「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

感動しました。雨の中の運動会 月島第二小学校

2009-05-31 23:00:00 | 教育

 雨が降ったり、やんだり。
 その中での、運動会。
 
 残念ながら、雨でぬれると、月島第二小学校のグランドは滑るのですね。
 校長先生を筆頭に、PTAや先生方みなさんで、モップと雑巾をもって、グランドの水を拭いて滑らないようにしていました。
 でも、子どもたちは、リレーなどで、滑って転ぶ子が続出。
 力が出し切れないでいる姿が、とてもかわいそうな気持ちになりました。

 しかし、それでも、子どもたちは、必死で自分たちの競技をやりきりました。

 そして、感動するのが、6年生の組体操。今年も、見させていただきました。
 毎年見るのを楽しみにしています。
 最後の全員のピラミッド、無事、立派に完成。
 聞くところ、あまり練習の時間をとれなかったとのことでした。
 昨年のピラミッドは、練習では、一度も成功しなかったけど、本番で初めて成功したということも、初めて知りました。
 やり終えて、運動場をあとにする子どもたちは、みんなでひとつになって完成させたんだという達成感いっぱい、自信に満ちた顔で、どの子もみんな輝いていました。
 
 ピラミッドの上から出された毛筆で書かれたメッセージ「祝 百周年」
 その書いた子は、顔が思い浮かぶ子でした。

 残念ながら、最後は、大雨が降ってきて、みんな教室に避難。
 閉会式は、校内放送で。
 学校中、拍手が湧き上がる閉会式となりました。

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出会いという奇跡の連続

2009-05-30 23:00:00 | 仲間・先生

  5/30は、東京都内全域で病児保育を展開するNPOフローレンス 代表の駒崎弘樹氏の結婚式でした。
 とても、すばらしい結婚式で、終わった今、とても大切なものをいただいた感じを受けています。

 あの一本の電話。。。。
 駒崎氏との出会いは、以前も書いたかもしれませんが、大学院生の駒崎氏からの一本の電話から始まります。
 あの電話がクリニックにかかってきたとき、診察で患者さんが混んでいて、忙しい真っ最中でありました。すごくタイミングの悪い電話であったのを憶えています。
 物売りや投資、不動産などの強引な勧誘をするあやしい電話が多いので、電話は門前払いをしている自分が、電話を取り次いでもらわなかったら、この出会いはありませんでした。
 電話で話したものの、彼と会うアポイントをしなければ、それまででした。
 「大学院生で、病児保育の話を聞きたい」私は、何かを感じ、会うことにしました。
 それから、彼との付き合いが始まります。
 そして、今日のこの日。
 写真では、めでたき日のゆえに、顔が赤いのはどうかお許し願います。

 今日のこの日の、駒崎氏ご自身の新婦の出会いも、奇跡と思いました。
 駒崎氏講師の講演会の後、たまたま講演を聴講した新婦となるべき人から、電池切れ間じかの駒崎氏の携帯へメールが届いたところから始まりました。
 携帯全体を冷やし、携帯の電池を少しでも持たすようにしてやり取りを続けたそうです。


 幸せをわけてもらった今日のこの日自体が、私の出会いの始まりともなりました。

 フローレンス立ち上げの初期の初期、あすなろの木の部屋の一部で、駒崎氏とともに準備に励んだ当時インターン生だった古橋範朗氏との再会。

 駒崎氏の友人木下斉氏との再会。彼は、アトム通貨の仕掛け人のひとり。いまや全国の商店街を飛び回り、地域活性化に奔走中。
 商店街振興のあり方で、専門的なアドバイスをいただきたく考えていた折の再会。
 彼には、地域活性学会の存在も教えていただき感謝。
 地域活性学会⇒ http://www.hosei-web.jp/chiiki/index.html

 フローレンスに法的なアドバイスをされてきた弁護士 原武之氏との出会い。
 少年事件も扱うようで、児童虐待のケースをお話いただき、小児科医として重要な接点を見出しました。

 駒崎氏の友人で現在横浜を中心に環境NPOにかかわる松澤桂子氏との出会い。
 環境施策のあり方について、ぜひ、アドバイスを今後いただければと思う次第。

 フローレンス立ち上げのときともに理事をさせていただいていた、病児保育施設 エンゼル多摩 (神奈川県川崎市多摩区 中野島3-15-10 )施設長 池田奈緒子氏との再会。 全国病児保育協議会の副会長になられていたとは、存じ上げませんでした。
 病児保育の発展のために、今後とも貴重なアドバイスをいただきたく存じます。
 全国病児保育協議会⇒ http://www.byoujihoiku.ne.jp/

 
 様々にフローレンススタッフ、駒崎氏の仲間、多くの方々との出会いがありました。
 出会いに感謝します。
 出会いを大切に、地域づくりに生かしてまいります。

 そう、偶然の出会いから始まった、先日の銚子市長選挙応援。
 小樽市 森井秀明氏⇒銚子市 医師 松井稔氏⇒病院再生アドバイザー 長 隆氏へと、つながり、来週、長氏とご面会させていただくアポイントをとらせていただきました。

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信念を貫くこと

2009-05-30 01:07:58 | シチズンシップ教育
 昨日5/29の本会議において、自分の信念を貫いた議員がいらっしゃいました。
 議長職、副議長職を、一年間で辞職することの承認の際、「退席をする」という行動です。
 彼一人、退席し、「全会一致で承認」という形で議事は進められました。
 彼の中では、“一年間で”辞職ということに対する、疑義をお持ちなのだと思います。
 この行動を確か、昨年も彼は一人で取ったと思います。

