いたい。

 もし、本当に成し遂げたい改正があるなら、2/3のままで戦いませんか。

 姑息にも、なぜ、憲法改正2/3自体のハードルを下げることから始める必要があるのですか。


****憲法*****
   第九章 改正

第九十六条  この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
○2  憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。
***********
 

 
コメント

1型糖尿病

2013-04-28 23:00:00 | 医療
 コメント頂きました。

 ありがとうございます。

 政治家のかたへ、届いてほしいです。

 掲載致します。

****コメント(2013-04-28 19:13:27)*****

心無い 発言です (クープー)
2013-04-28 19:13:27
私は1型糖尿病患者です。発症して2年になります。

糖尿病に1型と2型のタイプがある事をご存じな方はどの位?いらっしゃるでしょうか・・・まだまだ知られていないなぁーと痛感しています。1型は身体が弱いからなる訳ではないし勿論 暴飲暴食と乱れた生活で発症する病でもありません。簡単に言えば 免疫異常で自分の膵臓(ランゲルハンス島)を攻撃してインスリンが出なくなるのです。小児に多い病気ですが、私の様に大人になってから発症する事も(まれに)あります。
麻生さんは自分の発言がどれだけ影響力があるかを考え、もっと慎重に対応するべきです。毎食度にインスリン注射をしながら一生病気と付き合って行かなくてはならない患者の気持ちなど分からないのでしょうね
補足した部分の説明がまったく足りないし あれでは誤解をまねきます。患者に対しての配慮に欠けます。自分の発言に責任を持ち、話すなら勉強した上でにして欲しいです。ただのパフォーマンスとしか思えません。
コメント

議会の議事録音テープの公開について

2013-04-27 23:00:00 | 議会改革
 議会の議事録音テープも情報公開の請求の対象になるのか。

*********************

行政法判例bot ‏@gyosei_hanrei

議会の議事録音テープは、会議録が作成され決裁等の手続が終了した後は原則公開の対象となるが、処分時に会議録が作成されていない場合、そのような段階で会議録作成のための資料としての性格を有するテープだけが条例にいう情報に当たらず、情報公開請求を認められない。(H16.11.18)
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数字のマジック 中央区の待機児童310⇒公表された待機児童数79

2013-04-26 15:52:33 | 子育て・子育ち

 数字のマジック。

 当然、定義が変われば、数が変わります。

 どのような定義で、その数を出しているか、その調査実施主体はだれか、きちんと示して数字を出す丁寧さが行政に求められます。
 数字をみる私達も、数字にとびつくことなく、きちんとそのあたりのことをわかって数字を理解すべきです。


 中央区の待機児童310、公表された待機児童数79。

 この待機児童の数字の件で大事なことは、保育の質が担保された保育の場所を、行政が提供し、その安全性を高めるために、地域の小児科が連携していくことだと思っています。

 そして、そのように提供された場所に、預けたいのに不幸にして預けることができないようなひとをひとりも出さない対応だと思います。


*****東京新聞(2013/04/26)******
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013042690070427.html



【社会】


「待機児童」定義ばらつき 算入・除外 自治体次第

2013年4月26日 07時04分



 「待機児童」の数え方について、東京二十三区と首都圏の五政令指定都市に本紙がアンケートしたところ、どんな状態を待機とするのか定義にばらつきが大きいことが分かった。預け先がないため仕方なく保護者が育児休業を延ばしても六市区は「待機」に数えていない。保育行政を進める上で重要な統計が、実態を正しく反映していない恐れがある。 (保育問題取材班)

 待機児童数はかつて、国の基準で運営される認可保育所に申し込んでも入れない子の数を集計していた。だが、厚生労働省は二〇〇一年、認可外に預けている子も場合によっては待機に数えないよう定義を変えた

 自治体はどうとらえているのか、本紙は先月から今月にかけ、二十三区と横浜、川崎、相模原、千葉、さいたま各市を調査。認可外の中でも、東京都の認証保育所や各市区の保育室のように自治体が独自に基準を定めた施設や、自治体が認定した個人が乳幼児をみる「保育ママ」に預けた場合は、二十八市区とも待機に入れていない。

 一方、ビルの一室に時間単位で受け入れることも多い「ベビーホテル」に預けた子は、待機に数える市区が多い中、千代田、文京、目黒、杉並の四区はカウントしていない。「月決めである程度の時間を預けられる」(千代田区)、「利用者に補助金を出しており、施策の一つと考えている」(杉並区)などを理由に挙げた。

 保育所が時間や利用回数を限定して預かる「一時保育」でしのぐケースも、二市区は待機から外し、一区は場合によるとしている。

 やむなく育休を延長した場合を、待機に入れないのは六市区。待機には含めているが、本当は外したいという自治体も。世田谷区の担当者は「延長できるということは保育は必要ない」と話す。求職中のケースも五市区が除外していた。

 文京区は職場に子連れ出勤できれば待機児童ではないと判断している。

 国は自治体の報告を基に毎年、待機児童数を公表。昨年四月時点では二万五千人としている。

(東京新聞)

******************


*****中央区作成資料  予算特別委員会*****













コメント

保釈請求書の起案。冤罪を絶対に生まないために。

2013-04-26 09:43:53 | シチズンシップ教育

 勾留の執行を停止する制度として、保釈(88条~94条)及び勾留の執行停止(95条)(被告人が病気の場合等)があります。


1. 保釈とは、「保証金を納付させて、正当な理由なく出頭しないなどの場合にこれを没収するという威嚇のもとに、勾留された被告人を釈放する制度」をいいます。

  ここでいう出頭しないとは、起訴後であるから、捜査機関への出頭ではなく、裁判所への出頭をいいます。



2. 保釈できるのは、「勾留中の被告人・弁護人・法定代理人・保佐人・配偶者直系親族・兄弟姉妹」です。(88条1項)


************
刑事訴訟法
第八十八条  勾留されている被告人又はその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹は、保釈の請求をすることができる。
○2  第八十二条第三項の規定は、前項の請求についてこれを準用する。

第八十二条  勾留されている被告人は、裁判所に勾留の理由の開示を請求することができる。
○2  勾留されている被告人の弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族、兄弟姉妹その他利害関係人も、前項の請求をすることができる。
○3  前二項の請求は、保釈、勾留の執行停止若しくは勾留の取消があつたとき、又は勾留状の効力が消滅したときは、その効力を失う。

************



3. 保証金が定められ(93条1項)、また、保証金が定められるにはいろいろなことが考慮され定められ(93条2項)、保釈に条件が付されることもあります(93条3項)。

 そして、保証金が収められたあと、保釈されます(94条1項)。
 (保釈の決定が、夜中の場合、夜に保証金を納めることが難しいですが、対応はあるようです。)


************
第九十三条  保釈を許す場合には、保証金額を定めなければならない。
○2  保証金額は、犯罪の性質及び情状、証拠の証明力並びに被告人の性格及び資産を考慮して、被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額でなければならない。
○3  保釈を許す場合には、被告人の住居を制限しその他適当と認める条件を附することができる。

第九十四条  保釈を許す決定は、保証金の納付があつた後でなければ、これを執行することができない。
○2  裁判所は、保釈請求者でない者に保証金を納めることを許すことができる。
○3  裁判所は、有価証券又は裁判所の適当と認める被告人以外の者の差し出した保証書を以て保証金に代えることを許すことができる。
*************



