放射性物質食品健康影響評価に関する審議結果に対し、私は以下のようなパブリックコメントを届けることを考えています。(順不同)
*100mSv未満は、「健康への影響があるともないとも言えない」ことをきちんと厚生労働省に伝えること
この評価書案で述べられているもっとも大切なことは、7月26日付け「食品安全委員会委員長のメッセージ」にもありますが、「累積線量としておおよそ100mSvという値は、生涯にわたる追加的な被ばくによる線量の合計がこの値を超えた場合に、この被ばくを原因とした健康上の影響が出る可能性が高まるということが統計的に示されている」、「100mSv未満の線量における放射線の健康への影響については、現在の科学では影響があるともないとも言え」ないということです。
100mSv以上は、健康上の影響が出る可能性が高まるから絶対に避けねばなりません。このことは、誰もが認める事実です。
では、100mSv未満はどうであるのか、「健康への影響があるともないとも言えない」このとこをしっかりと事実として受け止めねばなりません。
決して、この評価書案は、100mSv未満は、安全であるとは述べていないのです。
さらに、言うのであれば、「「小児に関しては、甲状腺がんや白血病といった点でより影響を受けやすい可能性がある」ということです。
健康を害さない、十分な余裕をもって、厳しい(低い)規制値を設定するように、厚生労働省に規制値を定める方向性を示すべきであると考えます。
*暫定規制値の与える健康影響について
今用いられている暫定規制値は、「緊急を要するために食品安全委員会の食品健康影響評価を受けずに定めたもの」でありました。この暫定規制値が続く場合、どのような健康影響評価を与えると考えるか教えていただきたい。
*今後厚生労働省の出してくる規制値がこの食品安全委員会の評価書を満たしているかのチェックを行うこと
厚生労働省が今後規制値を定めますが、その定めた規制値が、食品安全委員会が作られた評価書に合致しているか、国民の健康を守ることができる規制値であるか、何か問題点はないか、食品安全委員会としての見解を出していただけるようにお願いいたします。
*使用した3300文献の供覧について
国内外の放射線影響に関する非常に多くの文献(3300文献、総ページ数約3万ページ)にあたり、評価書がつくられたということですが、食品安全委員会で、それらすべての文献に私達国民もあたることができるように、ホームページ上や内閣府の資料室で供覧できるようにしていただけますようにお願いいたします。
*参考にした文献における用いたデータの評価書内の引用記載
それぞれの核種の健康への影響を述べる場合に、参考にした文献のどのデータを用いたのか、そのグラフなり表なりのデータも評価書に掲載いただけますようにお願いいたします。
*リスクコミュニケーションでの質疑応答内容の記載
評価書(案)を用いて、一度、国民へのリスクコミュニケーションをなされています。
そのときに、質疑応答もなされましたが、どのような質問が出され、それに対してどのように回答したか、掲載をいただけますようにお願いいたします。
*パブリックコメント及びそれへの考え方の記載
今募集をされているパブリックコメントで、どのような質問が出され、それに対して食品安全委員会としてはどのような考え方であるのかをきちんと整理して、最終の評価書に掲載していただけますようにお願いいたします。
*文献の信頼度評価 「その他」とは?
最後のページに文献の信頼度を評価しています。カテゴリーは、3つ、「A」「B」そして「その他」となっています。「その他」が意味する内容を記載いただきたいと考えます。
すなわち、「信頼できない」と評価したのであれば、そのように表記願います。
*規制値を定めるにあたっての厚生労働省への注意事項として申し送るべき点:高線量被ばくのひとの健康をまもる規制値
今後、厚生労働省において規制値を決めていきますが、それを定める上でのあるべき方向性は示すべきと考えます。
高線量の外部被ばくを受けたと考えられる地域では、規制値をさらに厳しく(低く)定め、食品からの内部被ばくをできるだけうけないようにすべきであると考えます。
もしくは、高線量の外部被ばくを受けたひとを基準に、健康影響を受けない量を、食品の規制値として定めるべきであると考えます。
*規制値を定めるにあたっての厚生労働省への注意事項として申し送るべき点:小児や胎児の健康をまもる規制値
上記と同様な点で、大人よりも小児、胎児への放射線が与える影響は、大きいです。
よって、小児、胎児(妊婦)の規制値は、成人の規制値より厳しく(低く)定め、食品からの内部被ばくをできるだけうけないようにすべきであると考えます。
小児、胎児(妊婦)の規制値と成人の規制値を分けて作成するか、小児、胎児(妊婦)に対して安全な規制値として設定するように、厚生労働省に規制値を定める方向性を示すべきであると考えます。
*規制値を定めるにあたっての厚生労働省への注意事項として申し送るべき点:食品からのすべての放射性物質の検出状況の勘案
現在、食品に含まれる放射性物質の測定や公表は、ヨウ素、セシウムのみなされており、ウラン、プルトニウム及び超ウラン元素のアルファ核種の測定及び公表を見かけません。
