那智勝浦町下里地区にはじめて足を踏み入れた。R42号線を走っていて下里入り口に「ハマボウの里」という写真付きの小さな看板に目が留まってハンドルを街中に切った。下里については海上保安庁の水路観測所があるという程度の認識だった。
少し走ったが、お目当てのハマボウの里はどこ?ふつう案内表示や立て看板ぐらいは立っているのだが・・ともかく、ハマボウがあるはずの海岸に行ってみると、河口の汽水域にハマボウの群生地があった。要するにこれがあるから「ハマボウの里」ただそれだけみたい。
今の季節、ハマボウは葉を落としているので株元の流木類が目立ってあまり良い景観とは言えない。この土地のハマボウに関する説明板も見つけることができなかった。
街中に入ればハマボウの里について何か知ることができるのではないかと、街の中心に車を進めた。休日もあるのであまり人はいない。駄菓子屋さんぽい店の前に小学生が何人かいたので聞いてみたが、彼らから「ハマボウって何ですか?」という返事が返ってきた・・・でも、とても礼儀正しい子どもたちで「知らなくてすみません」と言ってくれた。あと二人の中高年者に聞いてみたが、一人は移住してきたばかりだから詳しく知らない。もう一人は河口付近の自生地がそこだと指摘してくれた。結局、河口付近に比較的広いハマボウ自生地があるから「ハマボウの里」みたい。
街中を走っていてきれいな石垣が目立つ。どうも漁村とは違う雰囲気、どこからか文化の香りがしてくるような雰囲気である。太田川に架かる橋のたもとの郵便局に街の案内板が立っていた。
この案内板のすぐ近くに文豪佐藤春夫縁の懸泉堂があるらしいので、車を置いてすぐに行ってみた。最近新聞でこの建物についての記事を見たような気がする。行ってみてその老朽度にびっくりした。立ち入り禁止なのだが建物の玄関らしき上にはしめ縄がかけてある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/15/c61c3fa31749f5d8dee6cba9a4b23dcd.jpg)
懸泉堂についてはネットに多くの記事が出ている。
https://www.keio-up.co.jp/mita/r-shiseki/s1404_1.html#story
http://www.kinan-newspaper.co.jp/history/2015/8/1/01.html
ここの地名が八咫鏡野(やたがの)というのも曰わくありげで面白いね。
今回時間がなく、ハマボウ、ミサゴ、懸泉堂を見ただけで帰途についたが、次回はゆっくりと文化と自然が織りなすこの街を訪れてみたい。