花熟里(けじゅくり)の静かな日々

脳出血の後遺症で左半身麻痺。日々目する美しい自然、ちょっと気になること、健康管理などを書いてみます。

「マスコミのミャンマーのスー・チーさん報道に違和感を覚える」

2011年12月27日 16時22分15秒 | ちょっと気になること
12月27日付けの新聞各紙には、玄葉外務大臣のミャンマー訪問の記事が掲載されてい
ます。

・日経:第2面「スー・チー氏に来日要請  玄葉外相ミャンマー民主化支援」
・朝日:第2面「スー・チー氏来日を要請  外相が会談」(写真入り)
・読売:第1面「ミャンマーと投資協定  スー・チーさんに来日招請」(写真入り)
・産経:第1面「ミャンマー取り込み日米一致  玄葉氏、スー・チー訪日要請」
・毎日:第2面「スーチーさん訪日前向き、玄葉外相が正式要請」(写真入り)

日本の外務大臣として9年ぶりにミャンマーを訪問している玄葉氏は26日午前に
テイン・セイン大統領、ワナ・マウン・ルウィン外相と会談、夕刻にアウンサン
・スー・チーさんと会談しています。しかし、各紙とも玄葉外相とスー・チーさんとの
会談に紙面の大半を割き、両者の共同記者会見写真を掲載しています。 
「これに先立ち、外相は26日午前(日本時間午後)、首都ネピドーでテイン・セイン
大統領、ワナ・マウン・ルウィン外相と会談した。」(日経記事より)というように、
各紙とも、大統領・外相との会談は付けたしみたいな取扱いになっています。


玄葉外相の今回のミャンマー訪問の大きな目的は、「民主化を着実に進め、国際社会の
仲間入りを果たしつつあるテイン・セイン政権との対話」にあったハズです。従って、
新聞各紙はミャンマーの大統領や外務大臣との会談内容に紙面を割き、写真も大統領や
外務大臣との会談時のものにすべきでした。 新聞各紙の報道姿勢に大きな違和感を覚
えます。クリントン米国務長官がスーチーさんと仲良く会談した様子がテレビや新聞紙
上で大々的に報道されましたが、日本の新聞各紙には、これにあやかりたいとの思惑が
あったのでしょうが、まことにあさはかと言わざるをえません。 

玄葉外相は、スー・チーさんに訪日を要請していますが、なぜ、テイン・セイン大統領
の訪日を要請しなかったのか疑問に思います。 日本政府の政治センス欠如を表してい
ます。ミャンマー政権の政治的な意図はあるにせよ、野党の民主化運動のリーダーであ
るスー・チーさんに外国政府が親しく接触することを容認しているミャンマー政権の
寛容さを賞賛すべきです。 日本政府は、ミャンマーのテイン・セイン大統領にしっか
りと応えるべきです。


今回のミャンマーの大統領・外務大臣との会談では、極めて重要な次の内容を確認され
ています。

1、日本側がミャンマーの民主化取り組みを評価していることを伝達。
2、日本との投資協定交渉を開始。
3、ミャンマーは「政治犯の更なる釈放に努める。北朝鮮に関しては国連安保理事会決
  議を順守する」と表明。

ミャンマーは欧米諸国が経済制裁を課す中で、中国や北朝鮮と友好な関係を保ってきま
した。上記の第3項目は、ミャンマーの国際社会復帰への意識の変化とみて重要なこと
ですし、第2項目の日本からの投資促進は、ミャンマー経済の中国一辺倒からの脱却を
図る大きな武器です。

対ミャンマー政策では、米国との連携も大事ですが、アジアの一員としての日本の立場
を鮮明に打ち出す良い機会でもあります。 ”親日国家ミャンマー”の発展に日本が果
たす役割は大きいものがありそうです。 

日本が政府開発援助(ODA)を再開し、ミャンマーの国土建設・経済の発展に資するこ
とは、第2次世界大戦でビルマで戦った多くの日本人将兵、さらに、運よく帰還した多
くの日本人将兵が感謝の念を抱いているビルマの人々やビルマの大地に、恩返しするこ
とにもつながります。


(2011年12月27日  花熟里)





   
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