 自分自身の信念を勇気をもって貫くその強い姿勢を見せていただきました。
 
 これに象徴される行動を(それは、キラリと光る行動と私は拝見させていただいているのですが)、彼は、議会の中で、常に取られています。
 よき刺激を、彼から与えられています。
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本年度の中央区議会での役職:環境建設委員会副委員長、少子高齢化対策特別委員会委員

2009-05-29 16:40:21 | 政策・マニフェスト
 本年度の中央区議会の役職が、本日の中央区議会 臨時会の本会議で決定いたしましたのでご報告したします。

 常任委員会:昨年度と同様、環境建設委員会、この「副委員長」を拝命致しました。

 特別委員会:少子高齢化特別委員会委員。

 会派での役職:昨年度と同様、政務調査会長。


 環境建設委員会では、まちづくりを扱いますので、築地市場移転問題や各地域の再開発問題があります。環境関連では地球温暖化対策などがあり、課題が山積みの委員会です。
 自分にとっては、もっとも重要と思っている委員会のひとつであります。
 去年に引き続き、「ひとが健康になる街づくり」を目指して行きます。
 副委員長という重責もきちんと果たせるように努力してまいります。

 特別委員会の少子高齢化対策特別委員会は、子育て支援、高齢者施策など福祉関連施策を取り扱います。
 小児科医として是非とも充実させていきたい分野です。

 6月から新しい委員会がスタートです。
 がんばってまいります。
 
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【築地 UP DATE 9】 築地を守るために~声を全国へ~  6月の日程

2009-05-29 08:40:30 | 築地を守る、築地市場現在地再整備

 築地市場の将来を考える多くの市場関係者の皆様や都民の皆様の声をお伺いさせていただいております。

 移転候補地である豊洲土壌汚染地の土壌汚染の現況やそれに対する土壌汚染対策について、なんら都民や消費者、そして、この前の仲卸業者への説明会の突然の中止など市場関係者への、東京都は説明責任を果たしてこない状況です。

 この様な状況の下、築地市場の問題を多くの皆様に知っていただけるように、そして、東京都に声が届くようにさまざまなご努力をされることを計画されていました。

 日程で言えば、
 6/27(土) デモ行進をして、築地市場の問題を東京都そして全国に訴えていくということです。

 それにあわせ、6/23(火)には、勉強会も開催されます。

 詳細が、わかりましたらまた、お伝えしていきます。

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【歌舞伎座 UP DATE12】 歌舞伎座建て替え問題~党派・会派を超えて~

2009-05-28 23:00:00 | 街づくり
 歌舞伎座の建て替え問題、なんとかしてほしい。
 市民の皆様の多くの声が届いています。

 下記、コメントもいただきました。

*****コメント******
私は彼方様の議会場の態度にがっかりしています
口では何とでも言えますが賛否を問う席で反対の態度を示さなかったそうですね
共産党の方が歯軋りして怒りを感じたと電話下さいましたよ
私共は歌舞伎座様の将来に明るい歴史が又続くよう彼方様信じて資料ブログ作り大学での実験の事報告して上げたのにええ加減にシロです
どうせ私共の送った資料共産党の方には見せなかったのでしょう
このいい加減区議会議員やろうめですね
もうお宅は信用できません
全ては共産党の方のみとインターネットで対策ねって行きます
ではさようなら
*****コメント以上*****

 私自身は、議会では、3月の予算特別委員会で、歌舞伎座建て替え問題を取り上げ、審議してまいりました。(議事録ができましたところで、再度報告いたします。)
 中央区都市計画審議会、東京都都市計画審議会でも、なんとかならないかと、ともに考えてくださる建築関連の専門家の皆様とさまざまな努力をしてまいったところです。
 中央区都市計画審議会では、しかし都市計画案は承認され、多くの都市計画審議会に出席された委員の皆様のご努力により「付帯決議」がつけられたところがやっとでした。
 コメントにございますように、なんら結果として現れていないとお叱りをうけることは、現段階ではやむを得ないと思っております。たいへん申し訳ございませんでした。

 
 歌舞伎の文化、歌舞伎座の建築的価値と銀座のランドマークとしての価値、これらを守れるように、今後とも精一杯努力していく所存です。「築地・築地市場ー歌舞伎座ー銀座」このラインの街並みは、中央区そして東京都の重要な財産であり、この街並みを守ることが私の使命のひとつと思っています。
 そのために、議会におきましても、党派や会派を超えて、また中央区議会の枠にとどまらず、都議会、国会とさまざまな形で議員と連携をしていきます。
 お送りいただいております資料は、多くの議員にお見せし、役立てさせていただきます。

 歌舞伎を愛する市民や銀座のまちの皆様の思い、役者の皆様の思い、運営する民間企業様の思い、そして、支援する行政の思い、これらが一致すれば、すばらしい歌舞伎座の再生ができると信じています。

 コメントありがとうございました。
コメント (3)
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【北朝鮮核 UP DATE 2】 中央区議会と中央区長 抗議文

2009-05-27 10:43:14 | 戦争と平和

 北朝鮮の地下核実験に対して、抗議文を、中央区議会と中央区長も、北朝鮮へ送付いたしましたので、ご報告いたします。

http://www.city.chuo.lg.jp/press/puresuheisei21/puresuh210525/files/kakujikkenkogibun.pdf

***抗議文 内容*****

朝鮮民主主義人民共和国
国防委員会委員長兼朝鮮労働党総書記
金正日閣下

 貴国は、世界各国からの核兵器開発に対する強い中止要請にもかかわらず、2 0 0 9 年5 月2 5 日、核実験を実施した旨の発表を行いました。
 このような行動は、極めて憂慮すべき深刻な問題であるとともに、我が国のみならず、東アジア及び国際社会の平和と安全に対する重大な脅威を与えるものであり、断じて容認することはできません。
 本区は、あらゆる国の核実験に反対するとともに、地上から全ての核兵器が廃絶されることを強く願っております。
 「中央区平和都市宣言」の趣旨にのっとり、ここに区民を代表して厳重に抗議するとともに、貴国が二度とこのような暴挙に出ることのないよう強く要請します。

