花熟里(けじゅくり)の静かな日々

脳出血の後遺症で左半身麻痺。日々目する美しい自然、ちょっと気になること、健康管理などを書いてみます。

「野田さんにほしい総理としての自覚と品格」

2012年11月29日 17時27分16秒 | ちょっと気になること
衆議院を解散してからの野田総理の自民党を批判する舌鋒が日に日に激しくなってきています。 生き生きとしており、まるで『野党・民主党』の党首に戻ったようです。 衆議院が解散されたとはいえ、野田さんは我が国の総理大臣なのです。 街頭演説などでも現職の総理大臣としての自覚・品格をもった演説が聞かれないのは残念です。

11月27日の総理のブログ「街頭に立つ醍醐味」で次のように述べています。『内閣総理大臣に就任して以来、最も不自由を感じてきたことの一つは、街頭に立って自由に演説ができなくなったことです』

街頭に立たなくても、総理として国民に訴える機会は多くありましたが、野田さんは、解散前には総理として国民に政策や方針を明確に語ることはほとんどありませんでした。 あたかも、「ドジョウ」が川底でひっそりとしているのと同じように、国民の期待に背を向け、様々な案件を決断もせず、のらりくらりと解決を引き延ばしてきました。

野田さんは、「正直だけだが取り柄」といみじくも語っていましたが、本当なのでしょうか。 自民党の谷垣総裁[当時]を、「近いうちに解散する」といった言葉で翻弄して、民自公3党合意を取り付けたのは野田総理の完勝でした。なかなか、海千山千の政治家なのではなかろうかと感心していました。 逆に、谷垣氏が政治家としては未熟であり、「,バカが付くくらいの正直」な方だったと思ったものでした。 自民党では石破幹事長などが「近いうちに解散する」といったのに、解散しない。うそつきだ」と、TV等でしばしば口にしていましたが、情けなく思っていました。自民党は野田総理にしてやられたのですから。

さて、民主党が次期衆議院選挙のマニフェストを発表しました。
<TPP>
  環太平洋経済経済連携協定(TPP)は、日中韓自由貿易協定(FTA)などと同時並行的  に進め、交渉参加の是非は政府が判断する。

<原子力>
  2030年代に原発稼働ゼロを可能にするようにあらゆる政策資源を投入する。
  (40年運転制限の厳格化、原子力規制委員会の安全確認を得た原発の実再稼働、新増  設は行わない、使用済み核燃料サイクル事業の在り方の見直し)

<社会保障>
  公的年金制度の一元化
  年金受給資格を25年から10年に短縮
  消費税はすべて社会保障の財源にする
  後期高齢者医療制度の廃止

<身を切る改革>
  3親等以内の親族による世襲を禁止する
  次期通常国会で衆議院定数75減、参議院40削減する
  企業団体献金を禁止する

TPPについては、「参加の是非は政府が判断する」としています。民主党の言うマニフェストとは、民主党が実施する公約のハズですが、最終決断を時の政府に預けています。 次期衆議院選挙では自民党が比較第一党になる可能性が高いと報道されていますが、万々が一(ありえないと思いますが)、民主党を含んだ政府が出来た場合でも、民主党は党としては、TPP参加是非の意思表示はしないのでしょうか。 あまりにも無責任と思います。

原子力政策でも、国際的な視点が抜け落ちています。単に日本国内の『脱原発』運動の高まりにだけ目を向けておればよいものではありません。 日本のエネルギー構造のあり方の議論を深めつつ、日米原子力協定を前提にして、世界の原子力発電所の動向や米国をはじめとする国際的な核戦略を見すえること、企業の国際競争力の維持、原子力技術の維持、などを総合的に評価して原子力政策を決めるべきです。

身を切る改革では、最近の前原大臣の例も報道されましたが、相変わらず事務所費が不透明です。 政治資金の透明性確保に向けての改革、政治資金収支報告書の議員本人の関与責任の明確化、離党など議員数変更に伴う政党助成金の配分方法の適正化、などが「政治への国民の信頼を得るのに必要な身を切る改革」から抜け落ちています。 民主党にはやる気が無いのでしょう。

【2012年11月29日 花熟里】

コメント
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