野ゆき山ゆき海邊ゆき

日々の生活の中で出合う自然や民俗、歴史遺産を記録します。主な舞台は和歌山県中部。タイトルは佐藤春夫の「殉情詩集」より。

待てど暮らせど

2011年05月08日 | 植物
ご存知、大正ロマンの代表竹久夢二の詩「待宵草」の冒頭部部分である。
多忠亮によって曲がつけられ、後に松竹の同名映画の主題歌とされたようである。何ともやるせない気分が漂う。

1)待てど暮らせど来ぬ人を 宵待草のやるせなさ 今宵は月も出ぬさうな
2)暮れて河原に星一つ 宵待草の花が散る 更けては風も泣くさうな(西条八十 詩)
実際に曲を聴いてみると
高峰三枝子さんはいかにも古色蒼然とした大正ロマンを感じさせます。
http://www.youtube.com/watch?v=0jiHklfTCA0&feature=relatedちあきなおみさんは、現代風な大正ロマンかな。情緒纏綿としていい感じ。
http://www.youtube.com/watch?v=91ZwcafsZAE&NR=1
バイオリニストの川井郁子さんの演奏は現代的なアレンジの中にビブラートを効かせた演奏は大正ロマンを感じさる。
http://www.youtube.com/watch?v=1sfZDWse0Lg&feature=related

原詩は
遣る瀬ない釣り鐘草の夕の歌が あれあれ風に吹かれて来る
待てど暮らせど来ぬ人を 宵待草の心もとなき
想ふまいとは思へども 我としもなきため涙 今宵は月も出ぬさうな

「ヨイマチグサ」という名の植物はない。「マツヨイグサ」が標準和名である。夕方を待って開花することから名付けられた。「宵待草」は単に順序を変えただけだが、何となく文学の香りがする。写真はコマツヨイグサである。鮮やかな黄色の花からは、やるせない退嬰的な感じは受けないのであるが・・・
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