2 0 0 9 年5 月2 5 日
東京都中央区長 矢田美英


朝鮮民主主義人民共和国
国防委員会委員長 兼 朝鮮労働党総書記
金 正 日 閣下

 貴国は、国際社会の多くの中止要請にもかかわらず、2009年5月25日、地下核実験を実施した旨の発表を行いました。
 今回の実験は、2006年10月に続き2度目であり、このような行動は世界の恒久平和を願い、核廃絶に取り組む国際社会の努力を踏みにじるものであり、断じて容認することはできません。
 私たち中央区議会は、あらゆる形態の核実験と核兵器開発の即時中止を強く求めており、核兵器のない平和な世界となるよう願うものであります。
 今回の貴国の行動に対して、断固抗議するとともに、二度とこのような暴挙に出ることのないよう強く要請します。

2009年5月25日
東京都中央区議会議長 今 野 弘 美

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【歌舞伎座 UP DATE 11】歌舞伎座建て替え問題 現状報告

2009-05-26 11:22:12 | 築地を守る、築地市場現在地再整備

 歌舞伎座建て替え問題に関し、貴重なご意見をありがとうございました。

****コメント 再掲*****

 歌舞伎座建て替えに大きな疑問を持っています。
 私はバリアフリーの問題などを考慮すると建て替え自体には賛成です。また、費用などを考慮すると背後にテナントビルを建てることはやむを得ないでしょう。
 しかし、銀座ルールがある以上、背後に高層ビルを建てるにはその見返りとしてファサード部分は今以上に伝統的、日本的たたずまいを感じさせる建物でなければなりません。それにはガラス貼りの建物では決してなく、背後に高層ビル&戦前の歌舞伎座復元の松竹当初案を私は支持しています。
 しかし、1月後半の都市計画発表以降表だった反対運動が見られません。
 一方、松竹は決算短信で「現在の歌舞伎座の外観を極力継承した」新劇場を建設する予定などと発表しています。
 その一方では5月22日の都市計画審議会では都市計画提案が通ったようです。
 私たち一般の都民にとっては今現在の状況がわかりません。
 松竹は夏に正式発表としていますが、それまでに何とかしないと、とんでもないデザインの劇場が建ってしまいます。
 現在、この建て替え問題はどのような状況に置かれているのでしょうか。

*****コメント終わり*****

 私の知りうる限りの現状、および今後のすべきであると考え、行動をしている事柄を書きたいと思います。

 確かに、5/22に東京都の「第185回都市計画審議会」では、歌舞伎座建て替え問題は、日程第1  議第6960号 「東京都市計画都市再生特別地区 変更 銀座四丁目12地区」の中で審議されました。
 聞くところ、歌舞伎座の建替えについてが40分ほど議論されたそうです。議事録は、都のホームページ上でアップされますが、5/26の段階でまだです。
 今回、傍聴希望が121名で定員15名の傍聴だったといいます。

 東京都の都市計画審議会に先立って行われた「中央区の都市計画審議会」では、都市計画案に対し、下記の付帯決議をつけ、承認しました。(こちらも、議事録は、6月に入ってでるというこどです。)

 中央区の都市計画審議会における付帯決議:
 「本計画の具体化にあたっては、区として、伝統ある歌舞伎座の歴史や銀座のランドマークとしての価値を踏まえ、現在の歌舞伎座の意匠や景観の継承はもとより、建物の一部保存や部材・材料の再利用を積極的に行うよう指導し、日本の伝統文化である歌舞伎の更なる発展につながるよう努めていただきたい。


 4月28日、中央区議会は、歌舞伎座内を視察し、歌舞伎座建物の現状を当事者からの生の声として説明を受けました。
 *耐震性・防災性の向上
 *バリアフリー
 *劇場設備の向上
 *劇場文化の伝承
などを求めての建て替えを行う旨の説明でした。

 
 歌舞伎座の建て替え問題のひとつの鍵は、事業者が民間企業であるということです。
 民間企業が、採算性も含め、どのようなビジョンを抱くかによります。
 そこに、行政がどれだけのサポートをしていくことが出来るかが問題です。

 「日本建築学会」も、歌舞伎座の保存に関して、民間企業側から、ご相談をいただければ、出来る限りの助言をするとの要望書を、以前と最近、提出されました。


 実際に歌舞伎座の建物の状態やその歴史的価値がどのようなものであるのかを知ることから始まると思います。
 よって、するべき点は、歌舞伎座の建物に関して知る機会の提供だと考えます。
 建築の専門家の先生方が現在、歌舞伎座のデザイン関連の勉強会を企画中と伝え聞いております。
 詳細が決まりましたところで、ご案内できればと思います。


 今後とも、ご意見をお待ちいたしております。

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乳幼児の心肺蘇生 

2009-05-26 09:54:32 | 小児医療

 昨日5/25、みんなの子育て広場あすなろの木で、乳幼児の心肺蘇生に関する講習会が開催されました。

 お子様連れで10組程度の親御さんが、90分程度の講義と実習に熱心に受講されました。

 ①わが子が意識不明の状態で、とるべき行動

 ②心肺蘇生のABC 特に、人工呼吸

 ③心臓マッサージ

 ④異物誤嚥による窒息への対処

など、乳幼児の模型を用いた実践さながらの実習に真剣にとりくんでいらっしゃいました。

 子どもの事故防止に中央区は、施策をもって取り組んでいるところです。

 このような心肺蘇生の体験の場を多くしていくことも重要と考えます。
 小児科医として是非、取り組んで行きたいと私自身考えています。

 あすなろの木のブログで、実習のことは、紹介されています。
⇒ http://ameblo.jp/asunaro-kids/

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【北朝鮮核 UP DATE 1】 北朝鮮による地下核実験に強く抗議し、無条件六カ国協議復帰を要望。