4. 保釈請求がすべて許されるのではなく、認められる要件があります。

 権利保釈の要件(89条)にあうこと(除外理由にあてはまらないこと)と、権利保釈の要件にあわずとも裁判官の裁量(90条)で保釈が「適当」と判断されることでなされる場合があります。

 
 原則は、被告人は、無罪の推定が働くので、保釈の請求があったときは許さねばなりません。(89条)

 ただし、以下の除外事由があった場合、保釈は許されません(89条1号~6号)。

 1-3号は、前科前歴がなければ、要件をクリアーするでしょう。
 5号は、被害者がいない場合、クリアーしますが、事件関係者(=事件の審判に必要な知識を有すると認められる者)との接触で口裏合わせの危険がある場合など、該当するかどうか問題になります。
 6号は、身元引受人がおれば、クリアーされるでしょう。
 さて、4号は、罪証隠滅のおそれがないことをあつく書き、請求する必要のあるケースが多いかもしれません。

 保釈請求のメインは、89条の権利保釈の除外理由がないと書くことですが、多くの場合、裁判官の裁量を求める内容も同時に記載されます。

 裁判官は何を判断するかというと、上記、保釈金額決定の考慮内容と同様です(93条2項)。

⇒93条2項 保証金額は、犯罪の性質及び情状、証拠の証明力並びに被告人の性格及び資産を考慮して、被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額でなければならない。

 すなわち、被告人の年齢、勤務先、勤続年数、役職等。身元引受人の年齢、勤務先等。住居に関連したこと等。


**************
第八十九条  保釈の請求があつたときは、次の場合を除いては、これを許さなければならない。
一  被告人が死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
二  被告人が前に死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
三  被告人が常習として長期三年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
四  被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
五  被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
六  被告人の氏名又は住居が分からないとき。

第九十条  裁判所は、適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができる。
**************



5.
 保釈請求を受ける裁判官は、その事件を担当する裁判官では決してありません。(280条1項)
 保釈請求があると、裁判官は、すべての資料を検察庁よりとりよせ判断をします。裁判に出される出されないに関わらず、すべての資料です。
 ゆえに事件を担当する裁判官は、予断を一切もたずに第一回公判に臨むため(「起訴状一本主義」)、証拠にふれることになる保釈請求には関わることは許されません。
 ただし、第一回公判が始まり、被告人の罪状認否が済んだ以後に出された保釈請求は、事件を裁判する裁判官が、保釈請求も担当します。

*************
第二百八十条  公訴の提起があつた後第一回の公判期日までは、勾留に関する処分は、裁判官がこれを行う。
○2  第百九十九条若しくは第二百十条の規定により逮捕され、又は現行犯人として逮捕された被疑者でまだ勾留されていないものについて第二百四条又は第二百五条の時間の制限内に公訴の提起があつた場合には、裁判官は、速やかに、被告事件を告げ、これに関する陳述を聴き、勾留状を発しないときは、直ちにその釈放を命じなければならない。
○3  前二項の裁判官は、その処分に関し、裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。
*************



6.保釈請求は、

*検察側からの疎明資料(提出があれば)の反論

*身元引受人の陳述書

*被害者があれば、その示談書

 なども付けて行います。

 可能なら、裁判官と約10分程度の保釈面接をし、身元引受人も裁判官と面接します。




7.保釈請求が、不相当され、却下された場合、「準抗告」が可能です。


**********
第四百二十九条  裁判官が左の裁判をした場合において、不服がある者は、簡易裁判所の裁判官がした裁判に対しては管轄地方裁判所に、その他の裁判官がした裁判に対してはその裁判官所属の裁判所にその裁判の取消又は変更を請求することができる。
一  忌避の申立を却下する裁判
二  勾留、保釈、押収又は押収物の還付に関する裁判
三  鑑定のため留置を命ずる裁判
四  証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人に対して過料又は費用の賠償を命ずる裁判
五  身体の検査を受ける者に対して過料又は費用の賠償を命ずる裁判
○2  第四百二十条第三項の規定は、前項の請求についてこれを準用する。
○3  第一項の請求を受けた地方裁判所又は家庭裁判所は、合議体で決定をしなければならない。
○4  第一項第四号又は第五号の裁判の取消又は変更の請求は、その裁判のあつた日から三日以内にこれをしなければならない。
○5  前項の請求期間内及びその請求があつたときは、裁判の執行は、停止される。
**********


8.保釈請求が通り、保釈されたとしても、もし裁判で判決が出て、執行猶予ではなく実刑の内容の判決であれば、裁判判決後のその場で、収監されます。




 
*****保釈に関連した刑事訴訟法 条文 再掲 88条-94条*****

『刑事訴訟法講義』 安富潔 227頁


第八十八条  勾留されている被告人又はその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹は、保釈の請求をすることができる。
○2  第八十二条第三項の規定は、前項の請求についてこれを準用する。

第八十九条  保釈の請求があつたときは、次の場合を除いては、これを許さなければならない。
一  被告人が死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
二  被告人が前に死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
三  被告人が常習として長期三年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
四  被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
五  被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
六  被告人の氏名又は住居が分からないとき。

第九十条  裁判所は、適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができる。

第九十一条  勾留による拘禁が不当に長くなつたときは、裁判所は、第八十八条に規定する者の請求により、又は職権で、決定を以て勾留を取り消し、又は保釈を許さなければならない。
○2  第八十二条第三項の規定は、前項の請求についてこれを準用する。

第九十二条  裁判所は、保釈を許す決定又は保釈の請求を却下する決定をするには、検察官の意見を聴かなければならない。
○2  検察官の請求による場合を除いて、勾留を取り消す決定をするときも、前項と同様である。但し、急速を要する場合は、この限りでない。

第九十三条  保釈を許す場合には、保証金額を定めなければならない。
○2  保証金額は、犯罪の性質及び情状、証拠の証明力並びに被告人の性格及び資産を考慮して、被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額でなければならない。
○3  保釈を許す場合には、被告人の住居を制限しその他適当と認める条件を附することができる。

第九十四条  保釈を許す決定は、保証金の納付があつた後でなければ、これを執行することができない。
○2  裁判所は、保釈請求者でない者に保証金を納めることを許すことができる。
○3  裁判所は、有価証券又は裁判所の適当と認める被告人以外の者の差し出した保証書を以て保証金に代えることを許すことができる。

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麻生副総理のご発言「暴飲暴食で糖尿病のツケ払うのは不公平だ」の撤回をお願いします。

2013-04-25 10:33:52 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
 人の発言は全体の文脈で判断すべきであるところではありますが、産経新聞報道の真実性を信じて述べるのであれば、