「食品からの放射性物質の検出状況、日本人の食品摂取の実態を勘案しながら、リスク管理機関において適切な管理措置がとられることを期待しています。」と7月26日付け「食品安全委員会委員長からのメッセージ」で述べられているところですが、含まれる可能性があるすべての核種の検査(ヨウ素、セシウムのみではなく、ウラン、プルトニウム及び超ウラン元素のアルファ核種の測定)を行い、規制値を定めていくべきであると考えます。
*規制値を定めるにあたっての厚生労働省への注意事項として申し送るべき点:日本人の食品摂取の実態の勘案
「食品からの放射性物質の検出状況、日本人の食品摂取の実態を勘案しながら、リスク管理機関において適切な管理措置がとられることを期待しています。」と7月26日付け「食品安全委員会委員長からのメッセージ」で述べられているところですが、日本人が毎日食す食材について(例えば、米)は、規制値をさらに厳しく(低く)定め、食品からの内部被ばくをできるだけうけないようにすべきであると考えます。
*規制値を定めるにあたっての厚生労働省への注意事項として申し送るべき点:あらかじめ見直しする年数を決めておくこと
規制値は、想定の中で、決められています。
今後、年数が経過して、万が一、多くの甲状腺がん、白血病、膀胱がん、先天性奇形、染色体異常を伴った児の出生などの発生率が上昇し、想定とは異なる状況になってきた場合には、食品の規制値を見直すことも必要になってきます。
よって、あらかじめ、何年かごとに、想定にあっているかを評価し、食品の規制値も必要があれば見直すようにすべきことを厚生労働省に示すべきであると考えます。
*規制値を定めるにあたっての厚生労働省への注意事項として申し送るべき点:リスクコミュニケーションの場をもつこと
「国民の皆様へわかりやすく説明し理解していただくためのリスクコミュニケーションも進めてまいります。」と7月26日付け「食品安全委員会委員長からのメッセージ」で述べられているところですが、国民への説明とそれをもとにした意見交換はとても大切です。
厚生労働省においても、規制値を定める場合に、きちんと国民とリスクコミュニケーションを行ったのちに定めるべきことを厚生労働省に示すべきであると考えます。
*中学生相当の知識で読めるように、用語解説をわかりやすくお願いいたします。
以上
*******8/22ブログ*****
食品安全委員会が、「放射性物質食品健康影響評価に関する審議結果」についてパブリックコメントを募集しています。
いきなり、審議結果約230ページを読むよりも、まず、ビデオ説明やQ&Aを見ると理解しやすいと思います。
******食品安全委員会ホームページより抜粋*****
パブリックコメントを募集している審議結果約230ページ:http://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc1_risk_radio_230729.pdf
その概要:http://www.fsc.go.jp/sonota/emerg/radio_hyoka_ann_gaiyo.pdf
Q&A:http://www.fsc.go.jp/sonota/emerg/radio_hyoka_qa.pdf
審議結果のビデオ説明:http://www.fsc.go.jp/osirase/dvd/movie_risk_radi230802.html
ビデオの場合、http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20110802ik1
における「事務局説明資料」や「講演資料」を見ながら視聴下さい。
委員長からのメッセージ:http://www.fsc.go.jp/sonota/emerg/fsc_incho_message_radiorisk.pdf
******抜粋終わり*****
食品に含まれる放射性物質の日本の今の基準は、高すぎます。
下げていかねばならないと私は考えます。(今回のパブコメがなされている食品安全委員会審議結果をもとになされる厚労省における検討に期待致します。)
*****<3/17 厚労省設定の食品の暫定規制値>*****
放射性ヨウ素(混合核種の代表核種:131I)
飲料水、 牛乳・乳製品(注):300Bq/kg
野菜類(根菜、芋類を除く。)、魚介類(23年4月5日~):2000Bq/kg
放射性セシウム
飲料水、牛乳・乳製品:200Bq/kg
野菜類、穀類、肉・卵・魚・その他:500Bq/kg
ウラン
乳幼児用食品、飲料水、牛乳・乳製品:20Bq/kg
野菜類、穀類、肉・卵・魚・その他:100Bq/kg
プルトニウム及び超ウラン元素のアルファ核種
(238Pu,239Pu,240Pu,242Pu,241Am,242Cm,243Cm、244Cm放射能濃度の合計)
乳幼児用食品、飲料水、牛乳・乳製品:1Bq/kg
野菜類、穀類、肉・卵・魚・その他:10Bq/kg
(注)100Bq/kgを超えるものは、乳児用調製粉乳及び直接飲用に供する乳に使用しないよう指導すること
「野菜類」には、葉菜、果花菜、きのこ、果実、海草、根菜、芋類が含まれる。
「穀類」には、米、豆類等、可食部が地上部にあって殻で覆われている食品群が含まれる。
「肉・卵・魚・その他」には、茶、介類が含まれる。
********暫定規制値 終わり********
以下、意見募集の案内です。
皆様の声を内閣府に届けて下さい!!