2009-05-26 01:36:09 | 戦争と平和
 北朝鮮による地下核実験に強く抗議するともに、無条件六カ国協議復帰を要望します。


 北朝鮮が、2006年10月9日の核実験に続き、「地下核実験を成功させた」と発表しました。事実とすれば、先月、国際社会の制止を振り切って強行した長距離弾道ミサイル「テポドン2号」発射に次ぐ暴挙であり、世界平和と安全を正面から脅かす重大な挑戦であります。

 「核兵器のない世界」を掲げるオバマ大統領の登場で、米ロは新たな戦略兵器削減条約への締結へ交渉するなど、核軍縮や核不拡散への機運が盛り上がる中、北朝鮮の二度目の核実験は世界の潮流に逆行する危険な行為といえます。

 北朝鮮は、先月の「衛星打ち上げ」を名目とした長距離ミサイル発射に対する安保理議長声明を拒み、6カ国協議離脱と核・ミサイル実験の再開を予告していました。
 06年7月のミサイル発射、10月の核実験と同じ形で、国連安保理決議1718への明確な違反は、東アジア地域の脅威を高め、核・大量破壊兵器拡散の危険も増大させました。

 世界の恒久平和を願う私たちは、核廃絶に取り組む国際社会の努力を踏みにじるこれらの行動を、断じて容認することはできません。
 わが国が唯一の被爆国であることをかんがみ、あらゆる国の核実験に反対するとともに、すべての核兵器の廃絶を求めてまいりました。
 北朝鮮が直ちにすべての核兵器および核兵器開発計画を放棄することを強く求めます。
 
 挑発が孤立を深めるだけであるということを知らしめるべく国際社会は結束して、今回の暴挙を許すことなく、強く対応をしていくことになります。
 ただちに、北朝鮮は、無条件で六カ国協議へ復帰し、対話のもと、解決の糸口を図っていくことを強く要望します。


*参考 2006年の北朝鮮制裁の国連安保理決議 骨子(日経新聞 09/05/26)
○核実験実施表明を非難し、これ以上核実験や弾道ミサイル発射を実施しないよう要求

○大量破壊兵器計画に関連する可能性がある物資の禁輸

○大量破壊兵器計画に関連する国外金融資産の即時凍結

○北朝鮮に出入りする船舶などの積荷検査を各国に要請

○北朝鮮に即時、無条件の六カ国協議復帰を要求
 
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【築地 UP DATE 8】 5/23 豊洲新市場建設予定地、ボーリング現場公開

2009-05-26 01:04:11 | 築地を守る、築地市場現在地再整備

 5/23 豊洲新市場建設予定地の土壌汚染状況を把握するボーリング現場の公開が行われました。

****毎日新聞(09/05/24)*****
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20090524ddlk13010152000c.html

築地市場移転:豊洲新市場建設予定地、ボーリング現場公開 /東京
 ◇反対派、「セレモニー」と批判
 築地市場(中央区)の移転が計画されている江東区豊洲の新市場建設予定地の土壌汚染問題で、都は23日、環境確保条例に基づくボーリング調査の現場を一般公開した。3カ所を1時間弱で回るもので、参加した環境問題の専門家や移転に反対している市場仲卸らは「セレモニーの域を出ていない」と不満の表情を浮かべた。

 都はこれまでに、予定地を100平方メートルに区切った4122地点のうち、地下水から環境基準の10倍を超える汚染が確認された441地点で詳細調査を実施した。今回の調査は、都条例に基づき、環境基準の10倍以下の約1000地点を対象に実施されている。

 この日は、ボーリングマシンを使って1メートルの管で土壌を採取し、サンプルとしてビニールパックに収めるまでが公開され、計108人が参加した。

 日本環境学会の坂巻幸雄副会長は「サンプルの取り方が粗っぽい。汚染の広がりを見るのだから慎重さが必要だ」と指摘。さらに「これだけの大規模工事なら、ビジターセンターを開設して資料を整え、情報公開に努めるのが普通。都には、市民の理解を得ようという姿勢が見られない」と批判した。

 移転反対派の市場を考える会の山崎治雄代表幹事は「もっと深いところや汚染の激しいところを見たい。都はただ公開したという結果を残したいだけではないか」と話した。【市川明代】

〔都内版〕

****毎日新聞転載終わり*****

 
 ボーリング公開の状況を詳しくリポートしたブログがございますので、リンクします。
⇒ http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10267170684.html


 また、同期の区議会議員の岡田眞理子議員もブログでリポートされていたので、リンクします。
⇒ http://okadamariko.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-f4da.html

 
 新聞記事しかり、上記のブログでもしかり、荒っぽい調査がなされているという点で、東京都は、改めるべきではないでしょうか?
 単にこれらのボーリングも、土壌汚染の調査をしたという事実をつくりたいだけなのでしょうか?