 副総理のご発言としては、非常に不適切であると考えます。

 糖尿病が、暴飲暴食が原因でなる病気ではありません。
 普段の食生活や家族性の因子も影響して、発症します。

 「生まれつき体が弱いとか、けがをしたとかは別の話だ」ではなく、同じ話です。

 発言の撤回をお願いいたします。


****産経新聞(2013/04/25)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130425/stt13042508440001-n1.htm

医療費負担で麻生副総理「暴飲暴食で糖尿病のツケ払うのは不公平だ」
2013.4.25 08:42

麻生太郎副総理兼財務相
 麻生太郎副総理兼財務相は24日夜、都内で開かれた会合で、医療費負担について「食いたいだけ食って、飲みたいだけ飲んで、糖尿病になって病院に入っているやつの医療費はおれたちが払っている。公平ではない。無性に腹が立つ」と述べた。「生まれつき体が弱いとか、けがをしたとかは別の話だ」とした。

 医療費の抑制策としては、病院に通わずに医療費がかからなかった高齢者に対して「『10万円をあげる』と言ったら、(全体の)医療費は下がる。それが最もカネがかからない方法だ」とのアイデアも示した。
コメント (2)

医師会のカルテル事件

2013-04-25 10:16:12 | 経済法、独占禁止法

 経済法は、今後よく学びたいと思うところです。

 安全で適切な医療が提供されねばなりません。


*****日経新聞(2013/04/24)*****
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO54322440U3A420C1CC1000/

接種料金ファクスで指示か 埼玉の医師会カルテル事件
2013/4/24 1:40 記事保存

 埼玉県吉川市の吉川松伏医師会によるインフルエンザ予防接種料金を巡るカルテル疑惑で、同医師会が接種料金を「4450円以上」などと明示した文書をファクスで会員に送っていたとみられることが23日、医師会関係者などへの取材で分かった。公正取引委員会は同日、医師会幹部が経営する病院を訪れてこの幹部から事情を聴いており、詳しい経緯を調べる。

 関係者によると、同医師会はインフルエンザの予防接種の料金を「4450円以上」、13歳未満の子供は「初回3700円以上」と決めて会員の医師に連絡。各医療機関に接種料金を守らせていたとみられる。

 65歳未満のインフルエンザ接種料金は医療機関が自由に設定できる。厚生労働省は2009年に新型インフルエンザの流行を受けて料金を全国一律で3600円に決めたことがあるが、10年9月に解除。同医師会はその後も会員に料金を指示し続けていたという。

 同医師会の会員だった吉川市内の産婦人科医院によると、11年と12年の9月中旬ごろ、医師会から接種料金を明記したファクスが届いたという。

 この医院は指示より低い「初回3000円」で料金を設定したところ、医師会側から「理事会で決めている」と是正を求められ、12年9月末に医師会を除名された。同医院の副院長は「吉川市内の料金が高いので、子供の予防接種のために周辺都市に出かける親もいる。受診者のためにも自由に料金を決めるべきだ」と話した。

 吉川松伏医師会の平井真実会長の話 「推奨価格」として会員にファクスを送ったことはあるが、強要はしていない。独占禁止法違反に当たるとの認識はなかった。

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4/25 10時半東京地裁703法定 築地市場移転・都による豊洲土壌汚染地の違法購入問題

2013-04-24 23:00:00 | 築地を守る、築地市場現在地再整備

4/25  10時半 東京地方裁判所703法定 

築地市場移転問題に関連して都による豊洲土壌汚染地の違法購入問題の裁判が開催されます。

裁判後は、報告会も開催されます。

傍聴に皆様、ぜひ足をお運びください。


築地市場の移転に関連して不透明なことが多々あります。

なぜ、移転をさせねばならないのか。

築地の現在地での再整備を実現させましょう!


猪瀬都知事、どうか、これら違法にお気づきになられ、
これからの東京都、日本の発展のために、築地市場の現在地での再整備に方向転換されますように、お願い申し上げます。
国際都市東京都にふさわしいのは、銀座の隣、築地の地に、食の拠点の市場があることです。
築地のブランドを、その築地の地で、守っていくことです。




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警察官が行う所持品検査に法律の明文規定はありません。なら、どこまで、それが許されるのか。

2013-04-23 23:00:00 | シチズンシップ教育

 警察が行う所持品検査。

 自転車に乗っていて、警察官に止められ、自転車の防犯登録の確認とともに所持品検査までされた経験のおありのかたもいらっしゃるかもしれません。



 所持品検査は、どこまでがゆるされ、どこからがゆるされないのか。

 その境を判事した重要判例。米子銀行強盗事件。
 おそらく、刑事訴訟法の最も重要な判例の一つなのではないかと思います。

 最後に、判決文の全文を掲載します。

 所持品検査の限界を以下、述べています。
 判決文の重要部分のみまず、ピックアップしてみてみます。

 以下1~5までの項目に解説として補足引用している文は、判決文そのままの文章です。加工はしていません。


1.所持品検査について明文の規定はありません。

警職法は、その二条一項において同項所定の者を停止させて質問することが
できると規定するのみで、所持品の検査については明文の規定を設けていない。

*****警察官職務執行法(警職法)*****

(質問)
第二条  警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる
2  その場で前項の質問をすることが本人に対して不利であり、又は交通の妨害になると認められる場合においては、質問するため、その者に附近の警察署、派出所又は駐在所に同行することを求めることができる。
3  前二項に規定する者は、刑事訴訟に関する法律の規定によらない限り、身柄を拘束され、又はその意に反して警察署、派出所若しくは駐在所に連行され、若しくは答弁を強要されることはない。
4  警察官は、刑事訴訟に関する法律により逮捕されている者については、その身体について凶器を所持しているかどうかを調べることができる。
***********************

2.では、どのような考え方で所持品検査が、ゆるされるのか。

⇒職務質問に付随して行うことができる場合がある。

所持品の検査は、口頭による質問と密接に関連し、かつ、職務質問の効果をあげる
うえで必要性、有効性の認められる行為であるから、同条項による職務質問に附随
してこれを行うことができる場合がある
と解するのが、相当である。


3.どのように所持品検査を行うのが適当か。

⇒所持人の承諾を得て行うのが原則

所持品検査は、
任意手段である職務質問の附随行為として許容されるのであるから、所持人の承諾
を得て、その限度においてこれを行うのが原則であることはいうまでもない。


4.承諾がないと行えないものなのか。

⇒捜索に至らない程度の行為としては、許容される場合がある。

しかしながら、職務質問ないし所持品検査は、犯罪の予防、鎮圧等を目的とする行政警
察上の作用であつて、流動する各般の警察事象に対応して迅速適正にこれを処理す
べき行政警察の責務にかんがみるときは、所持人の承諾のない限り所持品検査は一
切許容されないと解するのは相当でなく、捜索に至らない程度の行為は、強制にわ
たらない限り、所持品検査においても許容される場合があると解すべきである



5.捜索にあたらなければ、なんでもかんでも、承諾なしに所持品検査が、ゆるされるのか。

⇒限定的な場合のみ、許される。

 限定的な場合とは。

⇒所持品検査の必要性、緊急性、所持品検査によって害される個人の法益<所持品検査によって保護されるべき公共の利益
 相当と認められる限度で許容される。

もつとも、所持品検査には種々の態様のものがあるので、その許容限度を一般的に定
めることは困難であるが、所持品について捜索及び押収を受けることのない権利は
憲法三五条の保障するところであり、捜索に至らない程度の行為であつてもこれを
受ける者の権利を害するものであるから、状況のいかんを問わず常にかかる行為が
許容されるものと解すべきでないことはもちろんであつて、かかる行為は、限定的
な場合において、所持品検査の必要性、緊急性、これによつて害される個人の法益
と保護されるべき公共の利益との権衡などを考慮し、具体的状況のもとで相当と認
められる限度においてのみ、許容されるものと解すべきであ
る。