放射線に関わる学会、学術団体もこの審議結果に対する意見を出されているのでしょうか?
*****内閣府食品安全委員会ホームページより*****
http://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc1_risk_radio_230729.html
平成23年7月29日
内閣府食品安全委員会事務局
放射性物質の食品健康影響評価
に関する審議結果(案)についての御意見・情報の募集について
標記の件について、別紙のとおり、平成23年7月29日から8月27日までの間、御意見・情報の募集を行いますのでお知らせします。
【本件連絡先】
内閣府食品安全委員会事務局
評価課 林、今井、今治
電話:03-6234-1190、1097、1098
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(別紙)
放射性物質の食品健康影響評価に関する審議結果(案)についての御意見・情報の募集について
平成23年7月29日
内閣府食品安全委員会事務局評価課
概 要
平成23年7月26日に開催された食品安全委員会放射性物質の食品健康影響評価に関するワーキンググループ(第9回)において、放射性物質の食品健康影響評価を行い、その審議結果(案)が取りまとめられ、本案については、広く国民の皆様から御意見・情報を募った上で、食品安全委員会に報告することとなりました。
つきましては、本審議結果(案)[PDF:1,407KB] について、御意見・情報を募集いたします。御意見・情報については、科学的な根拠となるものや出典等についてもお知らせいただければ幸いです。(電話による御意見・情報の提出は御遠慮下さい。)
なお、お寄せいただいた御意見・情報に対して個別の回答は致しかねますこと、また、お寄せいただいた御意見・情報については公開させていただくことがありますので、その旨御了承願います。
意見・情報の提出方法
電子メール、ファックス又は郵送いずれかの方法で下記の事項を記入の上、提出してください。
【記入事項】
(1) 放射性物質の食品健康影響評価に関する審議結果(案)についての御意見・情報の募集について
(2) 氏名(法人の場合は会社名・部署名等)、(3)職業、(4)住所、(5)電話番号、(6)御意見・情報
【宛先】
内閣府食品安全委員会事務局評価課内
「放射性物質の食品健康影響評価」意見募集担当宛
○ 電子メールの場合 : 食品安全委員会ホームページの下記URLより送信可能です。
https://form.cao.go.jp/shokuhin/opinion-0316.html
○ ファックスの場合 : 03-3584-7391
○ 郵送の場合 : 〒107-6122 東京都港区赤坂5-2-20 赤坂パークビル22階
なお、電子メール、ファックスでお送りいただく場合には、表題を「放射性物質食品健康影響評価に関する審議結果(案)についての御意見・情報の募集について」としていただきますよう、また、郵送の場合は、封筒表面に同じく朱書きいただきますようお願いします。
【締め切り】 平成23年8月27日(土) 17:00必着
【提出上の注意】
○ 御提出いただく御意見・情報は、日本語に限らせていただきます。
○ 個人は、氏名・職業・住所・電話番号を、法人は法人名・所在地・電話番号を記載して下さい。なお、これらは、必要に応じ当方からお問い合わせをさせていただく場合や意見・情報がどのような立場からのものかを確認するためにお尋ねしております。
○ 電子メールにより提出いただく場合、文字化けを防ぐため、半角カタカナ、丸数字、特殊文字は使用しないでください。
******審議結果が出された話し合い************
http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20110726sfc
会議資料詳細
第392回 食品安全委員会
開催日:
2011(平成23)年7月26日
開催者:
食品安全委員会
内容:
(1)放射性物質の食品健康影響評価について
(2)その他
添付資料ファイル:
第392回会合議事次第[PDF]
第392回委員会座席表[PDF]
資料1:放射性物質に係る食品健康影響評価に関する審議結果について[PDF:1,381KB]
議事概要[PDF]