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【築地 UP DATE 7】 東京都の不可解な行動 突然の仲卸業者への説明会の中止

2009-05-25 08:45:37 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
 5/22の東京都による東卸向けの豊洲新市場予定地の土壌汚染対策に関する説明会が、当日突然中止になった問題で、本日付「日刊食料新聞」が取り上げています。

 東京都は、すべての情報を公開して、ものごとを進めるべきであります。

 事業者向けの説明会を、なぜ、公開にしないのでしょうか。
 報道機関や国会議員をはじめ議員は、少なくともシャットアウトする理由がないと思います。

 東京都の説明で、どのようなことが、市場内関係者に伝えられ、それに対し、市場内関係者がどう考え、どのような疑問・意見を東京都に返し、それに東京都がどのように答えたのか、これらのことは、とても大切な話ではないでしょうか。
 “密室”で済ますべき事柄ではないと考えます。

 今後とも、情報は公開すべきであることを東京都に申し入れていきます。

(参考)
<いままでの豊洲新市場に関する業界向け説明会 開催状況>
4月23・30日 青果卸・東京シティ青果の役職員
    24日 青果仲卸

5月7~18日の間に7回 水産卸、小揚を含む全役職員
    8日 関連
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原子力発電計画の広がり 今後、新興国43カ国へ 

2009-05-24 23:00:00 | 地球環境問題
 新聞の片隅の記事で、気になったので、書きます。

 原子力発電所を持たない新興国など43カ国(東南アジア、中東湾岸諸国、アフリカ諸国など)が新たに導入を計画していることが、23日、世界原子力協会(WNA)の調査でわかったということです。
 そして、世界の原子力産業を事実上支配する日本、米国、フランス、ロシアの四カ国の企業は政府支援を受け、プラント受注や技術協力をめぐり激しい参入競争を繰り広げているといいます。

例)
 インドネシア     :2010年 原子炉建設に着手予定
 タイ         :2014年 原子炉建設に着手予定
 アラブ首長国連邦(UAE):2020年までに運転開始目標


 <原子力発電>
 1980年代から世界の総発電量の16%程度を供給
 2008年 3億6700万キロワット ⇒ 2060年 11億4000万~35億3800万キロワット


 <WNAの分析>
*新興国での専門家の育成や技術的な蓄積が急務
*監視体制や使用済み核燃料の管理体制などの環境整備
*国際的な核拡散防止体制への参加が不可欠

 
 温室効果ガス排出も喫緊の課題であることはわかりますが、原子力も使用済み核燃料の処理が解決されておらず、将来へのつけが大きく残ることになり、慎重に計画を進めねばならないと思います。
 
 システム、設備が完璧につくろうとしても、人間自体は、間違いを起こしてしまう存在であるため、完璧なものはありえないということを前提に進める必要があると私は思います。
 すくなくとも、情報はすべて公開していく体制が必要であります。

 
 そういえば、親友の写真家中筋純は、春のチェルノブイリを写真におさめるために、つい先日、飛び立ちました。
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運動会と地域

2009-05-23 23:00:00 | 教育
 この時期、いくつか運動会や体育祭が開催されます。
 それをみていると、運動会は、地域の繋がりを強めるひとつの大切な場であることが見受けられます。

 例えば、
*地域ごとに見学のスペースがあり、地域の人が集う
*地域対抗のリレーや、綱引きがあり、その成績も表彰される
*地域の特有のお祭りの踊りを、全学童が踊る
*幼稚園、保育園から応援のメッセージが届く
 などなど

 地域の皆様にあたたかく、見守られながら、運動会の一日、子どもたちが精一杯がんばっています。
 
 そして、いつも驚かされることのひとつは、つい先日入学したばかりの一年生が、ちっちゃくても、りりしくがんばっていることがあります。
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【新型インフル UP DATE 24-1】 日本感染症学会 緊急提言

2009-05-22 11:25:35 | 各論:新型インフルエンザに備える

 下記提言が出されました。
 今回の新型インフルエンザを理解することに役立つと思い、掲載します。

 下線、赤文字、太文字は、小坂による。
 医療従事者向けの文章であり、一般の方には、やや難解かもしれません。下線や、太字を中心に見てください。

http://www.kansensho.or.jp/news/090521soiv_teigen.pdf

平成21 年5 月
社団法人日本感染症学会緊急提言

「一般医療機関における新型インフルエンザへの対応について」

~㈳日本感染症学会・新型インフルエンザ対策ワーキンググループからの提言~

 先日、メキシコ共和国に端を発した新型インフルエンザ、swine-origin influenza A
(H1N1) (S-OIV と略す)に罹患・発病した日本人が成田空港の検疫で複数名発見され、さらに5 月16 日以降、渡航歴のない関西居住の高校生から多数の感染発病者が発見されるに至り、わが国国内での感染の拡大・流行が強く懸念されています。また、WHO もフェーズ6 の流行段階の宣言を検討しています。
 今回のS-OIV が感染力・伝播力は強い一方で、発症時の臨床的重症度は季節性インフルエンザ(seasonal influenza)と同程度ではないかと楽観視する意見も強まっています。しかし、米国CDC が中心となってまとめた米国カリフォルニア州内の4 月15 日から5 月17 日までの流行状況の報告1)では5%以上の例が入院し、その1/5(全体の1%)はICU で治療を受けたことも明らかにされております。これをわが国に当てはめると、毎年の季節性インフルエンザと同様に1,000 万人以上がS-OIV に感染した場合、短期間に10 万人以上がICU に入院することになります。このことからも感染症を専門とする本学会の立場からは、S-OIV は現時点でも軽症であると言い切ることはできません。さらに、今秋以降は1968 年の香港かぜ以来の大流行が起こる可能性は極めて高くなると多くの専門家が考えています
 本年2 月17 日に厚生労働省が発出した「新型インフルエンザ対策ガイドライン」は高病原性鳥インフルエンザを想定したものであって、しかも水際撃退作戦を想定したいわば行政機関向けといえるガイドラインであり、今回の新型インフルエンザが実際に流行して蔓延する際には、一般医療機関における対応は当然異なってしかるべきです。医療者、特に臨床医におかれましては予想される状況を正確に把握して適切な対策に務めていただきたく、日本感染症学会・新型インフルエンザ対策ワーキンググループから以下の提言をいたします。