6.具体例1:携行中の所持品であるバツグの施錠されていないチヤツクを開披し内部を一べつした

⇒許容される。(判決文に書いていないが、もし、このバッグも施錠されていたら、許されない行為になったはず。)

 三 これを本件についてみると、所論のB巡査長の行為は、猟銃及び登山用ナイ
フを使用しての銀行強盗という重大な犯罪が発生し犯人の検挙が緊急の警察責務と
されていた状況の下において、深夜に検問の現場を通りかかつたA及び被告人の両
名が、右犯人としての濃厚な容疑が存在し、かつ、兇器を所持している疑いもあつ
- 4 -
たのに、警察官の職務質問に対し黙秘したうえ再三にわたる所持品の開披要求を拒
否するなどの不審な挙動をとり続けたため、右両名の容疑を確める緊急の必要上さ
れたものであつて、所持品検査の緊急性、必要性が強かつた反面、所持品検査の態
様は携行中の所持品であるバツグの施錠されていないチヤツクを開披し内部を一べ
つしたにすぎないものであるから、これによる法益の侵害はさほど大きいものでは
なく、上述の経過に照らせば相当と認めうる行為であるから、これを警職法二条一
項の職務質問に附随する行為として許容されるとした原判決の判断は正当である。

 よつて、所論違憲の主張は、前提を欠き、その余の点は、事実誤認、単なる法令
違反の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。


7.具体例2:アタツシユケースをこじ開け、中身を確認した。

⇒任意の所持品検査の域を超え、捜索をしたことに該当する。

 ただし、ボーリングバツグの適法な開披によりすでにAを緊急逮捕することができるだけの要件がととのってからの行為であり、違憲、違法はない。


 同第二の三について
 所論のうち憲法三一条、三五条一項違反をいう点は、アタツシユケースをこじ開
けた前示B巡査長の行為を警職法に違反するものと認めながら、アタツシユケース
及び在中の帯封の証拠能力を認めた原判決の判断は、上記憲法の規定に違反する、
というのである。
 しかし、前記ボーリングバツグの適法な開披によりすでにAを緊急逮捕すること
ができるだけの要件が整い、しかも極めて接着した時間内にその現場で緊急逮捕手
続が行われている本件においては、所論アタツシユケースをこじ開けた警察官の行
為は、Aを逮捕する目的で緊急逮捕手続に先行して逮捕の現場で時間的に接着して
された捜索手続と同一視しうるものであるから、アタツシユケース及び在中してい
た帯封の証拠能力はこれを排除すべきものとは認められず、これらを採証した第一
審判決に違憲、違法はないとした原判決の判断は正当であつて、このことは当裁判
所昭和三一年(あ)第二八六三号同三六年六月七日大法廷判決(刑集一五巻六号九
一五頁)の趣旨に徴し明らかであるから、所論は理由がない。その余の所論は、単
なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。
- 5 -
 



****最高裁ホームページより 全文****
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319115420499621.pdf 

 主    文
     本件上告を棄却する。
     当審における未決勾留日数中二二〇日を本刑に算入する。


         理    由

 弁護人川端和治、同弘中惇一郎の上告趣意第一の二の(一)について
 所論は憲法三一条、三九条、七三条六号但書、九八条一項違反をいうが、爆発物
取締罰則が日本国憲法施行後の今日においてもなお法律としての効力を保有してい
るものであることは当裁判所の判例とするところであるから(昭和二三年(れ)第
一一四〇号同二四年四月六日大法廷判決・刑集三巻四号四五六頁、昭和三二年(あ)
第三〇九号同三四年七月三日第二小法廷判決・刑集一三巻七号一〇七五頁参照)、
所論は理由がない。
 同第一の二の(二)の第一について
 所論は憲法三一条、三六条違反をいうが、爆発物取締罰則一条に定める刑が残虐
な刑罰といえないのみならず(最高裁昭和二二年(れ)第三二三号同二三年六月二
三日大法廷判決・刑集二巻七号七七七頁参照)、同条所定の行為に対し所定のよう
な法定刑を定めることは立法政策の問題であつて憲法適否の問題ではないから(最
高裁昭和二三年(れ)第一〇三三号同年一二月一五日大法廷判決・刑集二巻一三号
一七八三頁、昭和四六年(あ)第二一七九号同四七年三月九日第一小法廷判決・刑
集二六巻二号一五一頁参照)、所論は理由がない。
 同第一の二の(二)の第二について
 所論は憲法一九条、三一条違反をいうが、爆発物取締罰則一条は、所定の目的で
爆発物を使用した者を処罰するものであつて、その思想、信条のいかんを問うもの
ではなく、また、同条にいう「治安ヲ妨ケ」るの概念は不明確なものではないから
(前掲昭和四七年三月九日第一小法廷判決参照)、所論は前提を欠き、適法な上告
- 1 -
理由にあたらない。
 同第一の二の(二)の第三について
 所論は憲法三一条、三九条違反をいうが、爆発物取締罰則の規定のうち所論指摘
のものは原判決の是認する第一審判決が適用していないものであり、また、本件に
適用される同罰則一条及び三条の規定につきこれを合憲であるとした原判決の判断
は正当であつて、犯行後の法令の適用を許容した趣旨のものではないのであるから、
所論は前提を欠き、適法な上告理由にあたらない。
 同第二の二について
 所論のうち憲法三一条、三五条一項違反をいう点は、Aの明示の意思に反してボ
ーリングバツグを開披したB巡査長の行為を職務質問附随行為として適法であると
した原判決の判断は、警察官職務執行法(以下「警職法」という。)二条一項の解
釈を誤り、ひいて憲法三五条一項に違反し、違法収集証拠を本件の証拠とした点に
おいて憲法三一条に違反する、というのである。
一 原判決の認定した事実及び原判決の是認した第一審判決の認定した事実によれ
ば、本件の経過は次のとおりである。(一)岡山県総社警察署巡査部長Cは、昭和
四六年七月二三日午後二時過ぎ、同県警察本部指令室からの無線により、米子市内
において猟銃とナイフを所持した四人組による銀行強盗事件が発生し、犯人は銀行
から六〇〇万円余を強奪して逃走中であることを知つた、(二)同日午後一〇時三
〇分ころ、二人の学生風の男が同県吉備郡a町b附近をうろついていたという情報
がもたらされ、これを受けたC巡査部長は、同日午後一一時ころから、同署員のB
巡査長ら四名を指揮して、総社市cのD営業所前の国道三叉路において緊急配備に
つき検問を行つた、(三)翌二四日午前零時ころ、タクシーの運転手から、「E線
F駅附近で若い二人連れの男から乗車を求められたが乗せなかつた。後続の白い車
に乗つたかも知れない。」という通報があり、間もなく同日午前零時一〇分ころ、
- 2 -
その方向から来た白い乗用車に運転者のほか手配人相のうちの二人に似た若い男が
二人(被告人とA)乗つていたので、職務質問を始めたが、その乗用車の後部座席
にアタツシユケースとボーリングバツグがあつた、(四)右運転者の供述から被告
人とAとを前記F駅附近で乗せ倉敷に向う途中であることがわかつたが、被告人と
Aとは職務質問に対し黙秘したので容疑を深めた警察官らは、前記営業所内の事務
所を借り受け、両名を強く促して下車させ事務所内に連れて行き、住所、氏名を質
問したが返答を拒まれたので、持つていたボーリングバツグとアタツシユケースの
開披を求めたが、両名にこれを拒否され、その後三〇分くらい、警察官らは両名に
対し繰り返し右バツグとケースの開披を要求し、両名はこれを拒み続けるという状
況が続いた、(五)同日午前零時四五分ころ、容疑を一層深めた警察官らは、継続
して質問を続ける必要があると判断し、被告人については三人くらいの警察官が取
り囲み、Aについては数人の警察官が引張るようにして右事務所を連れ出し、警察
用自動車に乗車させてG警察署に同行したうえ、同署において、引き続いて、C巡
査部長らが被告人を質問し、B巡査長らがAを質問したが、両名は依然として黙秘
を続けた、(六)B巡査長は、右質問の過程で、Aに対してボーリングバツグとア
タツシユケースを開けるよう何回も求めたが、Aがこれを拒み続けたので、同日午
前一時四〇分ころ、Aの承諾のないまま、その場にあつたボーリングバツグのチヤ
ツクを開けると大量の紙幣が無造作にはいつているのが見え、引き続いてアタツシ
ユケースを開けようとしたが鍵の部分が開かず、ドライバーを差し込んで右部分を
こじ開けると中に大量の紙幣がはいつており、被害銀行の帯封のしてある札束も見
えた、(七)そこで、B巡査長はAを強盗被疑事件で緊急逮捕し、その場でボーリ
ングバツク、アタツシユケース、帯封一枚、現金等を差し押えた、(八)C巡査部
長は、大量の札束が発見されたことの連絡を受け、職務質問中の被告人を同じく強
盗被疑事件で緊急逮捕した、というのである。
- 3 -
 二 警職法は、その二条一項において同項所定の者を停止させて質問することが
できると規定するのみで、所持品の検査については明文の規定を設けていないが、
所持品の検査は、口頭による質問と密接に関連し、かつ、職務質問の効果をあげる
うえで必要性、有効性の認められる行為であるから、同条項による職務質問に附随
してこれを行うことができる場合があると解するのが、相当である。所持品検査は、
任意手段である職務質問の附随行為として許容されるのであるから、所持人の承諾
を得て、その限度においてこれを行うのが原則であることはいうまでもない。しか
しながら、職務質問ないし所持品検査は、犯罪の予防、鎮圧等を目的とする行政警
察上の作用であつて、流動する各般の警察事象に対応して迅速適正にこれを処理す
べき行政警察の責務にかんがみるときは、所持人の承諾のない限り所持品検査は一
切許容されないと解するのは相当でなく、捜索に至らない程度の行為は、強制にわ
たらない限り、所持品検査においても許容される場合があると解すべきである。も
つとも、所持品検査には種々の態様のものがあるので、その許容限度を一般的に定
めることは困難であるが、所持品について捜索及び押収を受けることのない権利は
憲法三五条の保障するところであり、捜索に至らない程度の行為であつてもこれを
受ける者の権利を害するものであるから、状況のいかんを問わず常にかかる行為が
許容されるものと解すべきでないことはもちろんであつて、かかる行為は、限定的
な場合において、所持品検査の必要性、緊急性、これによつて害される個人の法益
と保護されるべき公共の利益との権衡などを考慮し、具体的状況のもとで相当と認
められる限度においてのみ、許容されるものと解すべきである。

