上は「じょうろう」と読むが、一般には身分の高い女性のことを意味する。おもに宮中言葉のようである。大辞林には「御匣殿(みくしげどの)・尚侍(ないしのかみ),二位・三位の典侍(ないしのすけ),禁色をゆるされた大臣の娘・孫など。」とあるが、その上下関係はさっぱりわかりません。現代風に直せば、宮内省の女性長官だろうか。江戸城大奥の奥女中最高位も指すらしい。
ともかくそんなすごい名前が付いた植物が、ジョウロウホトトギスだ。四国から紀伊半島から東海地方に分布するが、トサジョウロウホトトギス、キイジョウロウホトトギス、スルガジョウロウホトトギス、サガミジョウロウホトトギスの四変異種に分かれるようである。
わが紀伊半島にはキイジョウロウ(紀伊上杜鵑)が、田辺以南に自生している。最近では数を減らして絶滅危惧2類(和歌山県)に指定されている。
バイオセンター中津では、キイジョウロウホトトギスの増殖に取り組んでいる。