内容
① 過去の我が国における新型インフルエンザ流行の実態から学んでください
② 新型インフルエンザは、いずれ数年後に季節性インフルエンザとなって誰で
も罹患しうる病気です
③ 新型が流行すると青壮年層の被害が甚大となるのには理由があります
④ 流行初期から一般医療機関への受診者が激増します
⑤ 重症例にはウイルス性肺炎よりも細菌性肺炎例や呼吸不全例が多く見られます
⑥ 一般予防策ではうがい、手洗い、マスクが効果的です
⑦ 医療従事者の感染予防にはサージカルマスク、手洗い等が効果的です
⑧ 全ての医療機関が新型インフルエンザ対策を行うべきです



① 過去の我が国における新型インフルエンザ流行の実態から学んでください
 新型インフルエンザが蔓延するとわが国では32 万人から64 万人が死亡すると厚生労働省が試算していますが、これはスペインかぜの致死率を1~2%として、推定患者数が3,200 万人(人口の25%)と考えられるので、掛け算して出した数値です。最近の報告2)では、スペインかぜは日本国内で1918 年から1920 年にかけて2 回流行し、48 万人の死亡者が出たことが明らかとなりました。これを現在の人口に外挿・敷衍すると108 万人の死亡となり、和歌山県や香川県などの一県分の人口に相当します。スペインかぜは20 世紀最大の疫病と言われてきたことがよく分かります。しかし、当時はインフルエンザウイルスの発見(豚から1932 年、ヒトからは1933 年)前であり、二次感染として多い細菌性肺炎の治療薬である抗生物質が実用化される(1941 年のペニシリンG)よりはるか前の出来事です。
 インフルエンザがウイルス感染症であることが分かってから、及び抗生物質が実用化されてからの新型インフルエンザ(1957 年からのアジアかぜ、1968 年からの香港かぜ)では我が国でいずれも4 万人~7 万人が亡くなったと報告されています3)。香港かぜは、1968 年~69 年の第1 波では2 万人程度と死亡者数が少なかったものの、翌年の第2 波で5 万人を超える大きな被害が出ています。現在の人口に外挿・敷衍すると8 万人から9万人の死亡者となり、比較的軽かったと思われがちな香港かぜは実は大きな流行であり、国民や社会への影響は大きく、特に当時の医療関係者の苦労は相当なものであったと思われます。
 今回の新型インフルエンザ(S-OIV)が今後大流行した場合、わが国の死亡者数や死亡率が香港かぜの場合を大きく超えるようなことはないと思われます。しかし、これまで流行してきた季節性インフルエンザでは毎年1 万人前後の死亡者が出ていて4,5)、医療現場ではその都度多忙を極めていますから、数万人の死亡者が出る流行が起これば入院ベッドが不足し、人工呼吸器や救急車が足りない、病院や診療所の外来は混雑を極めるなど、準備の不足は医療現場の大混乱となって現れるのは必至です。
 ところで、スペインかぜ当時の死亡者の大多数は発展途上国に集中しており、英米の死亡者数は少なかったことも知られています。日本の全人口に対する死亡率は0.87%、英国0.3%、米国0.6%、シンガポール1.4%、インド4.4%と報告されています。当時のわが国はまだ発展途上国から完全には脱していなかったため、死亡者数が英米に比べてやや多かったと考えられています。こうしたことから、新型インフルエンザによる死亡は、各国の経済状態の反映、あるいは医療水準の反映といわれています6)が、日本は、現在、スペインかぜ当時とは、全く異なって経済や公衆衛生の向上は著しく、個人の栄養・感染防御能も著しく向上しております。また、インフルエンザの迅速診断とノイラミニダーゼ阻害薬による治療では圧倒的に世界をリードしており、日本で確立したインフルエンザの診断と治療を生かすことができれば、新型インフルエンザの被害を大幅に制御することが可能と思われます。
 また、20世紀の新型インフルエンザは、国内では、すべて2回の流行を起こしている事実を理解して対策を考えることも重要です。世界では、時に3回の流行も記録されています。前述のごとく、スペインかぜは1918~19年の大規模な第1波、1919~20年のやや規模の小さな第2波と2回流行しました。アジアかぜは、1957年春の第1波、秋の第2波とやはり2回流行しました。香港かぜでは1968~69年の第1波は小さな流行でしたが、翌1969~70年に大きな第2波の流行となりました。ですから、最初の流行が小規模に終わっても、決して油断は出来ないのです。今回の新型インフルエンザ(S-OIV)が、現在は症状も軽く、患者数も比較的に少なくても、今年の秋か、冬に大きな流行になると専門家が警戒しているのは過去の大流行の事実からです