 三 これを本件についてみると、所論のB巡査長の行為は、猟銃及び登山用ナイ
フを使用しての銀行強盗という重大な犯罪が発生し犯人の検挙が緊急の警察責務と
されていた状況の下において、深夜に検問の現場を通りかかつたA及び被告人の両
名が、右犯人としての濃厚な容疑が存在し、かつ、兇器を所持している疑いもあつ
- 4 -
たのに、警察官の職務質問に対し黙秘したうえ再三にわたる所持品の開披要求を拒
否するなどの不審な挙動をとり続けたため、右両名の容疑を確める緊急の必要上さ
れたものであつて、所持品検査の緊急性、必要性が強かつた反面、所持品検査の態
様は携行中の所持品であるバツグの施錠されていないチヤツクを開披し内部を一べ
つしたにすぎないものであるから、これによる法益の侵害はさほど大きいものでは
なく、上述の経過に照らせば相当と認めうる行為であるから、これを警職法二条一
項の職務質問に附随する行為として許容されるとした原判決の判断は正当である。

 よつて、所論違憲の主張は、前提を欠き、その余の点は、事実誤認、単なる法令
違反の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。
 同第二の三について
 所論のうち憲法三一条、三五条一項違反をいう点は、アタツシユケースをこじ開
けた前示B巡査長の行為を警職法に違反するものと認めながら、アタツシユケース
及び在中の帯封の証拠能力を認めた原判決の判断は、上記憲法の規定に違反する、
というのである。
 しかし、前記ボーリングバツグの適法な開披によりすでにAを緊急逮捕すること
ができるだけの要件が整い、しかも極めて接着した時間内にその現場で緊急逮捕手
続が行われている本件においては、所論アタツシユケースをこじ開けた警察官の行
為は、Aを逮捕する目的で緊急逮捕手続に先行して逮捕の現場で時間的に接着して
された捜索手続と同一視しうるものであるから、アタツシユケース及び在中してい
た帯封の証拠能力はこれを排除すべきものとは認められず、これらを採証した第一
審判決に違憲、違法はないとした原判決の判断は正当であつて、このことは当裁判
所昭和三一年(あ)第二八六三号同三六年六月七日大法廷判決(刑集一五巻六号九
一五頁)の趣旨に徴し明らかであるから、所論は理由がない。その余の所論は、単
なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。
- 5 -
 なお、Hから押収した証拠物に関する所論は、具体的な理由の記載を欠くので、
不適法である。
 同第三について
 所論は、事実誤認の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。
 同第四について
 所論は、事実誤認、量刑不当の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。
 よつて、刑訴法四〇八条、刑法二一条により、裁判官全員一致の意見で、主文の
とおり判決する。
  昭和五三年六月二〇日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    江 里 口   清   雄
            裁判官    天   野   武   一
            裁判官    高   辻   正   己
            裁判官    服   部   高   顯
            裁判官    環       昌   一
- 6


****最高裁ホームページより*****
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=50201&hanreiKbn=02 
事件番号

 昭和52(あ)1435



事件名

 爆発物取締罰則違反、殺人未遂、強盗



裁判年月日

 昭和53年06月20日



法廷名

 最高裁判所第三小法廷



裁判種別

 判決



結果

 棄却



判例集等巻・号・頁

 刑集 第32巻4号670頁




原審裁判所名

 東京高等裁判所



原審事件番号





原審裁判年月日

 昭和52年06月30日




判示事項

 一 職務質問に附随して行う所持品検査の許容限度
二 職務質問に附随して行う所持品検査において許容される限度内の行為と認められた事例
―いわゆる明治公園爆弾事件・松江相銀米子支店強奪事件―




