蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

新次そば三井  長野県諏訪郡富士見町

2014-03-25 22:36:40 | 蕎麦
富士見町は八ヶ岳の南西に位置する。年間の晴天率も高そうだが、朝方の冷え込みも厳しそうな土地柄である。


三井さんは、寒冷地を相手にするごく普通の農家に見える。
控えめな案内板のお陰で、迷子になることはなかったが。




蕎麦屋さんだから、出来ますものは蕎麦のみ。自家栽培の蕎麦だからそれで十分だと思う。
野沢菜をささっと出して下さったが、おそらくお店の奥の漬物小屋から出してきたのだろう。皿の上でも凍っている。しかし、それが堪らなく旨い。漬け込んだ野沢菜がそのまま生きている。




田舎仕立てに平打ちの十割。固すぎず、香りが分かりやすい蕎麦の形だと思う。
蕎麦は細打ちだけではない。産地に近づくにつれ、ドカンと香りが立つ太打ち、決して固すぎない平打ちなど、蕎麦を正面に捉えた一杯が食べられる。
大事なのはいかに細く打つかではなく、どれだけ蕎麦の香りをきちんと感じさせるか、だろう。




こちらのお店は背筋を伸ばしていただくに値する。なにしろ、お店の室内温度と屋外の温度はほとんど変わらない。蕎麦を予約した時点でストーブを設置していただけたようで、その大名席は近くの建具が暖まっていた。
蕎麦屋さんである前に、地域の豪農であろう。そのようなお店に入れたこと自体ラッキーに感じられてしまう。このお店の庭のしつらえも、もう一度訪ねたい興味を引く。
この日は、冬型が大きく緩んだ日であったのだが、池の水はガチガチに凍りついていた。