② 新型インフルエンザは、いずれ数年後に季節性インフルエンザとなって誰でも罹患しうる病気です
 今回のS-OIVが出現・流行する以前のわが国では、来るべき新型インフルエンザでは高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)がいずれヒト-ヒト感染性を獲得して主役をなすという想定が支配的であったことや、数年前のSARSで被害が甚大であったことの影響から、どのようなものが出現しても新型インフルエンザは死亡率の高い感染症であり、可能な限り罹患を避けるべき疾患であると大多数の国民から思われてきました。しかし、過去のどの新型インフルエンザでも、出現して1~2年以内に25~50%、数年以内にはほぼ全ての国民が感染し、以後は通常の季節性インフルエンザになっていきます。現在流行している香港かぜもこのようにして季節性インフルエンザとなった歴史を持っており、今回のS-OIVもやがては新たなH1N1亜型のA型インフルエンザとして、10年から数十年間は流行を繰り返すと見込まれます。すなわち、今回の新型インフルエンザ(S-OIV)の罹患を避けることは難しいのです。例えば、1957年のアジアかぜ出現時、全国の保健所職員と家族を調査したところ7)、同年5月から7月の第1波で26%、9月から11月の第2波では30%が罹患したことが明らかにされています。アジアかぜの流行が始まってからわずか半年間に56%が罹患発病したのです。特に、小児では80〜90%が罹患したことも分かっています。しかし、アジアかぜはその後通常の季節性インフルエンザとなり、1968年の香港かぜに代わるまで毎年流行しました。その香港かぜも最初は新型でしたが、今では季節性インフルエンザとなっています。

③ 新型が流行すると青壮年層の被害が甚大となるのには理由があります
 1918年から大流行したスペインかぜでは青年・壮年層を中心に世界中で4000万人の死亡者が出ました。今回の新型インフルエンザでも初発地のメキシコでは高齢者に被害が少ない一方で若年層に大きな被害が出ています。我が国ではこれについて、若年層では炎症反応が過剰に発現してサイトカインストームによる被害が拡大するためとの見解もあります。しかし、スペインかぜだけでなく、その後のアジアかぜや香港かぜの際にも初期には若い年齢層に被害が多く見られ、数年後に被害は高齢者中心に移行することが観察されています。
 高齢者の多くは過去に型の変異したインフルエンザの洗礼を何度も受けたため免疫のメモリーがありますが、若年層ではそれが乏しいため新型が流行する初期には被害が甚大となるものの、数年して若年層の多くが免疫を保持するようになると全年齢層がほぼ等しく免疫を保持するようになり、その結果、相対的に抵抗力の弱い高齢者に被害の中心が移って行くと考えられています。例えば、スペインかぜでは、高齢者の死亡が少なかったことが報告されています2)が、1873年以前に同じH1 サブタイプの流行があったと推測されています8)。また香港かぜでも、当時77歳以上の高齢者では死亡が少なかったのですが、それは1892年以前のH3 サブタイプの流行の影響と考えられています2)。
 今回のS-OIVにおいても、高齢者の感染者、重症者が少ないことが注目されています。いずれにしても、来るべき新型インフルエンザの蔓延期には通常の季節性インフルエンザの場合に加えて若年層のインフルエンザ患者が多数発生して医療機関を受診するようになることが予想されますので、その対策が必要です。

④ 流行初期から一般医療機関への受診者が激増します
 厚生労働省では各自治体に対して発熱相談センターの設置や特定少数の発熱外来の設置を行って蔓延拡大を阻止しようとしています。流行初期の水際対策として有効ではありますが、インフルエンザは発熱前から感染性を持つことや、患者が多数発生すればもはや少数の発熱外来では対応しきれず、そのこともあって欧米では発熱外来を設置する動きは見られません。流行の各段階に応じて対応を変える実際的な方策が必要となります。また、患者の中には自分の症状を新型インフルエンザだとは自覚せずに一般医療機関を受診する方が当然存在します。また、普段からかかりつけ医をお持ちの患者は当然のことながらかかりつけ医を受診する確率が極めて高いと思われます。1968 年の香港かぜの初発期には多数の患者が一般診療所を受診しており、深夜まで診療業務に当たられた経験をお持ちの医師が多数おられます。流行拡大期には、自分の診療所ではインフルエンザの診療は行わない、とするのはほとんど不可能となりますが、発熱の有無で時間帯を分けて診察したり、医師会を中心として近隣の医療機関が時間を分けて分担したりするなどの方策が効果的と考えられます。たとえば、仙台市では医師会傘下のすべての開業診療所が発熱外来を担当してより高度の医療が必要な患者を専門医療機関へ転送する方針を打ち出していますが、各地域の実情に合った対応策を考える必要があります
 なお、数年前のSARSの場合は発熱してから周囲への感染性を持つまでの期間が約1週間と長かった9)ために対応策を準備する時間的余裕があり、封じ込めには成功しましたが、S-OIV の潜伏期は1~5日と短く、発症前から感染性を持つため封じ込めは困難です。このことも、流行の拡大時期における一般医療機関への患者の集中が起こる理由です。

⑤ 重症例にはウイルス性肺炎よりも細菌性肺例や呼吸不全例が多く見られます
 今回のS-OIVの流行では、初発地のメキシコを除けば死亡率が通常の季節性インフルエンザのそれを少し上回る0.1%台を現時点で示しており、軽症例が多いとみられています。一方、多数の死亡例が出たメキシコでは、発症から受診までの期間の長短が死亡率と相関している(死亡例のほとんどが発症から1週間以上を経て初診)と言われています。また、死亡例の多くは細菌性肺炎を併発していたとも言われています。実際、過去の新型インフルエンザにおいても同様のことが見られました。スペインかぜの際の死亡原因を詳細に解析した報告があります。当時の死亡者58名の保存病理材料の再調査と8,000人以上の病理解剖記録を詳細に解析した米国NIAID(国立アレルギー感染症研究所)所長のAS Fauciらの報告10)では、死亡の96%は細菌性肺炎であり、約70%が菌血症を併発していたとしています。また、Fauciらはその後の1950年代後半のアジアかぜ、1960年代後半の香港かぜにおいても同様であったとしています。抗菌薬がなかったスペインかぜの当時では細菌性肺炎による多数の死亡は避けられないことでしたが、抗菌薬療法が発達している現在、同じことが起こることはありません。
 細菌性肺炎の多くは肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、インフルエンザ菌(インフルエンザウイルスとは異なります)、レンサ球菌などで起こりますが、備えるべきは多数発生する重症肺炎への準備であり、重症呼吸不全に対応するレスピレーターの整備、そして予防です。CDCも今回のS-OIVの流行では細菌性肺炎と脱水が主な入院の契機であり、64%が基礎疾患や合併症を持っており、主なものは慢性呼吸器疾患、免疫低下~不全状態、慢性心疾患、糖尿病、肥満であるとしています1)。しかし、今回のS-OIVの流行ではこれまで大多数の患者が軽症で改善治癒しています。たとえ肺炎を併発したとしても多くは軽症であり、在宅での治療が可能ですし、わが国の市中肺炎ガイドライン11)はその目安を提示しています。なお、細菌性肺炎では肺炎球菌肺炎の頻度が最も高くて重症化し易いですから、接種対象として肺炎球菌ワクチンの添付文書に挙げられている65歳以上の高齢者や慢性の呼吸器疾患並びに慢性心疾患、糖尿病などをお持ちの患者にはこのワクチンの接種を積極的に考慮して下さい。また、肺炎球菌ワクチンの接種については、今回の流行を受けて海外でもさらに推奨する動きがあります8)。