裁判要旨

 一 職務質問に附随して行う所持品検査は、所持人の承諾を得て、その限度においてこれを行うのが原則であるが、捜索に至らない程度の行為は、強制にわたらない限り、所持品検査の必要性、緊急性、これによつて侵害される個人の法益と保護されるべき公共の利益との権衡などを考慮し、具体的状況のもとで相当と認められる限度で許容される場合がある。
二 警察官が、猟銃及び登山用のナイフを使用しての銀行強盗の容疑が濃厚な者を深夜に検問の現場から警察署に同行して職務質問中、その者が職務質問に対し黙秘し再三にわたる所持品の開披要求を拒否するなどの不審な挙動をとり続けたため、容疑を確かめる緊急の必要上、承諾がないままその者の所持品であるバツグの施錠されていないチヤツクを開披し内部を一べつしたにすぎない行為(判文参照)は、職務質問に附随して行う所持品検査において許容される限度内の行為である。




参照法条

 警職法2条1項

コメント

重要賃金問題!賃金の相殺は原則禁止。退職金不支給条項は違法か?賞与支給日前に退職するともらえない?

2013-04-22 23:00:00 | シチズンシップ教育

労働法

賃金について考えます。

1 賃金とは何か  菅野276頁
①使用者が労働者に支払う
②労働の対価(任意恩恵的給付にあらず)

労働基準法11条で以下、規定されています。

第十一条  この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。


2 賃金支払いに関する原則 菅野300頁

(1)総論
賃金支払いには、4つの大原則があり、強硬法規として、最高裁判所も頑なに厳格に守る判決を行います。

その4つは、労働基準法24条に規定されています。


(賃金の支払)
第二十四条  賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。
○2  賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第八十九条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。

ア:通貨払いの原則

イ:直接払いの原則

ウ:全額払いの原則

エ 毎月1回以上1定期日払いの原則

この4つです。

この原則は、条文の趣旨から導くことができます。

趣旨:労働者の経済生活をおびやかすことのないように保護を図ること

以下、それら4つの原則を個別にみていきます。



ア:賃金支払い原則1:通貨払いの原則
(1)賃金は通貨で支払わなくてはならない(労基法24条1項)。

(2)通貨とは、日本国で強制通用力を有する貨幣のことであり、外国通貨や小切手での支払いも通貨払いとはいえないことになる。

(3)銀行口座振り込みの問題(振り込みは通貨ではないということになりますが、解釈によってクリアーされています。)
行政解釈においても(昭和50.2.25基発112号)も以下の要件のもとで適法とする。
①労働者の同意
②労働者の指定する銀行の本人名義の口座への振り込み
③所定給料日の午前10時頃には引き出せる状態にあること




イ:賃金支払い原則2:直接払いの原則
(1)代理人への支払は、禁止されています。

(2)債権譲渡は、できません。
たとえ、本人が承諾していてもダメで、その賃金をいったん本人に払い、本人が本人の債権者に渡す手順が要求されます。

小倉電話局事件 最3小判昭和43.3.12民集22巻3号562頁 百選7版42事件


ウ:賃金支払い原則3:全額払いの原則
(1)労基法24条1項但書は例外として、法令に別段の定めのある場合(公租公課の控除など)、事業場労働者の過半数を代表する者との協定(チェックオフなどの24協定:労働組合費を賃金から控除すること)がある場合を定めるが、この例外に関連して、以下の問題点を生じる。

 原則:全額支払うことが原則、控除も許されない。(しかし控除禁止の例外として、控除が許される特定の場合がある。)

 以下、例外が認められるかどうか?


(2)労基法24条1項但書の「控除」には「相殺」の意味を含むか? 菅野302頁

 控除の意味に、相殺も含まれ、控除が許されないように、相殺もまた、許されない。

 関西精機事件:最2小判昭31.11.2民集10巻11号1413頁
 生活の基盤たる賃金を労働者に確実に受領させることが全額払いの趣旨であり、同原則は相殺禁止の趣旨も包含する。


(3)相殺が禁止される理由は何か

24条趣旨から考えられる⇒生活の唯一の糧である賃金を全労働者に確実に受領させることで生活を安定させることにある。このことからすると、相殺は許されないとすべきである。


 以下、控除禁止に例外があるように、相殺禁止にも例外がある。

(4)例外その1:調整的相殺の問題
(問題点)
 賃金計算の過誤などで、賃金過払いが不可避的に生じることがあります。
 いちいち、過払い分を、労働者から回収するのではなく、後に支払われるべき賃金から控除(相殺)することができると、雇う側も雇われる側も便利です。
 ただ、労基法24条1項の相殺禁止に反することにならないか。

(検討)
【判例】福島県教組事件 最1小判昭和44.12.18民集23巻12号2495頁 百選7版43、百選8版33
 過払いのあった時期と賃金の清算調整の実を失わない程度に合理的に接着した時期においてなされ、あらかじめ労働者にそのことが予告されるとか、その額が多額にわたらないとか、労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれのない場合」には調整的相殺は許される

 <理由>

 必要性:賃金については賃金計算の過誤や遅刻欠勤等の賃金減額事由が賃金計算後に判明する等による賃金過払いは不可避的に生じる。

 許容性:本来支払われるべき賃金は前に支払われており、労働者の経済生活の安定は害さない。

 必要性、許容性から、調整的相殺は許される。


(5)例外その2:合意による相殺(相殺契約)の問題 菅野305頁
(問題点)
 雇う側と雇われる側の合意による相殺(正確には、相殺契約)については、合意に際し、雇う側の意向が介在することから、相殺禁止を潜脱する可能性があるため有効性が問題になる。

(検討)
【判例】日新製鋼事件・最2小判平成2.11.26民集44巻8号1085頁 百選7版44事件、百選8版33事件
 使用者が一方的に行う相殺とは異なり、当該相殺が労働者の自由な意思に基づいてなされたものであると認めるに足りる合理的理由が客観的に存在するときには全額払いの原則に反しないとする

 菅野説(250頁)は、判例の解釈に疑問を呈す。

 
(6)例外その3:労働者の一方的相殺・賃金債権放棄 菅野306頁
【判例】シンガー・ソーイング・メシーン・カムパニー事件
最2小判昭和48.1.19民集27巻1号27頁、百選7版45事件、8版34事件
 労働者による一方的相殺は使用者が介在しないので全額払い原則に反しない労働者による賃金債権の放棄も、労働者の自由意思に基づくものである限り全額払いの原則に抵触しない



エ賃金支払い原則4: 毎月1回以上1定期日払いの原則
趣旨:賃金支払期日の間隔が長いことや支払日が一定にして労働者の生活の安定を図ることにある。





3 退職金 菅野292頁
(1)法的性質
①過去の労働の対価の側面、②功労報償的側面、の2面があるとされています。


(2)退職金不支給・減額条項の問題 菅野293頁
(問題点)
退職金はいつの時点で発生するのだろうか?既発生の退職金を減額するのだと、賃金支払いの原則(上記2)からして問題がありそうである

退職金不支給・減額条項:一般に就業規則(退職金規定)においては同業他社へ就職した場合には退職金を不支給(または減額)としたり、懲戒解雇の場合には退職金を支給しない旨の規定を設けている。
            これら規定は、
            *退職金から損害賠償金を控除することにならないか(労基法24条違反 全額払いの原則で控除禁止に反する。)
            *損害賠償の予定にならないか(労基法16条違反)
            *同業他社への就業を制限することは公序良俗に反することにならないか(民法90条)
            
            ⇒退職金発生時期を法的性質としてどうとらえるかで、結論が変わってくる。
             退職までにつみあがっているなら、違反の方向へ、退職時にパッと発生するなら、違反しない方向になる。

(検討)
ア学説

A説 具体的請求権説(退職までにつみあがっているとする説、賃金の後払い)
  退職金は、勤務年数に応じて具体的に発生する。
  但し、使用者は退職時までの支払猶予をいうことができる(抗弁権がある)。

  ⇒退職金は、在職中から請求権自体は発生しているので、いったん発生した退職金を減額または全額控除ということになるから、労基法24条、16条など違反の問題が生じる。
 

B説 不確定的権利説(判例・多数説、注釈上386頁)(退職時にパッと発生するとする説)
  退職金額は退職時に勤務年数、退職理由などによって算定の上、具体的に決まるのであり、それまでは具体的請求権としては成立していない。

  ⇒あくまで退職金は退職後に発生するのであり、退職金の算定に当たっては、その際に、退職事由、勤務年数等を考慮することになるのだから同業他社への就職という事由を考慮した結果が退職金の減額という場合、そもそも労基法24条等の問題は生じない。


イ最高裁判所の判例

判例:三晃社事件:最2小判昭和52.8.9労経速958号25頁
   一般に退職金は功労報償的性格があるのだから、功労の抹消に応じた半額減額没収条項も合理性がないといはいえない。

ただ、判例は、適用においては、退職金の趣旨、性格に照らした限定解釈をしている。


ウ懲戒解雇と退職金

*退職金を否定する例

 ソニー生命事件 東京地判平11.3.26 労判771号77頁

 今川証券事件 大阪地判平11.3.12 労半770号145頁

*退職金を命じた判例
 過去の功労を失わせるほど重大な背信行為がないとして退職金の支払いを命じた例

 日本コンベンションサービス事件 大阪高判10.5.26 労判745号42頁

*退職金の減額・不支給を是認するには、当該懲戒事由によって、これまでの勤続の功を無にするほどの著しく信義に反するような行為がなくてはならない。


(3)退職後!に判明した退職金不支給事由と退職金の支給

 退職金請求権が発生したのち、退職金不支給に該当する事由が判明した場合。

 素朴な感情からは、支給するのはおかしいと思えるが、

 理論上は、賃金全額払い原則との関係があるため不支給とすることは容易ではない。

 よって、取りうる手段。

 *支給しない理由としては、裁判例のように権利濫用等の一般条項を用いる。

 *支払いをした後、不当利得返還請求や損害賠償請求をすることは、可能(実効性やリスクは別にしても。)

 *退職金請求権には影響を生じないとした裁判例
  高蔵工場事件 名古屋地判昭59.6.8 労判447号71頁

 *権利濫用を理由として退職金請求を否定したもの
  モリタ事件 大阪地判平13.1.26 労判806号88頁


 


4 賞与(一時金) 菅野291頁~
(1)法的性格
 基本的には支給対象期間における賃金
 
 ①功労報償的性質 ②生活補償 ③将来の労働意欲向上策


(2)特殊性

 賃金ではあるが、賃金のように就業規則や賃金規定から自動的に決定されるものではない。

 通常は、労使交渉や使用者の判断を経て、判断基準・方法や査定などの事情を加味したうえで発生する。


(3)支給日在籍要件の問題
(問題の所在)
 一般に就業規則では賞与支給日(もしくは、その前の一定日)には会社に在籍するものであることを要するとしているが、賞与にも賃金の性格がある以上、このような規定の有効性が問題になる。

 自己都合退職はともかく、定年による退職や会社都合退職なような場合には退職時期を選択できない点でより問題が大きい。


(検討)
ア学説
A説:在籍要件は、無効説
   そもそも賞与には対象期間労働に対する賃金の性格であることから抽象的にも請求権が発生しているのであり、これを否定する在籍要件は無効である。

B説:有効説
   賞与には、過去の賃金のみならず将来の労働意欲向上策の意味あることから、このような取り扱いも公序良俗に反しない。


イ裁判例、判例
【判例】いずれも有効とする
大和銀行事件:最1小判昭和57.10.7労判399号11頁百選46 自主退職の事案
カツデン事件:東京地判平成8.10.29労経速1639号3頁 定年退職の事案




5 サイニングボーナス問題

 労働契約の成約を確認する(だからサイニング)とともに将来の労働意欲の促進のために支給される賞与

 一定期間内に退職した場合、その全額を返還する約定になっているものがあり、労基法16条などに反しないか。

 裁判例
 日本ポラロイド事件 東地判平15.3.31 労判849号75頁
 債務不履行による違約金または損害賠償の予定に相当するとして労基法5条、16条、民法90条に反するとしたものあり。




6 平均賃金(労基法12条) 菅野278頁

 常用労働者については、算定事由が発生した日(ただし、賃金締切日がある場合には直前の締切日)以前の三か月間の賃金総額をその間の総日数で除したもの。

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著作物とは?著作権法10条1項を個別に検討。言語著作物、音楽、舞踏、純粋・応用美術、フォント等

2013-04-21 23:00:00 | シチズンシップ教育

 著作権法10条で、著作物の例示がなされています。

 注意すべきは、以前も書きましたが、この例示にあてはまるから、すぐに著作物と考えてはならないということです。

 検討の手順については⇒ http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/e9d482cd0318ff08d445562bae3af077


****著作権法****

(著作物の例示)
第十条  この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。
一  小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
二  音楽の著作物
三  舞踊又は無言劇の著作物
四  絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物
五  建築の著作物
六  地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物
七  映画の著作物
八  写真の著作物
九  プログラムの著作物
2  事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、前項第一号に掲げる著作物に該当しない。
3  第一項第九号に掲げる著作物に対するこの法律による保護は、その著作物を作成するために用いるプログラム言語、規約及び解法に及ばない。この場合において、これらの用語の意義は、次の各号に定めるところによる。
一  プログラム言語 プログラムを表現する手段としての文字その他の記号及びその体系をいう。
二  規約 特定のプログラムにおける前号のプログラム言語の用法についての特別の約束をいう。
三  解法 プログラムにおける電子計算機に対する指令の組合せの方法をいう。

**********

 10条1項にそって、どのようなものが著作権法で保護される著作物かを見ていきます。


一  小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物

 ここで、プログラムは、プログラム言語によって表現されていますが、9号に別に規定がありこちらでは、言語著作物には含まれません。

 文書など有体物に記述されたもののほか、口頭で無形的に表現されるものも含まれます。

 米国は、なんらかのものに固定されることを必要としており、考え方が異なります。


 交通標語、キャッチプレーズ、新聞記事の見出し(読売オンライン事件、創作性否定)など、文章表現が短いものは、表現の選択の幅が狭いため、創作性が認めれれにくくなります。