⑥ 一般予防策ではうがい、手洗い、マスクが効果的です
 流行が懸念される時期には不要不急の外出を避け、人ごみにはなるべく出ないこと、外出時にはマスク着用、互いの咳エチケットの遵守、外出後のうがいと手洗いが必要です新型に対するワクチンは、本年の秋から冬にかけて予想される流行には間に合わない可能性も考えられますのでハイリスク群においてはノイラミニダーゼ阻害薬の予防投与も考慮すべきです。現実的には患者との接触後1週間前後の予防が考えられます。
 先述の肺炎球菌ワクチンの接種については、優先的に接種すべき患者が添付文書にも記載されており、その内容は前項(⑤)にも示しましたが、これはインフルエンザワクチンの優先接種の対象者とほぼ同じです。ただ、わが国では肺炎球菌ワクチンの再接種は認可されておりません。米国その他の先進国では再接種適応者を定めていますが、当局と関係各位との協力によってわが国でも再接種が承認されることを望みます。
 マスクの有効性については賛否両論があります。日本では肯定的な意見が多く、一方、欧米では否定的な意見が多いため、現実にカナダや米国では一般の人はマスクを着用していません。しかし、数年前のSARSの流行時にはサージカルマスクやN95マスクが院内感染予防に効果があったとする報告12)や一般的に呼吸器ウイルス感染の防止対策の一環としてマスクを含めた総合的な対策が有用であるとするシステマティックなレビュー報告13)があり、WHOは後者の報告を引用して今回の新型インフルエンザ対策としての市中でのマスク着用を勧めています14)。ただし、マスクは正しく着用しなければ効果はありません。うがいの有用性については、インフルエンザそのものに対しての効果という訳ではありませんが、上気道感染症やインフルエンザ様気道疾患に対する予防効果が認められるという報告15)があり、同様に急性呼吸器疾患等に対して手洗いの予防効果が認められるという報告16)もあります。

⑦ 医療従事者の感染予防にはサージカルマスク、手洗い等が効果的です
 わが国の新型インフルエンザ対策では水際撃退作戦が重要視され、空港や港湾における検疫の強化が取られています。そこで行われる予防策では厳重な防護服やヘルメット、ゴーグル、手袋、等の着用が行われていますが、もし国内で流行が蔓延して爆発的に患者数が増加した際には全ての医療機関を多数の患者が受診することになり、これらはもう実用的ではありません。日本の医療従事者は一般市民と同様、新型インフルエンザに対して強い恐怖を抱いているという報告17)もありますが、ここまでで見たように、また、今回のS-OIVの内外での流行状況を見る限り通常の感染予防策で臨めば大きな心配はありませんし、万が一感染したとしても対応策は万全です。すなわち、医療機関では、サージカルマスクと手洗いを原則とした感染防止策で臨むべきと考えますが、重症肺炎を併発した新型インフルエンザ患者における医療処置(痰の吸引、その他)ではN95マスクやゴーグルなどの使用が考慮されるべきです。なお、必要に応じて抗ウイルス薬(オセルタミビル、ザナミビル)の予防内服も検討すべきです。

⑧ 全ての医療機関が新型インフルエンザ対策を行うべきです
 ここで問題なのは、現在の検疫で行われているような、また、昨年来全国で実施されている新型インフルエンザ対策のシミュレーション訓練等で行われている宇宙服のような防護服に代表されるような対策を目の当たりにして「我々の病院では新型インフルエンザ対策は困難なので新型インフルエンザの患者は診療しない」として最初から対策を放棄してしまう病院の多数出ることが予想されることです。新型インフルエンザの流行蔓延期にはすべての医療機関に患者が受診することが予想されます。自分たちが普段から診ている通院患者からも新型インフルエンザの患者は多数出てくると予想され、診療を忌避することは出来ません。全医療施設が取り組むべき対策を構築しておかなければ、助かるべき多数の患者が助からない、といった事態が起こり兼ねません。そのためにも本提言をすべての医療機関においてご検討いただき、効果的な対策の行われることを望みます。
 関係各位の協力を仰ぎたく、よろしくお願い申し上げます。

社団法人日本感染症学会・新型インフルエンザ対策ワーキンググループ
石田 直、岩田 敏、賀来満夫、國島広之、菅谷憲夫、三鴨廣繁、渡辺 彰[座長]
〒113-0033 東京都文京区本郷3丁目28-8 日内会館2F
TEL:03-5842-5845 e-mail:kansen@oak.ocn.ne.jp

(参考文献は、下のブログ)

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