 著作権法10条2項で、「事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道」は、言語の著作物に該当しないと規定されています。
 死亡広告など事実をごくありふれた形の文章で記述した文章。


 
二  音楽の著作物

 音楽と同時に利用される歌詞も、音楽の著作物。よって、上記、言語著作物(1号)だが、楽曲と同時では、音楽の著作物と考える。

 単なる音、踏切の音は、著作物ではありません。

 
 
三  舞踊又は無言劇の著作物

 バレエやパントマイムなど、身振りや動作によって表現される著作物。

 演技の型や振り付けが著作物として保護される。

 ゆえに、舞踏や無言劇の著者者は、通常、演技者ではなく、振付師である(バレエ作品振付事件 東京地判平成10年11月20日)。演技者は、別途、著作隣接権者として保護される。


  
四  絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物

 絵画や彫刻のように、専ら美的鑑賞に供することを目的として創作された作品は、「純粋美術」と呼ばれ、著作物として保護される。

 美術工芸品も、著作権法2条2項(2  この法律にいう「美術の著作物」には、美術工芸品を含むものとする。 )で、美術の著作物に含むと規定される。



 応用美術(家電製品や自動車等実用的な用途に供される量産品、その形象に様々な美的工夫が凝らされている)は
  1)原則「美術の範囲」に属さず、著作物性が否定。

  2)例外 純粋美術や美術工芸品と同程度に、その形象が美的鑑賞の対象となるようなものは、例外的に著作物に含める。


 印刷用書体(フォント、タイプフェイス)
 文字を読みやすく という伝達手段 > 美的鑑賞に堪えうる
 1)原則 否定
 2)例外 ア従来の印刷用書体に比して顕著な特徴を有するといった独創性を備えており、かつ、イそれ自体が美的鑑賞の対象となりうる美的特性を備えている場合⇒著作物として保護(本当にこのようなものが存在するかは別にして)
 3)いかに、保護するかは、今後の立法論の課題
  

*****まずは、ここまでの記載*****

残りは今後。

五  建築の著作物
六  地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物
七  映画の著作物
八  写真の著作物
九  プログラムの著作物

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お問い合わせの場合のメールアドレス。

2013-04-20 23:00:00 | ブログ目次 / イベント情報・会議日程
お問い合わせの場合のメールアドレス。

もし、小坂にお問い合わせがあった場合、メールアドレスは、
こちらでお願いいたします。

その際、件名も忘れずにお書きいただけると助かります。
迷惑メールも多く、「件名」で迷惑メールの取捨選択しています。

kazuki.kosaka@e-kosaka.jp
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逮捕から勾留における弁護活動:冤罪を絶対に生まないために。

2013-04-19 09:44:40 | シチズンシップ教育

 逮捕のあと、勾留がなされます。

 弁護人として、何ができるか。

0)勾留は、逮捕前置主義である。
 逮捕の適法性(理由 刑事訴訟法199条 + 必要性 刑事訴訟法規則143の3)及び時間的制約が厳守されているかをよく見ておくこと。

 逮捕に違法性があると、そのとき収集された証拠は、裁判で使えないものとなる。


1)検察官の勾留請求前に、検察官に対しての働きかけ

 不当な勾留請求をしないように理由を述べてお願いをする。

 現実的には、電話やfaxになろうかと思われるが、訴える内容には、気をつける。
 すなわち、将来的には、法廷での相対することも可能性とがあるわけであり、訴える内容には、気をつける。


2)裁判官の勾留決定前に、裁判官に対しての働きかけ(勾留請求があると、原則勾留状を裁判官が発する 刑事訴訟法207条4項)

 不当な勾留決定をしないように理由を述べてお願いをする。
 そのためには、裁判官とあって説明をする必要がある。

 裁判官が弁護士に会うのは、勾留決定の際に調査できるという裁量の範囲であるが、誤った勾留決定を避けるとするならば、判断材料を集めることが当然求められ、アポイントをお願いする弁護士の依頼を断るとは言い難い状況から会ってもらえると期待する。

 勾留決定の前に、裁判官は、被疑者とあって勾留質問をすることになるが、一般的に勾留質問の前がよいと言われる。
 なぜなら、勾留質問後、勾留決定の是非を判断する場合があり、勾留質問後会ってもすでに決定が出されていて遅い場合がある。



3)勾留決定がなされたなら、「勾留理由開示請求」(刑事訴訟法82条~86条)

 制約があっての開示請求であるが、法廷でなされるため、被疑者家族や支援者が、法定で被疑者本人を見ることができるというその機会のために有意義である。

 制約があるというのは、捜査が始まった段階での、実質的な理由が開示されえないから。
 よって、裁判官の理由開示は、例えば、「事案の性質、罪質、供述経過、捜査の進捗状況、被疑者の身上関係より勾留を決定した。」という程度の開示となる。

 弁護人側は、捜査状況、証拠がわからない段階だが、裁判官への質問で、情報が出される場合もある。

 この際に、弁護人も10分の範囲で、意見陳述ができる。(刑事訴訟法規則85の3)


4)勾留決定に対する準抗告

 勾留の要件(刑事訴訟法60条を引用する刑事訴訟法207条)が該当しないことを理由に訴える。

 訴えは、「1)勾留決定を取り消せ、2)勾留請求が却下しろ」の二つを理由をつけて訴える。
 2)を忘れると、勾留請求だけがいまだ残ることになり、別の裁判官が、その請求をもとに再度、勾留決定することが理論上考えられるため、勾留請求自体をなくしておく必要がある。

 勾留の要件を以下、具体的理由をつけて訴える。

 ア、罪証隠滅のおそれがないことの具体的理由
   例えば、すでに正直に警察に対応している。

 イ、逃亡のおそれがないことの具体的理由
   例えば、家族関係、前科前歴の有無、定職の有無から理由づけが可能になる。

 ウ、勾留をとくことの必要性
   例えば、父が介護がたいへんで、被疑者も手伝ってあげる必要がある。


5)勾留取消し請求 刑事訴訟法87条


6)勾留延長決定がなされたなら、勾留延長決定に対する準抗告

 勾留期間の延長の要件 刑事訴訟法208条2項「やむを得ない事由」


7)接見等禁止決定に対して、準抗告や一部解除の申立て (弁護人との接見の問題ではない。)
ア準抗告

 接見等禁止の要件:刑事訴訟法81条「逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」

イ一部解除申立て

 例えば、奥さんと小一時間会わさせてあげてほしいなどのお願いをする。
 

以上、

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通帳やカードが盗難にあっても迅速適切な対処で守られます。怠ると全額補償されません。

2013-04-18 11:12:39 | シチズンシップ教育

 カードや、通帳が盗難、紛失した場合、適切な対処を迅速にとれば、預金は守られますし、とらなければ、全て失います。

 盗んだ人に、お金を引出し、銀行がそれに応えて返済をしても、基本的に、銀行は免責されます。

 預金契約の約款で取り決められていると同時に、民法478条が根拠となります。

(債権の準占有者に対する弁済)
第四百七十八条  債権の準占有者に対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する。

 ただ、それでは、私達預けた側が、あまりにも守られないため、法律(預金者保護法=偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者保護等に関する法律)が設けられ、証明責任が転換されました。

 以下、その関連の全国銀行協会からのご案内です。

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